時計に使われるミネラルガラスの特徴を解説!サファイアガラスやプラスチック風防との違いとは
ミネラルガラスは、腕時計の文字盤やムーブメントを汚れや水圧、衝撃、光の反射などから保護するために覆っているガラスの一種です。
この保護するためのガラスの部分は「風防」と呼ばれ、ミネラルガラスのほか、サファイアガラス、プラスチック風防などさまざまな種類があります。
当記事では、腕時計の風防素材の一つであるミネラルガラスと、それを使ったミネラルガラス風防について、その特徴やほかの素材との違いについて解説します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
ミネラルガラス風防とは
ミネラルガラスの正式名称は硼珪酸ガラスで、無機ガラスとも呼ばれています。
それまで一般的だったプラスチック風防に代わってミネラルガラス風防が使われるようになったのは、1970年代以降です。
1970~1980年代にはミドルクラスの腕時計に使われていましたが、近年ではおもに5万円以下の腕時計に使用されている傾向にあります。
最近では、ミネラルガラスにさらに特殊処理をして強度を高めたクリスタルガラスや、ハードレックスという素材も開発されています。
ミネラルガラス風防のメリット・デメリット
ミネラルガラス風防にはどのような特徴があるのでしょうか。
特徴とメリット・デメリットについて紹介します。
ミネラルガラス風防のメリット
ミネラルガラスは軽量で、加工しやすい素材です。
時計の機械部分が入っているケースが独特な形状であっても、それに合わせて加工できます。
サファイアガラスと比べると製造コストも安価なので、カジュアルウォッチで多く採用されています。
ミネラルガラス風防のデメリット
鉱物の硬さを示すとき、その尺度を1~10の整数で表す「モース硬度」という指標を使います。
一番硬いダイヤモンドのモース硬度が「10」なのに対して、ミネラルガラスの硬度は「3」~「6」程度です。
これは、後述のプラスチック風防より硬くて丈夫ですが、サファイアガラスとの比較では傷が付きやすく、強い衝撃を受けると欠けてしまうこともあります。
小さな傷でも磨いて補修することはかなり困難です。
ミネラルガラス以外の風防と素材の特色
ミネラルガラス以外の風防素材もそれぞれの特色があり、その特色に応じて搭載される腕時計のタイプにも違いがあります。
プラスチック風防
プラスチック風防は、アクリルガラス、プレキシガラス、有機ガラスとも呼ばれています。
その名のとおり、プラスチックでできた素材です。
軽くて柔軟性があるため加工しやすい素材です。強度を上げるためにドーム型に成型されるのも特徴でしょう。
プラスチック風防のモース硬度は「2」。
例えていうと爪でひっかいて傷が付くくらいの硬さです。
やわらかく傷が付きやすいというのは欠点ですが、ほかの素材は傷が付いたらおおむね部品の取り換えになってしまうのに対して、プラスチック風防は多少の傷なら磨いて補修できるメリットがあります。
補修なら費用も取り換えより安価です。
1970年代にミネラルガラスやサファイアガラスが開発されるまではプラスチック風防が主流で、1940年代~60年代頃の腕時計に多く使われていました。
現代でもアンティーク風のデザインの時計などにプラスチック風防が採用されることがあります。
経年劣化による色の変化やドーム型の形状など、そのレトロな趣きを好むコレクターもたくさんいます。
サファイアガラス風防
サファイアガラスは、サファイアクリスタル、サファイアクリスタルガラスとも呼ばれています。
その原料はガラスではなく人工サファイアです。
モース硬度は「9」で、天然サファイアと同等の硬度を誇ります。
これはダイヤモンドに次ぐ硬さで、傷が付きにくいのがメリットです。そのため高級時計に多く採用されています。
半面その硬さゆえに加工が難しく、粘りがない素材のため、大きな衝撃を受けると割れることもあります。
傷が付いても研磨できないため、部品を交換することになり、修理代も高額です。
硬くて加工が困難なことから、表面は平らになっているものが多いですが、高い技術力を使ってドーム状に加工したサファイアガラスを採用している高級時計もあります。
レトロな雰囲気と傷が付きにくい硬さを両立させた商品といえるでしょう。
また、光の反射を抑えて文字盤を見やすくするために無反射コーティングを施したサファイアガラスもあります。
視認性が向上するため、ダイバーズウォッチやパイロットウォッチなどに用いられています。
ミネラルガラス風防の腕時計における売却ポイント
ミネラルガラスは、加工がしやすいため製造コストが比較的安価で、価格の割に性能も良いので、手頃なカジュアルウォッチなどに多く搭載されています。
そのため、高級ブランド時計と比べると売却が難しい傾向があります。
ただ、購入する時計の種類や日々の取り扱い方、売却の準備で、以下の点を重視すると売却しやすくなる可能性もあります。
風防などに傷が付かないように丁寧に扱う
ミネラルガラスのモース硬度は「3」~「6」程度で、ナイフの刃で傷を付けられるかどうかというくらいの硬さです。
買取業者は、日常生活で付く程度の小さな傷は外装研磨をすることを前提として買い取りしますので、小さな傷はあまり気にしなくても問題ありません。
しかし、衝撃を受けてガラスが損傷したり欠けてしまったりすると買取価格に大きな影響が出ます。
風防などに傷が付かないよう、時計は丁寧に扱いましょう。
仕事中に腕時計を外すときは、デスクなどに直接置かず、ハンカチの上に置くようにするとよいでしょう。
自宅で保管するときは、時計同士が接触して傷がつくことを避けるために個別の保管ケースに収納することをおすすめします。
不要なら早く売る
「腕時計をプレゼントされたけれど自分の好みではなかった」
「気に入って買った腕時計だけれどあまり似合わなかった」
このような理由で使わなくなった腕時計が家に置いてありませんか。
日本の夏は高温多湿なので、かなり気を付けていても、自宅での保管には限界があります。
もしこの先使う気がなく不要になったのなら、状態が良いうちに早く売却したほうがよいでしょう。
腕時計の買取実績が多いバイセルに相談する
「時計を売りたいけれど、ミネラルガラス風防のカジュアルウォッチだから高級時計のように買い取ってもらえないだろう」
「人気ブランドの時計だけれど、細かい傷がたくさん付いているから値段は付かないだろう」
このように、時計を売ることをためらっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
バイセルには腕時計についての知識と査定経験の豊富な鑑定士がいます。
カジュアルウォッチでも人気ブランドならその価値を正当に評価できますし、傷があっても研磨できる程度なのか的確に判断できます。
少しでも気になったら、腕時計の買取実績が多いバイセルに気軽にご相談ください。
おわりに
ミネラルガラスは、軽くて加工しやすく、価格の割に性能も良いので、手頃なカジュアルウォッチやファッションウォッチに幅広く使われています。
ミネラルガラス風防の腕時計は、高級ブランド時計と比べると売却が難しい傾向ですが、人気ブランドの商品で状態が良ければ売却できる可能性があります。
売却をご検討の際は、腕時計の買取実績が豊富なバイセルにお問い合わせください。
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