川村久太郎の着物の買取相場はどれくらい?高く買い取ってもらうための注意点とは
- 川村久太郎の着物を持っています。いくらになりますか?
- 保存状態や種類により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
- 祖母から川村久太郎の大島紬を譲り受けました。価値ってありますか?
川村久太郎は京都府伝統産業優秀技術者(京の名工)として表彰されている著名な染色作家です。
京友禅の中でも型友禅と呼ばれる技法を得意とし、大島紬(おおしまつむぎ)・結城紬(ゆうきつむぎ)・牛首紬(うしくびつむぎ)・生紬(なまつむぎ)といった高級紬にも染色を施して名作を生み出し続けてきました。
丁寧な仕事から生み出される、ダイナミックでありながら上品な柄は着物ファンの間でおしゃれ着物として人気が高く、川村久太郎の着物は中古着物市場でも需要の高い商品となっています。
特に初代・川村久太郎はすでに亡くなっていて、着物市場に新作が出ることはないため、希少性も相まって買取価格も高くなる傾向にあるでしょう。
今回は、京の名工・川村久太郎の着物について、買取相場と高く買い取ってもらうための注意点をご紹介します。
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お申し込みフォームへ※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
京の名工・川村久太郎とは
京の名工である初代・川村久太郎は明治45年、京都に生まれました。
染色作家として京友禅の修業を積み、昭和27年には自身の工房である「愛川友禅」を設立します。
労をいとわず大量の型紙を使用した型友禅で独自の作風を磨いていき、昭和48年に京都府伝統産業優秀技術者(京の名工)として表彰されます。
さらに昭和52年に全国第1回伝統工芸展で伝統工芸協会会長賞を受賞するなど、川村久太郎の作品は絶大な評価を受けます。
平成8年に初代・川村久太郎が亡くなったあとには、初代久太郎の長男・久宣が2代目・川村久太郎を襲名します。
平成19年に京都市伝統産業技術者功労者を受賞した2代目・川村久太郎は、工房の職人とともに愛川友禅と初代の作風を守りながら、今も作品を生み出し続けています。
川村久太郎の手がける型友禅の技法
友禅には大きく分けて手描き友禅と型友禅の2つがありますが、川村久太郎が得意としているのがこのうちの型友禅です。
型友禅とは柿渋紙で作った型紙と色糊(生地に色が定着するように糊を混ぜた染料)を用いて染める友禅技法です。
型紙というと繰り返し使えて手軽な方法に聞こえるかもしれませんが、職人の手によって染められる型友禅では色が混ざらないように1色につき1枚の型紙を使用します。
そのため配色に凝るほど多くの型紙が必要であり、着物によっては100枚以上の型紙を使用することもあります。
その1つ1つの模様を彫刻刀で型紙に彫り込んでいく作業は大変な労力であり、手描き友禅に比べて手軽と言えるものではありません。
型紙を使って文様を描いたあとには地染めが行われます。
型友禅の地染めではへらで生地全体に染料を塗り付ける「しごき染」と呼ばれる方法が多く使われるのですが、この方法では生地の表面だけを染めることができます。
裏面には別の色で染めを行うことができるため、表と裏で異なった色や柄を染めることができます。
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お申し込みフォームへ川村久太郎が手掛けたものにはどのような着物があるか
川村久太郎は大島紬・結城紬・牛首紬・生紬など、高級紬に型友禅の技法で染色を施したことでも知られています。
川村久太郎が染色を施した代表的な高級紬について、それぞれの概要を見ておきましょう。
大島紬
大島紬は、鹿児島県奄美大島と鹿児島市周辺、宮崎県都城市で作られている平織の絹織物で、高級紬の1つです。
奄美大島で作られているものを『本場奄美大島紬』、鹿児島市周辺や宮崎で作られているものを『本場大島紬』と呼んで区別することもあります。
その始まりは7世紀頃ともいわれ、一説には1500年の歴史を持つと言われている大島紬ですが、盛んに生産されるようになったのは江戸時代からです。
江戸時代には薩摩藩への上納品として紬糸を用いて作られていましたが、明治時代以降は織機の進歩などにともなって絹糸が使われるようになりました。
もともと紬糸を用いて作られていたために、現在でも「大島紬」という名前が残っています。
大島紬は軽くて暖かく、着れば着るほど体に馴染み着くずれしにくく、しわになりにくいのが特徴です。
泥染め(染色に泥を使うことで泥の中の鉄分が作用し、光沢のある黒に仕上がる染色技法)を行って黒色に仕上げたものが主流で、泥染めを行わないものは特に「白大島」と呼ばれます。
結城紬
結城紬は、茨城県・栃木県を中心に作られる絹織物です。
奈良時代から続くといわれる歴史ある高級織物で、国の重要無形文化財に指定されています。
