堆朱の見分け方とは?種類や魅力、買取価値について解説

堆朱の見分け方とは?種類や魅力、買取価値について解説

「堆朱の産地ごとの見分け方を知りたい」

「堆朱の買取価格はどのくらい?」

堆朱について、このような要望・疑問をお持ちの方もいるでしょう。

堆朱は産地ごとに特徴が異なり、色合いや彫刻のデザインなどで見分けます。

本記事では、国内の代表的な堆朱の特徴や種類、見分け方を解説します。

また買取の価値についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

堆朱とは

「堆朱(ついしゅ)」とは漆芸技法である彫漆(ちょうしつ)の一種で、朱漆を塗り重ねた層に文様を彫刻し、朱色のレリーフ状に表した漆器を指します。

堆朱の由来は中国で、中国内では「剔紅(てきこう)」と呼び名が異なります。

彫漆は南宋時代から本格的に制作されるようになり、古くから珍重されてきた技法です。

日本に堆朱が伝わったのは平安時代末期〜鎌倉時代初期、本格的な制作は室町時代ごろに始まったとされています。

なお、堆朱と混合されることもある「剔紅(てきこう)」とは、制作法が異なります。

剔紅は原料の木に300〜500回漆を塗り重ね、層を乾かしたあとに彫刻を行います。

一方堆朱は、最初に彫刻を行ってから漆を塗布します。

漆の使用量を抑えながらも見た目は剔紅とほぼ同じに仕上げられるため、多くの人々に好まれました。

堆朱の魅力

 

堆朱は名前にもあるとおり、鮮やかな朱色が目を惹きます。

朱色には古くから魔除けや邪気払いなどの力があると信じられており、縁起の良い色としてさまざまなシーンで用いられてきました。

現代でも結婚祝いや出産祝いなど、人生の節目の贈り物として好まれています。

また堆朱は時間とともに漆が馴染んでいくため、使い始めとある程度使用した後とで色合いが変化する点も魅力です。

一般的に漆は最初が暗く、月日が経つにつれて明るい色合いになるので、経年変化を楽しみつつ長く使用できる点も嬉しいポイントです。

【産地別】堆朱の種類

 【産地別】堆朱の種類

堆朱は、さまざまな場所で造られており、その産地によって特徴が異なります。

以下3つの堆朱を紹介します。

  1. 村上木彫堆朱
  2. 京堆朱
  3. 輪島塗堆朱

ぜひ本章を参考に、お手持ちの堆朱と照らし合わせてみてください。

村上木彫堆朱

村上木彫堆朱は、新潟県村上市にて、すべての工程を手作業で制作されています。

村上市は平安時代から天然の漆が取れる地域でしたが、約600年前に京都から漆工が技術を伝えたことで発展しました。

村上木彫堆朱は木地に彫刻を施し、漆を何層も重ねて制作します。

木目を生かした繊細な彫刻と温かみのある風合いが魅力で、1955年(昭和30年)には「新潟県無形文化財」、1976年(昭和51年)には「経済産業大臣指定伝統的工芸品」の指定を受けました。

