八重山上布を買い取りしてもらうと値段はいくらになる?損をしないで売るための方法を徹底解説!
- 八重山上布の着物を売りたいです。価格はいくらになりますか?
- 作家、サイズ、保存状態などによって価格は大きく異なります。一度詳しく拝見致しますのでお気軽にお電話・メールよりお問い合わせください。
- 着なくなった八重山上布があります。価値は付きますか?
「八重山上布(やえやまじょうふ)ってどんな着物?」「どうしたら損することなく安心して買取に出せるの?」とお考えの方のために、八重山上布の買取についてのノウハウを徹底的に集めてまとめました。
八重山上布をお持ちで売りたい、売っても良いけど損はしたくないという方は、買取に出す前に是非とも参考にしてみてください。
お問い合わせ・無料相談はこちら
電話から相談する
0120-612-773
通話料無料・24時間365日受付中
メールから相談する
お申し込みフォームへ※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
八重山上布の基本情報
八重山上布は沖縄県の八重山諸島で生まれた絣(かすり)織物です。上布は下布・中布・上布にランク分けされる中で1番格上の織物であり、幕府や宮中に納られるほどの最高級品として位置付けられています。
クリームっぽい白がオーソドックスな地色ですが、他にも薄紅や淡い紺など多種多様な色味が持ち味です。「沖縄県伝統工芸品」や「沖縄県無形文化財」に指定されるなど、沖縄県を代表する伝統品として人気を集めています。また、「経済産業大臣指定伝統的工芸品」に指定されており、国からも高い品質や歴史・文化が認められています。
八重山上布の歴史
八重山上布の正確な起源は不明ですが、1400年頃に李氏朝鮮で編纂され始めた「朝鮮王朝実録(李朝実録)」には記述があるため、誕生したのは1300年代だと考えられています。1429年に琉球王朝が誕生してからは王族への上納品として利用され、図柄を織り込むことが考案されて王朝関係者に重宝されました。
その後、琉球王朝が薩摩藩に侵略されると、島民には人頭税が課せられて織物を年貢として納めるように命令されます。島民は王府の厳しい監視や指導の下で島の女性たちは織物の製造に従事し、結果として技術が向上して良質で美しい織物が生まれていきました。
八重山上布は薩摩藩を経由して全国各地に出荷され、琉球王朝の中でも大変貴重な織物として扱われ、ごく限られた人だけが身に付けられる高級な着物として受け継がれてきました。
1886年に人頭税が撤廃された後も一大産業として生産が続けられ、八重山諸島の伝統品として人気を誇っていました。大正時代に入ると織機が改良されたことで、絣模様のズレがほとんどなくなったため、さらに八重山上布の品質は向上していきます。
第二次世界大戦の影響で職人の後継者不足が懸念されて、八重山上布は一時は絶滅の恐れもありましたが、沖縄県や石垣市が一丸となって後継者育成事業を立ち上げたことで現在でも生産されています。
八重山上布の制作工程
八重山上布はイラクサ科の苧麻(ちょま)から取れる麻の繊維を紡ぐことから制作が始まります。苧麻を水に浸して繊維を柔らかくした後に、繊維を丁寧に指先で裂きます。
1反分の着物を織るための糸を作るには、経糸(たていと)が約50日、緯糸(よこいと)が約40日かかると言われています。麻の繊維は切れやすいので非常に根気がいる作業であり、熟練した職人技が必要です。
染料には紅露(クール)というヤマイモ科の植物を擦りおろした絞り汁を使います。紅露の見た目は茶黒ですが、切ってみると鮮やかな黒っぽいくすんだ赤色をしています。
絞り汁は天日干しして半分ほどの量にして濃縮し、それを竹でできた櫛で差し込むように擦りこんで糸を染める「捺染(なっせん)」という技法を使って布を染色します。
織り上げられた後は強い日差しに1日8時間、約10日間晒し続けて色に深みを出し、さらに海水に5時間ほど浸けて地色を白くして絣模様を鮮やかにしていきます。天日干しや海晒ししている間に生地に雨が当たると変色してしまうため、逐一天気に気を配りながら作業をしなければなりません。
海水を洗い流して蒸した後は布を丸太に巻き付け、その上からさらに木綿の布を巻いて台に置き、杵で打って仕上げます。杵で叩くことで肌触りが良くなり、なめらかな美しい風合いが生まれるのです。
八重山上布の特徴
