コインは洗浄方法を間違えると価値が下がる?!古銭の正しい手入れ方法
古い時代に作られたコイン、いわゆる古銭の収集は往年の人気趣味の1つです。
集めるものが古いコインであるがゆえに、コレクションの中には汚れているコインなどもあるでしょう。
収集したコインを扱う際に手で触っていたら、指先が汚れてしまったという経験がある人も多いかもしれません。
本記事では、コインをきれいに保管したいという方に押さえてもらいたい「コインの洗浄方法」や「コインの手入れの方法」、そもそもコインは洗浄しても良いものなのかについてご紹介します。
「古銭の価値」という視点では、コインを洗浄することで価値を落としてしまうリスクがあります。
収集した貴重なコインに傷がつくのは悲しいことですし、買取査定においては買取価格の低下につながってしまう可能性もあることを覚えておいてください。
これらのコインを洗浄する際の注意点についても、本記事で確認してみてください。
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そもそもコインは洗浄しても良いものなの?
現代のコインは、広く流通して長く使われることを想定して作られているため、丈夫に作られています。
したがって、せっけんや研磨剤などで簡単に磨く程度であれば、通貨として使えなくなってしまうという可能性は低いでしょう。
しかし、コインは磨き方や洗浄方法によって傷をつけてしまうリスクがあることも事実です。
古銭買取においては、「製造時の状態をどれほど維持できているか?」という査定基準があります。
コインを洗浄して傷をつけてしまうと「新たに人の手が加えられた」と判断され、買取価格に悪い影響を与えてしまうでしょう。
特にエラーコインや記念コインなど希少性の高いコインや、歴史的価値のある古銭など、元々価値のあるコインに傷をつけてしまうともったいないですよね。
また、洗浄で細かい傷をつけてしまったものに比べて、自然な汚れや劣化はマイナス要因にならないことが多いです。
いまから数十年〜数百年前に発行されたアンティークコインの場合、「ピカピカに磨かれたもの」よりも、「経年による汚れがついている硬貨」のほうが見た目としても魅力を感じることもあります。
コインの洗浄自体は度が過ぎなければ行っても良いものですが、コレクションに傷をつけてしまったり、価値を下げてしまったりする可能性があるということは知っておきましょう。
コインを洗浄して法に触れてしまう場合も?
コインの洗浄をする際に最も気をつけなければならないポイントとして、「貨幣損傷等取締法」という法律があります。
この貨幣損傷等取締法は、硬貨を以下のような状態になるまで「故意に変形させるか、傷を付ける」ことを禁じる法律です。
- ・硬貨の輪郭が変わってしまった
- ・硬貨の刻印が消えてしまった
- ・硬貨に穴が開いてしまった
- ・硬貨が曲がってしまった
「違反した者は、これを一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する」と定められており、コインを洗浄したことで刑罰を受けてしまう可能性すらあるのです。
相当無理な洗浄をしない限りはこのようなことにはならないと思いますが、コインの洗浄をするうえでは知っておくべき法律と言えるでしょう。
コインの手入れや洗浄方法はどうするべき?
さて、ここからは実際にコインを洗浄する場合にどんな方法があるかについてご紹介します。
コインの洗浄には専用の道具も販売されていますが、ここではご家庭にあるアイテムを使ってできる代表的なコインの洗浄方法について解説します。
ただし、コインは洗浄することで傷がついてしまったり、「製造後に人の手が加えられた」と判断されて古銭としての価値を下げてしまう可能性があります。
特に、希少性の高いコインや歴史的価値のある古銭などの場合には、洗浄するにしてもそういったリスクがあると認識しておいた方が良いでしょう。
以下では、それぞれの洗浄方法を詳しく解説します。
それぞれ材料がない場合の代用品などもご紹介しますので、併せてご覧ください。
1.酢(穀物酢・調味酢)に浸して布で磨く
コインの洗浄方法としては、まず小皿に酢(穀物酢・調味酢)を入れて、コインを5分〜10分ほど浸してから、乾いた布で磨くという方法があります。
特に銅貨を酢に浸すと、酸化して錆びている銅と酢が化学反応して汚れが落ち、全体を浸せば刻印やフチの部分も汚れが落ちやすいです。
ただし万一コインの汚れが酷くても、酢に浸しすぎると酸化する可能性がありますので、長時間浸しすぎるのは避けましょう。
なお、ケチャップ、タバスコ、レモン汁などにも酢と同じ働きがあるので、酢を切らしているときに代用してみてください。
掃除用のクエン酸を使う方法もある
同じく酸を使うコイン洗浄として、掃除用のクエン酸を使う方法もあります。
まず、少量の水でクエン酸を溶いてペーストを作り、コイン全体にクエン酸ペーストを付けて5分程度待ちます。
最後に指で汚れている場所を磨き、水洗いすれば洗浄完了です。
クエン酸ペーストを使う方法も、長時間放置しておくとコインが酸化してしまうおそれがあるので注意しましょう。
2.重曹と水を混ぜたものをコインにつけて指で磨く
次に、重曹と水を混ぜたものをコインに付けて、指か歯ブラシで磨く方法をご紹介します。
重曹を使うと、銅貨や銀貨についた黒ずみ・サビも落としやすくなります。
大さじ2杯の重曹と大さじ1杯の水を混ぜて、歯ブラシに付けて汚れを磨いたら流水で流します。
そのあとは、コインを乾いた布でしっかり拭きましょう。
流水でコインの汚れを流したあとは、新しいサビを生じさせないために、しっかり水滴を拭いておくようにしてください。
