山下清作品の買取実績から見る買取価格|高額で売るポイントも解説

山下清の作品を高額で買取してもらうためには?

裸の大将として有名な山下清(やました きよし)は、日本を代表する絵画作家の一人です。

スケッチブックを片手に放浪生活をしていた様子がテレビドラマで描かれていましたが、実際は見た風景を記憶して自宅でじっくり描いていました。

本記事では、山下清作品を買取に出そうか検討中の方へ、山下清の概要や代表作をはじめ、山下清の買取価格や買取に出す方法、高額で売るポイントについてご紹介します。

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

裸の大将・山下清について

「ドラマ・裸の大将の題材になった山下清」と聞くと、五分刈り頭に白のタンクトップ姿で日本を放浪しながら絵を描いているイメージがあるかと思います。

穏やかな人柄の山下清ですが、その背景には彼が生きた時代の問題や、彼なりの人生の葛藤などがありました。

まずは山下清の生涯と、彼が残した作品の特徴についてご紹介していきます。

山下清の生涯

日本中を放浪したとして知られる山下清は大正11年3月に東京・浅草に生まれ、大正12年に発生した関東大震災によって親の故郷である新潟に移り住みました。

3歳の時に高熱にかかり、後遺症として軽い言語障害と知的障害を患いました。

才能の開花のきっかけとなるちぎり絵細工と出会う

12歳で千葉の養護施設・八幡学園に入園し、自分の才能を開花させることになる、貼り絵の一種「ちぎり絵細工」と出会いました。

彼の才能は、学園の顧問医だった精神病理学者の式場隆三郎(しきば りゅうさぶろう)の目に止まり、式場の指導のもと美術の技術を伸ばしていきました。

山下清は早稲田大学講師に誘われて展覧会を開催し、その後も東京・大阪で個展を開くとメディアに注目をされて、一般の人たちからも人気を集めるようになりました。

15年に渡って放浪生活をする

しかし、山下清が18歳(昭和15年)のときに、彼は突然失踪し放浪生活を始めます。

失踪した理由について、当時は第二次世界大戦中ということもあり微兵検査を逃れるためと、後に自身が語っています。

見てきた風景を忠実再現できる並外れた記憶力を発揮

21歳の時に一度、八幡学園の職員に捕えられた山下は、微兵検査を受けることとなりました。

ただ知的障害を理由に兵役免除となり、その後も放浪を続け、結局15年間にわたり日本中を歩き周りました。

ドラマ「裸の大将」では、山下清がスケッチブックに風景画を描いているシーンがありますが、実際には放浪中に絵を描くことはありません。

彼は一定期間の放浪をすると、一旦学園や自宅に戻り、見てきた風景を思い出して作品を制作していました。

このエピソードから、山下清は並外れた記憶力をもった「サヴァン症候群」であったと言われています。

放浪生活を終えた戦後は、芸術家として活動を本格的にはじめ、水彩・油絵・ペン画など新たな制作法にも取り組みました。

昭和36年に40日間のヨーロッパ旅行に出かけ、海外で見た風景を題材とした作品を何点も残しています。

晩年は東京から京都までを歩くスケッチ旅行に出かけ、5年間の間に55枚の作品を作成しました。

そして、昭和46年に山下清は脳出血によって、49歳でこの世を去りました。

山下清の作品の特徴

山下清の作品は、得意のちぎり絵細工で精巧に仕上げた絵画が特徴です。

例えば、彼が失踪前に制作した貼り絵作品「菊」は、驚くほど細かな色紙が幾重にも貼り重ねられた作品です。

細かな作業が得意だった彼らしい作品の一つです。

また15年間、放浪と作品制作を繰り返していく中で、多くの有名作品を残しました。

題材の中でも花火に対して強い思いがあったことがよくわかり、中でも「長岡の花火」は一見しただけでは紙をちぎって作られているとは思えないほど精緻に表現されています。

また、花火を題材とした作品は貼り絵だけではなく、ペン画で描かれているものも多く残しました。

彼の花火シリーズの作品は非常に人気で、リトグラフとして別の作家が制作しているものも多く存在します。

リトグラフとは版画の一種で、描画・製版・刷りを経て作られます。

山下清のリトグラフは、肉質による作品に比べると価値が下がります。

しかし、リトグラフは贋作とは違って価値が見込めることがあり、有名なリトグラフ作家の作品だったら買取対象としている業者も多くいます。

ちなみに、山下清の作品には「清」の朱烙印と直筆のサインが描かれているのが、一つの目印となっています。


以下の絵画買取ページでは、山下清作品などの有名な絵画作品をお買い取りした実績を掲載しております。

買取価格・相場、買取の流れなど詳しくご紹介しておりますので、ぜひ参考にご覧ください。

山下清の代表作5選

山下清作品は買取市場でも価値が高いですが、中でも代表的な作品・有名な作品はより高く売れることが期待されます。

一部ではありますが、山下清の代表作である5作品をご紹介します。

  1. 桜島
  2. かたつむり・とんぼ
  3. パリのエッフェル塔
  4. 東海道五十三次
  5. 花火

それぞれ特徴を解説します。

桜島

山下清の「桜島」という作品は、彼が放浪中に見た鹿児島県の桜島の風景が題材となっています。

