金の750とは?刻印や偽物の見分け方、買取価格の計算方法について
- 750と刻印されたジュエリーを持っています。いくらになりますか?
- 金750は価値ある素材ですが、査定当日の金相場やジュエリーの重さ、ジュエリーに使われている宝石などの有無によっても買取価格は変わります。金買取の専門知識を持ったバイセルの査定士が一度拝見しますので、お電話・メールよりお問合せ下さい。
- 祖母からジュエリーを譲り受けましたが裏側を見たら750と刻印されていました。価値はありますか?
金は、いつの時代も人々の憧れの的となっている高級素材です。
金のジュエリーやアクセサリーは買取市場でも人気が高く、高い価格で買取されるケースも多くあります。
では、そのような金製品に刻印されている「750」や「K18」といった表示はどういう意味なのでしょうか。
金製品の刻印とその意味に加えて、金製品の買取価格の決まり方や偽物の見分け方についても解説します。
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金の750とはどういう意味なのか?
ジュエリー、インゴット、その他多くの金製品には、金の純度や色味などの情報を表す刻印があります。
有名なのはK24・K18といった、金の純度を24分率で表す刻印ではないでしょうか。
日本の造幣局は、K24を純金(金100%)と定めて、24分率で金の含有量を区別しています。
K18なら金の含有割合75%の18金、K22なら金の含有割合91.7%の22金ということになります。
そして、金の純度を表す刻印には、24分率のほかに1000分率で示されているものもあります。
「750」の刻印は金の含有量が「750/1000」、つまりK18(18金)と同じ意味になります。
金製品に刻印がある理由
金製品に記される刻印は、その製品の情報を正しく伝えるため、および偽物を防ぐためにあります。
金製品の刻印は、金の品質をしっかり保証してくれるとともに、偽物による被害を防いでくれる重要なものです。
金は古くから貴金属の代表格であり、世界中で注目される価値ある素材です。
高価で需要が高いことから、残念ながら偽物も数多く流通しています。
そこで刻印によって金製品の詳しい情報を記し、品質を一目で分かるようにしているのです。
刻印があることによって、消費者は安心して金製品を買うことができます。
ただし、日本には刻印を表示する法的義務はありません。
より安心・安全な金製品の流通のために、企業側が行なっている取り組みの一環といえるでしょう。
そのため、なかには刻印がついていない金製品もありますが、「刻印がない=偽物」とは言い切れません。
金の刻印の種類
金製品につけられる刻印にはさまざまな種類があります。
金の純度や色味など、「金のどういった要素を表す記号か」による刻印の種類についてご紹介します。
- 金の純度についての刻印
- 金の色味についての刻印
- 金メッキの刻印
- 金のホールマーク
- 金以外の刻印
金の純度についての刻印
金の刻印で表す重要な情報に、金の純度があります。
金製品には用途や製造コストなどによって様々な純度のものがあるため、純度についての刻印は非常に重要です。
先述した通り、金の純度の刻印には24分率表示と1000分率表示とがあります。
刻印(24分率) | 刻印(1000分率) | 純度 |
---|---|---|
K24 | 999.9 | ほぼ100% |
K22 | 916 | 91.6% |
K18 | 750 | 75% |
K14 | 585 | 58.5% |
K10 | 416 | 41.6% |
「999.9」は金インゴットなどで、「750」や「K18」「K14」は金のジュエリーやアクセサリーでよく見る刻印です。
アトKについて
一部の金製品では「18K」ように、数字のあとにKがついた刻印を見かけることがあります。
これは日本以外のアジア各国の金製品に見られる刻印で、「K」が後ろに付いていることから「アトK」と呼ばれます。
「18K」でも意味は「K18」、千分率で言えば「750」と同じです。
金の色味についての刻印
金のジュエリーやアクセサリーでは、金に銀・銅・パラジウム・ニッケルといった金属を混ぜた合金が用いられることが多いです。