コインの湿り気が気になる場合は、ドライヤーで乾かしても良いでしょう。
重曹を溶いたお湯に漬ける方法もある
特に銀貨に有効なのが、重曹を溶いたお湯に漬けるという方法です。
手順としては、まずはボウルにアルミホイルを敷き、コインを入れます。
そこに大さじ1杯程度の重曹をふりかけ、コインが浸る程度のお湯を注いでください。
そして3~5分程度、コインをお湯の中に浸しておきます。
汚れが浮いてきたところでコインを取り出して水洗いし、水気を取れば洗浄完了です。
3.歯磨き粉を付けて磨く
歯磨き粉をコインに塗って歯ブラシで磨く方法もあります。
歯磨き粉に含まれた研磨剤が、コインの汚れに付着して落としやすくなります。
ただし、コインの汚れ具合によっては、歯磨き粉で落とすのに時間がかかる可能性があります。
また、洗浄に使う歯ブラシは柔らかめのものを使うことをおすすめします。
水につけておいて歯ブラシで磨く方法もある
同じく歯ブラシで磨く方法ですが、歯磨き粉を使うよりもソフトな方法があります。
まずは、深めの皿やバケツに水を入れ、そこにコインを3日間ほど浸しておきます。
3日間ほどコインを水に浸しておくと汚れが浮いてくるため、歯ブラシを使って表面を軽く擦ってください。
最後に水洗いし、水気を取れば洗浄完了です。
こちらも硬めの歯ブラシではなく、柔らかめの歯ブラシを使うことをおすすめします。
4.研磨剤が含まれているクレンザーを付けて磨く
最後にご紹介するのは、研磨剤が含まれているクリーム状の洗剤でコインを磨く方法です。
歯ブラシを水に濡らして、5円玉ほどの大きさのクレンザーをコインに付けて磨きます。
ゴシゴシと擦ってしまうとコインが傷つく可能性があるので、力を入れずにゆっくりと磨いてください。
汚れを流水で流したら乾いた布で拭いて、水滴が残らないようにしましょう。
まだまだある!コイン・古銭の洗浄方法
ご紹介した以外にもコインの洗浄に使えるアイテムとして、専用のものを挙げるとコイン専用クリーナーや貴金属専用クロス、コイン用の超音波洗浄機なども販売されています。
また、トイレ用洗剤や調味料(マヨネーズ、ソース、しょうゆ、料理酒)に浸す、消しゴムで削る、ボトルにクエン酸水を入れて振るなどの方法も、インターネット上を探すと紹介されています。
どの方法を使う際にも共通して言えることですが、コインの擦りすぎや浸しすぎは禁物です。
コインの素材と洗浄に使うアイテムの相性にもよりますが、浸しすぎによって変色してしまう場合もありますので注意しましょう。
ハイターのような塩素系漂白剤で洗浄するのはNG!
インターネット上では、硬貨やコインにキッチン用の塩素系漂白剤を使う方法もよく紹介されています。
コレクターなどの間で塩素系漂白剤が選ばれる最大の理由は、クリームクレンザーや重曹などと比べて即効性があるため、素早くコインや硬貨の汚れを洗浄できるからです。
15〜20倍程度に薄めた塩素系漂白剤でコインを拭き取るのが一般的なようですが、なかには浸け置きする人も見受けられます。
ただし、この方法には大きな注意点があります。
それは、メーカー側では、ステンレスを除く金属製品への使用をNGとしていることです。
また、価値ある硬貨ではありませんが、白銅の100円玉を塩素系漂白剤で拭いたところ、さらに黒くなったという口コミもあります。
そのため、ハイターのような塩素系漂白剤を使用してのコイン洗浄はやめてください。
コインの手入れと保管方法
コレクションしている大切なコインは、出来る限りきれいな状態を保ちたいですよね。
買取に出すことを考えても、コインが発行された時の状態に近いまま保管出来ていれば高く買取されやすくなります。
コインを綺麗な状態のまま保存するための、おすすめの保管方法や手入れの方法をご紹介します。
以下では、それぞれ詳しく解説します。
コイン専用ケースに入れて直射日光の当たらない場所に保管する
先述のとおり、発行当時の状態が保たれている方が、コインの価値が高いと見なされやすくなります。
コインには、金・銀・銅・鉄・ニッケルなどの素材が使われています。
コインは空気に触れると酸化や風化してしまうため、コインを空気に触れさせないように、専用ケースやコインホルダーなどに入れて、密閉保存しておくことがおすすめです。
また、コインに日光が当たり続けると変色するおそれがあるため、容器に入れて密封したあとは日が当たらない安全な場所に保管しましょう。
素手で触らずに手袋を着ける
日常的に使うコインは素手で扱う場合がほとんどだと思いますが、コレクション目的のコインや珍しいコインを扱う時には、手袋を着けることをおすすめします。
例えば銅貨の場合、素手で触ったまま放置していると銅貨に手汗や皮脂が残って、茶色だったコインに青や緑色が混ざった「緑青(ろくしょう)」が発生しやすくなります。
緑青は、手汗に含まれている酸、塩分、湿気によって生じるもので、お手入れをしないとコイン全体に広がってしまいます。
また、コインのお手入れ中には、爪で引っかいて傷つけてしまう可能性もあります。
これらの理由から、コインを扱う時には素手で触るのは避け、手袋を着用するのがおすすめです。
手入れは柔らかい布で拭く程度でOK
コインに汚れや埃が付いてしまった時のお手入れとしておすすめなのが、柔らかい布を使って軽く拭うという方法です。
洗剤や洗浄クリームを使っての洗浄は、コインを傷つけてしまい、逆に価値を下げてしまうおそれがあります。
コインの普段のお手入れとしては、柔らかい布で拭く程度にとどめておくのが良いでしょう。
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