真綿から手で紡いだ手紬糸を使うのが特徴で、経糸・緯糸など種類によって違った太さで、かつ太さのムラが出ないように手作業で紡がなければなりません。
また、普通の糸は強い撚りをかけて丈夫に補強されることが多いのですが、結城紬の糸は撚りをかけません。
撚りをかけない絹糸で織ることにより、結城紬には思わず撫でてしまいたくなるようなふっくらとした温かみのある風合いが生まれます。
この世界に類を見ない糸を作るには熟練した職人でも非常に慎重を要し、1反分の糸量を紡ぐには2~3ヶ月という時間がかかります。
牛首紬
牛首紬は、石川県白山市白峰地区を中心に生産されている紬織物です。
白峰地区がかつて「牛首村」と呼ばれていたことに由来します。
釘が抜けるほど丈夫なことから釘抜紬(くぎぬきつむぎ)とも呼ばれます。
牛首紬の特徴は2匹の蚕が1つの繭を作った「玉繭」と呼ばれる繭から手で紡いだ糸を緯糸として使用している点です。
玉繭から紡いだ糸は丈夫で節が多く、この糸を織ると丈夫で軽く、すべりの良い生地ができます。
生紬
生紬は、生糸の精練を途中で終え、セリシン(蚕が絹の生産の際に作るタンパク質)を完全に取りきらずに織ったものです。
セリシンがあると染めてもきれいな色が出にくくなるのですが、セリシンそのものの特徴であるやや茶色味を帯びた色調と、麻のようにざっくりとした風合いが出ます。
これが生紬の特徴になっています。
川村久太郎の着物の買取相場は?
川村久太郎の着物作品は、過去の着物市場の買取相場を見ると状態が良いもので約8,000円となっています。
状態によっては高価買取が期待できるケースもありますので、あくまでも目安として捉えておいてください。
ですが、身丈(みたけ・着物の襟から裾までの長さ)や裄丈(ゆきたけ・着物の背中の縫い目から袖口までの長さ)を短く仕立てたものの場合、今後も背の小さい人しか着ることができないため買取需要が低い傾向が見られます。
また、身丈・裄丈が長いとしても汚れやシワなどがついていると価値が下がるため、高値で買取されるとは言い切れません。
着物査定のプロに査定をお願いして、適正な買取価格を提示してもらうようにしましょう。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
川村久太郎の着物を高く買い取ってもらうための注意点とは
川村久太郎の着物は中古着物市場でも非常に人気がありますが、場合によっては買取価格が下がってしまうことがあります。
そういった事態を避けるために注意すべき点がいくつかありますのでご紹介します。
川村久太郎の落款を提示する
川村久太郎の作品には、川村久太郎の作であることを証する印である落款が刻まれています。
この落款があれば間違いなく川村久太郎の作品であることを証明できますので、適正な価格で買い取ってもらうことが期待できます。
状態の劣化などで落款がすり減って見えなくなってしまうことのないように注意して使用・保存し、買取査定の際には忘れず提示するようにしましょう。
また、初代・川村久太郎の作風を受け継いだ2代目・川村久太郎にも少し形は異なりますが落款はあります。
着物に詳しいバイセルの査定士が見ればどちらの落款か判別することができますので、しっかり査定してもらいましょう。
産地ものや伝統工芸品は証紙を一緒に出す
川村久太郎の作品の中には、大島紬や牛首紬などの高級紬を使用したものも多くあります。
そういった産地ものや伝統工芸品であることが確認されれば買取価格も上がりやすいでしょう。
産地ものや伝統工芸品には、産地の登録商標・伝統工芸品マークなどが記された「証紙」と呼ばれるものがついており、買取査定の際にも重要な働きをします。
「証紙がなければ本物として見てもらえない」というわけではありませんが、証紙があったほうが確実ですので、保管などの際、紛失しないように注意しましょう。
着物の保存状態に注意
いくら京の名工・川村久太郎の着物であっても、保存状態が悪ければ買取価格は下がってしまうでしょう。
汚れや傷、カビなどがつかないように注意して保管しなければなりません。
具体的には、湿気の多い場所には保管しない、除湿効果のあるたとう紙に包んで保管する、着物を傷つける原因となるような小物類とは分けて保管する、年に2回程度虫干しをする、といったようなお手入れが有効です。
まとめ
京の名工・川村久太郎と、川村久太郎の着物についてご紹介してきました。
川村久太郎の丁寧な仕事によって生み出された着物は中古着物市場でも非常に人気があり、大島紬や牛首紬といった高級紬を用いている作品は特に高い値段で取引されています。
川村久太郎の着物を本来の価値を反映した価格で買い取ってもらうためには、着物買取のバイセルを選び、落款や証紙で川村久太郎の作品であること・産地ものや伝統工芸品であることを証明することが重要です。
また、着物の保存状態は買取価格に大きく影響します。
川村久太郎の着物は中古でも非常に価値が高いですから、しっかり注意点を確認し、その価値に見合った価格で買い取ってもらえるようにしましょう。
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