岡鹿之助作品の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

岡鹿之助(おかしかのすけ)は、独自の点描画法で描いた風景画で有名な日本の洋画家です。
建築物のある幻想的な風景を描いた静謐な表現は非常に評価が高く、美術品買取市場でも高価買取されるケースがあります。
本記事では、岡鹿之助作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい岡鹿之助作品の特徴、岡鹿之助の絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
岡鹿之助とは
岡鹿之助(1898-1978)は、昭和時代に活躍した日本の洋画家です。
独自の点描画法を確立したことで知られており、1972年には文化勲章を受章しています。
現在の東京都港区に生まれた岡鹿之助は、中学2年の頃から、洋画家で東京美術学校の教授であった岡田三郎助(おかださぶろうすけ 1869-1939)にデッサンを学んでいたといいます。
その後、東京美術学校で西洋画を学ぶと、卒業後にはフランス・パリに渡って藤田嗣治(ふじたつぐはる 1886-1968)に師事します。
パリで岡鹿之助は、西洋絵画と自身の絵とのマチエール(絵画における画面の質感)の違いに悩んだといいます。
顔料やキャンバスの基礎的な研究に取り組み、独自の点描技法を確立したのもこの時期です。
その後は第二次世界大戦の勃発によって帰国を余儀なくされたものの、帰国後もパリで確立した独自の画法によって、岡鹿之助は精力的に作品を生み出し続けます。
特に戦後は芸能選奨文部大臣賞・毎日美術賞・日本芸術院賞を受賞するなど、目覚ましい活躍を見せました。
そのような功績が認められ、1972年には文化勲章を受章しています。
岡鹿之助の作風
岡鹿之助の絵の最大の特徴としては、やはりパリで確立した独自の点描画法が挙げられます。
岡鹿之助のほかに点描画法を用いる代表的な作家としてジョルジュ・スーラ(Georges Seurat 1859-1891)が挙げられます。
スーラの点描法は、「キャンヴァス上に並べられた異なった色の2つの点が見る人の網膜上で混合し別の色を生み出す」という「視覚混合」の理論を応用したものでした。
それに対して岡鹿之助の点描は、同系色の点を並べて描くことで堅固なマチエールを作り出すものでした。
モチーフとしては、岡鹿之助は信号台・灯台・発電所・古城・廃墟といった建築物のある風景を多く描きました。
幻想的な風景とその空間の静けさが、独自の点描画法によって表現されています。
風景画の多くは実景に基づいた写生ではなく、黄金比などを利用して幾何学的に構成された心象風景である点が特徴的です。
また、風景のほかに岡鹿之助が繰り返し描いたモチーフとして、パンジー(三色スミレ)があります。
岡鹿之助の作品の種類
岡鹿之助が得意とするのは風景や建築物を描いた油彩画ですが、ほかにもパステル画や、木版・リトグラフといった版画作品も多く残しています。
一点ものであるという点で油彩などの肉筆画は価値が高くなりやすいですが、版画作品も美術品買取市場で人気が高く、活発に取引されています。
岡鹿之助作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは
文化勲章受章者でもある岡鹿之助には、美術館に収蔵されているものなど貴重な作品も多くあります。
比較的希少性の低い版画作品などは買取市場でも出会うことが多いですが、やはり非常に人気が高く、高価買取されやすい作家であると言えます。
岡鹿之助作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、やはり肉筆の油彩画でしょう。
また、版画作品の原画も高く買取されやすい傾向があります。
モチーフでは、やはり建築物のある風景と、パンジー(三色スミレ)を描いたものが人気です。
また、初期に描かれたパリの風景画も高い評価を得ています。
岡鹿之助だけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。
以下のページでは、有名作家の作品など西洋画の買取相場や高く売るためのポイントなど、西洋画の買取情報について記載してございます。
参考までにぜひご参照ください。
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岡鹿之助の代表作
岡鹿之助独自の点描画法で描かれる幻想的で静謐な絵画は多くの美術ファンを魅了し、美術品買取市場でも高い支持を集めています。
ここでは、買取市場で出会うことのあるものから美術館に所蔵されているものまで、岡鹿之助の代表作についてご紹介します。
遊蝶花
「遊蝶花」(1951)は、戦後の日本画壇における岡鹿之助の評価を決定づけることになった名作です。
1952年にはこの作品で芸能選奨文部大臣賞を受賞しました。
現在は下関市立美術館に所蔵されています。
タイトルの「遊蝶花」とは、岡鹿之助の代表的なモチーフの1つであるパンジー(三色スミレ)のことです。
