上村敦之を高価買取してもらうためのコツは?人物像・代表作も合わせて解説

上村敦之を高価買取してもらうためのコツは?人物像・代表作も合わせて解説

「家で眠っている絵画を売却したい」、「所有する絵画がどのくらいの価値があるのか分からない」など、絵画の売却に関しての知識がなく、不安に感じる方もいるでしょう。

絵画の買取は、保存状態や作者の知名度など様々な要素から、価値が決められるため、実は思いがけない価値を持っていることもあります。

まずは所有している作品の本当の価値を理解し、価値を最大に引き出すためのポイントを抑えることが大切です。

この記事では、日本画家の上村敦之について作品の特徴や代表作を紹介し、高価買取してもらうためのコツを解説します。

上村敦之の絵画作品を所有している方、また売却を考えている方はぜひ参考にしてください。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

上村敦之とはどんな人物?作品の特徴とは

上村淳之(うえむら あつし)は、東洋独自の絵画ジャンルである花鳥画を描く、日本の現代画家です。

祖母は美人画の大家・上村松園(しょうえん)、父は日本画家・上村松篁(しょうこう)という日本画家一族の息子として、京都に生まれました。

画家として生きていく厳しさを知っている父・松篁から、淳之は別の道に進むよう教育されて育ちました。

しかし親の気持ちに反して淳之は画家を目指します。

独学で京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)に合格すると、晩年の松園が住んでいた奈良県の「唳禽荘(れいきんそう)」に移り住み、ここで鳥の飼育を始めたことが花鳥画制作の契機になりました。

その後数々の賞を受賞しながら、2007年にはパリで「上村淳之展」を開催し、欧米の生態画とは異なる日本独自の花鳥文化を披露して高く評価されています。

自宅では1000羽以上の鳥を飼育しながら、創作活動を続ける鳥の愛好家としても知られ、35ヘクタールの山林を取得して子どもたちが自然と触れ合える場を提供しています。

また京都市立芸術大学教授・副学長として絵画教育に従事したり、松園、松篁、淳之の作品などの収集・保管・展示を目的とする松伯美術館を設立したりなど、日本画家・京都画壇に多大な功績を残しています。

■上村淳之の略歴

  1. 1933年:京都府京都市生まれ
  2. 1956年:第25回新制作展に初入選
  3. 1959年:京都市立芸術大学専攻科を修了
  4. 1968年:第32回新制作展で新作家賞を受賞、新制作協会入会
  5. 1978年:第5回創画展で創画会賞を受賞
  6. 1992年:京都府文化功労賞受賞
  7. 1995年:日本芸術院賞受賞
  8. 1999年:京都市立芸術大学副学長に就任
  9. 2005年:全日本学士会アカデミア賞を受賞、創画会理事長・京都市学校歴史博物館館長に就任
  10. 2007年:パリで上村淳之展を開催
  11. 2013年:文化功労者に顕彰
  12. 2020年:旭日中綬章受章
  13. 2022年:文化勲章受章

