圓鍔勝三の彫刻作品の買取価格は高い？代表作や高価買取のポイントを解説

圓鍔勝三（えんつばかつぞう）は、人体像を独自の感覚で簡略化した、人物の内面や細やかな人情を感じさせるような造形で知られる日本の彫刻家です。

木彫を土台にしながらブロンズ・石・樹脂など様々な素材を組み合わせた独自の技法は、多くの美術ファンから高く評価されています。

美術品買取市場でも圓鍔勝三の彫刻作品は非常に人気が高く、高価買取されるケースも少なくありません。

本記事では、圓鍔勝三作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい作品の特徴、圓鍔勝三の彫刻作品を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。

圓鍔勝三とは

圓鍔勝三（1905-2003）は、昭和から平成にかけて活躍した日本の彫刻家です。

本名は圓鍔勝二（かつじ）です。

圓鍔勝三は1905年、現在の広島県尾道市に生まれます。

1921年に京都へ上ると、彫刻師の石割秀光（いしわりひでみつ）に弟子入りして彫刻の道に入ります。

1928年に上京して日本美術学校で彫刻を学ぶと、卒業後には彫刻家・澤田政廣（さわだせいこう　1894-1988）に師事して本格的に彫刻家としての道を歩み始めました。

その後の活躍は目覚ましく、1939年の第3回文展で特選を受賞すると、第2回および第3回日展での特選、第8回日展での文部大臣賞、日本芸術院賞など多くの賞を受賞しました。

また、多摩美術大学で教授を務めるなど、後進の育成にも尽力しました。

圓鍔勝三の功績は、紺綬褒章受章、勲三等瑞宝章受章、文化功労者顕彰、文化勲章受章、広島県名誉県民への登録など、公にも高く評価されています。

このように高い評価を得る圓鍔勝三の作品は、広島県の圓鍔勝三彫刻美術館をはじめとしたいくつもの美術館や、東京駅・大倉山公園（兵庫県）などの公共施設のモニュメントで楽しむことができます。

圓鍔勝三の作風

圓鍔勝三が得意としたのは、人体をモチーフとした具象表現です。

同時代には抽象表現を取り入れる作家が多かった中、一貫して「平和を希求する心」「生きることへの愛着」といった主題を表象する具象彫刻を追求した点は1つの特徴となっています。

ただし、完全な写実というよりは、人体像を独自の感覚で簡略化した新たな造形だと言えるでしょう。

特に、60代から70代の円熟期にはより心象的な彫刻表現へと変化し、豊かな自然と細やかな人情を思い起こすような世界を表現しています。

彫刻の素材としては、伝統的な木彫を土台にしながら、ブロンズ・石・樹脂・陶磁・銅版・石膏・金箔など、多様な素材を積極的に使用した点は大きな特徴です。

様々な異素材を組み合わせて1つの表現に落とし込んだ、自由で闊達な作風は圓鍔勝三ならではと言えるでしょう。

圓鍔勝三の彫刻作品の買取価格は高い？

紺綬褒章・文化勲章受章者である圓鍔勝三の作品は、美術品買取市場でも高い人気があります。

美術館に所蔵されているものや公共施設に設置されている大型作品なども多くありますが、一点物でないブロンズ像作品や、小型の作品などは買取市場での取引例も多く見られます。

圓鍔勝三作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、彫刻作家としての技術的な基礎にもなっている木彫の作品です。

特に、1メートルに近いような比較的大きな作品であれば、高く評価されやすいでしょう。

圓鍔勝三だけでなく、彫刻作品の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。

以下の各ページでは、有名作家の作品を中心とした彫刻作品の買取相場や、高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。

