荒木十畝の絵画の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

荒木十畝の絵画の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

荒木十畝(あらきじっぽ)は、高い描写力と詩情を感じられる美しい構図で描く花鳥画で有名な日本画家です。

画業前期の装飾性に富んだ鮮やかな色彩表現や、画業後期の精神性を感じさせる幽玄で静謐な表現は非常に評価が高く、美術品買取市場でも高価買取されるケースがあります。

本記事では、荒木十畝作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい荒木十畝作品の特徴、荒木十畝の絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

荒木十畝とは

荒木十畝(1872-1944)は、明治から昭和にかけて活躍した日本画家です。

特に花鳥画を得意とし、旧派(明治時代に、伝統的な日本画のスタイルを守り、継承しようとした画派)の中心的存在として、横山大観(よこやまたいかん 1868-1958)らと並び称されました。

荒木十畝は1872年、長崎県の旧大村藩士の家に生まれました。

本名は朝長悌二郎(ともながていじろう)です。

郷里の長崎でも「琴湖」の画号で絵を描いていた荒木十畝ですが、1892年に上京し、日本画家・荒木寛畝(あらきかんぽ 1831-1915)に師事します。

翌年には荒木寛畝の養子となり、画号を「十畝」に改めました。

すぐに頭角を現した荒木十畝は、1895年に日本美術協会展で一等褒状を受賞して日本美術協会会員となり、1897年には日本画会の創立に参加しました。

そして1907年に始まった文展では第2回から審査員を務めるなど、官展(政府主催の美術展)の重鎮として活躍しました。

また、荒木十畝の絵画は国際的にも高く評価され、1904年のセントルイス万国博覧会で銀牌、1910年の日英博覧会で金牌を受賞しています。

指導者としては東京女子高等師範学校(現:お茶の水女子大学)の講師・教授を務めたほか、多くの門人を育てました。

主な弟子としては、紫綬褒章受章者の西沢笛畝(にしざわてきほ 1889-1965)、勲四等旭日小綬章受章者の森白甫(もりはくほ 1898-1980)らがいます。

荒木十畝の作風

荒木十畝が生涯を通して描き続けたのが、高い描写力による花鳥画です。

ただし、徹底した写実よりも、画面全体としての構図の美しさや詩情を重視する傾向があります。

荒木十畝は師・荒木寛畝から継承した伝統的な花鳥画のうえに、時代とともに装飾性や精神性を追求し、独自の画風を築いていきます。

画業の前期(大正中ごろまで)には伝統的な日本画の技法に立脚しつつ、装飾性に富んだ作品を多く制作しました。

鮮やかな色彩を使用し、例えば屏風絵では金泥を効果的に用いて華麗で明快な画面を構成しました。

後期(大正中ごろ以降)は鮮やかな色彩を基調とした華麗な表現から一転し、墨を基調とした幽玄で静謐な、心の落ち着きや静寂を感じさせる作風へと変化していきます。

緻密に描写された部分と、ぼかしの表現や流れるような筆運びを用いた部分との対比を作り、画面に深みとメリハリを生み出しているのも後期の作品の特徴です。

伝統的な花鳥画の型を守りながら、時代の潮流や自身の内面的な探求に応じて作風を変化させていった点も、荒木十畝作品の面白さだと言えるでしょう。

荒木十畝の作品の種類

荒木十畝の作品のおもな形式としては、掛け軸と屏風絵があります。

中でも掛け軸は小型で扱いやすいため、美術品買取市場でも多く取引されているのは掛け軸作品です。

荒木十畝作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは

高い描写力と構図の美しさで高く評価されている荒木十畝の作品は、美術品買取市場でも高い人気があります。

美術館に収蔵されているものなど貴重な作品も多くありますが、掛け軸作品を中心に買取市場での取引例も見られます。

荒木十畝作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、やはり得意とした花鳥画です。

特に、前期の作品なら鮮やかな色彩や金泥などの装飾性が見られるもの、後期の作品なら幽玄な趣があって静寂を感じさせるものなど、荒木十畝の特徴がよく表れたものは買取市場でも人気が高く、高い価値がつく可能性があります。


荒木十畝だけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。

以下の各ページでは、有名作家の作品を中心とした日本画・掛け軸の買取相場や、高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。

参考までにぜひご参照ください。



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バイセルでの日本画の買取実績は?

バイセルには、日本画をはじめとした絵画の買取実績が数多くございます。

以下の各ページでは、日本画をはじめとした絵画のバイセルでの実際の買取例について記載してございます。

参考までにぜひご覧ください。


荒木十畝の代表作

高い描写力に加えて構図の美しさや詩情も感じさせる荒木十畝の花鳥画は、多くの美術ファンを魅了しています。

ここでは、荒木十畝の絵画の中でも特に人気の高い、代表作と言うべき作品についてご紹介します。

四季花鳥図

四季の花鳥は荒木十畝が生涯を通じて取り組んできたモチーフですが、その中でも特に有名なのが「四季花鳥図」(1917)です。

東京都の山種美術館に所蔵されています。

「四季花鳥図」は、春夏秋冬それぞれ一幅、計四幅からなる花鳥画です。

荒木十畝の画業前期の特徴である鮮やかな色彩で、四季折々の草花や鳥を明るく描き出しています。

また、伝統的な花鳥画の格調は保ちつつも、モチーフを大胆に配置することで、画面に充実感と迫力を与えています。

鳥や草花の細部の描写は非常に丁寧で、生命の輝きを感じさせます。

四幅の構成は以下の通りです。

  1. 「春 華陰鳥語」…桜などの春の草花と、鳥たちのさえずる様子
  2. 「夏 玉樹芳艸」…夏の樹木や草花と、清流に集まる鳥の様子
  3. 「秋 林梢文錦」…紅葉した木々や秋の草花と、それに集う鳥の様子
  4. 「冬 山澗雪霽」…雪に覆われた山や谷間と、その中で生きる鳥の様子

