普段着物をおしゃれに楽しむ【カラーコーディネートの仕方】

2024.06.19

コラム
普段着物をおしゃれに楽しむ【カラーコーディネートの仕方】

「着物を着たいけど、ハードルが高くて……」「着物ってルールがたくさんあって覚えきれなさそう……」そんな悩みを持っている人も多いでしょう。

確かに、着物の着こなしには季節・柄・色・格などのルールがあり、フォーマルなシーンではそれらのルールを守ることが必要です。

しかし、普段着としての着物は堅苦しく考えることなく、洋服と同様、自由に楽しむことができます。

そこで本記事では、普段着物を自由に楽しむときに、「これさえおさえておければ安心」のポイントとして、着物のカラーコーディネートについてご紹介します。

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カラーコーディネートに便利!覚えておきたい色の基礎知識

 カラーコーディネートに便利!覚えておきたい色の基礎知識

まずはカラーコーディネートの基本、「色相環(しきそうかん)」について知りましょう。

色(色相=しきそう)を円状(環=かん)にしたもので、虹の色である「赤から紫」を、ぐるっと輪にしたものです。

具体的には、赤→橙→黄→緑→青→藍→紫の順になっています。

色相環にはいくつか種類がありますが、今回は「PCCS色相環」というものを使ってコーディネートをしていきます。

色相環の順番を覚える必要はありませんが、プリントアウトしていつでも見られるようにしておくと便利でしょう。

失敗しないカラーコーディネートの簡単黄金ルール

 失敗しないカラーコーディネートの簡単黄金ルール

次に、「ファッションセンスが無い」と心配な方のために、色相環を使った失敗しないカラーコーディネートの黄金ルールを解説します。

まとまった印象にしたい場合

 色相環

全体的にまとまった印象にしたい場合には、着物の色と同系色の帯を組み合わせます。

色相環でいうと「同じ色の濃淡」または「着物の色の隣の色まで」でコーディネートします。

例えば着物の色が黄色だとすると、帯の色は、黄色の右隣りの黄緑を組み合わせたり、黄色の左隣りの黄みがかったオレンジを組み合わせたりするとまとまります。

また、この色相環は原色のため、これらに黒を混ぜたり白を混ぜたりした色も使えます。

黄色の着物×黄色に黒を足した茶色の帯もまとまるコーディネートです。

 まとまった印象にしたい場合

まとまった印象のコーディネートは、カラーコーディネートの中でも一番簡単でしっくりくる組み合わせのため、特に初心者の方におすすめです。

メリハリのある個性的な印象にしたい場合

 色相環

同じ着物でもガラッとイメージが変わる、もう一つのコーディネートをお伝えします。

個性的な印象というと、「センスが必要で上級者でないとできないのでは?」と思うかもしれませんが、以下のルールさえ覚えておけば初心者でも挑戦することができます。

全体的にメリハリのある個性的な印象にしたい場合には、着物の色と反対色を組み合わせます。

色相環でいうと、着物の色と反対側の色をコーディネートします。

例えば、着物が黄色である場合、帯の色は黄色の反対側の色である「青紫」を組み合わせるとメリハリのある個性的な印象になります。

先ほども解説したように、この色相環は原色のため、これらに黒を混ぜたり白を混ぜたりした色も使えます。

原色同士を組み合わせると強いイメージになりますので、黄色に白を混ぜた「クリーム色」の着物に、青紫に白を混ぜた「うす青紫」の帯にするとメリハリがありつつ、柔らかいイメージにもなります。

 メリハリのある個性的な印象にしたい場合

あなたの着物は何色?【色別コーディネート】

 あなたの着物は何色?【色別コーディネート】

それでは、具体的にどのような組み合わせにしたら良いのかを色別で紹介していきます。

お手持ちの着物でコーディネートができるように、色に番号をつけて説明していきます。

 色相環

下図は、2色のうち左側の色が着物の色、右側の色が帯の色として組み合わせたものです。

同じ色の着物を、「まとまった印象」と「メリハリのある印象」の2パターンでコーディネートしています。

同じ色のはずなのに違う色に見える場合もありますが、これは組み合わせる色によって明るく見えたり鮮やかに見えたりする目の錯覚です。

 【色別コーディネート】

着物と帯の色を逆にしても構いません。

お手持ちの着物も、色相環を使って簡単にコーディネートできるので、ぜひ楽しんでチャレンジしてみましょう。

小物(帯揚げ・帯締め)はどう合わせる?

 小物(帯揚げ・帯締め)はどう合わせる?

着物と帯の色が決まったら、帯揚げや帯締めなどの小物の色を決めます。

初心者は、帯揚げと帯締めを同じ色にすると安心です。色を考える際は、下記の方法で選んでいきましょう。

まとまった印象の着物と帯のコーディネートをした場合

着物と帯のコーディネートをした時と同じように同系色で組み合わせしてください。

色相環でいうと「同じ色の濃淡」または「着物の色の隣の色ぐらいまで」でコーディネートします。

メリハリのある個性的な印象の着物と帯のコーディネートをした場合

下図では、着物と帯は色相環の反対側の色で組み合わせました。

小物は、その中間の色にするとさらにメリハリがあって個性的な印象になります。

小物をカラーコーディネートする際のポイント

着物のカラーコーディネートをする際には、まず着物と帯を組み合わせてから小物を合わせます。

着物と帯が決まったら、頭の中で考えず、実際に小物を置いて組み合わせてみましょう。

小物によって着物と帯の印象が変化しますし、「この色で大丈夫かな」と心配していた色も実際に置いてみると意外と良い組み合わせとなる場合も多いです。

また、小物は着る人の個性が出るポイントとなるため、これから購入するのであれば「自分らしい色」や「好きな色」を選ぶのがおすすめです。

好きな色を纏いウキウキした気分で着物を着ることも、和装を楽しむ大切な要素です。

まとめ

ルールがたくさんあってハードルが高いと思われがちな着物ですが、普段着物は、自由に着ることができます。

難しそうな着物のカラーコーディネートも、色相環を使って組み合わせれば簡単に感じるようになるでしょう。

黄金ルールは、「まとまった印象」を出したいなら「同系色」でコーディネートする、「メリハリのある個性的な印象」を出したいなら「反対色」でコーディネートすることです。

帯揚げや帯締めの小物は、自分らしさを表現できたり気分をアップさせてくれたりするため、まずは自分の好きな色を持つことがおすすめです。

普段着物は、ルールよりも楽しむことが大切なので、ぜひ自由な発想でチャレンジしてみましょう。

記事監修者
香瑠(kaoru)

彩色健美インターナショナル&氏名:香瑠(kaoru)

着物コーディネートプロデューサー

祖母が歌舞伎衣装の縫製師、母が華道講師で普段から着物を着ていたことから幼少時より着物に慣れ親しんできた。日本の美しい民族衣装であり、纏う人の美しさも引き立ててくれる着物に対して「着る人がいるからこそ次の世代に繋げることが出来る」という想いをもち、ハードルが高いと思われている着物を現代に合わせて和洋折衷で楽しむ「香瑠style」のアレンジ着付けや「初心者さんでもたった1日で着られる忘れない着付けレッスン」等の講座でカンタンに楽しめる着物ライフができるように伝授している。

公式HP

http://www.la-dea.com/