前景には鮮やかなパンジーが描かれ、その背景には雪景色が描かれるという構成になっています。
暖かな色彩を持つ花と、ひんやりとした雪の風景という対照的な要素を組み合わせることで、静謐で幻想的な空間が生み出されています。
岡鹿之助の色彩と構成の妙を堪能できる作品と言えるでしょう。
雪の発電所
「雪の発電所」(1956)は、1956年の「現代日本美術展」で最優秀賞を受賞、1957年には毎日美術賞を受賞するなど高い評価を受けた、岡鹿之助の代表作の1つです。
1981年には日本郵便の「近代美術シリーズ」記念切手にも採用されるなど、広く国民に親しまれる作品となっています。
現在は東京都のアーティゾン美術館に所蔵されています。
この作品のモチーフになっているのは、長野県にある中部電力平穏第一発電所です。
雪景色の中にたたずむ発電所の無機質な構造物が岡鹿之助独特の点描で表現されており、静謐で幻想的な雰囲気が漂います。
厳しくも美しい自然と人の営みが調和した、岡鹿之助らしい世界観が形成されています。
花と廃墟
「花と廃墟」(1966)は、岡鹿之助円熟期の代表作として知られる名画です。
現在は群馬県立近代美術館に所蔵されています。
この作品の特徴はタイトルが示す通り、「花」と「廃墟」という極めて対照的な2つのモチーフを同一画面に収めている点です。
手前にはアマリリスや君子蘭など、生命力にあふれる鮮やかな花々が描かれ、今を生きる生命の輝きを放っています。
その背景には、朽ちた、あるいは寂れた廃墟がそびえ立っています。
この廃墟は、過ぎ去った時間、失われたもの、滅びゆくものの象徴と考えられます。
過ぎ去ったものと今を生きるものの対比が独特の哀愁と美しさを生み出すという、岡鹿之助の構図の巧みさが際立つ作品だと言えるでしょう。
まだまだある岡鹿之助の有名作品
これまでに挙げたもののほかにも、岡鹿之助にはまだまだ多くの有名作品・人気作品があります。
掘割 | セーヌ河畔 | 観測所 | 滞船 | 礼拝堂 |
パンジー | 残雪の牧場 | 村の発電所 | 赤い城 | 水辺の城 |
古城 | 砦 | 村役場 | 三色すみれ | 三色スミレとななかまど |
橋 | 林間の城 | かわはぎ |
ここに名前を挙げたような岡鹿之助作品をお持ちなら、保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。
具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへ岡鹿之助の絵画を高価買取してもらうためのポイント
文化勲章を受章するなど非常に高く評価されている岡鹿之助の絵画は、美術品買取市場でも高い需要があります。
では、岡鹿之助の絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
岡鹿之助作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 綺麗な状態で保存しておく
- 鑑定書などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
綺麗な状態で保存しておく
岡鹿之助を含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。
反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。
岡鹿之助のような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。
作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。
鑑定書などの付属品を揃えておく
岡鹿之助のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。
岡鹿之助作品の場合、油彩画ならキャンバスの裏側に直筆でタイトルとサインが書かれていることが多いです。
リトグラフなどの版画作品では、作品の下に鉛筆による「S.OKA」の自筆サインとエディションナンバーが入っていることが多いです。
ただし、版画の作品によっては「版上サイン」(原画のサインも版に組み込んで刷ったもの)もあります。
これらのサインと、鑑定書などの付属品は、買取の場面でも作品の価値を証明するのに役立つでしょう。
買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められ、より高い価格での売却にもつながる可能性があります。
鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて買取前に揃えておきましょう。
なお、岡鹿之助作品について信頼度の高い鑑定機関としては、「日本洋画商協同組合鑑定登録委員会」や「東美鑑定評価機構鑑定委員会」があります。
入手経路などの来歴を明確にしておく
岡鹿之助をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
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