小川芋銭作品の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

小川芋銭(おがわうせん)は、河童のユーモラスな姿や、農民の生活や田園風景の素朴な風景を描いた作品などで有名な日本画家です。
世俗的な欲や虚飾にとらわれない自由な精神で描かれた自然の幻想的な姿は非常に評価が高く、美術品買取市場でも高価買取されるケースがあります。
本記事では、小川芋銭作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい小川芋銭作品の特徴、小川芋銭の絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
小川芋銭とは
小川芋銭(1868-1938)は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家です。
特に河童の絵で知られており、「河童の芋銭」とも呼ばれています。
江戸の牛久藩邸で生まれた小川芋銭は、幼少期に一家で茨城県牛久市に移住し、農業を営んで暮らしていました。
洋画家・本多錦吉郎(ほんだきんきちろう 1851- 1921)の画塾で絵画を学ぶと、牛久で農業に従事しながら画業を続けていきます。
朝日新聞への時事漫画の掲載、俳誌「ホトトギス」の挿絵や表紙絵などで知名度を上げた小川芋銭ですが、やがて本格的な日本画を描くことを志します。
そして1915年、川端龍子(かわばたりゅうし 1885-1966)や平福百穂(ひらふくひゃくすい 1877-1933)らと『珊瑚会』を設立します。
1917年には珊瑚会展に出品した水墨画「肉案」が横山大観の目に留まり、日本美術院同人に推挙されます。
以降、小川芋銭は牛久で農業に従事しながら、農民の生活や田園風景、水辺の生き物といったモチーフを描き続けました。
1935年には帝国美術院参与となるなど、その画業は高く評価されています。
小川芋銭の作風
小川芋銭作品の代表的なモチーフといえば、なんと言っても河童です。
小川芋銭が暮らした牛久には河童伝説があり、そこからインスピレーションを得たと言われています。
小川芋銭の描く河童はユーモラスでありながらも、自然の怖さや、どこか人間臭さを感じさせる独特の世界観を持っています。
また、小川芋銭は農民の生活や田園風景、水辺の生き物を好んで描きました。
農村や自然への愛とユーモアにあふれた素朴な作風が特徴で、それでいて幻想的な雰囲気を醸し出しています。
小川芋銭作品には、世俗的な欲や虚飾にとらわれず、自然と一体となった自由な精神が息づいていると言えるでしょう。
小川芋銭は、その独特の画風と世俗に囚われない生き方から「仙境の画人」とも評されました。
小川芋銭の作品の種類
小川芋銭の作品には、通常の日本画作品のほかに、掛け軸・屏風・巻物・版画など様々な形式のものがあります。
特に、小川芋銭の掛け軸や版画は美術品買取市場でも人気が高く、活発に取引されています。
小川芋銭作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは
独特の画風や生きざまで唯一無二の画家となっている小川芋銭の作品は、美術品買取市場でも非常に高い人気があります。
美術館に収蔵されているものなど貴重な作品も多くありますが、通常の日本画作品から掛け軸、版画など、買取市場での取引例も多く見られます。
小川芋銭作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、やはり河童を描いた作品です。
中でも、複数の河童が描かれていたり、物語性のある構図だったり、河童が日常の風景に溶け込んでいたりするような作品は、特に人気が高い傾向があります。
小川芋銭だけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。
以下の各ページでは、有名作家の作品を中心とした日本画・掛け軸の買取相場や、高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。
参考までにぜひご参照ください。
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小川芋銭の代表作
農村や自然への愛とユーモアにあふれ、素朴で幻想的な雰囲気を醸し出している小川芋銭の作品は多くの美術ファンを魅了し、美術品買取市場でも高い支持を集めています。
ここでは、買取市場で出会うことのあるものから美術館に所蔵されているものまで、小川芋銭の代表作をご紹介します。
水魅戯(すいみたわむれ)
「水魅戯」(1923)は、小川芋銭の数ある河童をモチーフにした作品の中でも特に有名で、代表作の1つとなっている作品です。
茨城県近代美術館に所蔵されています。
「水魅戯」は、その名の通り水辺の妖怪が戯れる様子を描いた作品です。
小川芋銭の故郷である牛久沼の情景と、河童をはじめとする水辺の妖精たちが融合した、幻想的でユーモラスな世界が広がっています。
