ベルナール・ビュッフェ作品の買取相場は?版画・油絵など絵画の価格をご紹介

ベルナール・ビュッフェは、戦後フランスを代表する画家の1人です。
印象的な線で描かれる独自の世界観は人々を魅了してやまず、絵画・骨董品の市場でも非常に人気が高いです。
ベルナール・ビュッフェの作風の特徴や人気作品に加えて、買取相場、高く売るために知っておきたいポイント、買取業者選びのコツ、美術館情報などをご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
ベルナール・ビュッフェについて
ベルナール・ビュッフェ(Bernard Buffet:1928-1999)は、第二次世界大戦後のフランスを代表する洋画家の1人です。
具象絵画(具体的な対象物を極端な捨象なしに具体的に描いた絵画)の代表的な画家として知られています。
ベルナール・ビュッフェは1928年にパリで生まれると、10代の頃から既に展覧会に作品を出展していました。
1948年には20歳でクリティック賞(批評家賞)を受賞するなど早熟の芸術家として世に知られ、「私は絵を描くことしか知らない」「絵の中に自分自身が埋没してもよい」と語っているほど絵を描くことに全てを捧げていた画家でした。
ベルナール・ビュッフェの作風
ビュッフェの作品は、黒い線が印象的なモノトーンに近い色彩と錯覚的な作風が特徴です。
ピエロ・風景・花・車など様々なモチーフが激しい直線で表現されています。
対象物の輪郭を⿊く強靭な線で描くことから「線の画家」とも呼ばれます。
ビュッフェ自身を含む人々が感じる恐怖や不安を描き出す作品は「自己憐憫主義」と呼ばれ、1950年代の戦後には多くの共感を呼んで多大な影響力を持つようになりました。
しかし1958年30歳だったビュッフェは当時モデルをしていたアナベルと結婚し、作風にも変化が現れました。
色彩は以前よりもカラフルになり、アナベルをモデルに描かれた画も多く残されています。
ビュッフェが用いた技法は?
少年時代から芸術家として名をはせていたベルナール・ビュッフェは、様々な技法を用いて独自の芸術を表現していました。
ビュッフェが作品を創り上げるのに用いていた主な技法は、油彩、版画、水彩画、インク、デッサン、彫刻です。
この中で高く買取されやすいビュッフェ作品は、やはり油絵でしょう。
1点物である油絵の作品には高い買取価格がつくケースが多く、特に花や風景を描いた作品には安定した需要が見込みやすい傾向があります。
一方、ビュッフェ作品の中で市場に出回っている数が多いのは版画です。
ビュッフェ作品では、銅板に鋭い刃物で直彫りする「ドライポイント」の技法と、水と油の反撥作用を利用した「リトグラフ」の技法が使われた作品とが多くあります。
特にドライポイントは線を力強く表現することができるため、「線の画家」とも呼ばれるビュッフェの鋭角的なデッサンに適しており、多くの傑作が残されています。
ベルナール・ビュッフェの人気作品
1999年に71歳で亡くなったベルナール・ビュッフェは、約50年の画家人生の中で約8000点もの作品を残しました。
ビュッフェならではの魅力が詰まった作品は数多く、絵画・骨董品買取市場でも人気を集めています。
ここではビュッフェ作品の中でも、特に買取市場で人気の高い作品をご紹介します。
バラ
多くの花や生き物を描いてきたビュッフェですが、その中でも人気の作品に「バラ」があります。
無駄がないようなデザイン構成と、中央に大きく描かれた鮮やかな赤色の薔薇が印象的なリトグラフ作品です。
ビュッフェには薔薇を題材にした作品がいくつかあり、ビュッフェを代表するモチーフとも言えます。
そのことから「ベルナール ビュフェ」と名づけられた品種の薔薇も存在するほどです。
買取市場でも人気が高く、1点物でない版画作品でありながら買取価格も高くなりやすいと言えます。
アルバム・ニューヨーク
ビュッフェは、特定の都市を題材にしたシリーズ作品をいくつか手掛けていました。
その中でも代表的なのが、ニューヨークを題材にしたリトグラフ作品シリーズ「アルバム・ニューヨーク」です。
ニューヨークの他には、パリを描いた「アルバム・パリ」、サンフランシスコを描いた「アルバム・サンフランシスコ」などのシリーズがあります。
資本主義の象徴であるニューヨークのビル群がビュッフェらしい太く黒い線で描かれ、見る人を彼の世界観へと引き込むような名品です。
やはり買取市場での人気が高く、高く買取されやすい作品の1つと言えます。
エッフェル塔
ビュッフェの「エッフェル塔」はパリを描いたリトグラフ作品シリーズ「アルバム・パリ」の中の一作です。
その名の通り、ビュッフェが生まれたパリのシンボルであるエッフェル塔を描いています。
「アルバム・パリ」はビュッフェにとって初の連作カラーリトグラフ作品で、パリの名所を切り取ったような美しい構図が印象的です。
「アルバム・パリ」の人気作品としては他にも、「ボージュ広場」「サクレクール寺院」「サンジェルマンデプレ」「ポン・デ・アール」などがあります。
この「アルバム・パリ」にも、「エッフェル塔」をはじめ買取市場で人気の作品が多いです。
