今尾景年の絵画の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

今尾景年(いまおけいねん)は、写実的な描写力と装飾的な色彩で描く花鳥画で有名な日本画家です。
徹底した写生に基づく緻密な描写と豊かで華やかな色彩で表現される、動植物の質感や生命感は非常に評価が高く、美術品買取市場でも高価買取されるケースがあります。
本記事では、今尾景年作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい今尾景年作品の特徴、今尾景年の絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
今尾景年とは
今尾景年(1845-1924)は、明治から大正にかけて活躍した日本画家です。
特に、精緻な描写で色彩豊かな花鳥画を得意としました。
今尾景年は1845年、京都の友禅染屋の家に生まれました。
幼い頃から絵を学び、浮世絵師の梅川東居(うめかわとうきょ 生没年不明)に師事した後、東居の紹介で日本画家の鈴木百年(すずきひゃくねん 1828-1891)に弟子入りしました。
師匠の「年」の字と、尊敬する絵師・松村景文(まつむらけいぶん 1779-1843)の「景」字を取って「景年」と号しました。
今尾景年の絵画は国内外で高く評価されており、1893年のシカゴ万国博覧会で名誉賞牌を受賞、1900年のパリ万国博覧会で銀牌を受賞するなど、海外の博覧会でも多くの賞を受賞しています。
これらの実績から、1904年には帝室技芸員、1919年には帝国美術院会員に選ばれ、当時の画壇を代表する存在となりました。
また、後進の育成にも力を居れており、門下からは木島桜谷(このしまおうこく 1877-1938)をはじめとする多くの優れた画家が輩出されています。
今尾景年の作風
今尾景年は、写生に基づいた精緻で色彩豊かな花鳥画を得意としました。
博物学者の指導も受けるなど科学的かつ精密な写生を重視し、その美しさと深みは「綺麗濃褥(きれいじょうじょく)」と称されました。
景年の作品は、鳥なら羽毛の一本一本、花卉なら花びらの繊細な質感まで丁寧に描き込まれています。
また、鮮やかで華やかな色彩を多用し、画面全体を装飾的に構成する点も大きな特徴です。
今尾景年は弟子たちにも写生の重要性を説いたと伝えられており、毎月1日と10日を「写生日」と定めていたといいます。
今尾景年の作品の種類
今尾景年の作品には、通常の紙本・絹本の日本画作品のほかに、掛け軸や版画などの作品も多くあります。
掛け軸作品は小型で扱いやすく、版画作品は比較的希少性が低いことから、掛け軸作品や版画作品は美術品買取市場でも多く取引されています。
今尾景年作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは
徹底した写生に基づく花鳥画で高く評価されている今尾景年の作品は、美術品買取市場でも高い人気があります。
美術館に収蔵されているものなど貴重な作品も多くありますが、掛け軸作品や版画作品などを中心に買取市場での取引例も見られます。
今尾景年作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、やはり得意とした花鳥画です。
特に、四季の動植物が描かれたものは買取市場でも人気が高く、高い価値がつく可能性があります。
今尾景年だけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。
以下の各ページでは、有名作家の作品を中心とした日本画・掛け軸の買取相場や、高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。
参考までにぜひご参照ください。
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今尾景年の代表作
緻密な写生に基づいた精緻で色彩豊かな今尾景年の花鳥画は、多くの美術ファンを魅了しています。
ここでは、今尾景年の絵画の中でも特に人気の高い、代表作と言うべき作品についてご紹介します。
景年花鳥画譜(けいねんかちょうがふ)
「景年花鳥画譜」(けいねんかちょうがふ)は、1891年から1892年にかけて刊行された、今尾景年の木版画による画集です。
「景年花鳥画譜」では、景年の得意とする花鳥画が非常に精巧な多色刷りの木版画で表現されています。
鳥の羽毛一本一本、花びらの繊細な質感までが丁寧に描かれており、写実性と装飾性が融合した彼の画風をよく示しています。
全4巻からなり、「春之部」「夏之部」「秋之部」「冬之部」と、四季折々の花鳥が描かれています。
刊行物であり、一点物ではないため希少性という意味では比較的低いのですが、今尾景年の芸術の真髄が詰まった作品として高く評価されています。
鷲猿図(しゅうえんず)
「鷲猿図」(1893)は、シカゴ万国博覧会で名誉賞牌を受賞した、今尾景年の出世作と言える作品です。
東京国立博物館に所蔵されています。
画面に描かれているのは、空高くから鋭い眼光で獲物(猿)を狙う鷲と、それから必死に身をかわそうとする猿の様子です。