黄昏

「黄昏」(1919)は、荒木十畝が画業後期の心の落ち着きや静寂を感じさせる表現へと踏み出した重要な作品です。

東京都の講談社野間記念館に所蔵されています。

モチーフとなっているのは、秋の夕刻、半月の光に照らされた紫苑の茂みと、茂みの中にいる白猫です。

薄暗い画面の中に、明るい群青の花と白い猫を配することで、絶妙な色彩のコントラストを生み出しています。

紫苑の茂みは濃淡によって距離感が描き分けられ、薄暗いながらも現実感のある奥行きを持つ空間になっています。

従来のような装飾性によるのではなく、光と影、空気感といったものによって新しい花鳥画の表現に成功したという点で高く評価されています。

寂光

「寂光」(1932)は、円熟期の荒木十畝が技術と精神性を注ぎ込んだ代表作の1つです。

東京藝術大学大学美術館に所蔵されています。

描かれているのは、蓮の葉の見える水面に浮かぶ白鳥の姿です。

墨を基調とした静謐な画面構成の中に、光に照らされた白鳥の姿が浮かんでおり、墨のぼかしや細い線を用いて白鳥が起こした水の波紋が表現されています。

心の静けさや悟りの境地のような東洋的な精神性が感じられる作品となっています。

「寂光」は仏教用語で「仏の智慧の光」を意味しますが、この作品からも世俗を離れた心の落ち着き、静寂な世界といった、静かに輝く精神的な光が感じられます。

松鷹図

荒木十畝の「松鷹図」(1928)は、昭和天皇の即位の御大典(即位礼)を記念して制作された、吉祥的な意味合いと公的な記念碑性を持つ重要な作品です。

現在は、荒木十畝の故郷である大村市の上久原町内会が所蔵しています。

描かれているのは、松の老木に留まる鷹の姿です。

松と鷹は吉祥画として非常に人気のある画題で、松は長寿や不老不死の象徴、鷹は武勇や権威の象徴とされます。

画面中央に大きく描かれた鷹は、精悍な表情で威厳ある姿をしており、荒木十畝らしい描写力で羽根の質感まで表現されています。

松の葉の緑と、力強い鷹の姿の対比には、なんとも言えない迫力があります。

受け継いできた伝統と練り上げてきた技量とを国家的な慶事という公的な場で発揮したという意味で、荒木十畝のキャリアを象徴する作品の1つになっています。

まだまだある荒木十畝の有名作品

これまでに挙げたもののほかにも、荒木十畝にはまだまだ多くの有名作品・人気作品があります。

南国花鳥図柏白鷹早春鳳凰
秋汀群鴨蓬莱山芦汀雙鴨図老松喜鵲
春汀鴛鴦雙鶴秋野棲鶉
雨後深山の秋夜桜煙雨

ここに名前を挙げた荒木十畝作品は、どれも価値の高いものばかりです。

また、ここに名前のない作品であっても、荒木十畝の絵画作品であれば保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。

お持ちの荒木十畝作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。

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荒木十畝の絵画を高価買取してもらうためのポイント

高い描写力と構図の美しさで人気の荒木十畝の花鳥画は、美術品買取市場でも高く評価されています。

では、荒木十畝の絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。

荒木十畝作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

  1. 綺麗な状態で保存しておく
  2. 鑑定書などの付属品を揃えておく
  3. 入手経路などの来歴を明確にしておく

綺麗な状態で保存しておく

荒木十畝を含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。

反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。

荒木十畝のような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。

作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。

鑑定書などの付属品を揃えておく

荒木十畝のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。

荒木十畝作品の場合、作品の左下や掛け軸を収める箱などに、「十畝写」「十畝画」などのサインと朱色の印章が押されているものが多いです。

これらのサインや印章は作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。

鑑定書も同様の効果があり、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。

これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。

鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。

入手経路などの来歴を明確にしておく

荒木十畝をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。

例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。

そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。

入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。

荒木十畝作品を売るなら買取実績豊富なバイセルへ

荒木十畝の絵画の買取をお考えなら、骨董品買取のバイセルにお任せください。

バイセルは日本全国で骨董品・美術品などの買取サービスをご提供し、たくさんのお客様・リピーター様からご指名をいただいてまいりました。

バイセルの査定士は、高い専門知識と豊富な査定経験を生かして、荒木十畝作品をはじめとした絵画1点1点の価値をしっかりと見極め、正確に鑑定します。

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