【飛行機模型】これであなたもマニアな世界にテイクオフ!
2024.06.20
コラム飛行機、特に旅客機のプラモデルを制作したことがある方も多いと思います。どちらかというと飛行機といえば戦闘機の方がメジャーかもしれません。
しかし旅客機はカラフルなデザインなどが美しく、実際にその国へ旅行に行ってみたいと思いをはせる気持ちになります。
航空機のプラモデルは様々なスケールで各社から発売されていますが、その中でも旅客機のプラモデルにスポットをあててご紹介していきましょう。
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目次
1/144のボーイング787はNゲージとコラボできる
ANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)ではボーイング747がすべて引退し、中型機としては長い航続距離が特長であるボーイング787が就航する形となりました。
787の胴体は新素材であるカーボン複合材でできており、旅客機では787が世界初です。
カーボン複合材とは、炭素繊維に熱硬化プラスチックを染みこませて形状を形作り、それを熱処理して焼き固めたものです。
ちなみに787のカーボン複合材の原材料は、東レが1社独占で納入を担当しています。
「童友社」から発売されているボーイング787-8はスケールが1/144で、種類はANAとJALの2種類が発売されています。
1/150〜1/160のNゲージ(鉄道模型)のストラクチャーがスケール的にもぴったり合います。
Nゲージのメーカーから発売されているトレーラーや人間を配置すると、空港の風景が再現できます。
1/144だけあって客室窓はクリアーパーツで再現されていますし、各客室窓の縁(ふち)の部分もデカールで再現されています。
コックピット窓はクリアーパーツもしくはデカールの選択式になっています。
しかもコックピット窓のワイパーはデカールで再現されています。
1/144の787-8は、翼のスラットやフラップも凹モールドで再現されています。
ランディングギアのモールドもしっかりしており、ディテールアップするとより本物っぽくなるでしょう。
787のエンジンはロールス・ロイス・ホールディングス製トレント1000とゼネラル・エレクトリックのGEnxがあり、国際共同開発です。
「シェブロンノズル」と呼ばれるエンジンナセル後端のギザギザのシェブロンパターンは、ファン流と燃焼ガス流を混合して騒音を低下させる効果を狙っています。
童友社の787のエンジンは、シェブロンノズルはもちろん、内部のタービンブレードもしっかりと再現されており、中心部の渦巻もデカールで再現されています。
空港のシーンを演出する各種ストラクチャー
民間航空機のプラモデルは海外メーカーを含めた各社から発売されています。
日本では童友社以外にも、航空機プラモデルで有名な「ハセガワ」から1/200スケールの民間航空機が各種発売されています。
海外では「ドイツレベル社」から1/144スケールでボーイング747-400、エアバスA380(ルフトハンザ)、エアバスA350等が発売されています。
さらに空港を再現するための各種ストラクチャーがいくつかのメーカーから発売されています。
飛行機に搭乗する際に空港のターミナルビルからのびているボーディングブリッジは、「さんけい」というメーカーから1/144で航空情景シリーズ・空港ボーディングブリッジが発売されています。
これはペーパークラフト製で、組み立てると本物そっくりです。
「箱庭技研」というメーカーからは、1/144で空港ターミナルセットや滑走路セットが発売されています。
これはジオラマシートで、航空機が駐機する地面や滑走路が印刷されています。
空港のストラクチャーとしては、ロシアの「Eastern Express(イースタンエキスプレス社)」から1/144で空港サービスセット(トーイングトラクター)、空港器材車セット等が発売されています。
トーイングトラクターとは飛行機を牽引する、空港でよく見かけるトラックです。
アンセット・オーストラリア航空のボーイング747-300
オーストラリアの航空会社といえば赤地にカンガルーデザインのカンタス航空(Qantas Airways Limited)が有名ですが、アンセット・オーストラリア航空 (Ansett Australia) は、1935年に飛行家で事業家のレジナルド・マイルズ・アンセットにより、アンセット航空 (Ansett Airways Pty Ltd) として創業されました。
