竹久夢二の高く売れる作品は?買取前の注意点や買取方法を解説

竹久夢二の作品は美しい日本画と独特の文様で知られ、その魅力は今も多くの人々を虜にしています。
本記事では、竹久夢二の作品の特徴と高く売れる作品、より高価買取してもらうためのポイントを詳しく解説します。
夢二の代表作をはじめ、買取に出す前に押さえておきたい注意点についても解説するので、竹久夢二作品の買取を検討されている方はぜひ最後までお読みください。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
竹久夢二とは

竹久夢二(たけひさ ゆめじ、1889年11月6日 - 1934年9月3日)とは、明治から昭和にかけて活躍した画家であり、ほかにも版画家、挿絵画家、詩人、小説家、童画家、歌人、作曲家、デザイナー、実業家といった多才な肩書きを持ちます。
夢二の作品は、独自の色彩感覚と情緒的な女性像で瞬く間に人気を博し、今日でもなお高い評価を受けています。
作品のルーツは彼自身の浪漫的な生き方と深く結びついており、その生涯は多くの文学作品や映画の題材にもなっています。
竹久夢二の作品の特徴
竹久夢二は多くの美人画を残しており、大正時代の思春期の女性をテーマにした作品が代表的です。
彼の描く女性は非常に繊細かつ幻想的であり、しばしば憂いを帯びた表情を浮かべています。
色彩が豊かで書き込みの多いことも特徴で、日本の自然や季節の美しさを背景に、女性の内面的な美しさと複雑さを表現しています。
以下のページでは、竹久夢二のような人気作家の版画作品の買取実績をご紹介しております。
ぜひ参考にご覧ください。
竹久夢二の高く売れる作品の特徴
竹久夢二作品は非常に人気があり、真作であれば高値で売れることがあります。
特に高く売れる作品の特徴は、以下のとおりです。
- 竹久夢二の代表テーマともいえる「美人画」
- エディションナンバーがある作品
- 彩色、描き込みが多い
- 図録に収録されている作品である
それでは、それぞれ詳しく解説します。
竹久夢二の代表テーマともいえる「美人画」
「竹久夢二の作品と言えば美人画」と言われるだけあって、女性が描かれた絵は代表的です。
特に竹久夢二の美人画は色彩豊かな作品が多く、飾っておくだけでその場が鮮やかになります。
竹久夢二の代表テーマである「美人画」は市場での需要も高く、他作品よりも査定評価が高くなりやすいです。
エディションナンバーがある作品
エディションナンバーとは限定枚数を管理するための役割を持ち、全体数とその作品の通し番号が記されます。
エディションナンバーがある作品は、限定的に制作されたものということになるので、希少性が見込めます。
特にエディションナンバーの母数(全体制作数)が少ない作品であるほど希少性も高くなるので、もしお持ちの作品に番号の記載がある際にはチェックしておきましょう。
彩色、描き込みが多い
竹久夢二作品の中でも、彩色と描き込みが多い作品は、鮮やかで人気の作品となっています。
特に彩色と描き込みが多い美人画は、需要が高いでしょう。
図録に収録されている作品である
図録や美術書に収録されている作品は、その芸術的価値が認められている証拠です。
こうした公的な記録に名を連ねる作品は、買取市場でも高い評価を受けやすいです。
たとえば、以下に当てはまるような作品は高価買取が期待できます。
- 美術館で行われた展覧会図録に掲載されている
- デパートで行われた展覧会図録に掲載されている
- 鑑定機関やご遺族が監修した図録に掲載されている
このような図録に収録されている竹久夢二作品は、公的機関に認定されていることになるため、価値も見込めるでしょう。
バイセルでは、竹久夢二の作品を積極的にお買い取りしております。
ご紹介した特徴がある作品、そうでないものでも、しっかりと価値を見極めて価格に反映いたします。
竹久夢二の作品をお持ちの方は、ぜひ一度バイセルの無料査定にて価値をお確かめください。
竹久夢二の代表作5選
竹久夢二の代表作を5つ紹介します。
代表作や代表的なテーマの作品は高く評価されますので、参考にご覧ください。
黒船屋
「黒船屋」は、大正時代の日本美術を代表する作品の一つです。
和服を着た美しい女性と大きな黒猫が描かれており、夢二特有の細面、憂いを帯びた大きな黒目、そして透き通るような白い肌が表現されています。
「黒船屋」は1919年(大正8年)に描かれ、夢二の恋多き人生と密接に関連していると言われています。
