岡本秋暉の絵画の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

岡本秋暉(おかもとしゅうき)は、花鳥画、特に孔雀を描いた作品で有名な日本画家です。
鳥の羽毛1本1本まで描写する緻密な筆致と、極彩色の色彩による華やかな表現は非常に評価が高く、美術品買取市場でも高価買取されるケースがあります。
本記事では、岡本秋暉作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい岡本秋暉作品の特徴、岡本秋暉の絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
岡本秋暉とは
岡本秋暉(1807-1862)は、江戸時代後期に活躍した日本画家です。
花鳥画を得意とし、特に孔雀の絵は「秋暉の孔雀」として有名です。
岡本秋暉は1807年、江戸の彫金家・石黒政美の次男として生まれました。
父・政美はもともと幕臣の家柄でしたが武士にはならず、彫金家として多くの門弟を抱えるなど活躍しました。
その後、秋暉は母の実家である岡本家を継ぐために養子として入ります。
岡本家は医家でしたが、秋暉は父にならってか医学の道に進まず、奥平藩(現在の大分県)のお抱え絵師・大西圭斎(おおにしけいさい 1773-1829)に師事し、花鳥画の技術を学びました。
また、大西圭斎が亡くなったあとは画家で思想家の渡辺崋山(わたなべかざん 1793-1841)に師事しています。
岡本秋暉は崋山十哲の一人にも数えられますが、崋山とは師弟関係というよりは絵画を通じた友人のような関係性だったといいます。
渡辺崋山が蛮社の獄で江戸を追放されるときには、手土産の浅草海苔を懐に崋山を護送する籠をいつまでも追いかけ、最初は面会を禁じられたもののついに特別に許されて対面を果たしたという逸話が残されています。
その後も岡本秋暉は小田原藩に仕えながら画業を続け、山本琴谷(やまもときんこく 1811-1873)、福田半香(ふくだはんこう 1804-1864)、鈴木鵞湖(すずきがこ 1816-1870)と共に幕末江戸の四大家と呼ばれるまでの絵師になりました。
岡本秋暉の作風
岡本秋暉は花鳥画、特に孔雀の絵を得意としました。
非常に緻密で写実的な筆致で孔雀などの対象を描くことで知られ、鳥の羽毛1本1本まで描写することで羽の質感や立体感を巧みに表現しました。
なかでも岡本秋暉ならではの特徴と言えるのが、極彩色の華やかな色彩です。
岡本秋暉の作品は群青・緑青・金泥といった高価な顔料や絵の具をふんだんに使用した、極めて鮮やかで豪華な色彩が特徴となっています。
繊細な筆致とも相まって、画面全体が華やかで装飾的な雰囲気を持っています。
岡本秋暉作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは
緻密な描写と華やかな色彩の花鳥画で高く評価されている岡本秋暉の作品は、現代でも多くの美術ファンから高い人気があります。
重要文化財に指定されているものなど歴史的に貴重な作品も多く、美術品買取市場での取引例はそれほど多くないのですが、買取市場に出てきた時には高い買取価格がつくケースは多いでしょう。
岡本秋暉作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、やはり代名詞とも言える孔雀を描いた作品です。
特に、岡本秋暉らしい豪華な色彩や、羽毛1本1本まで描き込むような緻密な筆致が際立っている作品には高い価値がつく可能性があります。
岡本秋暉だけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。
以下の各ページでは、有名作家の作品を中心とした日本画・掛け軸の買取相場や、高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。
参考までにぜひご参照ください。
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岡本秋暉の代表作
鳥の羽毛1本1本まで描写する緻密な筆致と、極彩色の華やかな色彩で表現する岡本秋暉の花鳥画は多くの美術ファンを魅了しています。
ここでは、岡本秋暉の絵画の中でも特に人気の高い、代表作と言うべき作品についてご紹介します。
牡丹孔雀図
牡丹と孔雀の組み合わせは、岡本秋暉が好んで描いた画題の1つです。
牡丹は「百花の王」と呼ばれるなど富貴や幸福の象徴とされ、孔雀と組み合わせることで吉祥の意味を込めた縁起の良い画題となります。
その中でも有名なのが、「牡丹孔雀図」(1856)です。
東京都の静嘉堂文庫美術館に所蔵されています。
描かれているのは、牡丹を背景に寄り添うつがいの孔雀です。
岡本秋暉らしい豪華な色彩が使われ、特に孔雀の羽や牡丹の花びらは鮮やかで装飾的な美しさを見せています。
また、孔雀の羽毛の質感や牡丹の花びら1つ1つまで細かく描き込む精緻な描写も大きな魅力になっています。
岡本秋暉の画業の中でも特に優れた、円熟期の代表作の1つと言えるでしょう。
四季花鳥図屏風
「四季花鳥図屏風」(1854)は、岡本秋暉の代表作の1つに数えられる、六曲一双わたる大作の屏風絵です。
東京国立博物館に所蔵されています。
構図としては、右隻(右側の屏風)・左隻(左側の屏風)でそれぞれ竹と梅を中心に置き、その周囲に牡丹や椿、鶴、鴨などの花鳥が配置されています。