優美な花鳥画というよりは、動物の生命の躍動と、迫真の緊張感が伝わってきます。
鷲の鋭い爪や力強い羽、猿の毛並みや恐怖と警戒の入り混じった表情などの緻密な細部の描写は今尾景年ならではで、物語性を感じさせる作品となっています。
「鷲猿図」は、今尾景年が単に美しい花鳥を描くだけでなく、動物たちの本能的な姿や感情までも捉えることができる優れた写生力を持つ画家であることを証明した重要な作品です。
春山花鳥図(しゅんざんかちょうず)
「春山花鳥図」(1900)は、パリ万国博覧会で銀牌を受賞した、今尾景年の代表作の1つです。
現在は、副本が天理大学附属天理図書館に所蔵されています。
「春山花鳥図」では題名の通り、春の山に咲き誇る草花とそこに集まる鳥たちが描かれています。
景年が最も得意とした花鳥画の集大成ともいえる作品で、徹底した写生に基づく精密な描写は見事です。
鳥の羽毛や花びら一枚一枚が、非常に丁寧に描き込まれています。
また、華やかで装飾的な色彩が存分に発揮されており、見る者を魅了します。
日本の伝統的な花鳥画の美しさを近代的な写実性と装飾性で表現した傑作として、当時のヨーロッパの人々にも強い印象を与えました。
錦軟障(にしきのぜじょう)
「錦軟障」(1915)は、大正天皇の即位の礼が行われた際、「大饗の儀」で天皇の御座背面に掛けるために作られた緞帳です。
図柄は「千年松山水の図」と呼ばれ、老松と山水の図が墨で描かれています。
この『錦軟障』はその後、昭和天皇、平成天皇のご即位の際にも、同じく大饗の儀で使用されました。
日本の皇室における重要な儀式を彩る、歴史的な美術品として代々大切に受け継がれている傑作であると言えます。
宮内庁によって保管されており、一般の展覧会などで目にすることは稀ですが、彼の芸術家としての高い評価と日本画壇における特別な地位を示す作品と言えるでしょう。
まだまだある今尾景年の有名作品
これまでに挙げたもののほかにも、今尾景年にはまだまだ多くの有名作品・人気作品があります。
松間朧月図 | 蕉陰双鶏図 | 耶馬溪図 | 遊鯉図 | 白桃鸚可図 |
牡丹小禽図 | 蓮池遊亀図 | 蟠龍図天井画 | 余物百種の図 | 四季花鳥図 |
寒月群鴨図 | 牧童図 | 鯉魚図 | 芥子雀 | 鳩 |
一品當朝圖 | 高砂翁姥図 | 水墨鶏 | 漁夫図 | 松に鶴 |
ここに名前を挙げた今尾景年作品は、どれも価値の高いものばかりです。
また、ここに名前のない作品であっても、今尾景年の絵画作品であれば保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。
お持ちの今尾景年作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへ今尾景年の絵画を高価買取してもらうためのポイント
緻密な写生に基づいた精緻で色彩豊かな今尾景年の花鳥画は、美術品買取市場でも高く評価されています。
では、今尾景年の絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
今尾景年作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 綺麗な状態で保存しておく
- 鑑定書などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
綺麗な状態で保存しておく
今尾景年を含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。
反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。
今尾景年のような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。
作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。
鑑定書などの付属品を揃えておく
今尾景年のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。
今尾景年作品の場合、作品の左下や掛け軸を収める箱などに、「景年」「養素斎景年」「景年今尾観」などのサインと朱色の印章が押されているものが多いです。
これらのサインや印章は作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。
鑑定書も同様の効果があり、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。
これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。
鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。
入手経路などの来歴を明確にしておく
今尾景年をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
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