【模型中毒】夢と現実のハザマで生きる夢うつつなインタビュー

2022.09.27

コラム
  蒸気機関車・HOゲージ

プラモデルに玩具、はたまたフィギュアなど総じて「模型」と呼ばれる世界は、男性に限らず女性にとっても趣味としている方が多いアイテムです。

そんな模型に人生全てを捧げている40代のAさんと模型界隈ネタでインタビューしてみました。Aさん宅には専用の模型部屋があり、そこでインタビューさせていただきました。ややプラモデルの溶剤か接着剤の匂いが漂っており、様々なジャンルの模型が所狭しと飾ってあり、プラモデルの箱もたくさんありました。

ちなみにインタビュアーである私も模型ファンで、中でも鉄道が得意ジャンルです(笑)
掲載されている模型写真はすべてAさんの私物です!

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模型のすべてを堪能した44歳

おじさん

ズバリ模型にはまってしまったワケは?

とにかく子供のころからプラモデル等の模型が大好きで、大人になってからもその趣味趣向は一切変わることなく今でも大好きです。

模型歴何年ですか?

現在44歳なので、7歳ぐらいからですから37年ですね。

37年!!すごいですね。そんなに幼少の頃から模型に興味があったんですね。

私の父が鉄道模型好きで、その影響もあり小さいころからプラモデルや鉄道模型が大好きでした。

・・・ちなみに今手に持ってらっしゃるのはゾイドですか?

よくご存じですね。7月(2018年)に発売されたゾイドワイルドのガブリゲーターです。仕事とは全く関係ありませんが職場にももう一つ置いてあります。

職場に置いているんですか!何も言われませんか?

特に何も言われませんね。たまに、ウィーンって動かして遊んでいますが。

自由な職場ですね、うらやましい。
さて話は戻りますが特に好きな模型は何ですか?さらに模型の魅力とは?

私が特に好きな模型・・・といってもありとあらゆる種類の模型が好きです。鉄道模型からスケールモデル、ガンプラのようなキャラクターモデル等々世の中には色々な種類がありますが、すべて好きです。

共通する魅力としては、スケールモデルであれば縮尺によるそのリアリティ、そしてたとえキャラクターモデルであっても実際に存在すると仮定した場合のリアリティです。人それぞれ魅力に感じるところは異なるとは思いますが、私の場合はこれに尽きます。

キャラクターモデルの中では例えばゾイドはガンダム等と違ってかなり玩具の要素が大きいと思いますが・・・。

確かに限りなく玩具ですね。タカラトミーが発売しているゾイドを元に、コトブキヤがよりリアルな解釈をしたHMMゾイドを発売していますが、私はタカラトミー版もHMM版も両方ともリアリティを感じます。

コトブキヤのHMMゾイド・セイバータイガー

HMM版は価格もタカラトミー版より高めでディテールも凝ったものになっているのでわかりますが、タカラトミー版はやはり玩具の要素が大きいですよね?

そうですね。でもタカラトミーのゾイドを開発した人のコメントを読んだことがありますが、「オリジナル玩具だけに許された空想のための大切な道具」ということだそうです。つまりはタカラトミー版のゾイドは遊びながら自由に無限のストーリーを生み出す玩具であり、逆に細かなディテールはいらないのです。
よく子供の頃「この背中からミサイル発射!!」・・・というようにミサイルがないのにもかかわらず勝手に空想でミサイルを装備しているという設定にしたりしませんでしたか?

確かに!これは女の子のリカちゃん人形などでも同じことが言えますね。「テーブルに豪華な食事があるから召し上がれ♪」みたいに勝手に想像して。奥が深いですね。

リカちゃんのテーブル
 
インタビュアーのコメント:
想像力を働かせることによって自分の世界を生み出すことは、模型の限りない可能性や夢を感じます。誰しも子供の頃に体現した想像力をAさんは現在も持っているということですね。

ゾイドの初期版は魅力的

ゴジュラス(初期版)

手に持ってらっしゃるのはゾイドですが、ゾイドの中ではどのゾイドがお好きですか?

私がゾイドの中で一番好きなのはウルトラザウルスですね!1986年に初期カラー版が最初に発売されたのですが、現用空母と第二次世界大戦前の大艦巨砲主義時代の戦艦の魅力を併せ持つ機体ですね。

つまり、20世紀初頭の大きな歯車が可動している工場のようなレトロな雰囲気と、ゾイド野生体の名残を残したAIコンピューター搭載の最先端テクノロジーが融合した機体だと思っています。 各所のアクチュエーター(動力シリンダー)やギミック、配線が張り巡らされているような箱状の部位などなど・・・随所にその雰囲気が見て取れます。

ゴジュラスやアイアンコング、ゴルドスにサラマンダーなどの最初期ゾイドにはその要素が共通してありますね。年代的にも最初にゾイドが発売された1983年当時は小学校3年生ですから、そういった意味でも最初期ゾイドが一番好きです。

ウルトラザウルス
 

その感覚はわかります!どことなくレトロな雰囲気があり、とはいえ30年経った現在でも見劣りしないこのディテールとフォルムは美しいです!

