海外の有名な現代アート作家12人!世界で活躍する日本人画家も紹介
「海外の現代アート作家を知りたい」
「海外でも活躍している日本人アーティストはいるの?」
海外の現代アートに興味がある方は、このようにお思いの方もいるでしょう。
20世紀以降に生まれた「現代アート」ですが、現在では国内外問わず多くの現代アート作家が活躍しています。
私たちの生活でよく目にする作品も多く、実は身近で触れている可能性も高いです。
本記事では海外の現代アート作家と、外国でも活躍している日本人の現代アート作家を紹介します。
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現代アートとは
「現代アート」とは、20世紀以降に生まれた芸術の総称です。
多様性が特徴で、以下のジャンルが該当します。
- 絵画
- 彫刻
- 写真
- 映像
- インスタレーションなど
現代社会は目まぐるしく変化しており、多様化の時代に突入しています。
時代に合わせてアートも多様化し、芸術家たちが新しい表現を追求していく中で誕生しました。
現代アートは多様化だけでなく社会的な問題を取り上げ、時には風刺している点も特徴の1つとして挙げられます。
例えばフェミニストアートは、女性の社会的地位や性差別などを題材にし、女性芸術家たちが自身の体験をとおして問題提起を行っています。
現代アートの楽しみ方は人それぞれですが、作品の制作背景や問題提起の内容などをあらかじめ知っておくと、より深く理解できるでしょう。
現代アートで有名な海外の作家12人
現代アートで有名な海外作家を12人紹介します。
- マルセル・デュシャン
- ジャクソン・ポロック
- アンディ・ウォーホル
- アンリ・マティス
- ワシリー・カンディンスキー
- キース・へリング
- イサム・ノグチ
- ジョン・ケージ
- ジェームズ・タレル
- マリーナ・アブラモヴィッチ
- ジャン=ミシェル・バスキア
- ダミアン・ハースト
1人ずつ、プロフィールや作品の特徴について解説します。
マルセル・デュシャン
マルセル・デュシャン(1887-1968)はフランスのアーティストで、20世紀美術に大きな影響を与えた人物です。
最初はキュビズム風(ピカソの作品のような幾何学的なアート)の油絵を中心に制作していました。
しかし1917年に発表した「泉」という作品で、世界から注目を浴びます。
「泉」は男性用便器を横にして、「R.Mutt」という署名と年号の「1917」を記しているだけの作品です。
マルセル・デュシャンは、日常に存在する既製品を芸術作品に昇華させ「芸術とはなにか?」という問いを世界に投げかけました。
「泉」をきっかけに、20世紀以降の現代アートは「作品を鑑賞する者への投げかけ」を目的に作られるようになったのです。
ジャクソン・ポロック
ジャクソン・ポロック(1912-1956)は、アメリカの画家です。
数ある絵画ジャンルの中でも、抽象表現主義に分類されます。
抽象表現主義はアメリカで誕生したジャンルで、まるで幼児が遊んでいるかのように絵の具を適当にキャンバスにぶちまけたような手法を用いています。
ジャクソン・ポロックは、抽象表現主義を独自に変化させ「アクションペインティング」という技法を生み出しました。
アクションペインティングは、体を動かしながら絵の具を飛び散らせたり垂らしたりして制作する手法です。
独創的な作風で人気を博しましたが、周囲からのプレッシャーに苦しみ、長年患わっていたアルコール依存症を再発してしまいます。
そして1956年、44歳の若さで飲酒運転による事故で亡くなりました。
ジャクソン・ポロックの代表作は「男と女」「壁画」などです。
アンディ・ウォーホル
アンディ・ウォーホル(1928-1987)はアメリカのアーティストで、ポップアートの巨匠として知られています。
ポップアートとは、1960年半ば〜1970年代にイギリスとアメリカで誕生した絵画ジャンルです。
大量生産・大量消費を繰り返す現代社会をテーマにしています。
アンディ・ウォーホルの作品は、当時の有名女優やコミックスなど、大衆に馴染みのあるモチーフが多く用いられている点が特徴です。
代表作品には「狙撃されたマリリン」や「キャンベルのスープ缶」などがあります。
アンディ・ウォーホルの作品は、現在でも文房具や洋服などさまざまなものに転用されているため、どこかで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
アンリ・マティス
アンリ・マティス(1869-1954)はフランス生まれで、フォーヴィスム(野獣派)の代表的な画家です。
