外国人に着物が人気!着物に惹かれる理由とは?
昨今、外国人の間で着物に注目が集まっています。"KIMONO"という単語が英語で辞書登録されているほどです。
日本では着物を着て街を歩くという文化は下火になった頃もありましたが、海外や若年層をはじめに再びブームの兆しが見られるようになってきました。
外国人は「日本人=着物を着ている」「忍びの国」「侍」というイメージが今も根強く浸透しており、その影響からか着物をとても気に入り、さらには着物を購入したいと考えている方もいるようです。
どのような着物が海外で人気なのかを追っていきましょう。
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着物が外国人に人気の理由とは?
日本に訪れる外国人は寺院やグルメを楽しむだけではなく、着物を通じて日本文化を知りたい人も増えているようです。
外国人に着物が人気の理由は、主に以下の4つが挙げられます。
・19世紀後半に起きたジャポニスムの影響
・絹の高級感
・四季の移り変わりを生地に表現している
・日本の伝統的な技法を知れる
ここでは、人気の理由を具体的にご紹介します。
19世紀後半に起きたジャポニスムの影響
ジャポニズムとは西洋で起きた日本ブームです。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて日本の美術品が、西洋の美術や工芸などに大きく影響を与えました。
開国をきっかけに輸送や通信技術の発達と共に日本と西洋の交流が盛んになると、日本から陶磁器、調度品、浮世絵などが伝来しました。
ジャポニズムの時代に活動していた多くの美術家が、着物や浮世絵などの日本をモチーフに西洋の技法を取り入れた作品を続々と発表しました。
着物を扱ったジャポニズムの代表的な作品には、クロード・モネの「ラ・ジャポネース(日本の女性)」やホイッスラーの「陶磁の国の姫君」などがあります。
ジャポニズムの影響は一般人にも広まり、日常着として着物を楽しんだりと日本の生活様式が浸透していきました。
日本に来た外国人からすると着物はジャポニズムの印象が強いようです。
絹にある高級感
着物には絹、木綿、麻、ウール、化学繊維などの素材が使われています。
絹は繭から引き出した糸でできており、繭が育つのに時間がかかるため非常に高価とされています。
繭糸は天然繊維のうち最も長い繊維を持っているため複雑な織り方が可能です。
正絹で作られた着物は柔らかく吸湿性と放湿性に優れ、光沢も美しいです。
日本を訪れたら一度は袖を通してみたい外国人は多いようで、レンタル着物を提供している呉服店では連日外国人観光客でにぎわっています。
四季の移り変わりを生地に表現している
日本を訪れる外国人にとって着物にある色彩の素晴らしさも魅力の一つです。
四季の移り変わりを模様に表現した作品が多数あります。
着物は一枚の大きな生地に和色を重ね合わせて作られ、完成された着物はまるで一つの物語のようです。
日本の「和色」には四季や草花をイメージさせる名前が使われています。
ミカンの木から来ている橙色(だいだい)、ヤマブキの花から来ている山吹色(やまぶき)、春先に見られる若葉に似た色の萌黄色(もえぎいろ)、夏から秋にかけて咲く露草(つゆくさ)から来ている露草色などがあります。
日本人の感性と美意識により育まれた色彩ある模様は、日本人だけでなく外国人にとっても非常に魅力的と感じるようです。
日本の伝統的な技法を知れる
外国人が着物に惹かれるのは伝統的な技法を知れることも理由の一つです。
観光地では日本を訪れる外国人向けに着物作りを体験できる場を提供しており、伝統的な技法を学びながらオリジナルの生地を作ることができます。
着物には読谷山花織、大島紬、加賀友禅、京友禅、西陣織などの名産品が多数あります。
ここでは着物の伝統的な技法と、日本の有名な着物の種類と技法をご紹介します。
着物の伝統的な技法は「染め」と「織り」
着物や帯の技法は大きく分けて「染め」と「織り」があります。
着物の仕上がりは染めや織りの技法のほかにも、製作する地域の文化や染色の原料などによっても大きく異なります。
伝統的な染めと織りの技法は複数あり、例えば以下が挙げられます。
・唐織(からおり)
・貝紫染め(かいむらさきぞめ)
・朧染め(おぼろぞめ)
・友禅染め(ゆうぜんぞめ)
唐織とは西陣発祥の織りの技法で、太い糸を斜めに織り込んだ立体的な生地が特徴です。
貝紫染めとはアッキガイ科の巻貝から取った染料を用いています。
朧染めは友禅染めに金箔や銀箔をまぶしたものです。
染め上げた生地に華美な装飾をする場合は金や銀を用いることが多く、緯糸に金や銀糸を織り込んだ「金通し」、金箔を糸に巻き付けた「金糸(きんし)」などの技法があります。
友禅染めは最も有名な染色方法です。
生地に色同士が混ざらないように糊で防染して白い縁取りを作り、その中に染色します。
読谷山花織
読谷山花織は沖縄県読谷村が産地です。
一度は断たれた伝統的な技法を与那嶺貞が復元し、今も製作されています。
濃紺などに先染めされた木綿や絹の糸で、花のような幾何学模様を織り込んで植物を原料に染め上げる技法を用います。
大島紬
大島紬は鹿児島県奄美大島が産地です。
大島紬は糸に直接色を染めた後に織り上げる「先染め手織り」で作られています。
特に奄美大島で作られた本場大島紬は品質の評価が高いです。
加賀友禅
加賀友禅は石川県金沢市発祥の織物です。
「加賀五彩」といわれる藍、黄土、草、古代紫、臙脂(えんじ)を用いて写実的な草花を描きます。
加賀友禅の技法は、外側を濃く中心を淡く染めてグラデーションを作る「外ぼかし」、木の葉が虫に食われた様子を墨色の点で描くこと「虫喰い」があります。
京友禅
京都発祥の京友禅は、刺繍や金箔を用いた華やかな模様が特徴です。
染色は加賀友禅とは逆に内側を濃くして、外に向かって淡くぼかす「内ぼかし」を用います。
京友禅の技法には、大きく分けて「型友禅」と「手描き友禅」があります。
型友禅は型紙と色糊を用いて染める技法で、防水性の高い柿渋紙を模様の色数だけ使います。
手描き友禅は筆や刷毛を使い、手で色を挿して染め上げる技法です。
模様をデザインして下絵を描いたら、その下絵通りに糸目糊で白い生地に模様を描いて、色を挿します。
色挿し約20色もの染料を調合して、色彩を作り出します。
西陣織
西陣織は京都の西陣地区を中心に生産されている織物です。
伝統的工芸品産業の振興に関する法律により指定された西陣織は12種類で、縦錦(たてにしき)、絣織(かすりおり)、綴れ(つづれ)などの柄があります。
どれもペルシャ絨毯のような緻密なデザインが特徴です。
西陣織は縦糸を横に織る手法で、完成までに20以上の工程があり分業で行われています。
着物はこれからも海外の人々を魅了していく
色彩や技法によって着物のデザインが異なり、日本人のみならず外国人にも新鮮に映ることでしょう。
着物が好きな外国人として有名なのは、イギリス生まれのシーラ・クリフさんです。
日本の着物文化に惹かれて着物を日常着とし、大学教授になって日本文化を教えています。
SNSには多数のコーディネートを投稿し、枠にとらわれない着こなしでインフルエンサーとしても知られています。
外国人が日本の伝統的衣装に関心を持ち、現在のファッションを組み合わせることで文化を継承できるのは誇らしいですよね。
これからも着物は海外の人を魅了していくことでしょう。
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