村上木彫堆朱は、以下の3部門の分業で1つの製品を作っています。

木地師:製品の原型を作成する(茶碗や皿)
彫師:彫刻を施す
塗師:漆を塗布する

村上木彫堆朱の代表的な作品には「牡丹彫蓋物」や「葡萄文菓子鉢」などがあり、新潟県を代表する工芸品として高く評価されています。

京堆朱

堆朱が日本に伝わったのは、鎌倉時代の京都だといわれています。

江戸時代になると江戸(現在の東京)詰めの藩士が彫刻を学ぶことを歴代藩主が推奨したため、堆朱伝来の地である京都でも制作されるようになりました。

京堆朱は、繊細な彫刻と華やかな色彩が特徴で、代表的な作品は「菊づくし蓋物」や「桜文花形盆」などが挙げられます。

輪島塗堆朱

輪島塗堆朱は石川県輪島市で制作されており、輪島市の伝統的な技法である輪島塗を用いて、市内でのみ採れる輪島地の粉を使用している点が特徴です。

輪島地の粉は質が良く、下地に使用すると強度の高い漆器にできます。

また輪島塗は華美な装飾も魅力の1つで、彫刻部分に金を塗布したり、金粉と銀粉を用いた「蒔絵」と呼ばれるものを施したりしています。

そのため、輪島塗堆朱は輪島塗の特徴を取り入れた、華やかなデザインが魅力とされています。

代表的な作品は「金箔折敷」や「蒔絵堆朱盆」などです。

堆朱の見分け方

 堆朱の見分け方

産地別の堆朱を見分ける方法は、以下の3つがあります。

  1. 彫刻
  2. 色彩
  3. 表現

それぞれ産地ごとに特徴をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

彫刻

彫刻は木地に掘られており、産地ごとに掘り方や特徴が異なります。

村上木彫堆朱 太い線で力強い文様が表現されることが多い
京堆朱 繊細な彫りで表現されていることが多い
輪島塗堆朱 彫刻に金粉や銀粉が塗布されていることが多い

色彩

堆朱の色味は、産地ごとに違いがある点がポイントです。

村上木彫堆朱 朱漆の色合いが深く、落ち着いた印象
京堆朱 華やかで上品な印象
輪島塗堆朱 鮮やかな朱色で華やかな印象

表現

表現は彫刻や朱色の色合いなど、堆朱の総合的な印象を指します。

村上木彫堆朱 木目を生かした彫刻と温かみのある風合いが特徴
京堆朱 繊細な彫刻と華やかな色彩が特徴
輪島塗堆朱 金粉や銀粉を使用した華美なデザインが特徴

堆朱の技法

 堆朱の技法

堆朱の技法は、大きく分けて以下の4つです。

  1. 木地作り
  2. 彫刻
  3. 漆塗り
  4. 仕上げ

1つずつ工程を解説します。

木地作り

木地とは、製品(茶碗や皿)の元となる木材を制作する工程です。

一般的には、ケヤキやヒノキなどの木を使用します。

職人が一つひとつ手作業で丁寧に制作するため、完成度も高いです。

彫刻

彫刻はまず「図案書き」と呼ばれる下絵を描くのが一般的です。

彫刻の工程は産地によって異なりますが、村上木彫堆朱の場合は「木彫」と「毛彫」の2回に分けて行います。

木彫は、木地に彫刻刀でデザインを掘っていく作業です。

毛彫は漆を塗布したあと、花や葉の筋など細かい模様を掘っていきます。

彫刻はデザインによってさまざまですが、花鳥や山水、人物などがよく見られます。

漆塗り

木地ができたら、何層にも漆を塗布します。

何層重ねるかは産地や製品によって異なりますが、村上木彫堆朱の場合は、主に以下の工程で漆を塗布します。

下摺り込み:漆に弁柄を混ぜたものを塗布する(木固め)
錆付け:漆にとの粉を混ぜて無地部分に塗布する
中塗り:上塗りの下準備にあたる
上塗り:朱色の漆を塗布する
上摺り込み:仕上げに全体に漆を塗布する

漆は乾燥に時間がかかるため、漆塗りには数週間から数ヶ月ほど必要です。

塗り重ねる回数が多いほど、厚みのある堆朱に仕上がります。

仕上げ

最後に表面を研磨し、布で磨いて完成です。

産地や制作場所によっては、漆塗りや彫刻の途中で研磨を行う場合もあります。

堆朱の買取価値はどのくらい?

 堆朱の買取価値はどのくらい?

堆朱の買取価値は、産地や作品の状態などによって異なります。

そのため具体的な買取価値は断定できません。

お手持ちの堆朱の具体的な買取価値を知りたい方は、買取業者に問い合わせて査定してもらいましょう。

なお査定額は業者ごとに差があるため、複数社の見積もりを取り比較するのがおすすめです。

バイセルでは漆器をはじめ、さまざまな骨董品の買取経験が豊富です。

漆器の知見を持った査定士が在籍しており、お見積りのみでも大歓迎ですので、ぜひ一度お問い合わせください。

堆朱の買取はこちらから

まとめ

堆朱は漆芸技法である彫漆(ちょうしつ)の一種で、中国から伝わった工芸品です。

伝来後は日本独自の製法へと進化し、産地ごとの特色を活かした堆朱が作られるようになりました。

堆朱は産地ごとに色合いや彫刻のデザインが異なるため、本記事で解説した特徴や見極め方を参考に、お手持ちのものと照らし合わせてみると良いでしょう。

なお堆朱の買取をご希望の方は、ぜひバイセルにお任せください。

バイセルでは漆器をはじめ、骨董品の買取実績が多数ございます。

漆器の知見を持った査定士が在籍していますので、ご自宅の堆朱を鑑定し、適正価格をご提示いたします。

骨董品の買取対象品・買取実績などは、以下の骨董買取専用ページをご覧ください。

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