西陣の名門織元、西陣いづくらが手掛ける帯の特徴と買取のコツ、買取相場を紹介
- 西陣いづくらの帯を持っています。着用済みですがいくらになりますか?
- 保存状態や加工具合により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
- 着物好きな母から西陣いづくらの帯を譲り受けました。価値ってありますか?
西陣いづくらはその名の通り、京都・西陣で西陣織の帯を制作している老舗織元です。
西陣織の制作をはじめたのは1893年(明治26年)とされていて、今も工芸品を作る精神は代々と引き継がれながら制作を続けています。
京都・西陣は絹織物の産地としても世界有数の産地とされているほど有名です。
有名な西陣いづくらの帯を買取に出すなら、なるべく高い買取値で引き取ってもらいたいと考えることでしょう。
今回は、そんな西陣いづくらと西陣織の歴史と特徴をお伝えするとともに、帯を高く買い取ってもらうためのコツや買取相場についてもご紹介します。
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目次
西陣いづくらについて
西陣いづくら(いづくら織物株式会社)は江戸時代の伊豆蔵人形師・伊豆蔵喜兵衛(いづくらきへい)を祖とする織屋です。
喜兵衛の類まれな技術は伊豆蔵家に代々引き継がれ、伊豆蔵末吉の代に居を京都西陣に移した1893年(明治26年)から帯の制作が始まったとされています。
西陣帯を織り始めた伊豆蔵家ですが、祖ではある喜兵衛からの工芸品を作るこだわりは現代でも引き継がれ、装用袋帯をはじめ小柄の柄を復元した唐織などの帯の作成を行っている名門の老舗織元です。
唐織とは色糸の中に金銀を織り交ぜて絵模様を表現した織物です。
中国から伝えられた製法で、室町時代の末期頃から西陣で織られるようになりました。
西陣織とは
西陣織とは、織物の産地とされる京都『西陣』の地域で織られる高級絹織物です。
その歴史も古く、5~6世紀の古墳時代に始まったとされています。
生地を織る糸を染色してから布を織りあげる先染めが特徴です。
先染めをしているため、織り方を工夫することで色鮮やかで手の込んだ柄が表現されていて、長い歴史の中で多種多様な織り方が西陣織では使われました。
今ではバッグやネクタイなどの和服以外のアイテムにも使用され、高い人気を誇っています。
京都に居を移してから、西陣いづくらは西陣織を作り始めました。
ここからは西陣織の魅力を歴史や特徴の説明を通してお伝えします。
西陣織の歴史
西陣織は5~6世紀頃に中国からの渡来人である泰氏の一族が、今の京都・太泰周辺に移り、養蚕と絹織物の技術を現地に伝えたことが始まりとされています。
飛鳥・奈良時代を経て平安京へ都が移されると、当時の朝廷では絹織り技術を引き継ぐ工人(たくみ)らを役所のもとに組織して、綾・錦などの高級織物を生産させました。
平安時代中期以降になると、官営の織物工業が衰えてきたため、工人ら自身で織物業を営むようになりました。
工人たちは大舎人(おおとねり)町に集まり、新たに織物の制作を始めました。
工人たちは中国から伝えられる新しい技術も積極的に取り入れ、優れた織物づくりを続けてきました。
しかし、室町時代中頃になると応仁の乱が起こり、工人たちが住む大舎人も戦火に巻き込まれることとなります。
乱は10年以上も続き、大舎人の織物業は壊滅しました。
戦乱が収まったことによって工人たちは京都に戻り、戦乱時の西軍の本陣があった土地で織物業を再開しました。
西陣織という名前は西軍の本陣跡の地名が由来となっています。
18世紀初頭から江戸時代半ばにかけて、西陣織は今日の宮廷文化に支えられ、富裕層から人気を集めることで最盛期を迎えることとなります。
その後、今に至るまで西陣織は日本の高級絹織として指示を受け続け、1975年(昭和51年)に経済産業省の指定伝統的工芸品に指定されました。
西陣織の特徴
西陣織の特徴としては、紗(しゃ)や羅(ら)といった透かし生地や二重構造などの様々な織り方が発展していることです。
帯の中でも丈夫でシワになりにくいことも特徴です。
丈夫でシワになりにくい理由は、生地を織る前に素材(糸)を染める『先染め』と呼ばれる製法を用いているためです。
仕上がった布を染めずに、先染めした素材で様々な模様を表現するため、西陣織は長い歴史の中で多くの織り方を国内外から取り入れました。
例えば、綴(つづれ)・緞子(どんす)・ビロードなど、表現したい模様に合わせて織り方も工夫されています。
西陣織で作られる生地は帯以外にも活用されていて、ネクタイや財布などの現代の人が日常生活で利用するものにも使用され、西陣という織物の産地はフランス・イタリアなどの並んで世界でも有数の高級絹織産地として数えられています。
西陣織の織り方とは
多くの品種を生産する方式をとっている西陣織は、長い歴史の中で様々な技法を用いて色鮮やかな帯を制作してきました。
西陣織は先に色を染めた素材(糸)を用いて、模様を表現しながら織りあげるため多種多様な織り方が誕生しました。
織り方によって品種を分けその数は12品種あります。
ここからは12品種のうちの3種類を紹介します。
綴(つづれ)
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に織り込む『平織り』を応用した綴は、緯糸で帯の模様を織り出すため、経糸に比べて3倍以上の密度の緯糸で織ります。