彼は放浪中にスケッチなどへ描きとめることなく、帰ってから自宅や学園で記憶だけを頼りに制作していました。

桜島を気に入り何度も訪れた山下清は、「桜島は自分の家のようだ」という言葉を残しています。

昭和29年に制作した「桜島」は奥に桜島が位置し、中央に海と蒸気船が描かれています。

海には無数の波が表現されていて、とてもちぎった紙だけで仕上げられているとは思えないほど精巧な表現がされています。

また、山下清の作品にはペンで描かれている作品もあり、桜島の作品でも暖かなタッチで風景が描かれているペン画が存在します。

かたつむり・とんぼ

貼り絵と出会った当初から作成していた、かたつむりやとんぼをモデルにした作品は、彼の素朴さが垣間見える有名な作品です。

学生時代は貼絵でトンボの作品を制作していましたが、放浪後はペン画でとんぼやかたつむりを描いていました。

主に色紙に描かれえていたかたつむりやとんぼは、赤や青など単色で描かれることが多く、作品全体がシンプルで素朴な味わいとなっています。

パリのエッフェル塔

「パリのエッフェル塔」は、40日間のヨーロッパ旅行で見た景色を題材に制作した作品です。

貼絵やペン画が有名な山下清の作品ですが、この「パリのエッフェル塔」に関しては水彩で描かれています。

エッフェル塔の正面から捉えたこの作品は、鉄骨の構造が緻密に描かれていて、山下清の几帳面な性格が反映されている作品と言えます。

東海道五十三次

山下清の遺作となった「東海道五十三次」は、55枚の絵画から成る大作です。

この作品は、東京から京都までの街道を歩き、道中で見かけた景色などが題材となっています。

5年もの歳月を費やして作られた本作品は、山下清の体調面が原因で完成が危ぶまれていた作品でもあります。

何とか完成にこぎつけた本作品のほとんどが白黒のペン画となっており、加えて日記の小文が沿えらえているのが特徴です。

「東海道五十三次」は晩年の山下清の圧倒的な画力を堪能できるうえに、その地を訪れた際に彼が思ったことや昔の思い出が小文で描かれているので、読み物としても価値のある作品になっています。

花火

花火に対して強い思い入れがあった山下清は、様々な地域の花火を題材とした作品を残しています。

中でも、山下清の代表作といわれているのは「長岡の花火」です。

この作品を制作したのは彼が28歳のころ(昭和25年)で、おそらく放浪生活の際に新潟県長岡市の花火を見て、強い感銘を受けたのではないでしょうか。

花火が弾けた瞬間が描写されている山下清の作品は、彼の超人的な映像記憶力の賜物でもあるでしょう。

山下清作品の買取相場

山下清の作品は貼絵やペン画など、用いられている技法によって買取額が異なります。

人気の作品であるほど買取値も高くなる傾向にあり、特に貼絵でつくられた作品は非常に高い値が付きます。

とはいえ山下清の作品はもともと人気があるため、色紙に描かれた作品やペン画の作品であっても、鑑定書付きで15万円〜20万円ほどの買取価格になるでしょう。

例えば山下清の代表作である「花火」は買取の評価が高くなる傾向にあり、たとえペン画であったとしても買取相場は数十万円ほどです。

他にも、色紙に描かれる蝶や魚などのペン画の作品だったら数万〜十数万円の買取価格になることがあります。

※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。

山下清作品の買取実績から見る買取価格

美術品買取バイセルでは、山下清作品も多数取り扱っております。

山下清作品の買取実績から見る買取価格を以下の表でご紹介します。

買取日 買取品名 買取価格
2019/01/18 山下清(額) 142,000円
2020/09/27 山下清(額、色紙 ) 130,000円
2019/09/15 山下清(額、色紙 ) 100,000円
2019/06/25 山下清(額、色紙 ) 100,000円
2019/03/22 山下清(額、色紙 ) 80,000円
2021/05/21 山下清(絵画) 37,000円
2021/01/30 山下清(絵画) 32,000円
2020/06/14 山下清(額、絵画) 10,000円
2019/02/27 山下清(額) 10,000円
2019/01/27 山下清(額、版画) 10,000円
2018/10/30 山下清(額、版画) 10,000円
2020/08/20 山下清(額、絵画) 6,000円

※上記実績は一例です。お品物の種類や状態によってはお値段をつけることが難しい場合もございます。あらかじめご了承ください。


同じ作品でも状態や付属品などによって買取価格が異なりますので、実際にお持ちの作品の価値が気になる方は、一度査定にお出しください。

山下清の作品を売るなら美術品買取に特化したバイセルにおまかせ!

愛好家の多い山下清作品は、代表作のみならず中古市場で需要の高い作品が複数存在します。

お持ちの作品はもしかしたら高値になるかもしれません。

部屋や物置きに眠っている山下清の作品は、価値が見込めますので、美術品を見極められるバイセルにお任せください。

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山下清の売却方法には何がある?