夢二自身は、「黒船屋」のモデルは現存した人物ではなく、全く空想から生まれたものだと回想していますが、その一方で彼の作品には彼の経験や理想の女性像が反映されているとも考えられています。
また、「黒船屋」は特定の期間に特別公開されることがあり、竹久夢二記念館などで見学することが可能です。
女十題
「女十題」は、大正10年(1921年)に完成された作品集で、大正ロマンを代表する画家の代表作の一つです。
情緒あふれる着物姿の女性が描かれており、夢二独特の抒情的なスタイルで表現されています。
各作品は、夢二が各地を訪れる中で得た画題を再編成したものと考えられ、四季の移ろいと共に様々な層の女性の風俗が描かれています。
「女十題」は夢二の長崎の知人・永見徳太郎へ贈られた作品群で、夢二の生涯や美術への貢献を感じさせる作品です。
今でも様々な装丁で刊行されたり、美術館で展示されたりしています。
長崎十二景
「長崎十二景」は、大正時代に描かれた水彩画のシリーズで、長崎の異国情緒あふれる風景を題材にしています。
この作品は、大正7年(1918年)の夏に長崎を訪れた際にスケッチされ、大正9年(1920年)に東京に戻った後に水彩画として完成されました。
「長崎十二景」には、以下の12点が含まれています。
- 眼鏡橋
- 灯籠流し
- 浦上天主堂
- 凧揚げ
- 出島
- 十字架
- 丘の家
- ネクタイ
- サボテンの花
- 青い酒
- 化粧台
- 阿片窟
これらの作品は、長崎の南蛮文化研究家であった永見徳太郎氏の邸宅でスケッチされたもので、夢二が長崎に対して抱いていた憧れや感銘を色鮮やかに表現しています。
童子
「童子」は、大正時代に制作された版画作品です。
木版画で、縦長の画面に黒い着物と赤い帯をまとった少女が描かれており、夢二の代表的な童画作品の一つです。
夢二の他の童画作品と同様に、繊細な線描と美しい色彩で描かれており、少女の可憐さと儚さを表現しています。
また、背景の柳の木と川は、日本の自然の美しさを象徴しています。
「童子」は、夢二の女性像への憧憬と、日本の伝統文化への愛着が込められた作品といえるでしょう。
五月之朝
「五月之朝」は、1932年に制作された油彩画です。
夢二が初めて渡米した際に、ニューヨークで描いた作品とされています。
「五月之朝」は、新しい季節の訪れと希望を象徴する作品と解釈されています。
また、窓辺に立つ女性は、夢二の理想の女性像を表現しているとも考えられています。
竹久夢二作品を高く買取してもらうための注意点
竹久夢二作品を高く買取してもらうためには、保管方法と付属品について注意する点があります。
これらの注意点は、竹久夢二作品をはじめ絵画・掛け軸全般の買取に当てはまります。
それぞれ詳しく解説しますので、作品を少しでも高く買取してもらいたいという方は、査定前に参考にご覧ください。
保管方法に気をつける
竹久夢二の作品で高価買取を目指すためには、まず保存状態を良好に保つことが重要です。
シミやカビがない、紙が焼けて黄ばんでいない、折れや破れがない、絵の具の剝げや色褪せが少ないなど、状態がきれいであるほど査定評価が高くなります。
保存状態が良いと修復のための工程が少なく済むので、その分、買取価格に反映されやすいのです。
竹久夢二作品をはじめとする日本画は、湿度や温度、光などに敏感なため、適切な方法で保管しないと劣化しやすいです。
収納する際は、作品を和紙や不織布などで包んでから、桐箱や段ボール箱に収納しましょう。
また、作品を積み重ねて収納すると傷や汚れの原因になるので、重ね置きは避けて、立てて収納してください。
附属品の有無を確認する
竹久夢二の作品の買取において、真作であることがもっとも重要なポイントです。
確実に真作であることを証明するには、鑑定書が必要です。
真正性が保証された作品は、買取価格が格段に上がりますので、お持ちの場合はそろえておきましょう。
また鑑定書以外に共箱などの付属品も、査定評価に影響します。
共箱には作者や制作年などが記されていることが多く、作品の来歴や価値を証明するうえで重要な資料となります。
そのほか、作品の作者、制作年、状態などを保証する保証書や作品の栞、説明書なども付属品です。
なお、以下の記事では、日本画の買取相場や代表作家などを紹介していますので併せてご参考ください。

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