自身の感情を独自の色彩感覚で描き「色彩の魔術師」とも呼ばれています。
同時期に活躍したパブロ・ピカソやマルセル・デュシャンと並んで、世界を代表する芸術家の一人です。
アンリ・マティスは油絵を中心に制作していましたが、独自の色彩と感情を追求した結果、晩年には色紙を切り貼りした「切り絵」を多く残しました。
代表作には「緑のすじのあるマティス夫人の肖像」「ブルー・ヌード Ⅳ」などがあります。
ワシリー・カンディンスキー
ワシリー・カンディンスキー(1866-1944)はロシアの画家、美術理論家です。
絵画を本格的に学び始めたのは30歳と遅いですが、抽象画の創始者として知られています。
抽象画誕生のきっかけは、クロード・モネの作品を見たことです。
当時のワシリー・カンディンスキーは「絵画は写実的なもの」という概念を持っていました。
そのためモネの作品に感銘を受けつつも、絵の意図は理解できなかったそうです。
しかし「作品の具体的な意図がわからなくても、色や形で表現できる」と考え、抽象画の作成・研究に勤しみました。
ワシリー・カンディンスキーの代表作には「コンポジションⅧ」や「印象Ⅲ」などがあります。
キース・へリング
キース・ヘリング(1958 -1990)は、アメリカ生まれのストリート・アート、グラフィティ・アートの先駆者です。
1980年代のアメリカアートを牽引した代表的な人物として知られています。
キース・ヘリングはエイズに感染し、1990年に31歳という若さで亡くなりました。
また同性愛者であったことから、彼の作品にはエイズの予防啓発やLGBTの認知など、社会問題が多く取り上げられています。
キース・ヘリングの作品は「チョーク・アウトライン形式」と呼ばれる手法を用いており、シンプルでありながら大胆な色使いが魅力です。
「ラディアント・ベイビー」や犬をアイコンにした作品が有名で、現在でも洋服のデザインなどに使用されています。
イサム・ノグチ
イサム・ノグチ(1904 -1988)は、アメリカで活躍した日系アメリカ人アーティストです。
彫刻家やインテリアデザイナーなど多くの肩書きを持っており、活躍したジャンルは多岐にわたります。
そのため代表作も非常に多く、日本にもルーツがある点から、国内にも彼の作品がたくさん残されています。
【モエレ沼公園】
北海道札幌市にある有名な観光スポットで、イサム・ノグチが設計を手掛けました。
公園全体が彼の「大地の彫刻」になっており、見どころ満載です。
【こどもの国】
神奈川県横浜市と東京都町田市をまたぐ位置にある「こどもの国」は、雑木林を中心とした公園です。
設計集団の一人として参画し、こどもの遊び場を多く作りました。
【AKARI】
AKARIは、岐阜提灯をモチーフにデザインされたランプシリーズです。
35年間で200種類以上が制作されました。
和紙の柔らかい光と優れたデザイン性が人気で、現在でも購入可能です。
ジョン・ケージ
ジョン・ケージ(1912-1992)は、アメリカの音楽家で、クラシック音楽の概念を覆した人物として有名です。
理由は、代表作の「4分33秒」にあります。
クラシック音楽は、作曲家が作った曲をオーケストラが演奏するのが当たり前でした。
しかし「4分33秒」では、オーケストラは一切演奏しません。
無音の中、その場で発生する音や空間を楽しむ楽曲です。
当時は斬新な曲として賛否両論ありましたが、現在では高く評価されており、時折クラシックコンサートなどで演奏されています。
そんなジョン・ケージは音楽家だけでなく、思想家や詩人、キノコ研究家など多彩な顔を持ち、芸術作品も世に残しました。
東洋思想への関心を深めていたことから、京都龍安寺の石庭の配置を様々な角度から方眼紙の上に投影したドローイング作品などもあります。
ジェームズ・タレル
ジェームズ・タレル(1943-)は、アメリカの美術家です。
1968年〜1971年までアメリカ航空宇宙局研究所に勤務し、現在は光と空間をテーマにしたインスタレーション作品を多く手掛けています。
彼はアメリカ在住ですが、作品は日本各地でも鑑賞可能です。
例えば石川県金沢市にある「21世紀美術館」では「Blue Planet Sky(タレルの部屋)」と呼ばれる作品が展示されています。
タレルの部屋は、石のベンチに座り、四角くくりぬかれた天井から空の様子を眺められる空間作品です。
時間によって異なる空の様子に魅了され、長時間居続けたり何度も訪れる人がいます。
マリーナ・アブラモヴィッチ
マリーナ・アブラモヴィッチ(1946-)は、旧ユーゴスラビア出身のセルビア系アメリカ人です。