山下清ほどの有名な画家の作品だったら、その価値を認めてくれる所に買い取ってもらいたいですよね。

山下清作品の代表的な買取方法として思い浮かぶのは以下の3つでしょう。

  1. ネットオークションを利用する
  2. 質屋を利用する
  3. 絵画買取業者を利用する

それぞれの買取方法のメリット・デメリットを把握して、自身にあった買取方法を選びましょう。

ネットオークションを利用する

ネットオークションを利用するメリットは、スマートフォン一つで所有物を簡単に出品できる点です。

インターネット環境があれば、自分の都合の良い時に出品ができるので、日中帯に忙しい人にはおすすめの売り方と言えるでしょう。

ただ、山下清ほどの作家の作品をネットオークションに出品するのは考えものです。

ネットオークションは、個人同士でものの売買をしますが、全ての人が山下清の価値を適切に判断できるとは限りません。

そのため、価値が分かる人に購入されなければ、自分が満足できるような額で落札してもらえないかもしれません。

また、出品作業として絵画を写真に撮ったり説明文を考え、落札後にも落札者と細かな連絡のやり取りを行う必要もあります。

運営への手数料などもかかるため実際に手にできる額や手間などを考えると、ネットオークションで山下清の作品を売るのはあまり得策ではないといえます。

質屋を利用する

貴金属や芸術品などの価値があるものを担保にお金を借りるイメージがある質屋ですが、質屋によっては買取も行っている所があります。

ただ質屋によっては、絵画に詳しい査定士が在籍していない可能性があります。

質屋の多くが、時計やバッグ、アクセサリーなどの小さくて保管コストを抑えられる商材を中心に扱っています。

そのため、質屋の査定士は絵画を査定する機会が少なく、知識が不足している上うえに買取実績も少ないと言えます。

質屋によっては適正な額で買い取ってもらえない可能性があるため、絵画の買取で質屋を利用するのは避けた方が無難でしょう。

絵画買取業者を利用する

絵画買取業者であれば、山下清作品も適正に価値を見極め、買取額にもしっかりと反映してくれるでしょう。

絵画買取のバイセルは、国内外の様々な有名絵画を扱っています。

山下清ほどの有名作家作品のご売却の場合、確かな査定技術をもった査定士が在籍している、絵画買取に力を入れているバイセルへお売りください。

山下清の作品は非常に有名なうえに人気があるため、贋作が出回っているといわれていますが、絵画を扱っているバイセルの査定士であれば真贋の見極めも可能です。

また、絵画の価値を判断するのは非常に難しいといわれていて、同じ絵でも買取業者によっては提示する買取額に大きな違いが出てきます。

その理由は、絵画の評価ポイントが買取業者によって異なっているためです。

バイセルでは査定料・キャンセル料を無料にしていますので、見積もりのみでもお気軽にご相談ください。

山下清作品を高額で売るために押さえておきたいポイント

山下清は有名な作家のため、買取に出せばかなりの額が期待できる作品が多くあります。

山下清の作品を買取に出す際に、少しでも高く売るために押さえてほしい3つのポイントをご紹介します。

  1. 高く売れる図柄が存在する
  2. 制作年代も評価に影響する
  3. 鑑定書があると尚良し

高く売れる図柄が存在する

絵画などの美術品は、図柄によって評価が異なり、査定額も変わってきます。

図柄とは、絵の品位やテーマのことを指していて、人気のある図柄は評価が高くなります。

山下清の作品だったら、花火や桜島などが人気の図案です。

また、人気の山下清の図案は、リトグラフ作品も多く制作されています。

もしもお持ちの作品が山下清の肉筆でなくとも、有名なリトグラフ作品だったら、買取額に期待できるかもしれません。

制作年代も評価に影響する

同じ作家の作品でも、それぞれの出来栄えは作品や制作年代によって変わってきて、価値も違ってきます。

作家本人の全盛期の作品が高い評価を得るのが一般的ですが、山下清の作品の場合は例外です。

山下清の作品は年代による価値の違いは出ずに、書き込みが多く制作時間がかかっている良い出来の作品ほど、高い買取額になる傾向になるようです。

書き込みの点のみで考えると、パリのエッフェル塔などは高い評価になり、かたつむりやとんぼなどは評価が下がるかもしれません。

鑑定書があるとなお良し

鑑定書は、その作品が「本物」である証拠になる大切な資料です。

山下清は人気の作家ですから、贋作も出回っていて、査定を行う方も慎重に価値を見極める必要があります。

絵画に精通してる査定士であれば真贋を見極めることは可能ですが、鑑定書があることで、なお本物の山下清の作品としての価値が高まります。

山下清の場合「山下清鑑定委員会」が鑑定し、鑑定書を発行してくれます。

もしもお持ちの作品が贋作かどうか不安に思っている方は、山下清鑑定会にみてもらいましょう。

ただ鑑定代がかかりますので、買取額を上げたいためだけに鑑定を受けるのは避け、まずはそのままの状態でご相談ください。

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