仕上がった生地の表面からは経糸が見えないのが特徴です。
絵を描くように自由な表現ができるのが長所ですが、織り込む糸の本数も多く手間のかかる製法でもあります。
緞子(どんす)
緞子は経糸と緯糸の交わりが少ない織り方です。
経糸か緯糸を数本ずらして織り込むことで、経か緯の糸を浮きあがらせます。
生地としての強度は弱いですが、やわらかい光沢を表現でき、手触りが良いのが特徴です。
一般的な織物でも用いられる織り方で、朱子織(しゅるおり)と呼ばれています。
紬(つむぎ)
真綿(まわた:まゆを引き延ばして作った綿)手で紡いで作った経糸と緯糸を使用して絣(かすり)・縞(しま)・白などの模様に織りあげる、先染の平織りものです。
紬は絹織物の一種として古くから発達し、真綿から手で紡いで糸を作るため簡単で丈夫な糸を得ることができました。
丈夫な作りが特徴な紬は西陣では『都ぶり』と呼ばれ、紬がもとからもつ素朴な風合いに、縫取りなどの模様を入れて都に要素を加えた帯に仕上げています。
絹糸にならない屑繭も利用できることから、養蚕地帯では自家用の織物としても制作されていました。
西陣いづくら作品の買取相場とは
西陣いづくら製の帯の買取相場は、近年の着物買取市場の動向では12,000円程度になるようです。
西陣いづくら独自の織り技法を駆使して作られた帯は人気が高く、高額査定されやすいでしょう。
ただし、シミ・カビや締め跡があるなど、保存状態が良くなければ価値は下がってしまいます。
なるべく美しい状態のまま査定してもらった方が、高価買取が期待できそうです。
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お申し込みフォームへ帯を買取に出すのコツについて
長い歴史のある西陣いづくらの帯は、先染めのため帯の中でも比較的丈夫にできているのが特徴です。
しかし、西陣の帯はデリケートな素材である絹(正絹)で作られています。
そのため、いくら丈夫な作りとされていても、湿気などの影響を受けて徐々に生地が痛んでしまう場合があります。
そのため、帯を買取に出すためには定期的なお手入れに気を配る必要があります。
また、西陣いづくらは人気のある西陣の帯です。
いくつかのポイントを押さえて買取をすることで高く買い取ってもらえる可能性があります。
ここからは、西陣いづくらの帯を高く買い取ってもらうためのコツを3つお伝えします。
西陣織を証明する証紙がついているか
西陣織の帯には西陣織工業組合が発行するメガネの形をした証紙が貼付されています。
証紙には生産者番号(西陣いづくらは40番です)・帯地の種類が表示されています。
証紙が発行される目的は、生産者の責任を明確にすることと西陣製品であることを証明するためです。
西陣織であることを保証してくれる証でもある証紙は、着物の買取査定士も確認する項目としています。
そのため、帯を買取に出す前には事前に西陣織の証紙が貼付されているか確認しておきましょう。
証紙は先ほどもお伝えした通り、メガネ状の金ホイルの紙製か、サテン地の布製2種類があります。
シミなどがあっても無理な補修はしない
先ほどもお伝えした通り、帯は絹などのデリケートな素材でできています。
そのため、自宅の押し入れに大切にしまっておいたとしても湿気などが原因で徐々に生地が傷んでしまう可能性があります。
かと言って、帯にシミなどがついていたとしても無理な補修はしないほうが無難です。
その理由は、無理に補修をするとかえって素材が持つ風合いを損ねてしまい、西陣織としての価値が損なわれてしまう可能性があるためです。
また、専門店に補修をお願いすることも考えられますが、補修費用が掛かるので無駄な出費になるかもしれません。
「久々に押し入れから出してみたらシミができていた」という状況になっても、無理はせずにそのままの状態で買取に出したほうが高く買い取ってもらえる場合もあります。
帯は着物買取のバイセルへ査定に出す
着物や帯などは専門的な知識を持ったバイセルの無料査定をご利用ください。
着物や帯などの買取値を提示するためには、専門的な知識と査定技術がないと正しい価値判断ができず、適正な買取値の提示が出来ません。
日々数多くの着物や帯を扱っているバイセルは十分な知見・技術を持っているので、お持ちの帯の価値を適切に判断いたします。
最近では、リサイクルショップなどでも着物や帯などの和服買取をしているところもあり、予約不要で気楽に利用できます。
ですが、店員が専門的な知識を持っていない場合もあるので、着物買取のバイセルをぜひご利用ください。
西陣の名門織元、西陣いづくらが手掛ける帯の特徴と買取のコツについて:まとめ
工芸品づくりにこだわってきた西陣いづくらと、西陣織の歴史と特徴についてお伝えしました。
西陣織はその長い歴史の中で、生地を先に染めて色鮮やかな模様を織って表現することを研究し続けた技術力が高い織物です。
そんな高い技術で作られる西陣いづくらの帯をこのまま押し入れにしまっておくのは、非常にもったいないことです。
今回お伝えした買取のコツを参考にしていただき、納得をもって帯を買い取ってもらいましょう。
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