
みなさんのご自宅には旧千円札は眠っていませんか?
切り替わるときにとっておいたり、初版のときのものを使わずに持っていたりしている方もいるかもしれません。
今回は、旧千円札について、価値はどのくらいになっているのか、古銭買取できるのかといったことについて解説します。
記事のポイント『1分まとめ』
当記事を1分で分かるようにまとめてました!
お時間のない方はここだけを読むか
気になる項目があれば詳細を押して、詳しく読みたい項目へ進みましょう。
旧千円札と称される種類は『5つ』
上記5つのパターンが旧千円札と呼ばれる紙幣です。
額面を上回る可能性が高い旧千円札の特徴は『7つ』
上記7つの条件のいずれかを満たす場合は、額面以上の査定額も期待できます。
とはいえ、自己判断だと特徴に気づかないケースも多く、特にエラープリントなどは古銭査定のプロでないと細かい部分の判断はできません。
自己判断ではなく古銭査定のプロに価値を調べてもらいましょう。
各種手数料0円のバイセルにお気軽に相談ください!
旧千円札の種類について
千円札はご存知の通り日本銀行券の一種です。
過去に発行された千円札は、甲号券、B号券、C号券、D号券、E号券の全5種類となっています。
千円紙幣のみ、五千円や一万円紙幣よりも1割ほど厚い紙を使用しているのが特徴です。
以下では、それぞれの種類の千円札について詳しくご紹介します。
甲号券
甲号券は、1945年(昭和20年)8月17日に発行された千円札です。
表面には日本武尊と建部神社が描かれ、「千圓」と中央に文字が入った千円札で、裏面には彩紋が描かれています。
新円切替により、1946年(昭和21年)3月2日には通用停止され、短期間で失効されました。
製造数が810万枚と少なかっただけでなく、高額券であるがゆえにそのほとんどが回収し尽くされているため現存数は少なくなっています。
B号券
1950年(昭和25年)1月7日に発行が開始された千円札で、1965年(昭和40年)1月4日に支払停止となりました。
表面には聖徳太子、裏面には左側に法隆寺夢殿、右側には「NIPPON GINKO」と大きく文字が描かれ、透かしには、日銀と桜花が入っています。
また、現在と同じ記番号形式の「アルファベット1桁~2桁+数字6桁+アルファベット1桁」となった初めての日本紙幣です。
C号券とは
表面に伊藤博文、裏面に日本銀行が大きく描かれた千円札で透かしには横顔の伊藤博文が意匠されています。
1963年(昭和38年)11月1日に発行が開始、1986年(昭和61年)1月4日支払停止になるまでに129億6,000万枚発行したため、記番号が一巡しています。
発行開始から記番号が褐色に変更され、マイクロ文字という微小な文字を線や図柄の一部に入れ込む技術を採用し特殊発光インキを使用することで偽造防止されています。
D号券とは
1984年(昭和59年)11月1日に発行が開始され、2007年(平成19年)4月2日に支払停止になるまでに、129億6千万枚も発行された紙幣です。
膨大な発行枚数によって記番号が一巡していたため、2000年(平成12年)4月3日発行分から暗緑色に記番号が変更されました。
D号券から、肖像に文化人が採用されており、千円券には夏目漱石が選ばれています。
また他にも、視覚障害者が触って券種を判断できるように識別マークが施されているのも特徴の紙幣です。
E号券とは
表面に野口英世、裏面には逆さ富士(本栖湖からの富士山の眺め)と桜が描かれている千円札で、逆さ富士は「湖畔の春」という岡田紅陽の写真をもとに描かれました。
2004年(平成16年)11月1日発行開始され、D二千円券に採用された深凹版印刷、潜像模様、パールインク、ユーリオンという偽造防止技術が使われています。
また、新しく採用された偽造防止技術として、表面右側に「すき入れバーパターン」と呼ばれる、用紙を薄くしてすきを入れる方法が用いられています。
表面と裏面に「二」「ホ」「ン」の文字がシークレットマークとして入れられています。記番号の組み合わせが少なくなってきたことをきっかけに、2011年(平成23年)7月19日より記番号の色を黒色から褐色へと変更しました。
古銭買取における旧千円札の買取はどれくらいの価値がある?

B号券の聖徳太子、C号券の伊藤博文、D号券の夏目漱石を絵柄とした旧千円札は、現在も使用できる有効券となっています。
枚数も多いため一部例外を除き基本的には額面を下回る買取価格になってしまうのが現状です。
以下では額面以上の買取を狙うことが可能になる「例外パターン」を紹介します。
未使用かつ綺麗な状態であること
一度も使用されていない状態であればコレクター価値も上がるため額面以上での買取も可能になるかもしれません。
発行番号が若い番号であること
前期に発行された千円札が価値があると言われ、前期と後期かの見分け方としては番号や紙の色により判別可能です。
アルファベット1桁であること
発行番号と同様に前期に発行された千円札が価値があると言われ、前期と後期かの見分け方としては番号や紙の色により判別可能です。
記番号に使用されたインクが黒色であること
記番号に使用されたインクは前期と後期で異なり、黒のインクが使用されているのは前期になります。
珍番号であること
「A123456B」のようにアルファベットが1桁のものや数字が並んでいるもの、「CD888888E」のようにぞろ目になっているものなどが挙げられます。
サンドイッチ番号であること
「B○○○○○○B」のように、最初のアルファベット1桁と最後のアルファベットが同じであったり、「811118」のように、6桁の数字の両端が同じ数字で、挟まれた4桁の数字が同じだったりをコレクターの間ではサンドイッチと呼びます。
エラープリント
印刷がずれている、裏面にも表の絵柄が印刷されている、上下が逆さまにプリントされているなど、印刷ミスがある状態を指します。エラープリントの度合いが、大きければ大きいほど高値がつくのが特徴です。
まとめ
B号券の聖徳太子、C号券の伊藤博文、D号券の夏目漱石を絵柄とした旧千円札は、そのまま使用でき、大量に発行されていますので、千円以上の価値を見込むのは難しい旧千円です。
しかし、そのなかでも、通し番号が珍しい「珍番号」の旧千円札やエラープリントになっている旧千円札は、価値を上げることが可能です。
美品で未使用ならばさらに価値が上がるかもしれません。
使わずにとってある旧千円札があるならば、番号や絵柄など隅々まで確認してみるのもよいかもしれません。
思わぬ拾い物があるのではないでしょうか。
古銭買取エリア
こんなコラムも読まれています