八重山上布は長い歴史があることが分かりましたね。続いては八重山上布の特徴について解説します。高い人気を誇る八重山上布は、どんな点や人々を魅了しているのでしょうか。
通気性に優れている
素材が麻のため、風通しが良くてサラリとした手触りが特徴的です。汗をかきやすい夏でも快適に着こなすことができ、また常にヒンヤリとした肌触りのため、暑い日でも利便性の高い着物になります。
苧麻は吸湿性や速乾性に優れた素材であり、着用すると身体に籠った熱を放出してくれるので、着心地は麻織物の中でも群を抜いています。
模様も魅力的
八重山上布は落ち着いた絣模様が魅力の1つです。絣は模様をかすったように見えることからその名がつき、どこか懐かしさを感じられる味わいが人気となっています。絣模様は白・茶が一般的で、他にも紺・赤・緑色があります。
柄は無地・格子・縞が多いですが、動植物をモチーフにしたものも数多くあります。派手ではなく、かといって地味すぎない独特な趣があり、どの地色や模様も個性的です。
もちろん模様の染色には、フクギ・マングローブ・琉球藍・ザクロ・山桃など八重山で獲れた植物のエキスを使用します。八重山上布は糸も染料も八重山で生まれたものを使うことで、夏らしい優美な着物に仕上がります。
製作までに時間がかかる
上記で説明した通り、八重山上布は一枚一枚時間をかけ、職人が腕によりをかけて制作しています。一反の八重山上布を作るには約1ヶ月もの期間を要するので、大量生産はできない分希少性が高い着物となっています。
膨大な時間と労力をかけるのが高級着物の高級たる所以ですが、それだけ八重山上布はより華麗な着物に織り上げられるのです。
八重山上布を高い値段で買い取ってもらうための方法
八重山上布がどれほど手間暇をかけて作られているかが分かりましたね。とても価値ある貴重な高級着物ですので、できれば損せずに買い取ってもらいたいですよね。
少しでもお得に八重山上布を買い取ってもらうためのコツを紹介しますので、査定に出す前に是非とも確認しておきましょう。
証紙を用意すること
証紙とは、その着物が正真正銘の本物であることを表すものです。本物である証明書になりますので、査定士に見せれば買取価格が下がることを防げる重要アイテムです。
先述したように、八重山上布は沖縄県や国から認められた織物ですので、それを証明する証紙がいくつかあります。経済産業大臣指定伝統的工芸品の証である「伝統証紙」や織元の所属組合が発行する「石垣市織物事業協同組合証紙」、製品の品質検査に合格した証の「沖縄県織物検査済証紙」が主に挙げられます。
証紙は着物の布地の切れ端につけられていることが多いため、八重山上布をしまっていた箱や袋の中を確認してみましょう。
需要のあるサイズであること
着物は女性物であれば身丈(襟から裾までの長さ)が150~160センチ程度だと、最も需要があるサイズであるため買取価格が下がりにくいでしょう。日本の成人女性の平均身長は154.2センチなので、多くの人が着こなせるためです。
参考:厚生労働省「第2部 身体状況調査の結果」https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/dl/h22-houkoku-08.pdf
サイズが大きい分には、おはしょりをすれば誰でも着ることができるため問題ありませんが、身丈が150センチ以下の小さいサイズは着る人の身長や体型が限られるため需要が少ないです。もちろん需要が少なければ買取価格が下がりやすいため、お持ちの八重山上布のサイズに注意してくださいね。
作家ものであること
有名作家の作品は多くの人が着たいと思うので人気があり、高価買取が期待できます。新垣幸子は1991年に沖縄県指定の無形文化財技能保持者に認定されている実績をもつ、八重山上布の復興の第一人者です。
他にも森伸子・糸数江美子・高志津子・大仲毬子らが八重山上布の着物作家として名を馳せていますので、証紙に名前が書いていないかチェックしてみてください。
保存状態を確認する
高級着物は素材が絹であれ麻であれ、常に湿気が大敵です。手入れせずにしまったままにすると、カビ・シミ・黄ばみ・汚れなどがつく恐れがあり、畳んだまましまっていればシワがつく可能性があります。湿気が多い日本において、着物は日々劣化していると考えて良いでしょう。
売却を検討している今が1番美しい状態だと言えますので、できるだけ早く査定に出すことがおすすめです。
