レンジファインダーカメラのメリットとデメリットとは?中古市場で需要のあるブランドとは?
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- 拝見させてからの判断になりますが、保存状態や機種によって価格がつく場合もあります。まずはお電話・メールよりお問合せ下さい。
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レンジファインダーカメラは一眼レフカメラより前に主流だったカメラで、距離計という特殊な機構を通して構図とピントを決めます。
現在は一眼レフカメラが主流で、レンジファインダーカメラは中古での流通がほとんどですが、カメラ愛好家からは支持が高いです。
本記事はレンジファインダーカメラの特徴、メリットとデメリット、中古市場で需要の高い傾向にあるブランドをご紹介します。
査定に出したい方や購入を検討している方は参考にしてみてください。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
レンジファインダーカメラとは?
レンジファインダーカメラとは光学視差式距離計を通して捉えた像をファインダーで確認し、構図を決めたりピントを合わせたりするカメラです。
レンジファインダーカメラはレンズとは別にファインダーの中央に2つの採光窓が設けられ、フィーリングフォーカスを回して距離とピントを合わせます。
一方、一眼レフカメラはレンズから入った光をファインダーで確認する仕組みです。
また、レンジファインダーカメラにはレンズ交換式とレンズ固定式の2種類があります。
レンズ交換式は撮影したい物に応じてレンズを交換し、レンズ固定式はレンズの取り外しができず決められた画角で撮影します。
レンズ固定式は構造上、部品点数も少なく安価で買えます。
レンジファインダーカメラのメリット
現在、レンジファインダーカメラを製造しているのはドイツのブランド・ライカだけです。
レンジファインダーカメラには一眼レフカメラにはないこれらのメリットがあります。
・シャッター音が小さい
・ブラックアウトが発生しない
・ピントが合った状態で視界を確認できる
・カメラボディが小型
・レンズ設計の自由度が高い
シャッター音が小さい
レンジファインダーカメラにはミラーがなく大きなシャッター音が出ません。
シャッターを切るとミラーが動く仕組みではないのでシャッターショックが少ないです。
被写体にカメラを意識させずに撮れる、シャッター音が響かず静かな場所でも撮影しやすいです。
また、レンジファインダーはマニュアルフォーカスとなり焦点の位置を目測で決められます。
被写体までの距離をおおよそで捉えて、撮影までにピントリングを回しておくとシャッターを切れる仕組みです。
一方、一眼レフカメラにはミラーが内蔵されています。
シャッターを切るときにミラーが跳ね上げられるためシャッター音が大きいです。
ブラックアウトが発生しない
レンジファインダーカメラはファインダーの光学系がレンズとは異なり、シャッターを切った瞬間に視界が真っ暗になるブラックアウトが発生しません。
レンジファインダーカメラはレンズを通る光とは別の像をファインダーで見ているので、シャッターを切った瞬間も見ることができます。
次々にシャッターを押して撮影する場面で活躍します。
一眼レフカメラではシャッターを切る瞬間にミラーが跳ね上げられて、ブラックアウトが発生します。
撮影時に視界を遮られて次のシャッターチャンスを逃してしまう可能性があります。
ミラーを使ってレンズからファインダーに光を届けるという一眼レフカメラの構造上、ブラックアウトは避けられません。
ファインダーから見える景色をそのまま撮れる
レンジファインダーカメラはピントが合っている状態で視界を確認でき、ファインダー越しから見える景色をそのまま撮影できます。
レンジファインダーカメラはファインダーがレンズから独立しており、撮りたい瞬間を見ながらシャッターを切れます。
ファインダー内には写真として切り取る枠(ブライトフレーム)があり、ファインダーからは枠の外側も見えています。
撮影時にブライトフレームをどれくらい写すのかを考えられ、切り取る部分を選択するかのように構図を決められます。
しかし、一眼レフはピントの合っていない部分はファインダー内でもぼけてしまいます。
カメラボディが小型
レンジファインダーカメラにはミラーやペンタプリズムが搭載されていません。
それによりボディの小型化を実現できて持ち運びやすく、撮影スポットを見つけたらカメラをすぐに取り出せます。
一方、一眼レフカメラはミラーやペンタプリズムがあることにより、レンズから入った光がファインダーへ届いています。
一眼レフカメラのボディの小型化には限界があります。
レンズ設計の自由度が高い
レンジファインダーカメラはミラーがなく、レンズとフィルムの空間を限界まで使えます。
レンズの鏡筒をフィルム付近まで後ろに伸ばすことで全体をコンパクトにするなど、自由なレンズ設計が可能です。
対して一眼レフカメラは、レンズとフィルムの間にミラーがあり、ボディをコンパクトにするには限界があります。
レンジファインダーカメラのデメリット
レンジファインダーカメラにはこれらのデメリットもあります。
・ファインダーから見える像と実際に写る像にズレがある
・オートフォーカスができない
・望遠レンズとの相性が悪い
・マクロ撮影がしづらい