カルメン
ビュッフェの「カルメン」は、オペラ『カルメン』を描いたリトグラフ作品です。
数奇な運命をたどるカルメンの人生を演じる女優が、激しい描線で力強く描かれています。
買取市場での需要は高く、買取価格も高くなりやすい作品の1つと言えます。
まだまだあるベルナール・ビュッフェの人気作品
ここまでご紹介した以外にも、買取市場で人気の高いベルナール・ビュッフェ作品はまだまだあります。
「日本への旅」シリーズ | ひまわりとメロン | サントロペ湾 | 踏切 |
チューリップとアイリス | 車庫 シトロエン | 赤いコクリコ | 花 |
ヴィロフライの教会前広場 | 百合とリラ | 青いヒヤシンス | 蘭 |
モーヴ色のバラ | 5本の赤い薔薇 | きんせんか | 凱旋門 |
小さな帽子のピエロ | 花瓶のキンセンカ | 5本のバラ | 舌平目 |
黄色を基調にしたダリア | ロールスロイス1937 | フクロウ | 仮装服 |
フルーツバスケット | ニューヨークカフェ |
この表にあるようなベルナール・ビュッフェ作品は買取市場での人気は高く、高価買取される可能性もあるでしょう。
ただし、実際の買取価格は作品の需要や保存状態などの条件によって変動します。
ベルナール・ビュッフェを含む絵画の買取について詳しくは、バイセルの絵画買取ページをご覧ください。
ベルナール・ビュッフェ作品の買取相場は?
ベルナール・ビュッフェはフランスを代表する画家の1人です。
数々の賞を受賞し、世界的に個展が開かれるなど人気・知名度ともに高く、作品は買取市場でも高い評価を得ています。
特に、油絵や版画作品の原画といった1点物の作品は、希少性の高さから買取相場も高くなりやすいです。
また、作品のモチーフでは、花や風景を描いたものが買取市場でも人気が高く、買取相場も高いものが多いです。
ベルナール・ビュッフェ作品の買取相場は、最も高いもので2000万円前後になるものもあります。
※これはベルナール・ビュッフェ作品の中でも最も人気の高い作品で、保存状態も良かった場合の相場です。
※作品の人気や使われている技法、保存状態の良し悪しによって実際の買取価格は大きく異なることがあります。
※こちらに記載の数字はあくまでも参考程度としてご覧ください。
お持ちのベルナール・ビュッフェ作品の具体的な価値については、バイセルの無料査定でお確かめください。
また、ベルナール・ビュッフェのほかの西洋画の買取相場(目安)については、以下の記事をご参照ください。
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ベルナール・ビュッフェをはじめとした絵画作品の買取では、どのようなポイントがチェックされるのでしょうか。
また、少しでも高く買取してもらうために事前に出来ることはあるでしょうか。
ベルナール・ビュッフェ作品をより高く売るために知っておきたい絵画の査定ポイントについてご紹介します。
- 作品の人気
- 作品の来歴
- 作品の保存状態
- 作者のサインとエディションナンバー
- 鑑定書など付属品の有無
作品の人気
ベルナール・ビュッフェをはじめとする絵画の買取では、作品の人気が買取価格に大きく関わってきます。
人気が高い作品であるほど買取市場でも需要が高くなり、その結果買取価格も高くなりやすい傾向にあります。
作品の人気はその時々の市場動向によっても変わりますが、安定して人気の高い作品は、買取業者のホームページに買取相場や買取実績などの情報が掲載されていることがあります。
あくまでも目安にしかなりませんが、事前に調査しておいても良いかもしれません。
作品の来歴
絵画の査定では、どこで手に入れたか、いつ購入したか、誰から譲り受けたかなど。
購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「百貨店で開催された展示会で買った」「コレクターから譲り受けた」などの来歴は、作品の価値や真贋を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
こういった作品に関する情報を出来る限り集めておき、査定の際に提示してあげると良いでしょう。
作品の保存状態
ベルナール・ビュッフェを含む絵画の買取において、作品の保存状態は買取価格を大きく左右する査定ポイントの1つです。
ビュッフェ作品には買取市場でも需要が高いものが多いですが、シミ・シワ・傷・破れ・変色・カビなどが見られると買取金額が下がってしまうことがあります。
絵画を高く売りたいなら、額に入れて飾る、直射日光を避ける、飾らない場合は箱に入れて風通しの良い場所で保管するなど、絵画の状態を保つための工夫をしてあげることが重要です。
作者のサインとエディションナンバー
作品の真贋という観点からチェックされる査定ポイントが、作者のサインです。
「サインが無い=偽物」というわけではありませんが、画家本人のサインであると確認できれば、本物であるという証拠になります。
サインがあることで買取市場での信頼が増すため、より高く買取される可能性があります。
