内田あぐりの絵画の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

内田あぐり(うちだあぐり)は、伝統的な日本画の画材や技法を使いながらも、西洋画のような造形感覚や抽象性を取り入れた独自の表現で有名な日本画家です。
女性像など人間の身体の、内なる精神的な陰影や存在そのものにまで焦点を当てる表現は、多くの美術ファンから非常に高く評価されています。
美術品買取市場での取引例は多くありませんが、作品のクオリティと人気から、高く買取してもらえる可能性もあるでしょう。
本記事では、内田あぐり作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場での動向、高く売れやすい内田あぐり作品の特徴、内田あぐりの絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
内田あぐりとは
内田あぐり(1949-)は、現代の日本画を代表する女性作家です。
特に、抽象的な表現による女性像で知られています。
東京都で生まれた内田あぐりは、10代の頃から美術に興味を持ち、油絵やデザインの勉強をしていたといいます。
1969年に武蔵野美術大学に進学し、そこで日本画家・麻田鷹司(あさだたかし 1928-1987)に師事します。
武蔵野美術大学の大学院まで修了すると、創画展で創画会賞を受賞、山種美術館賞展で大賞を受賞、東山魁夷記念日経日本画大賞を受賞するなど、現代を代表する日本画家として活躍を続けます。
また、文化庁芸術家在外研修員として渡仏、武蔵野美術大学の在外派遣研修員として渡米するなど、海外でも研鑽を積みました。
母校である武蔵野美術大学で教鞭を執るなど後進の育成にも尽力している内田あぐりの功績は、神奈川文化賞を受賞し、地域文化功労者として表彰されるなど高く評価されています。
内田あぐりの作風とモチーフ
内田あぐりの作品は、伝統的な日本画の画材や技法を使いながらも、西洋画のような造形感覚や抽象表現が見られる点が特徴的です。
例えば、伝統的な日本画の画材である膠の絵具を塗ったあとに水をかけて洗い流すことで絵具の奥の層を見せる手法や、布や紙縒りを貼ることで独特の物質感を与える手法は、内田あぐりらしい表現技法だと言えるでしょう。
これには、師匠である麻田鷹司が独特な手法や新たな技術を研究し続けてきたことが影響していると考えられます。
また内田あぐりは、ドローイングを制作の重要な要素と捉えています。
これは単なる下絵ではなく、描くことによって立ち現れる形象を大事にしているのだといいます。
そのため、単に対象の形を素描するのではなく、対象が居る空間も含めて捉え、ドローイングするのだそうです。
そして、内田あぐりの代表的なモチーフとなっているのが、女性像です。
内田あぐりは一貫して「身体」をテーマとしており、単に人の身体を写実的に描くのではなく、人体の内なる精神的な陰影や存在そのものに焦点を当てて根源的な問いを追求するような作風が特徴的です。
内田あぐりの作品の種類
内田あぐり作品の中でも評価が高いのは紙本やキャンバスボードに描かれた肉筆の日本画ですが、その他にリトグラフなどの版画作品もあります。
さらに、展覧会などでは、ドローイングや彫刻といった多岐にわたる作品を見ることができます。
内田あぐり作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは
現代の日本画を代表する作家の1人である内田あぐりの作品には、多くの美術ファンからの高い人気があります。
美術館への収蔵が多いことなどもあって美術品買取市場での取引例は多くないのですが、買取市場に出てきた時には高い買取価格がつくケースは多いでしょう。
内田あぐり作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、紙本やキャンバスボードに描かれた肉筆の日本画です。
中でも、代表的なモチーフである女性像を描いた作品は人気が高く、買取価格も高くなりやすいと言えます。
内田あぐりだけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。
以下のページでは、有名作家の作品を中心とした日本画の買取相場や、高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。
参考までにぜひご参照ください。
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以下の各ページでは、日本画をはじめとした絵画の買取相場や、バイセルでの実際の買取例について記載してございます。
参考までにぜひご覧ください。
内田あぐりの代表作
伝統的な日本画の画材や技法を使いながらも、現代の感性に響くような独自の造形感覚や抽象表現を確立した内田あぐりの作品は多くの美術ファンを魅了しています。
ここでは、内田あぐりの絵画の中でも特に人気の高い、代表作と言うべき作品についてご紹介します。
地への廻廊
「地への廻廊」は、1993年の第12回山種美術館賞展で大賞を受賞した、内田あぐりの初期の代表作です。
東京都の山種美術館に収蔵されています。
画面には、身体の断片や、土や石のような物質感が混在しており、生物と無生物の境界を超えた、根源的な存在のあり方を問いかけるような表現になっています。
内田あぐりが一貫して探求している、身体と大地・自然・根源的な生命との結びつきを追求した作品であると言えるでしょう。
日本画の画材を用いながらも、内田あぐりらしい、従来の日本画の枠を超えた力強く実験的な表現になっているのが特徴的です。
吊るされた男ー'00M
「吊るされた男ー'00M」は、2002年に第1回東山魁夷記念日経日本画大賞を受賞した、内田あぐりの最もよく知られた代表作の1つです。
日本経済新聞社に所蔵されています。
「吊るされた男ー'00M」は人間の内面に潜む根源的な孤独や苦悩、存在の不確かさといった、精神的な世界を深く探求している作品です。