パフォーマンスアートの母と呼ばれていますが、自身の肉体を酷使した過激な作品が多いため、賛否両論があります。
特に衝撃的だったのが「Rhythm 0」と呼ばれるパフォーマンスです。
「Rhythm 0」は、観客たちが用意された72個の道具を用いて、マネキンのように佇んだマリーナ・アブラモヴィッチの体に使うといった内容でした。
中には彼女の服を切り裂いて体を切りつけ、銃を突きつける観客までいたそうです。
マリーナ・アブラモヴィッチは自らの危険を顧みず、人間の残酷で暴力的な一面を表現しました。
ジャン=ミシェル・バスキア
ジャン=ミシェル・バスキア(1960-1988)は、ハイチ系アメリカ人の画家です。
彼は黒人ゆえに、幼い頃から差別や貧困に苦しんできました。
そのため作品には、根強く残る黒人差別や貧富の差に対する悲しみや怒りが込められています。
具体的には人種差別や、奴隷制度に関する事件・有名人などが作品内に直接描かれており、作中のヒーローは王冠で表現されています。
また、文章や地図記号などが多く登場する点も特徴です。
ジャン=ミシェル・バスキアはヘロインの過剰摂取により、27歳で亡くなりました。
しかし彼の作品は、大手アパレルメーカーのUNIQLOとコラボレーションするなど、現在でも多くの人に愛されています。
ダミアン・ハースト
ダミアン・ハースト(1965-)はイギリスの美術家で、生と死をテーマにした作品が多く「Natural History」と呼ばれる、サメや牛など動物の死体をホルマリン漬けにしたシリーズで知られています。
「Natural History」シリーズは美術品として高い評価を受けており、これまでに数多くの賞を受賞しています。
しかし過激でショッキングな作品ゆえ、「気持ち悪い」という感情を抱く人もいるでしょう。
彼の作品は現代アートとして人気が高く、オークションや新作の販売価格は現存する美術家の中で最も高値がつきます。
世界で活躍する日本人の現代画家
海外でも活躍する日本人の現代アーティストを10人紹介します。
- 草間彌生
- 岡本太郎
- オノ・ヨーコ
- 白髪一雄
- 河原温
- 赤瀬川原平
- 横尾忠則
- 奈良美智
- 村上隆
- 小松美羽
1人ずつプロフィールや作品を見ていきましょう。
草間彌生
草間彌生(1929-)は長野県生まれの女性画家です。
1957年に渡米し、細かい網目模様を巨大なキャンバスに描いた「ネット・ペインティング」や男性器をモチーフにした「ソフト・スカルプチャー」など、さまざまな作品を発表して現代アーティストとしての地位を確立しました。
草間彌生の作品は、幼少期の幻視や幻聴体験をきっかけにした網目模様や水玉模様をモチーフにした絵画が特徴です。
これらは彼女の代名詞としても知られており、「水玉の女王」とも呼ばれています。
草間彌生の作品は国内に多く存在しており、彼女の代表作である「かぼちゃ」のオブジェは、日本各地で見られます。
また、ハイブランドとのコラボレーションなども行っており、作品を見かける機会の多いアーティストです。
岡本太郎
岡本太郎(1911-1996)は、神奈川県生まれの芸術家です。
青年期をパリで過ごし、特にパブロ・ピカソに大きな影響を受けました。
しかし、第二次世界大戦のため日本に帰国することになりました。
戦後は精力的に活動し、多くの作品を残しました。
数ある作品の中で最も有名なのは「太陽の塔」です。
1970年の大阪万博のシンボルとして作られ、高い評価を受けています。
高さ70メートルの塔の内部には「生命の樹」と呼ばれる彫刻が置かれています。
「生命の樹」は人間と宇宙、生命の神秘をテーマに、岡本太郎の創造性と独自性を表しているのが特徴です。
オノ・ヨーコ
オノ・ヨーコ(1933-)と聞くと大人気アーティストであった「ビートルズ」のジョン・レノンの妻というイメージをお持ちの方もいるでしょう。
実はジョン・レノンの妻として彼を支えつつも、彼女自身もアーティストとして活躍しています。
オノ・ヨーコは東京の裕福な家庭に生まれ、アメリカの大学で音楽と詩を学びました。
2度の離婚を経験した後、ジョン・レノンと再婚します。
ジョン・レノンの死後は彼の意思を受け継ぎ、平和活動にも力を入れています。
オノ・ヨーコの代表作品には「カット・ピース」や「ベッド・イン」(ジョン・レノンとの合作)などがあり、世界平和について訴えています。
白髪一雄
白髪一雄(1924-2008)は、兵庫県生まれの日本の抽象画家です。
活動初期は風景画や人物画を描いていましたが、独自性を求めて「フット・ペインティング」という技法を生み出します。