複雑に絡み合うモチーフが、全体として調和の取れた画面を構成しています。
岡本秋暉らしい緻密な筆致は健在で、四季折々の花々の繊細な葉脈、鳥たちの羽毛1本1本までが驚くほど細かく写実的に描写されています。
また、岡本秋暉特有の華麗な色彩が画面全体を彩り、華やかで装飾的な雰囲気を作り出しています。
元々は岡本秋暉が仕えた小田原藩主大久保家の邸宅(小田原城二の丸)に置かれていたと伝えられており、歴史的にも貴重な作品と言えるでしょう。
二宮尊徳画像
岡本秋暉の「二宮尊徳画像」(1842)は、花鳥画とは異なる分野で歴史的価値が認められている作品です。
神奈川県の重要文化財に指定されており、神奈川県の報徳博物館に所蔵されています。
この作品は、小田原藩士として二宮尊徳と面識があった岡本秋暉が、江戸の小田原藩邸で対談していた尊徳の姿を描いたものです。
二宮尊徳が肖像画を描かせるのを好まなかったため、障子の隙間からひそかに観察して下絵を描いたと伝えられています。
制作にあたって複数の下絵が残されているのですが、当初は穏やかな表情で描かれていたものが、次第に尊徳の持つ威厳や迫力が加えられていった様子がうかがえます。
完成した肖像画は岡本秋暉らしい繊細な筆致で描かれているのですが、単なる写実を超えた、尊徳の人物像を深く捉えた傑作と評価されています。
幕末の偉人である二宮尊徳の姿を後世に伝える貴重な資料として、歴史的価値も非常に高い作品です。
小田原城内板絵
「小田原城内板絵」は、岡本秋暉が仕えていた小田原藩主・大久保家の御殿を飾っていた杉戸絵(杉の一枚板の戸に直接描かれた絵)のことです。
岡本秋暉が藩士として仕える傍らで殿の格式を高めるために描いたもので、藩士として藩の権威を示す重要な役割を担っていたことを示す貴重な資料でもあります。
小田原市の重要文化財に指定されており、一部は小田原城天守閣に収蔵され、また別の一部は神奈川県立歴史博物館に所蔵されています。
描かれた題材は、岡本秋暉が得意とする花鳥画が中心です。
杉戸の両面に絵が描かれており、例えば「岩に孔雀」の裏面には「桑木に小禽」が、「鯉に松藤」の裏面には「梅花」が描かれています。
杉の一枚板の木目を巧みに活かして描かれているのが特徴で、彼の写実的な筆致と華麗な彩色が、板絵という素材の持つ力強さと融合しています。
数少ない小田原城の建造物に係る遺品としても歴史的価値が高い作品です。
ここに紹介したもののほかにも、岡本秋暉には「白鷺図」「孔雀図」「花鳥図」「秋草鶉図」「富貴双麗図」「四時群禽群芳圖」「牡丹双鶏」「不老長春双鶴」など数多くの有名作品があり、どれも価値が高いものばかりです。
また、岡本秋暉の作品であれば代表作と呼ばれるものでなくても、保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。
お持ちの岡本秋暉作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへ岡本秋暉の絵画を高価買取してもらうためのポイント
緻密な筆致と華やかな色彩で描く岡本秋暉の花鳥画は、美術品買取市場でも高く評価されています。
では、岡本秋暉の絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
岡本秋暉作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 綺麗な状態で保存しておく
- 鑑定書などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
綺麗な状態で保存しておく
岡本秋暉を含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。
反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。
岡本秋暉のような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。
作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。
鑑定書などの付属品を揃えておく
岡本秋暉のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。
岡本秋暉作品の場合、作品の左下などに、「秋暉」または本名の「隆仙」、字の「柏樹」などの署名と、朱色の印章が押されているものが多いです。
これらのサインや印章は作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。
鑑定書も同様の効果があり、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。
これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。
鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。
入手経路などの来歴を明確にしておく
岡本秋暉をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
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