小野竹喬作品の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

小野竹喬作品の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

小野竹喬(おのちっきょう)は、自然を独自の視点で捉えた風景画で有名な日本画家です。

温かい色彩で詩情豊かに日本の自然を描き、見る人の心象に応じて様々な表情を見せる表現は非常に評価が高く、美術品買取市場でも高価買取されるケースがあります。

本記事では、小野竹喬作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい小野竹喬作品の特徴、小野竹喬の絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

小野竹喬とは

小野竹喬(1889-1979)は、明治から昭和にかけて活躍した日本画家です。

自然を独自の視点で捉えた風景画が有名で、近代日本画壇における代表作家の1人に数えられています。

現在の岡山県井原市に生まれた小野竹喬は、絵画を学ぶために14歳で京都に移住すると、画家・竹内栖鳳(たけうちせいほう 1864-1942)に師事します。

その後、京都で出会った土田麦僊(つちだばくせん 1887-1936)、榊原紫峰(さかきばらしほう 1887-1971)らとともに美術団体「国画創作協会」を設立し、日本画の新しい表現を模索していきます。

1921年には、竹内栖鳳から学んだ西洋画の写実性を日本画に生かすための研究として、小野竹喬はヨーロッパ留学を経験しました。

そこで東洋絵画における線の表現を再認識し、小野竹喬の活動中期の画風である線描と淡彩による南画風の表現を見出していきます。

そして1940年代には、大和絵(平安時代に生まれた、日本の自然や風俗を題材とした絵画)や琳派(桃山時代末期から江戸時代にかけて現れた、俵屋宗達・尾形光琳らの流派)の要素を取り入れつつ、自然を詩情豊かに表現する独自の「竹喬様式」を確立していくことになります。

その後、円熟期に入った小野竹喬は、1962年には文化功労者として顕彰され、1963年には岡山県名誉県民の称号を受け、1976年には文化勲章を受章するなど、非常に高く評価されました。

小野竹喬の作風

小野竹喬の絵画に特徴的なのが、「竹喬様式」と呼ばれる、おおらかで単純な形と色彩を重視した表現です。

一時は重視した線描を抑え、色の面によって対象を捉えて立体感を表しています。

特に晩年の作品では温かく澄んだ色彩が顕著に見られ、「茜色」と「群青色」は竹喬様式の代名詞とも言える印象的な組み合わせです。

夕焼けや朝焼けの空、山々の表情などをこれらの色で詩情豊かに表現しています。

色彩によって自然の微妙な表情を捉えつつも、全体としては明快で清々しい画面を作り出していると言えるでしょう。

このような色彩表現によって小野竹喬は、自然の中にある「香り」のようなもの、あるいは「自然と私との素直な対話」から生まれる心象風景を描きました。

自然を深く観察するとともに、自然を見ている自分自身を通すことで、ゆるぎない独自の表現を確立していったのです。

作品全体から漂う、おおらかで素朴で温かい雰囲気は、小野竹喬の人柄そのものを反映しているとも考えられます。

小野竹喬の作品の種類

小野竹喬の作品には、通常の日本画作品のほかに、掛け軸作品、版画作品もあります。

小野竹喬の掛け軸や版画も美術品買取市場で人気が高く、特に版画作品は希少性が比較的低いことから多く取引されています。

小野竹喬作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは

近代日本画壇の代表作家であり、文化功労者・文化勲章受章者である小野竹喬の作品は、美術品買取市場でも非常に高い人気があります。

美術館に収蔵されているものなど貴重な作品も多くありますが、通常の日本画作品から掛け軸、版画など、買取市場での取引例も多く見られます。

小野竹喬作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、やはり「竹喬様式」によって描かれた肉筆の風景画です。

特に、「茜色」と「群青色」が巧みに使われ、画面全体を色で満たした作品は高く買取されやすい傾向があります。

モチーフでは、夕焼け・朝焼け・山・池・渓流・島など、日本の自然を描いたものが人気です。


小野竹喬だけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。

以下の各ページでは、有名作家の作品を中心とした日本画・掛け軸の買取相場や、高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。

参考までにぜひご参照ください。



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バイセルでの日本画の買取実績は?

バイセルには、日本画をはじめとした絵画の買取実績が数多くございます。

以下の各ページでは、日本画をはじめとした絵画のバイセルでの実際の買取例について記載してございます。

参考までにぜひご覧ください。


小野竹喬の代表作

自然を独自の視点で捉えた、おおらかで素朴で温かい雰囲気を持つ小野竹喬の風景画は多くの美術ファンを魅了し、美術品買取市場でも高い支持を集めています。

ここでは、買取市場で出会うことのあるものから美術館に所蔵されているものまで、小野竹喬の代表作をご紹介します。

島二作(しまにさく)

「島二作」(1916)は、小野竹喬の初期の代表作と言える重要な作品です。

岡山県の笠岡市立竹喬美術館に所蔵されています。

「島二作」は「早春」と「冬の丘」という2枚の作品からなる連作で、小野竹喬の故郷である岡山県笠岡市の神島が描かれています。

小野竹喬が西洋絵画の写実性を日本画に取り入れる試みをしていた頃の作品で、日本画の縦長の画面の中に、西洋絵画の遠近法を巧みに取り入れている点が特徴的です。

色彩の面では、全体的に抑制された色調で描かれており、どこかもの悲しげな、静謐な雰囲気を醸し出しています。

単なる風景描写にとどまらず、見る者の心に訴えかけるような詩情や象徴性が込められている点は、のちの小野竹喬の作風に繋がる点だと言えるでしょう。

仲秋の月

「仲秋の月」(1947)は、小野竹喬が生涯にわたって描き続けた「月」をモチーフとした作品の1つで、その中でも特に有名と言える傑作です 東京都の山種美術館に所蔵されています。