水墨画のような墨の濃淡や淡彩によって表現された水面の揺らぎや、霧・霞といった情景描写も非常に巧みで、水辺の広がりや神秘的な雰囲気が見事に表現されています。
河童たちの表情と仕草など、細部にも芋銭の遊び心や洞察力が感じられ、非常に生命力あふれる作品となっています。
狐隊行(きつねたいぎょう)
小川芋銭は生涯にわたって自然を描いてきましたが、「狐隊行」(1930)は詩情豊かに動物の姿を描いた代表作と言える作品です。
茨城県近代美術館に所蔵されています。
描かれているのは、すすきの茂る野を、松明を掲げた狐たちが飄々とした雰囲気で歩いていくという幻想的な情景です。
日本の民話や昔話に登場する「狐の嫁入り」のような幻想的な雰囲気を醸し出しており、観る者を小川芋銭独特の幽玄な世界へと誘います。
墨の濃淡と朱の点描によって、夜の闇の中の光や、狐たちの動きが効果的に表現されているのが特徴です。
小川芋銭らしいユーモラスさとともに、夜の自然の中に潜む神秘性や、人間以外の生き物たちの営みへの深い洞察も感じ取ることができます。
海島秋來(かいとうしゅうらい)
「海島秋來」(1932)は、小川芋銭の晩年の代表作と言われる風景画です。
茨城県近代美術館に所蔵されており、県の指定文化財にもなっています。
この作品では、 画面の下方には漁民たちが集って談笑する海辺の日常的な光景が、画面の上方には荒々しく打ち寄せる波とその波間から頭を覗かせる巨大な岩礁が描かれています。
同じ画面の中に2つの空間が存在しているかのような印象を与え、作品に深みと独特の緊張感をもたらしています。
千葉県銚子市の海鹿島(あしかじま)近辺の景色をもとに描かれたと言われていますが、単なる写実的な風景画ではなく、小川芋銭の想像力や内面世界が反映された心象風景として表現されています。
淡い色彩で描かれながらも、秋の海辺の冷たく澄んだ空気や、波の力強さ、人々の温かみが感じられます。
まだまだある小川芋銭の有名作品
これまでに挙げたもののほかにも、小川芋銭にはまだまだ多くの有名作品・人気作品があります。
樹下石人談 | 聴秋 | 夕凪 | 肉案 | 若葉に蒸さるる木精 |
河童百図 | 沼四題 | 落葉時雨 | 水郷図 | 水虎と其眷族 |
羅漢龍虎 | 田神沼 | 仙人 | 緑陰洗馬 | 河童と龍巻 |
河童 | 草汁漫画 |
ここに名前を挙げたような小川芋銭作品をお持ちなら、保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。
具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへ小川芋銭の絵画を高価買取してもらうためのポイント
農村や自然への愛とユーモアにあふれた素朴で幻想的な筆致で知られる小川芋銭の絵画は、美術品買取市場でも高い需要があります。
では、小川芋銭の絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
小川芋銭作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 綺麗な状態で保存しておく
- 鑑定書などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
綺麗な状態で保存しておく
小川芋銭を含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。
反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。
小川芋銭のような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。
作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。
鑑定書などの付属品を揃えておく
小川芋銭のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。
小川芋銭作品の場合、画面の左側などに「芋銭」や「芋銭子」の署名と、朱色の印章が入っているものが多いです。
これらのサインや印章は作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。
鑑定書も同様の効果があり、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。
これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。
鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。
なお、小川芋銭作品について信頼度の高い鑑定機関としては、「東美鑑定評価機構鑑定委員会」が挙げられます。
入手経路などの来歴を明確にしておく
小川芋銭をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
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