フット・ペインティングは天井から吊るしたロープにつかまり、足で床に広げたキャンバスに描いていく手法です。
その後も多くの作品を残しましたが、1971年には比叡山延暦寺で出家し、天台宗の僧侶に転身しました。
白髪一雄の作品で有名なのは「臙脂」です。
スターバックス・コーヒーの創始者であるハワード・シュルツのオフィスに「臙脂」が飾られており、大きな話題になりました。
河原温
河原温(1932-2014)は、愛知県生まれの美術家です。
1950年代ごろまでは国内で活動していましたが、1959年に日本を離れ、その後はメキシコやニューヨークなどを拠点にしました。
河原温は、コンセプチュアルアートの第一人者として知られています。
コンセプチュアルアートとは、1960年代後半〜1970年代に誕生した前衛芸術の総称です。
絵画や彫刻という決まったジャンルではなく、思考や構想のみでも芸術とみなしている点が特徴です。
河原温の代表作としては「Date Painting」が挙げられます。
「Date Painting」は単色で塗られたキャンバスに白色で制作年月日のみを描いた作品で、1966年1月4日からほぼ毎日制作しています。
赤瀬川原平
赤瀬川原平(1937-2014)は、神奈川県生まれの美術家です。
「心はいつもアヴァンギャルド」という言葉を残しており、ときには過激に自らの芸術を追求しました。
赤瀬川原平は武蔵野美術学校油画科に進学するも、経済的理由で退学してしまいます。
退学後も創作活動を続けていたところ、吉村益信や篠原有司男らによって結成された前衛芸術グループ「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ(ネオダダ)」に加入しました。
ネオダダの一員として活動しながら、1963年に高松次郎、中西夏之らとも「ハイレッド・センター」を結成します。
ハイレッド・センター結成後に制作した「復讐の形態学(殺す前に相手をよく見る)」は、社会的問題を起こしながらも、彼の代表作として知られています。
横尾忠則
横尾忠則(1936-)は、兵庫県生まれのアーティストです。
神戸新聞社にイラストレーターとして入社後に独立し、以降は画家として活躍しています。
2024年には88歳になりますが、現在も精力的に創作活動を続けています。
横尾忠則の作風は、誰とも被らない唯一無二を追求し続け、さまざまな手法を取り入れている点が特徴です。
過去の作品や日本神話など、あらゆるものが絵に描かれています。
横尾忠則の作品の数々は、兵庫県神戸市にある「横尾忠則現代美術館」で鑑賞可能です。
奈良美智
奈良美智(1959-)は、青森県生まれで愛知県立芸術大学美術学部を卒業後、同大学院の修士課程を修了しています。
1988年にはドイツに留学し、卒業後はケルンに移住、2000年に帰国しました。
現在は国内外問わず、多くの国や地域で作品展を開催しています。
奈良美智の代表作には、こちらを睨んでいるかのような子どもが描かれた「ナイフ・ビハインド・バック」や、少女の連作シリーズの「Cosmic Eyes」などがあります。
村上隆
村上隆(1962-)は東京都生まれで、東京藝術大学美術研究科で博士後期課程を修了し、日本画専攻で初めて博士号を取得した人物です。
村上隆は、作品において「スーパーフラット」という概念を提唱しています。
「スーパーフラット」は、日本では「ハイ」も「ロー」もすべて同じように消費されてしまうという批判から生まれた考えです。
彼は「スーパーフラット」を表現するために、日本の「オタク文化」や「カワイイ」を積極的に作品に導入しています。
代表作には花に顔が描かれている「お花(フラワー)」や、等身大フィギュアの「Ko²ちゃん」などがあります。
小松美羽
小松美羽(1984-)は、長野県出身のアーティストです。
彼女の作品は、八百万神(やおよろずのかみ)の概念や神話に登場する神獣など、日本の伝統的な文化と現代的な芸術を融合させています。
2014年には、出雲大社に「新・風土記」を奉納します。
2015年には有田焼で作られた狛犬「天地の守護獣」が、大英博物館の日本館に永久展示されることが決まりました。
小松美羽は、今後も世界での活躍が期待される新人アーティストの一人です。
まとめ
現代アートの作家は、国内外問わず多く存在します。
本記事で紹介したアーティストたちは世界的に有名なので、作品も高い価値がつく可能性があります。
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