【金価格】今後どうなる?2021年も引き続き上昇傾向なの?

金価格は景気が低迷すると上昇するといわれています。
戦争や恐慌のような状況で経済が不安定になった際、インフレーションによって紙幣価値に対する不安が募って資産を金に換えて保有する投資家が多いためです。
現在、その傾向に反してコロナ禍が収束していないにも関わらず、金価格は2020年8月に史上最高値をつけたあと、軟調な展開が続いています。
今後、金価格はどのように変化していくのでしょうか?
目次
【金価格】2020年は年間を通じて上昇傾向
2020年、金価格は上昇が続き、8月には日本円で1g7,769円という過去最高値をつけました。
20年前の約7倍という価格となります。
金価格上昇の要因として、コロナショックで経済の先行き不透明感が高まり、株値が急落。
特に米ドルが下落したことから、金は代替資産として注目を集めたのです。
また、各国や地域の政府、中央銀行が景気回復のために財政出動や金利の引き下げといった金融緩和策を実施しました。
紙幣が多く出回って余剰感が出たこともあり、金価格は上昇の勢いが強まったのです。
一時期ワクチン開発のニュースで市場に楽観的な見方が広がり、価格が下落した場面もありました。
しかし、アメリカ連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、インフレーション率が目標水準である2%を上回っても、今の超緩和状態の金融政策を続けて完全雇用を目指す姿勢を示しています。
これによって、しばらく金には追い風が続くと見られています。
金価格が変動する理由

金価格が変動する理由は大きく分けて以下の3つがあります。
金を購入したり、売却したりする際などはこれらのことを念頭に置いておくとよいでしょう。
ドル変動
金は国際的に米ドル建てで取引されています。
ドルの変動によって金の値動きも変わるだけでなく、世界の中心通貨であるドルの変動は大きな意味を持っています。
ドルの価値が下がるということはアメリカの経済や信用、景気が低迷しているということです。
何かの問題でドルが下がる場合、金は「ドルの代わり」として購入される傾向にあるのです。
ドルの値段が上がれば金は下がり、ドルの値段が下がれば金の値段は上がるといえます。
米金利の変動
金の大きな特徴として、株や紙幣といった金融商品と違って金利がつきません。
保有していても利子や配当金といったものが派生しないのです。
経済が安定し、景気がよいときには紙幣や株式といった金利が付くものに資金が流れますが、金利の付かない金は価格が下落する傾向にあります。
反対に景気が悪化すると、換金率が一定で、安全性の高い金に資金が流れやすくなっていきます。
世界情勢
世界情勢が不安定になると金価格も変動します。
軍事問題や自然災害など、国内事情が不安な場合、国の貨幣価値は急落してしまうのです。
紙幣は紙くずになってしまう可能性がゼロではありませんが、金なら実物資産としてどの国でも換金することができます。
そのため、世界情勢が不安定な場合は金価格が上昇することが多いのです。
【金価格】2021年、今後の動きはどうなる?

軟調な場面はあったものの、金は2016年から長期上昇相場が続いていました。
予期せぬコロナ禍で経済的な打撃を受けた経済。
それに伴って、今後の金価格の動向はどうなっていくのでしょうか?
価格上昇への期待
金は次の理由で価格の上昇が期待されています。
今後、新型コロナウイルスによる経済ダメージは、ワクチン普及によって大きく景気回復していくと考える人も多いでしょう。
それなら資金は貨幣に流れ、金価値は下がるのではないか?と思いがちですが、アメリカの中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)が、現在行なっている金融緩和策を強化すれば、ドルは今よりも安くなる可能性が出てきます。
FRBが通貨供給量を増やせば市場にドルが多く出回り、ドルの価値が下がるということです。
そこから「ドルの代わり」になる金の価格が上昇すると見られているのです。
下落する可能性は?
下落する場面は次のような可能性が考えられます。
加熱気味に購入された金は値段が高騰した際、価格が落ち着くのを待ってから大量購入しようとする投資家が増えてきます。
そういった投資家による金の買い付けが予想以上に多い場合や、「この金額まで買うのを待とう」という思惑が重なった場合、一時的に金の価格が急落する可能性が考えられます。
次にドル高によって起きる下落です。
ドル高が進むと、ドルの代替投資先とされる金が売られてしまうので、金にはどうしてもアメリカ経済が大きく関わっていくことになります。
しかし現在、FRB(米連邦準備制度理事会)が行なっている金融緩和策を強化や、アメリカ大統領に就任したバイデン氏の1.9兆ドルの財政出動があり、これは市場に紙幣が多く出回るということを意味しています。
その点で現在、むしろ円安が懸念されており、金は長期視点で上昇が続くと見られているのです。
これからの需要は?
現状では、金は「実需」「投資」が主な需要です。
実需は宝飾品や差し歯などの産業向けとなり、そのうち宝飾品がほとんどを占めています。
投資は地金や公的コイン、投資信託に向けたものです。
今後、金はこれからどういった需要が拡大していくのでしょうか?
海外の需要
インド、中国では特に金の需要が高く、世界の35%がこの2国で占められています。
インドでは魔除けなどの宗教的背景や、結婚持参金として金を持たせること、ステータスや資産としての宝飾品に使われる需要が占められています。
中国では1994年にハイパーインフレーションが起こったことがあり、通貨に対する不信感が強い分、金に対する信頼が厚い国となっています。
金の集積地であるドバイを含めた、現物3大市場といわれているこれらの国の需要ですが、金が必要とされる背景は簡単には変わらないと思われます。
国内の需要
国内では「金ETF(金上場投資信託)」が登場したことによって金の市場は大きく変化しました。
金ETFとは金の価格に連動した投資信託商品のことで、少額から始められる金投資とあって個人投資家に人気を呼び、金の価格上昇に一役買っています。
直接金を保有するわけではないので、保管料や年会費などはかかりません。
金ETFのなかには、金の現物に交換可能なものがあります。
また一定金額で金を購入し、積み立てていく「純金積み立て」なども人気を集めているため、国内の金に対する関心も高まっています。
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まとめ
不況にも強く、多くの国の中央銀行も資産として保有しているのが金です。
金は世界中で換金できる実物資産であり、宝飾品や地金、産業に使用され、用途も多いのですが、新しく作り出すことができない限られた資源です。
近い将来に採掘が難しくなり、現在流通している限られた金を再利用するしかなくなるといわれています。
金はこれからも需要が見込まれ、無価値になることがない資産です。
金の相場が高騰したときが絶好の売却タイミング。
そのお金をちょっとした楽しいことに使うのもいいかもしれませんね。