このように、合金を作る際に金に混ぜられる金属のことを「割り金」といいます。
金に割り金を混ぜ、金の割合を75%とした合金が、金の「750」ということです。
純金ではなくあえて別の金属を混ぜた合金を使うのには、大きく分けて2つの理由があります。
1つ目は、金は金属の中では柔らかいという性質を持っていることです。
純金は、アクセサリーとして加工・着用するには柔らかくて向いていません。
そのため、合金にすることで金の硬度を上げ、加工しやすくしたり傷を付きにくくしたりするのです。
2つ目の理由は、別の金属を混合することでカラーに変化を加えられるということです。
混ぜる金属の種類や割合を変えることで、可愛らしい印象のピンクゴールド、清楚なイメージのホワイトゴールド、華やかな印象のイエローゴールドなど、様々な色味が生まれます。
そのようなバリエーションを楽しめるため、アクセサリーやジュエリーの華やかさの演出に向いているのです。
また、金は高価ですから、金の含有量を下げることでアクセサリーとしての販売価格を抑えることもできます。
このような金製品の色味についての刻印には以下のようなものがあります。
刻印 | 色味 | 割り金の含有量 | 特徴 |
---|---|---|---|
YG | イエローゴールド | 銀15%、銅10% | 華やかな金に近い発色 |
PG | ピンクゴールド | 銀5%、銅18%、パラジウム2% | やわらかい印象 |
GG | グリーンゴールド | 銀25% | 爽やかな印象 |
RG | レッドゴールド | 銀10%、銅15% | 温かみのある印象 |
WG | ホワイトゴールド | 銀15%、パラジウム10% | 清楚な印象 |
実際の刻印では「K18YG」のように、純度をあらわす数字のあとにカラーをあらわす記号が続きます。
金メッキの刻印
安価に金に近い輝きを楽しめる製品として、金メッキ製品があります。
他の金属で作ったものの表面に金の膜を付着させたものになりますから、金製品とは別物です。
そのため、金メッキであることをあらわすための記号もあります。
一般的なものとしては「GP」(Gold Plated:金メッキ)と「GF」(Gold Filled:金張りメッキ)があります。
金張りメッキとは、通常の金メッキよりも厚みのある金を圧着したものです。
金張りメッキの表示としては他にも「GR」(Gold Rolled)・「GS」((Gold Shelled)・「RGP」(Rolled Gold Plate)があり、珍しいものとしてはGEP(Gold Electro Plated:電気式金メッキ)といった刻印もあります。
ほかにもメッキの厚さをあらわす刻印として「〇M」(「3M」ならメッキの厚さ3ミクロンの意)や「1/△」(「1/10」ならメッキの厚さ1/10ミクロンの意)などがあります。
実際の刻印は「K18GP」といったようになっており、「ベースの素材にK18でメッキしたもの」という意味になります。
金のホールマーク
ホールマークとは、貴金属製品の品位試験に合格したものにつけられる刻印のことです。
品位試験は各国の信頼できる機関が貴金属製品の製造・販売事業者からの依頼で行なうもので、日本では造幣局が行っています。
そのため、金製品のホールマークは、金の純度や品質に対する高い信頼性の証といえるでしょう。
日本の造幣局によるホールマークは、日の丸の国旗丸と、その右側にひし形のマークが描かれています。
右側のひし形の中に金の純度が1000分率で「750」などと記されます。
金以外の刻印
金以外の貴金属にも、純度をあらわす刻印が存在します。
おもに千分率で、プラチナなら「Pt999」「Pt950」「Pt900」「Pt850」のように「Pt」の記号を使って、銀なら「SV999」「SV950」「SV925」「SV900」のように「SV」の記号を使って表されます。
プラチナも金と同じく柔らかい素材のため、ジュエリーやアクセサリーでは「Pt950」や「Pt900」といった刻印が多く見られます。
他にはパラジウムをあらわす「Pd」の記号も見る機会があるかもしれません。
金750の買取価格はどのように決まる?