上村淳之の花鳥画は、鳥への温かな目線を通じて人間の内面をも映し出す作風が特長で、時に個人の感性や情念まで表現されます。

「すべての生き物には神仏が宿る」という世界観と「自然と共に生きる」という思想、彼の独自の作風を築いているのです。

上村敦之の代表作6選

 上村敦之の代表作6選

上村敦之は花鳥画をメインに描いてきた画家です。

淳之の自然観や人間観が映し出された、代表的な作品を紹介しましょう。

【上村淳之の代表作】

  1. 待春
  2. 四季花鳥画
  3. 檳榔樹
  4. 丹頂
  5. 秋映

待春

代表作「待春」は、青いルリタキビが春を待つ姿を描き、雪をかぶった梅の枝が寒さと生命力を同時に感じさせます。

梅の花がアクセントとなり、冬の寒さに耐えながらも春の訪れを告げる力強い作品で、市場でも高値で取引されています。

四季花鳥画

2010年、上村淳之が77歳の頃、大阪新歌舞伎座の緞帳の原画として描かれた作品です。

この作品では、四季折々の木々と小鳥たちを一つの画面に表現し、季節の変遷が見事に表現されています。

花鳥画において四季を一画面に収めた試みは珍しく、鳥たちが時間と空間の流れを象徴しています。

背景には銀色が施され、日本の伝統的な様式美が息づいています。

可愛らしさと華やかさを兼ね備えたこの作品は、観る人に心地よい安らぎをもたらし、親しみやすい印象を与えています。

「汀」は、柔らかな背景のグラデーションが魅力的で、観る者を引き込む作品です。

凛とした鳥の姿と水面の陰影からは、深い哀愁が漂います。

上村淳之の愛鳥家としての深い理解が、鳥の表現に鮮やかに反映されており、彼ならではの独自の視点を感じさせます。

檳榔樹

1961年、京都市立美術大学助手となった28歳の時に発表された「檳榔樹」は、群青色の鳥たちが大きな檳榔樹の葉の上で戯れる姿が印象的な作品です。

上村淳之の初期作品に見られる油絵風の重厚なタッチと深い色調が特徴で、この作品もその初期のスタイルを色濃く反映しています。

檳榔樹の葉の広がりや奥行きと鳥たちの動きが、静謐でありながら力強い美を醸し出しています。

丹頂

丹頂鶴が優雅に舞い、羽を広げる幻想的な光景が広がる作品です。

長寿の象徴とされる丹頂鶴が、満月の光を浴びて一層純白に輝きます。

この作品は上村淳之の代表作の一つであり、その神秘的な美しさが高く評価されています。

秋映

1997年に描かれた「秋映」は、秋の夕焼けを鮮やかな色彩で表現した名作です。

明るい夕焼けの中で、シギが見せる繊細で哀愁を帯びた表情が対照的に描かれており、その美しさと感情の深さが印象的です。

この作品は、見る者の感情に深く訴えかけ、心に残る印象を与えます。

上村淳之の芸術的な成熟と感受性を見事に体現しています。

上村敦之を高価買取してもらうためのコツ

 上村敦之を高価買取してもらうためのコツ

上村淳之の独自の目線が映し出す奥深い世界観は、コレクターや絵画の愛好家にとって非常に価値のあるもので、近年人気が高く高額で取引されることが多いです。

その価値を最大限に評価してもらうための、絵画買取のコツを以下の通り紹介していきます。

  1. 人気作品・希少価値の高い作品
  2. 作品の保存状態
  3. 付属品の有無
  4. 号数の大きな作品
  5. 真作であること
  6. 依頼する買取業社の実績

人気作品・希少価値の高い作品

絵画の価格は、基本的に人気や希少性によって大きく変動します。

特に評価が高く、数が限られている作品は、コレクターやアート愛好者の間で需要が増すため、買取価格も高くなる傾向があります。

上村敦之の作品の場合、花鳥風月を描いた作品が人気です。

その中でも均衡の取れた構図で花鳥が表現され、背景まで丁寧に細かく描かれた作品は評価されやすいでしょう。

また上村敦之の作品では、若い頃の重厚な雰囲気や暗い色調の作品よりも、晩年に描かれたされた色鮮やかで華やかな花鳥画の方が人気があり、より高い価格で取引される傾向があります。