2001年に倒産するまでオーストラリアの主要な国内・国際航空会社でした。そのアンセット・オーストラリア航空のボーイング747-300が1/200スケールで「ハセガワ」から発売されています。現在は店頭で購入するのは難しいですが、インターネットなどで購入可能です。
ボーイング747はアメリカのボーイング社が開発・製造する大型旅客機のシリーズでワイドボディ機であり、大量輸送によって国外旅行の大衆化を可能にした画期的な機体でした。
ハセガワ 1/200、アンセット・オーストラリア航空のボーイング747-300は、カラフルな垂直尾翼をはじめ、翼のスラットやフラップも凹モールドで再現されており、ボーイング747の特徴的なノーズラインもしっかりと踏襲しています。
客室窓は1/200スケールの旅客機によく見られるクリアーパーツなしの穴で表現しています。
コックピット窓はクリアーパーツで再現されています。白地の機体に「Ansett Australia」の文字が非常に美しいです。
JAL(日本航空)のボーイング777-300(新ロゴ)
ボーイング777-300は、777-200に比べて胴体を延長した機体です。
747-100型機および-200型機の代替として設計され、全長73.9mと長い胴体を持つ双発機です。
ハセガワから発売されている777-300は1/200スケールで、JAL(日本航空)の「鶴丸」を2011年以降に復活させたニューマーキング機です。
鶴丸マーク(新ロゴ)は、以前のものと比べると翼の切り込みが深くなっており、JALの文字は太く力強いゴシック系の書体が採用されています。
長い胴体長のため、胴体後方下部にテールスキッドを装備し、主脚が誘導路からはみ出さないようコックピットから監視できるようにGMCS(グランド・マニューバー・カメラ・システム)という新機能が搭載されています。
ハセガワの1/200・ボーイング777-300の胴体後方下部にもテールスキッドが再現されています。
ハセガワの1/200モデルは、機体や翼を含めた全体に細かなマーキングが水転写式デカールで表現されており、非常に美しいです。
コックピット窓は、クリアーパーツもしくはデカールの選択式ですが、スケール的にはデカールでも違和感が感じられません。ワイパーもしっかりと表現されています。
ボーイング777-300の後輪は、ほかの航空機にはあまり見られない3連の車輪が装備されています。機体が重いための対策です。
ノースウエスト航空のボーイング747-200
ノースウエスト航空(Northwest Airlines, Inc.)は、かつてアメリカ合衆国に存在した航空会社です。デルタ航空と経営統合し2010年よりデルタ航空となりました。
ノースウェストの機体カラーは、上から赤、グレー、白のカラーリング(旧塗装)が有名ですが、このボーイング747-200の「NWA」の入ったシルバーカラーはその後の塗装です。
厳密にいえば純粋なシルバーではなく、微量のイエローが混ざったシルバーです。旧塗装に比べて無駄な塗料を極力省いてコストダウンを徹底したシンプルな塗装です。
ハセガワから発売されている1/200スケールのボーイング747-200の機体デザインは、2003年に導入されたもので、ノースウエスト航空最後のマーキングです。
エンジンは直径2.4mの大口径ファンを使用したP&W社のJT9D-7Aターボファンで、空気取り入れ口に案内翼を使用しないため、B707等が装備しているJT3Dよりも騒音が低くなりました。エンジンの付け根に白いラインが入っています。
コックピット窓はクリアーパーツかデカールの選択式で、(※写真はデカール使用)窓の下にワイパーも表現されています。
1/200のモデルは通常の747のモデルと同じく客室窓は穴で表現されており、とはいえ穴をパテなどで埋めて付属しているデカールを貼ることもできます。
ランディングギアも通常の747のモデルと同じくシンプルな作りなので、ディテールアップをするのもよいでしょう。
JAL(日本航空)のDC-10-40
JAL(日本航空)のDC-10-40のマーキングは、2002年〜2011年まで使用された「The Arc of the Sun (太陽のアーク) 」です。
JALのDC-10-40は2005年に退役してしまいましたが、現在でもこのユニークな形状は人気があります。
DC-10は、アメリカのマクドネルダグラス(現在はボーイングに合併)が開発した中長距離用の中型三発機です。
しかしこのエンジンレイアウトが、操縦が難しく事故の起こりやすい原因の一つとなりました。
ハセガワから発売されている1/200スケールのJAL(日本航空)・DC-10-40は、実機の形状やマーキングをしっかりと再現していますが現在は生産中止となっています。