タイトルの通り男性の身体をモチーフとしながらも、見る者に内省を促すような象徴的な表現になっています。
技法上の特徴としては、膠で溶いた絵の具を塗ったあと、水で洗い流したり削り取ったりすることで、複雑なマチエールや重層的な色の奥行きを生み出している点が挙げられます。
また、和紙・布・紙縒りといった様々な素材が画面上に利用されており、作品に独特の物質感を与えています。
continue #052+061
内田あぐりの「continue #052+061」は2005年から2006年にかけて制作された、縦240cm×横1080cmにもおよぶ大作です。
9枚ものパネルを連ねることで構成されています。
「continue #052+061」は内田あぐりがずっと取り組んできた「身体」を主要なテーマとしていますが、特に身体が持つ生命力や、時間の経過によって変化していく様子がダイナミックに表現されています。
タイトルの「continue」が示すように、絶え間なく続く生と、その中での身体の変化を追求していると言えるでしょう。
パネルを連ねることで、時間の流れ、身体の連鎖、生命の循環などを暗示していると考えられます。
技法の上では、日本画の伝統的な画材である岩絵具・墨・膠に加えて、布・紙縒り・コードといった多様な素材が用いられている点が特徴的です。
伝統的な日本画の枠組みを超え、現代美術としての日本画の可能性を力強く提示している作品であると言えるでしょう。
11秒間、喉から出た声
内田あぐりの「11秒間、喉から出た声」(2003)も、「continue #052+061」ほどではありませんが縦240cm×横720cmという大作です。
この作品の特筆すべき点は、タイトルが示す通り、声に出せない、あるいは声にならない、身体の内側から湧き出る感情や精神の動きを視覚的に表現しようと試みている点です。
ドローイングのような即興性と身体的な痕跡が強く残されており、描く行為そのものが内面的な声の表現として、見る者に作家の制作過程や精神状態までも感じさせます。
布や紙縒りなどの異素材が大胆に使われている点は内田あぐりらしく、作品に生々しい迫力と深みを与えています。
「11秒間、喉から出た声」は、身体の奥底から湧き出るものを独自の日本画表現で可視化した、内田あぐりの芸術の核心を示す作品と言えるでしょう。
復活の宴
「復活の宴」(1992)は、生命の肯定的な側面を力強く表現した作品として評価されている、内田あぐりの代表作の1つです。
東京国立近代美術館に所蔵されています。
「復活の宴」はタイトルが示すように、生命の誕生と死、そして再生や復活をテーマにしています。
内田あぐりの主要なモチーフである「身体」を、生命の循環という壮大なテーマの中で捉え直した作品と言えるでしょう。
内田あぐりの他の作品に見られるような重厚な雰囲気とは異なり、「復活の宴」では鮮やかで豊かな色彩が用いられているのが特徴的です。
画面全体に生命力あふれるエネルギーが満ちており、生命の躍動を思わせるダイナミックな筆致で、再生の喜びや希望を表現しているかのように見えます。
ほかにも「庭園に誘う」「地上賛美」「蜜(MITSU)」「この世でいちばん美しい場所」など、内田あぐりには数多くの人気作品があります。
また、ここに名前のない作品であっても、内田あぐり作品であれば保存状態などの条件によって買取してもらえる可能性があります。
お持ちの内田あぐり作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへ内田あぐりの絵画を高価買取してもらうためのポイント
現代日本画の代表的な作家として知られる内田あぐりの絵画は、多くの美術ファンから高い価値が認められています。
では、内田あぐりの絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
内田あぐり作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 綺麗な状態で保存しておく
- 鑑定書などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
綺麗な状態で保存しておく
内田あぐりを含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。
反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。
内田あぐりのような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。
作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。
鑑定書などの付属品を揃えておく
内田あぐりのような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。
内田あぐり作品の場合、作品の下部に特徴的な「あ」の署名がされていることが多いです。
こういったサインは作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。
鑑定書も同様の効果があり、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。
これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。
鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。
入手経路などの来歴を明確にしておく
内田あぐりをはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
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