希少性の観点から言うと、未発表作品に高値が付くこともあります。

未発表の理由にもよりますが、失敗作として扱われることもあれば、失敗作だとしても高い評価を受ける可能性もあります。

買取業者にすべてを任せるのではなく、自分が所有する絵画の内容や特徴を把握し、作品の価値を自分自身で理解しておくことが重要です。

作品の保存状態

日本絵画は、保存状態が優れているほど高値で取引される傾向があります。

上村敦之のような著名で評価の高い画家の作品は、たとえ経年劣化が見られても、高額で取引される可能性があるでしょう。

経年劣化には、直筆の作品では画面に現れるヒビや割れ、退色、シミなどが含まれます。

一方、版画では折れや汚れ、退色、さらにはカビの発生などが考えられます。

保存状態が良ければ、より高額な査定が期待できるため、適切な保管を心がけることが重要です。

作品を保護するための袋や箱に入れ、直射日光が当たらない風通しの良い場所で保管することで、作品の美しさを長く保つことができるでしょう。

付属品の有無

作品本体だけでなく、以下のような付属品が揃っていると高価買取の可能性が高まります。

【付属品の例】

  1. 額縁
  2. 保証書
  3. 鑑定書
  4. オリジナルの箱や袋
  5. 作家のサイン入りの書類

これらの付属品が揃っていることで、真作かどうかの鑑定にも役立つため、作品の価値が引き立ち高額査定につながりやすくなります。

売却するときには、これらの付属品は必ず査定に一緒に持ち込むようにしてください。

反対に一つでも部品が足りないと絵画の価値が下がり、買取価格が落ちる可能性があるでしょう。

号数の大きな作品

号数とは絵画のサイズを示す指標であり、号数が大きいほど絵画が大きいことを意味します。

日本絵画は基本的に作品の号数が大きいほど、買取価格が高くなる傾向があります。

大きな号数の絵画は、より詳細な表現や壮大な構図で描くことができるため、存在感が大きく、インパクトが強くなります。

アートとしての魅力が高くなり、高い評価を受けやすくなるのです。

また広いキャンバスは、制作にかかる労力や技術が必要であることや、制作数が少ないため希少性が高まることも、高値での買取になりやすいといえます。

号数がわからない場合でも、縦×横のサイズを測っておくことで、スムーズに取引を進めることができるでしょう。

真作であること

真作とは、画家本人によって直接制作されたオリジナル作品であることを意味します。

高く評価されている作品や人気の作品は、偽物が出回りやすいです。

買取の際には、作品が真作であるかどうかの確認が重要で、贋作やレプリカでは買取価格が大幅に下がる可能性があります。

真作であることを証明するためには、信頼できる鑑定機関の証明書が必要です。

鑑定書や証明書があれば、必ず一緒に提出するようにしましょう。

鑑定書がない場合、鑑定機関に依頼することで発行してもらえることもありますが、鑑定費用を支払うだけの価値があるものなのかを見極めることが大切です。

依頼する買取業社の実績

絵画の鑑定には専門知識と経験が必要です。

豊富な取引実績を持つ買取業者は、多くの経験から深い知識を持っているため、市場価値を正確に評価できるでしょう。

信頼性や広いネットワークを活用できるため、高価買取の可能性が高くなります。

絵画といっても、種類は日本画・西洋画・現代アート・版画・油絵・リトグラフ・彫刻画など幅広くあります。

バイセルは、こうした幅広い絵画を含む買取実績が3700万点以上あり、業界トップクラスです。

上村淳之に関するよくある質問

上村淳之の買取に関するよくある質問に回答します。

上村淳之と関係のある骨董作家は誰ですか?

京都市立美術大学で印象から日本画を学び、師匠として堂本印象がいる一方、祖母の上村松園と父の上村松篁も重要で、両者とも日本画の大家であり、淳之に大きな影響を与えました。

また、同時代の日本画家として平山郁夫や加山又造との交流があり、互いに刺激し合いました。

上村淳之にまつわる有名なエピソードは何ですか?

教育者としても活躍し、京都市立芸術大学で後進の指導にあたりました。

祖母の上村松園と父の上村松篁という日本画家の家系に生まれ、幼少期から芸術的環境で育ちました。

自宅で1000羽以上の鳥を飼育しながら制作活動を続け、鳥への深い愛情と理解が作品に反映されています。

祖母の松園が晩年を過ごした「唳禽荘」に移り住み、そこで鳥の飼育を始めたことが、花鳥画家としての道を決定づけました。

まとめ

上村敦之が描く精緻な花鳥画は、とくに晩年の鮮やかな色彩が魅力です。

高価買取を目指すには、作品の状態や希少性、鑑定書の有無が重要です。

保存状態が良好で、真作であることが証明されていれば、評価は大きく上昇します。

信頼できる買取業者の選定も、適正価格での取引に欠かせないでしょう。

上村敦之のような著名で評価の高い画家の作品も、専門知識が豊富な査定士がしっかりと査定金額を提示致します。

買取価格にご納得頂けない場合はキャンセルも可能です。

ぜひ一度バイセルにご相談ください。