摺り染めの第一人者、樽本伊勢蔵の着物の買取相場とは?

2023.06.16

着物買取 コラム
摺り染めの第一人者、樽本伊勢蔵の着物の買取相場とは?
樽本伊勢蔵の着物を持っています。一度袖を通しただけですが、売るといくらになりますか?
保存状態や種類により買取価格が変わりますので一度拝見いたしますので、お電話・メールよりお問合せ下さい。
母から樽本伊勢蔵の着物を譲り受けました。着用回数は少ないと聞いていますが価値ってありますか?

自宅に着なくなってしまった樽本伊勢蔵の着物はありますか。

京友禅の代表的な作家なので希少価値が高く、世代問わず着用できる着物です。

一度袖を通したけれど着なくなってしまった着物を作家の愛好家にお譲りしませんか。

今回の記事では樽本伊勢蔵とはどのような作家か、作家が得意とする技法、高額買取が期待されるコツをご紹介します。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

樽本伊勢蔵とは

樽本伊勢蔵とは

樽本伊勢蔵は京友禅の代表的な着物作家で、摺り染め(すり)の第一人者として百人一首や雅楽(ががく)を題材に綿密に描かれた幻想的な作風が魅力です。

優れた着物作家である証として、通商産業大臣認定(現:経済産業省)「京友禅伝統工芸士」や京都府知事認定「京の名工」、全国伝統工芸品展「通産大臣賞 受賞」といった名誉ある肩書きを保持していたり、偉大な賞を受賞したりしています。

樽本伊勢蔵が得意とする摺り染めとは

樽本伊勢蔵が得意とする摺り染めとは

摺り染め(すり)とは摺り込み染めともいい、花や葉っぱなどを布の上に置いて上から石で打ってから、葉っぱや花の汁を布に染める京友禅の技法の一つです。

友禅板に白生地を地張りして、型紙を使って染料を含ませたハケで模様を摺り込むようにして染めていきます。

摺り染めの技法は以下のように進みます。

下絵、着色

下絵を作成し大まかな構図を決めて鉛筆を使って描きあげていき、配色を決めて着色します。

型彫り

型紙に彩色された下絵を基に型彫り用の彫刻刀で彫っていきます。複雑な柄だと型紙を50枚から数百枚使い、複雑な柄ですと数か月とかかります。

絵摺り、染料の調合

出来上がった型紙を使って和紙に摺り込んだ後に、赤・青・黄色の3色と白黒で染料の調合を作ります。

地張り

つなぎ目のない一枚板に生地を貼り付ける作業をします。

生地をたるませないように細心の注意を払って貼り付けていきます。

摺り友禅

地張りした生地の上に型紙を狂いのないように丁寧に合わせていき、模様の大きさに合わせて毛先の柔らかいハケに染料を染み込ませて摺り込むように染めていきます。

地染め

生地全体に染料液をハケで均一に染め、均一に染める部分と色をぼかす部分に沿って染めていきます。

蒸し

摺り終えた生地を生地同士が触れないように紙を間に挟み、生地を100度の温度で蒸して染料を定着させます。

引染の終わった生地を蒸し箱に入れ、地色を定着させるために約100度の蒸気で20〜50分間蒸します。

濃い地色のものは何度も繰り返し行います。

水洗い

生地に付いている余分な染料を洗い流し、終わったら日陰で乾燥させます。

湯のし

生地に蒸気を当てて柔らかくし、シワを伸ばして縦と横の糸の繊維を均等に整えます。

湯のしの良し悪しは着物の仕立てに影響する大事な工程です。

京友禅とは

江戸時代に京都で人気の絵師だった宮崎友禅斉が、自分の画風を模様染めに活かしたことで友禅染めが誕生しました。

色彩が豊かで草花模様をリアルな質感で染め上げる友禅染は、江戸時代には盛んに行われるようになり、1976年には伝統的工芸品に指定されています。

京友禅は白糸を織って布になった白生地を染める「染めの着物」で、その特徴は金糸と銀糸などの糸を使った刺繍や金箔と、内側を濃くして輪郭部分の色を薄くする染め方の「内ぼかし」があります。

樽本伊勢蔵の買取相場はいくら?

樽本伊勢蔵の買取相場はいくら?

樽本伊勢蔵の着物・帯の買取相場は、着物買取市場の事例を見ると概ね8,000円ほどとなっています。

樽本伊勢蔵の着物・帯の状態が未使用や良好ですと高値で買い取ってもらえる可能性が高くなりますので、ぜひ参考にしてみてください。

ですが、もしお持ちの着物の身丈(みたけ・着物の襟から裾までの長さ)や裄丈(ゆきたけ・着物の背中の縫い目から袖口までの長さ)が短かければ、背の小さい人しか着ることができないため需要が低く、高価買取は難しいでしょう。

また、帯に締め跡やシミなどがついていると価値が下がるため、買い取ってもらえたとしても価格が高額にならない場合があります。

買取価格は参考程度に留めておき、実際に着物買取のプロに査定を依頼して買取価格をつけてもらいましょう。

樽本伊勢蔵の作品を高額買取されるコツ

樽本伊勢蔵の作品を高額買取されるコツ

樽本伊勢蔵は京友禅の有名な作家なため高額買取される可能性が高まります。

買取に出す前に利用者がいくつか知っておくべき知識があるのでご紹介します。

落款の価値を知っておく

樽本伊勢蔵の落款は「京友禅伝統工芸士 樽本伊勢蔵」と半紙のような素材に筆文字で記され、赤い印が押されています。

落款とは着物を作った作家名がわかる印で衽(おくみ)に付いていることが多く、樽本伊勢蔵ほど有名な作家は買取時に「作家が仕立てたという証」と認識できるため買取金額が上がる傾向にあります。

着物の状態が悪くなる前に買取に出す

高級な着物の生地は正絹(しょうけん)というシルクが多く、収納環境にとても左右されやすいデリケートな素材です。

正絹は虫が付きやすく防虫対策をしていないと虫に食われてしまい、湿気にも弱く箪笥にしまったままだと空気が入らずカビの温床になります。

さらに、着用後にすぐ箪笥にしまうと黄ばみとカビの原因になるので、大事にしていた着物を処分せざる得なくなり、大変もったいないです。

着物は長年着ていなくても、できる限り良い状態を保って買取に出すことが重要です。

着用後は日陰で空気が通りやすい場所に吊るし、箪笥にしまう前にたとう紙に包んでしまいましょう。

たとう紙を変えるタイミングは、紙の表面が毛羽立っており変色をしているときで、湿気を吸収すると和紙が弱くなってくるためです。

新品同様の状態が望ましいですが、正しいお手入れ方法を実践することで買取金額を今よりも下げないようにできます。

摺り染めの第一人者、樽本伊勢蔵の着物の買取相場とは?:まとめ

摺り染めの第一人者、樽本伊勢蔵の着物の買取相場とは?:まとめ

樽本伊勢蔵の経歴と得意としていた技法についてご紹介してきました。

精緻な手仕事で作られ濃淡豊かに彩られた着物は、見る人をうっとりさせます。

樽本伊勢蔵の着物は希少価値が高く高額買取が期待できるため、この機会に欲しい人に譲り渡してみてはいかがでしょうか。