ファインダーから見える像と実際に写る像にズレがある
レンジファインダーカメラはファインダーから見える像と実際に撮影する像が異なるパララックス(視差)が起きます。
自動補正機能がついているカメラは視差を縮められますが、製造年代が古いレンジファインダーカメラは視差を踏まえて撮影する必要があります。
オートフォーカスができない
レンジファインダーカメラはマニュアルフォーカスで手動でピントを合わせなくてはなりません。
素早くピントを合わせるのが難しく、動木の激しい被写体を撮影する場合は難しいかもしれません。
ですが、あらかじめカメラのピントを合わせておくとオートフォーカスよりも速くできるでしょう。
撮影方法の工夫や操作自体を楽しめるのもレンジファインダーカメラの魅力です。
望遠レンズとの相性が悪い
レンジファインダーカメラは望遠レンズとは相性が悪いです。
ファインダーとレンズの光学系が異なり、望遠レンズを付けてもファインダー内の像は拡大されません。
ファインダーから見える範囲が実際に撮影できる範囲よりも狭く、フレーミングに注意が必要です。
望遠レンズをレンジファインダーカメラにつけても撮影はできますが、ピント合わせの精度には限界があります。
スポーツや野生動物を遠距離から撮影するのには不向きでしょう。
一眼レフカメラは望遠レンズを付けてもファインダーで見た通りの構図で撮影できます。
撮影レンズとファインダーが同じように見える構造をしているため、ファインダーで見たままの撮影ができます。
近距離の撮影がしづらい
レンジファインダーカメラはレンズごとに撮影できる距離が決められているので、近距離の撮影がしづらいです。
レンジファインダーカメラは2つの窓に入る光で距離を計測しますが、撮影時にはある程度の距離が必要です。
被写体に近づくほどファインダーで見た構図と実際に写る構図の誤差が大きくなります。
レンジファインダーカメラは被写体が近すぎても遠すぎても撮影が難しいですが、広角レンズを使ったスナップ写真は得意です。
中古市場で需要の高い傾向にあるレンジファインダーカメラ
ほとんどのレンジファインダーカメラは戦前~戦後に発売されており、傷や汚れが目立つモデルが多いです。
問題なく使えて外観がきれいであれば高値で取引されやすいです。
ここではレンジファインダーカメラのうち、中古市場での需要が高い傾向にある機種を紹介します。
ライカMシリーズ
ライカMシリーズはドイツのライカ社が作った高級レンジファインダーカメラです。
同シリーズは1945年に製造を開始し、M2、M3、M4、M6などのモデルがあります。
そのなかでも人気モデルは「M3」「M6」「M11」で、中古市場で希少価値が見込まれるでしょう。
1954年に発売された「M3」は、1966年までに世界で22万台が製造されていました。
M3は設定時の操作を1つにまとめて見やすいファインダーを搭載したところが画期的だと人気を博しました。
露出計を内蔵した「M6」はシリーズの中でも大きめのモデルです。
ライカの中では手に届きやすい価格とされています。
「M11」はライカ高額モデルで、2022年に販売価格が123万2,000円に改定されました。
中古市場ではコレクション価値が評価されて高騰傾向にあります。
ミノルタCLE
ミノルタは日本の光学機器メーカーで、2006年にカメラ事業を撤退しています。
フィルムカメラの分野では中上級者からの支持が厚く、中古市場での価値が上がりやすいブランドです。
同社で人気のカメラは、ミノルタCLE・ライツミノルタCL・αシリーズです。
「ミノルタCLE」は1981年に発売されました。
絞り優先AEの内蔵により露出をカメラに任せられます。
「ライツミノルタCL」はライツ社との共同開発されました。
ライカのMマウントが採用されたレンズ交換式カメラで、軽量で小型ボディが特徴です。
「ミノルタCLE」はライツミノルタCLの後継機にあたります。
「ライツミノルタCL」に絞り優先AEが搭載され、撮影者は構図の決定やシャッターチャンスを追うことに専念できます。
フォクトレンダー BESSA Rシリーズ
Voigtlander(フォクトレンダー)は1756年にヨハン・クリストフ・フォクトレンダーが、創業した光学器械メーカーです。
レンジファインダーカメラの「BESSA R(ベッサ)」シリーズは、2000年に日本のカメラメーカー・コシナ社が2000年に発売した人気モデルです。
同シリーズにはライカMマウントが採用されています。
Prominent(プロミネント)は1950年に発売された35mm判のレンジファインダーカメラで、1933年頃に発売された「Prominent 6x9」と「Prominent I Ultron(ウルトロン) 50mm f2」などのモデルがあります。
プロミネント(=傑出した)という名前の通り、当時の最先端である連動距離計や光学式露出計を搭載している高級モデルです。
マミヤ 7 II
マミヤは1940年に創設された光学機器メーカーで、プロ向けの中判(ちゅうばん)カメラとレンズを製造しています。
マミヤが最初に製造したのはレンジファインダーカメラです。
1999年に発売された「Mamiya 7 II」は6×7判の中判レンジファインダーカメラです。
中判レンジファインダーカメラでレンズ交換ができる唯一の機種として知られ、現在でもプロの写真家から根強い人気があります。
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