主翼下の第1、第3エンジンはP&W製のJT9D-59Aエンジンです。垂直尾翼下の第2エンジンの配置は高バイパス比ターボファンエンジンへの吸気を直線的に導くためのものです。
その反面、垂直尾翼に設置される方向舵の面積が不足し、二重ヒンジ構造とすることでこれを補っています。
JALのDC-10-40は長距離型で、機体重量の増加のため胴体下中央部にも主脚が追加装備されています。さらに翼端が0.9m延長されています。
ANA(全日本空輸)のボーイング747-400
ANA(全日本空輸)においてボーイング747-400は2014年3月末に退役し、これにより747自体、全機退役となりました。
747-400は主翼の先端に整流翼であるウイングレットが付いている機体で、そのウイングレットにもマーキングが施されており他の747にはない形状をしています。
さらに747-300に比べて主翼端は延長されています。2009年に発展型であるボーイング747-8型機と入れ替わるように生産終了となりました。
ANAでは747-400D型の機体も運用されていましたが、747-400との大きな違いは主翼の先端にウイングレットが付いていないという点です。
DはDomestic(国内)の略で、日本国内線専用仕様です。
ハセガワからは1/200でANA・ボーイング747-400が発売されており、これは2002年よりボディサイドのロゴが「全日空 All Nippon Airways」から「ANA」に塗り替えられた機体です。
細かなマーキングなどが随所に見られ、良いアクセントとなっています。
ANA特有のトリトンブルーとモヒカンブルーがボディ全体にカラーリングされており、非常に美しい機体です。1/200のモデルでは機体最後尾にAPU(補助動力装置)が再現されています。
APUとはメインエンジンを起動するための圧縮空気の供給や駐機中におけるエアコンなどの各装置への動力の供給といった用途に用いられるメインエンジンとは別の小型のエンジンです。
ボーイング747-400のエンジンは、低燃費でハイパワーな最新型のエンジン、ゼネラル-エレクトリック社のCF6-80C2B1Fが装備されています。
747-200等と比較すると、最後部の先端がとがっていないので違いが分かります。
民間航空機のプラモデル制作のポイント
民間航空機のプラモデルを制作する際、押さえておきたいポイントがいくつかあります。
まず特に機体(ボディ)の合わせ目(パーティングライン)は、ラッカーパテ等で消した方が良いです。
その後成形し、サーフェーサーを吹き、乾燥したら白色(ボディ色)を吹き塗装します。
白色(ボディ色)を吹く際、ムラや液だれを起こさないようにするコツは、数回に分けてサッと吹き付ける方法がオススメです。
さらに乾燥したらデカールを貼り、水気がなくなったのを確認後クリアーを吹きます。
このデカールの上に吹くクリアーは、デカールが溶けない水溶性クリアーがおすすめで、一回一回乾燥させつつ数回吹きましょう。完全に乾いたら仕上げ用コンパウンドでみがけば光沢がさらに増します。
最後に翼などを取り付け完成です。当然ボディや翼はマスキングして塗り分けも行いましょう。色々な制作方法があるかと思いますが、上記は一つの参考例です。
プラモデルの製品によっては航空機のアンテナ類(VHF用アンテナやELTアンテナ等)が再現しきれていない製品もあるので自作しディテールアップしましょう。
まとめ:飛行機模型で自分専用の空港を広げていく
民間航空機のプラモデルを中心に述べましたが、まだまだ種類も豊富で、スケールも大きなものから小さなものまで存在します。
しっかりと色を塗り分けきれいに完成させれば、民間航空機の多種多様なカラーリングとあいまって美しい機体が出来上がります。
さながら空飛ぶ芸術作品です。さらにプラモデルではなく非常に精巧に造られた完成品モデルも存在します。
例えばDragonWings(ドラゴン)やherpaWings(ヘルパ)というメーカーからは完成品の精巧なモデルが発売されており、スケールも1/200や1/500など様々です。
しかも完成品できれいな塗装、リアルなモールドでできているため金額もプラモデルより高くなっています。
たくさん種類のある民間航空機のプラモデルや完成品模型をコレクションしてみるのもおもしろいですね。ぜひ自分専用の空港を作ってみましょう。
ボーイング787などの模型がどの程度の価値があるかを知っておこう
飛行機模型を複数持っている方や、部屋に模型がたくさんあってもう置く場所がないという方もいらっしゃるでしょう。
「収納場所を確保したくても多すぎて運べない…」という方は、一度模型の価値をみてもらうのはいかがでしょうか。