参考までにぜひご参照ください。

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バイセルでの彫刻作品の買取実績は？

バイセルには、木彫やブロンズ像などの彫刻作品の買取実績が数多くございます。

以下の各ページでは、木彫やブロンズ像をはじめとした彫刻の買取相場や、バイセルでの実際の買取例について記載してございます。

参考までにぜひご覧ください。

圓鍔勝三の代表作

造形や素材における独自の感覚が遺憾なく発揮された圓鍔勝三の彫刻作品は、多くの美術ファンを魅了し続けています。

ここでは、圓鍔勝三の彫刻の中でも特に人気の高い、代表作と言うべき作品についてご紹介します。

しろうさぎ

「しろうさぎ」（1947）は第3回日展で特選を受賞した、圓鍔勝三の活動前期における代表作と言える木彫彫刻です。

東京国立近代美術館に所蔵されています。

モチーフとなっているのは、女性が白いうさぎを抱く姿です。

うさぎは、平和や愛の象徴として圓鍔勝三作品に繰り返し登場するモチーフの1つです。

「しろうさぎ」は全体的にふくよかで丸みのある造形が特徴で、丸く愛らしいうさぎの姿には優しさや安らぎが感じられます。

極端なデフォルメではないものの、過度な装飾や写実性を抑え、形態は簡略化されています。

単なる動物の写実ではなく、うさぎの持つ純粋さや温もり、そのうさぎの姿が呼び起こす内面的な感情に重点が置かれていると言えるでしょう。

「しろうさぎ」は非常に高い人気を獲得したため、木彫の原型以外にもブロンズ像としても制作されました。

現在でも圓鍔勝三作品を代表するものの1つとして知られています。

女神

「女神」（1973）は、圓鍔勝三の円熟期のモニュメント作品として有名なブロンズ像作品です。

兵庫県神戸市の大倉山公園に設置されています。

「女神」は、腰に布をまとった女性の立像です。

単なる裸婦像ではなく、西洋画に見られるような女神像として、平和や祈り・調和を象徴していると考えられます。

女神の上げた手は手先まで細やかに表現されており、手の形は招いているような祈っているような、見る人によって変わるような繊細な形をしています。

腰回りの布も大きく動いているわけではありませんが、単に巻かれているだけではなくわずかな風が感じられる繊細な造形です。

写実性を保ちながらも形態をシンプルにまとめ上げる圓鍔勝三ならではの技術で、優美さと、神戸市という都市の景観に負けない力強さを両立させています。

公園の緑や神戸という都市の景色との調和を感じながら鑑賞すると、単体で見たときとは異なる印象を与えます。

紫式部像

「紫式部像」（1986）は、旧武生市（現在の福井県越前市の一部）の市制35周年を記念して制作されたブロンズ製のモニュメントです。

福井県越前市の紫式部公園に設置されています。

圓鍔勝三の「紫式部像」は、平安時代の女性像を本格的に表現した初めての作品とされています。

モチーフは、十二単衣をまとい、手には檜扇を持つ紫式部です。

金色に輝く仕上げがなされたブロンズ造形されており、絢爛な姿に仕上がっています。

描かれているシーンは、父の赴任先である越前で暮らしていた頃の紫式部が、遠く京の都を偲ぶ姿だといいます。

この像は日野山に向けて建てられているのですが、これは紫式部が実際に京を思いながら日野山を眺めていたというエピソードにちなんだ配置となっています。

圓鍔勝三の得意とする、彫刻による人物の内面の表現のさらに進んだ形として、歴史的な情景や歴史上の人物の内面的な心情を見事に具現化した作品だと言えるでしょう。

仁王像一対

「仁王像一対」（1978）は、圓鍔勝三の仏教彫刻の分野における代表的な作品です。

東京都大田区にある池上本門寺の本殿に設置されています。

圓鍔勝三の「仁王像一対」は、阿形像・吽形像の2体から成る、木彫の金剛力士像です。

「しろうさぎ」など見られるような簡略化された造形とは異なり、筋骨隆々として躍動感に満ちた、極めて迫力ある写実的な表現が特徴となっています。

圓鍔勝三の円熟期における造形技術の高さと表現の幅広さを示すものだと言えるでしょう。

そして、この「仁王像一対」についての有名なエピソードとして、「プロレスラーのアントニオ猪木さんをモデルとして制作された」という逸話があります。

力強い肉体を持つアントニオ猪木さんをモデルにすることで、仁王像に求められる力強さと躍動感を見事に具現化しました。

ちなみに、池上本門寺には、アントニオ猪木さんの師匠である力道山さんのお墓があることでも有名です。

まだまだある圓鍔勝三の有名作品

これまでに挙げたもののほかにも、圓鍔勝三にはまだまだ多くの有名作品・人気作品があります。

ここに名前を挙げた圓鍔勝三作品は、どれも価値の高いものばかりです。

また、ここに名前のない作品であっても、圓鍔勝三の彫刻作品であれば保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。

お持ちの圓鍔勝三作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。

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圓鍔勝三の彫刻作品を高価買取してもらうためのポイント

造形や素材における独自の感覚で、描く人物の背景や内面までをも表現しているとして買取市場でも高く評価されている圓鍔勝三の彫刻作品ですが、少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。

圓鍔勝三を含む彫刻作品の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

1. 綺麗な状態で保存しておく
2. 鑑定書などの付属品を揃えておく
3. 入手経路などの来歴を明確にしておく

綺麗な状態で保存しておく

圓鍔勝三を含む彫刻作品の買取では、保存状態が良好である（制作当時の状態をなるべく保っている）ほど高く買取されやすい傾向があります。

反対に、欠損がある・錆が見られるなどなど保存状態が良くないと、その分だけ買取価格は下がってしまうでしょう。

彫刻の傷や欠損を防ぐために、保管時には箱に入れるなどして保護してあげましょう。

また、ブロンズ像の錆を防ぐためには、水分がついた場合にはすぐに拭き取るなどの対策をすると良いでしょう。

鑑定書などの付属品を揃えておく

圓鍔勝三のような有名作家の彫刻作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。

圓鍔勝三作品では、作品の底部などに「圓鍔勝三作」または「圓鍔作」といった署名が刻印されていることが多いです。

あるいは共箱に「圓鍔勝三作」の署名と朱色の印章が入っているものもあります。

またそれに加えて、ブロンズ像では複数鋳造されるケースが多いため、エディション番号が入っているものが多いです。

作者のサインやブロンズ像のエディション番号は、作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。

鑑定書も同様で、付いていることで作品の価値を証明でき、買取市場における信頼性が増します。

これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。

鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。

入手経路などの来歴を明確にしておく

圓鍔勝三などの美術品の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。

例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に大きな展覧会に出品された」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。

そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。

入手した経路や時期、出品された展覧会のリストや写真といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。

圓鍔勝三作品を売るなら買取実績豊富なバイセルへ

圓鍔勝三の彫刻作品の買取をお考えなら、骨董品買取のバイセルにお任せください。

バイセルは日本全国で骨董品・美術品などの買取サービスをご提供し、たくさんのお客様・リピーター様からご指名をいただいてまいりました。

バイセルの査定士は、高い専門知識と豊富な査定経験を生かして、圓鍔勝三をはじめとした彫刻1点1点の価値をしっかりと見極め、正確に鑑定します。

バイセルの出張買取ならお電話1本、手数料完全無料で日本全国への出張買取に対応しております。

「試しに価値がどれくらいか聞いてみたい」「傷や汚れがあって売れるか不安」といった場合にも無料でご相談いただけます。

ぜひ1度お気軽にお試しください。

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