描かれているのは夜空に浮かぶ満月と、その手前にある木々だけという極めて簡潔な構成です。

さらには色彩も抑制されており、墨の濃淡と淡い色彩のみで、深遠な夜の情景の奥行きと静けさが表現されています。

淡く光を放つ月は輪郭をぼかして描かれ、その神秘的な輝きが強調されています。

月の光が夜空全体を照らすような、柔らかな光の表現が特徴です。

奥入瀬の渓流

「奥入瀬の渓流」(1951)は、小野竹喬が確立した画風をもって日本の自然に真正面から向き合った、円熟期の傑作です。

東京都現代美術館に所蔵されています。

モチーフは、青森県にある景勝地・奥入瀬渓流の豊かな緑と清らかな水の流れです。

印象的なのが水の表現で、激しく流れ落ちる滝や、岩にぶつかって砕ける水しぶきが、力強く、そして同時に繊細に描かれています。

水流の勢いや躍動感が、見る人に鮮烈に伝わってきます。

色彩は豊かな緑と、水の白や淡い青が中心となり、清涼感あふれる色彩になっているのが特徴です。

奥入瀬渓流が持つ生命力や躍動感、そこに漂う静謐な詩情が豊かに表現され、小野竹喬の自然への深い愛情と共感が感じられる名作だと言えるでしょう。

樹間の茜

小野竹喬の作品には夕焼けの茜色の空を描いたものが多く、「茜空の画家」とも言われます。

「樹間の茜」(1974)はその象徴ともいえる、小野竹喬晩年の代表作です。

小野竹喬の故郷である岡山県笠岡市の、笠岡市立竹喬美術館に所蔵されています。

この作品では、木々の間から見える夕焼けの光が描かれています。

鮮やかでありながらも温かみのある茜色が画面全体に広がり、見る人の心に深い感動と郷愁を呼び起こします。

同時に、茜色の空は過ぎゆくものの哀愁をも感じさせ、見る人の心象に応じて様々な表情を見せます。

日本の自然の美しさを穏やかで優しい筆致で表現した、竹喬様式の到達点とも言える表現です。

奥の細道句抄絵(おくのほそみちくしょうえ)

「奥の細道句抄絵」(1976)は、松尾芭蕉の紀行文『おくのほそ道』に詠まれた俳句を絵画で表現した、10点からなる壮大な連作です。

京都国立近代美術館に所蔵されています。

小野竹喬は若い頃から芭蕉の『おくのほそ道』に強い関心を持っていたと言われ、80代半ばという高齢で実際に東北各地へ取材に赴き、この連作を制作しました。

実際に各地へ赴いたのは、単に句をなぞるのではなく、芭蕉が感じたであろう「実際の景色に接した時の感動」を自身で追体験し、それを絵にするためです。

芭蕉の俳句に込められた日本の自然観や人生観が、小野竹喬独自の温かく詩情豊かな画風で表現されています。

芭蕉が旅を通して見つめた日本の自然と、竹喬が生涯描き続けた日本の自然が、この連作の中で見事に響き合っていると言えるでしょう。

まだまだある小野竹喬の有名作品

これまでに挙げたもののほかにも、小野竹喬にはまだまだ多くの有名作品・人気作品があります。

波切村夏の五箇山冬日帖五月雨をあつめて早し最上川
波濤郷土風景青海あかあかと日は難面もあきの風
残照秋陽(新冬)笠島はいづこさつきのぬかり道
宿雪溪竹新霽春提暑き日を海にいれたり最上川
秋 洩れ日浪の間や小貝にまじる萩の塵涼しさやほの三ヶ月の羽黒山

ここに名前を挙げたような小野竹喬作品をお持ちなら、保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。

具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。

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小野竹喬の絵画を高価買取してもらうためのポイント

詩情豊かに日本の自然を描き、見る人の心象に応じて様々な表情を見せる小野竹喬の絵画は、美術品買取市場でも高い需要があります。

では、小野竹喬の絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。

小野竹喬作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

  1. 綺麗な状態で保存しておく
  2. 鑑定書などの付属品を揃えておく
  3. 入手経路などの来歴を明確にしておく

綺麗な状態で保存しておく

小野竹喬を含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。

反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。

小野竹喬のような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。

作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。

鑑定書などの付属品を揃えておく

小野竹喬のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。

小野竹喬作品の場合、作品の右下や裏などに「竹喬」というサインの入っているものが多いです。

また、サインのそばには通常、朱色の印章が押されています。

これらのサインや印章は作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。

鑑定書も同様の効果があり、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。

これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。

鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。

なお、小野竹喬作品について信頼度の高い鑑定機関としては、京都市の「ギャラリー鉄斎堂」内にある「小野竹喬鑑定委員会」が挙げられます。

入手経路などの来歴を明確にしておく

小野竹喬をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。

例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。

そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。

入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。

小野竹喬作品を売るなら買取実績豊富なバイセルへ

小野竹喬の絵画の買取をお考えなら、骨董品買取のバイセルにお任せください。

バイセルは日本全国で骨董品・美術品などの買取サービスをご提供し、たくさんのお客様・リピーター様からご指名をいただいてまいりました。

バイセルの査定士は、高い専門知識と豊富な査定経験を生かして、小野竹喬作品をはじめとした絵画1点1点の価値をしっかりと見極め、正確に鑑定します。

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