サインは作中や隅に書かれていることがほとんどですが、場合によっては額縁や箱などに書かれている場合もあるので、確認しておきましょう。
また、版画の場合にはエディションナンバーも同様の役割を果たします。
エディションナンバーは版画作品に入っている通し番号のことで、「△△/〇〇」のように記載されます。
「〇〇枚制作された版画作品のうちの△△枚目」という意味です。
このエディションナンバーがあることで、本物の版画作品の、画家自らが正式に認めた版であることが確認できます。
なお、サインやエディションナンバーは、同じ画家でも制作年代によって書き方が異なることがあります。
鑑定書など付属品の有無
「絵画作品に必ずついている」というものではありませんが、鑑定書や保証書といった付属品も、重要な査定ポイントの1つです。
鑑定書とは専門家による詳細な評価が記された文書で、作品の真偽や価値を証明するための資料です。
ベルナール・ビュッフェ作品の公式の鑑定機関としては、フランスのガルニエ画廊があります。
ガルニエ画廊発行の鑑定書があれば、ほぼ間違いなく本物のベルナール・ビュッフェ作品であると言って良いでしょう。
これらの付属品も作者のサインやエディションナンバーと同様、ついていることで買取市場での信頼性が増します。
より多くの需要を集めやすくなるため、付属品があることで買取価格が高くなる可能性があります。
鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて買取前に揃えておきましょう。
ベルナール・ビュッフェ作品を売るなら美術品に詳しい買取業者を選ぼう
ベルナール・ビュッフェ作品には非常に価値の高いものも多いです。
そこで、ビュッフェ作品の買取で損をしないためには、本来の価値に見合った買取価格をつけてくれる買取業者を選ぶことが重要です。
当たり前のことに聞こえますが、絵画の価値を適正に判断するというのは非常に難しいことなのです。
画家と作品の人気、作品の希少性、保存状態、サインの有無などの細かい査定ポイントを正確に見極められなければ、価値を正確に算出することはできません。
そのため、美術品に関する専門知識を持っていて、ベルナール・ビュッフェ作品の正しい価値を見極められる買取業者に査定を依頼するのがおすすめです。
その点、美術品の買取実績豊富な業者なら、それだけ多くの人に選ばれており、査定経験も豊富ということになります。
安心して利用できるでしょう。
ベルナール・ビュッフェ作品を売るなら買取実績豊富なバイセルへ
ベルナール・ビュッフェ作品の買取をお考えなら、骨董品買取のバイセルにお任せください。
バイセルは日本全国で骨董品・美術品などの買取サービスをご提供し、たくさんのお客様・リピーター様からご指名をいただいてまいりました。
バイセルの査定士は、高い専門知識と豊富な査定経験を生かして、ベルナール・ビュッフェ作品をはじめとした絵画1点1点の価値をしっかりと見極め、正確に鑑定します。
バイセルの出張買取ならお電話1本、手数料完全無料で日本全国への出張買取に対応しております。
「試しに価値がどれくらいか聞いてみたい」「傷や汚れがあって売れるか不安」といった場合にも無料でご相談いただけます。
ぜひ1度お気軽にお試しください。

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ベルナール・ビュッフェ作品が楽しめる美術館
ベルナール・ビュッフェ作品の中には、美術館に所蔵されているものも数多くあります。
この記事の最後に、ベルナール・ビュッフェを見ることができる美術館情報についてご紹介します。
ベルナール・ビュッフェに関する美術館の中でも圧倒的な収蔵作品数を誇るのが、静岡県にあるベルナール・ビュフェ美術館です。
ベルナール・ビュフェ美術館は1973年、スルガ銀行頭取も務めた岡野喜一郎によって創設されました。
収蔵作品数は油彩画・水彩画・版画・挿画本・彫刻から素描・ポスターなどあわせて2000点を超え、ビュッフェ作品のコレクション数は世界一を誇ります。
ビュッフェ自身もこの美術館に対する深い愛着があったようで、生前7度も来館しています。
そのほか、日本国内では以下の美術館でベルナール・ビュッフェ作品を見ることができます。
富山県美術館 | 富山県富山市木場町3-20 |
佐久市立近代美術館 油井一二記念館 | 長野県佐久市猿久保35-5 |
茨城県近代美術館 | 茨城県水戸市千波町東久保666-1 |
東京国立近代美術館 | 東京都千代田区北の丸公園3-1 |
神奈川県立近代美術館 葉山館・鎌倉別館 | 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1 |
ベルナール・ビュフェ美術館 | 静岡県駿東郡長泉町東野クレマチスの丘515-57 |
岡山県立美術館 | 岡山県岡山市北区天神町8-48 |
西宮市大谷記念美術館 | 兵庫県西宮市中浜町4-38 |
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