着物のプロに鑑定してもらう
着物は上記で説明したようにシワやシミなどの劣化状況の他にも、「職人の高い技術力が用いられているか」「どれほど手間暇かけて作られているか」などプロでないと見抜けない査定ポイントがいくつもあります。それらを見抜かないと着物の本当の価値は分からず、買取価格にも忠実に反映できません。
ましてや八重山上布は西陣織や加賀友禅ほどの有名な着物ではないので、素人では一目見ただけで高級な着物であると判断できないでしょう。「着物の価値に見合った買取価格をつけて欲しい」「不当な安値で買い叩かれたくない」とお考えであれば、着物買取実績が豊富な買取業者に査定を任せましょう。
実績が豊富を謳っているだけあって、査定士は着物の種類や歴史、どれほど高級品であるかなどの知識はしっかり身についています。安心して買い取ってもらえますので、利用しない手はないですね。
八重山上布の買取相場とは?
八重山上布の着物や帯の買取相場は、近年の着物買取市場の買取例では、高いもので30,000円前後になっています。
八重山上布を新品で購入したときについてくる証紙を一緒に査定に出せば、本物の証明となるので高価買取してもらえる可能性は上がるでしょう。
反対に、証紙が無ければ買取時に減額される原因になってしまうかもしれません。
また、着物や帯の保存状態は買取価格に影響しますので、保管の際には注意が必要です。
これはあくまで相場ですので、お持ちの着物や帯の正確な価値が知りたい場合は着物買取のバイセルにご相談ください。
八重山上布以外の上布の種類や買い取りの値段
八重山上布以外にも、高価買取が期待できる上布はいくつかあります。この章では、おもな上布の種類と買取価格について紹介します。
なお、この章で紹介するのは、平均的な状態での中古の買取価格です。すべての上布の査定に共通して、状態が良いものや証紙がついているものは、高価買取の可能性が高くなります。
会津上布
会津上布の買取価格は、状態の良いもので数千円以上になります。会津上布は、織り始めが30〜40年前であり、比較的新しい上布ということもあり、ほかの上布と比較すると価格が下がりやすい傾向があります。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
近江上布
近江上布の買取価格は、数千〜数万円程度です。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
能登上布
織元が少なく、上布のなかでも特に希少性が高いとされる能登上布の買取相場は、数万円以上になります。ただし、未使用や新品同様のものの相場は、数十万円以上になることもあります。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
宮古上布
重要無形文化財に登録され、数ある上布のなかでも最高級であるといわれる宮古上布の買取価格は、80,000円前後です。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
越後上布
宮古上布と並び日本を代表する上布である越後上布の買取価格は、数万円以上で、未使用の場合は数十万円になることもあります。越後上布も年間生産数が減少しており、近い将来生産されなくなると懸念されているほど希少な上布です。そのため、中古市場でとても高い人気を誇っています。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
八重山上布を損をしないで売る方法まとめ
・八重山上布は沖縄県産の歴史ある高級着物なので、安易に捨てるのはもったいない
・証紙を用意しておき、査定士に必ず提示する
・身丈が160センチ前後で、状態が良いものは高価買取が期待できる
・有名作家の作品なのかを要チェック
・着物買取のバイセルに査定を任せる
八重山上布は利便性に秀でている夏向けの高級着物です。生産数も少なく希少性が高いので、欲しいと思う着物ファンは多いため買取に出してみましょう。
特に着物の状態が良かったり、証紙がついていたり、有名作家の作品だったりするものは高価買取が望めます。着物買取のバイセルに査定を依頼し、査定士に八重山上布の価値や買取金額をお聞きください。
こんなコラムも読まれています
より詳しい情報を知りたい方はこちら
着物買取をもっと見る