金製品の買取において、買取価格に直結するのが「金相場」です。
金は、世界的な「1gあたりの相場」が日々変動しており、この価格を基準にして、含まれている金の重さから金製品のおおまかな価値を算出します。
金750なら金製品全体のうち75%が金ですから、「金相場×金製品の重さ×0.75」といった形で大まかな価値を計算するわけです。
もちろん、金ジュエリーなどでは、付いている宝石の価値やデザインの人気なども考慮されます。
この金相場は、世界の情勢によって大きく変動します。
金は安定性の高い資産として知られており、例えば基軸通貨である米ドルの安定性に懸念があったり、世界的な金融不安があったり、安全保障情勢が不安定になったりすると、金の価値は上がりやすいです。
近年でいえば、ロシアによるウクライナ侵攻や、ハマスの無差別攻撃に端を発するガザ地区での戦闘などは、金相場上昇の要因となっています。
また、日本での金価格という観点では、円の為替相場も影響してきます。
金相場は世界的なものですから、金自体の価値は変わっていなくても、円安になれば日本における金価格は上昇します。
金の偽物を見分ける方法
金製品には「750」といった刻印があることによって、金の純度や品質を保証しています。
また、金メッキ製品には「GP」や「GF」といった刻印があることによって、金製品ではないことを示しています。
しかし困ったことに、一部の悪質なケースでは、金メッキ製品であるにも関わらず故意に「GP」や「GF」の刻印を省略して消費者をだまそうとしている場合があるのです。
特に金張りメッキは見た目には本物の金製品に近く、見分けるのが難しいです。
「金と言われて買ってみたら、査定で偽物だとわかった」といったケースもあり得ます。
そこで、金と偽物を見分けるためのポイントとして、自宅でも確認できる3つをご紹介します。
- 金は金メッキより重量がある
- 純金は磁石に反応しない
- 色味で見分けられる場合もある
金は金メッキより重量がある
金と偽物を見分けるためのポイントの1つが、重量です。
金は金属の中でも比重が大きいため、サイズが同じでも、金で作られたものと金メッキで作られたものとでは重さが大きく異なります。
金メッキのものは表面だけが金でコーティングされているため、全体の重量は金よりも軽くなります。
アクセサリーなどの小さいものだと重さの違いに気付きにくい可能性がありますが、仏像や盃などある程度の大きさがある場合は、手にとって重量を確認してみるとよいでしょう。
「手で持ってみてもわからない」という場合は、重量計を用いて確認すると、違いがわかりやすくなります。
純金は磁石に反応しない
金メッキ製品によっては、重さを純金に近づけた製品もあるため、重さだけでは判別できないこともあります。
その場合におすすめしたい方法が、磁石を近づけてみる方法です。
金は磁石に反応しないため、近づけた際に製品が磁石にくっつくようであれば、金メッキの内部に「鉄」や「ステンレス」などの金属が使われている偽物の可能性があります。
ただし、本物の金製品であっても、合金の割り金やジュエリーなどのパーツに磁石に反応する金属が使われている可能性もあります。
反対に、金メッキの中身をタングステンなど磁石に反応しない素材にしている偽物もあります。
そのため、「磁石にくっつかないから金だ」と決めつけることはできず、磁石による判別は参考程度にとどめておいた方が良いでしょう。
色味で見分けられる場合もある
金製品に詳しい人であれば、色味によって金の純度をある程度見分けることができます。
たとえば純金は濃い山吹色をしていますが、K18・K14・K10と純度が低くなるにつれて明るい黄色に近づいてきます。
色味だけで偽物を見分けるのは難しいものの、「純度に対して色味がおかしい」と感じたら、さらに詳しく調べても良いかもしれません。
これらの方法は簡易的なものであり、確実な見分け方ではありません。
あくまでも参考程度にとどめておいた方が良いでしょう。
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