そして今この手元にある2018年7月に発売されたゾイドワイルドのガブリゲーター(サルコスクス種)はそんな最初期ゾイドの要素が存分に盛り込まれていて素晴らしい出来です。
発売されたときはキター!!・・って思いましたね。

通常のゾイドは1/72スケールですがゾイドワイルドは戦車プラモに代表されるAFVモデルの1/35スケールに設定した思い切りの良さ、動きと連動して可動するあばら骨、骨格っぽい中にも随所にちりばめられたメカニック部分・・まさに初期ゾイドのコンセプトそのままです。開発されたタカラトミーの方は天才ですね!

ガブリゲーター ガブリゲーター ガブリゲーター
インタビュアーのコメント:
ゾイドの中でも初期ゾイドに対する熱い思いを感じました。ゾイドは単なるおもちゃではなく、実際に存在しても違和感のない機械としてのコンセプトがしっかりしているものだと分かりました。

トレーラープラモデルの重量感を肌で感じる

モデル359

このトレーラーのプラモデルは巨大ですね!コンテナまであわせると全長1メートル以上はあるんじゃないですか?

このトレーラーのプラモデルは前方のトラクター部分がレベル社製(プラモデルメーカー)でスケールが1/25ですから大きいです。コンテナはAMT社製(プラモデルメーカー)で同じく1/25です。

コンテナの大きさは1/25ともなると、もはや大きな箱ですね・・。こういったトレーラーなどトラックのプラモデルの魅力とは何ですか?

トレーラーのプラモデルの魅力とは、なんといってもこのタイヤです。

タイヤですか!?

そうです、実際にはシャーシにある車輪軸のスプリングなどはすべてプラスチックなんですが、実物のトラックと同じようにタイヤとスプリングがボディを支えているという感覚が魅力です。そこにリアリティを感じるわけです。
つまり重たい鉄板でできたボディをこの分厚いタイヤがズシッと受け止めているという感覚です。それらが相まって重量感を感じるんですよね。

・・難しいですね・・。ちなみにこのスケールだとかなりディテールが細かいようですが?

非常に細かいです。例えばこのエンジンルームを見るとパイプや配管がしっかりと再現されています。さらにラジエータファン(車のエンジンにあるプロペラ状の冷却ファン)やタイミングベルトも再現されています。モールドも申し分なくさすが1/25スケールだけありますね。

あくまでプラモデルなので実際ラジコンのような動力は一切ありませんが、このエンジンが「ブルルン・・」と起動して、この煙突マフラーから黒煙が出てるのが見えますかね?

・・・う〜ん、そういわれてみると見えなくもないですが・・・。(実際には単なるプラモデル)

モデル359 モデル359エンジンルーム

ボンネットタイプのいかにもトレーラーという感じがたまりません。

ボンネットタイプのトレーラーは昔のトレーラーといった雰囲気をかもし出しますね。

モデル359エンジンルーム
 
インタビュアーのコメント:
スケールの大きさもあいまって、かなりのリアリティと臨場感を持っているということが感じられました。今にも動き出しそうです。

鉄道模型のリアリティにのめり込む

Nゲージ編〜

E4系MAX

Nゲージはスケールが1/150(新幹線は1/160)ですからさすがに重量感は感じられませんね。

確かにスケールが小さくて重量感は感じられませんが、実車のディテールを凝縮したこのボリュームはプラモデル以上のまさに模型ですね。この小ささにもかかわらず、各ディテールのエッジがたっていますし、モールドもしっかりしています。

エッジがたつというのは端やふちがしっかりとシャープになっているということですね。モールドはパネルラインなどのスジボリのことですね。

そうです。

トミックスの700系新幹線・Nゲージ

拡大してみても実物の印象そのままですね!それにしてもトミックスの2階建て新幹線E4系MAXは1/160ですから指先ほどしかない小さなパンタグラフですね、しかもちゃんと折りたたまる・・・あっ!!プロペラファンまで再現されている!

トミックスのE4系MAX・Nゲージ

職人の技と心を感じます。実物の車輌はもっと光沢がありますが、スケールを加味してややつや消し気味に創られています。

そうだったんですね!でも全然実車との違和感がないですね。よく考えられています。

車輌にもよりますが鉄道模型メーカーで比較するとトミックス(TOMIX)の車輌よりもカトー(KATO)の車輌の方が光沢がやや強めです。

Aさんはトミックス(TOMIX)の車輌とカトー(KATO)の車輌、ズバリどちらが好みですか?

車輌によりますね。例えばN700系新幹線なら連結部分の幌の再現度でカトー、700系新幹線なら700のロゴがカトーは後付けシールでリアリティに欠けるのでトミックスですね。

総じてカトーの方が行先表示や手すりの色をしっかり再現している点などは良いのですがロゴの再現度はトミックスの方がリアルですね。というわけでどちらも良い点悪い点があるので車輌によりますね。

なるほど、メーカーによってそんなにいろいろな箇所に違いがあったんですね、勉強になります!
話は戻りますがNゲージのストラクチャー(鉄道模型の駅や車や人間など)であるこの1/150トレーラーもスケールの割にディテールが素晴らしいですね。

トミックスのジオコレシリーズ・トレーラーコレクション(1/150)・Nゲージ
 

Nゲージの車輌と同じく拡大して写真を撮っても見劣りしません。唯一サイドミラーがないのが惜しいですが。サイドミラーは真鍮製で他メーカーから発売されています。


都バス

さらにトミックスのジオコレシリーズ・「THE バスコレクション」の都バスもカラーリングなどが細部までしっかりと作りこまれています。

この小さな文字プリントもはっきりと読めますね!

都バス 都バス

文字もしっかり読めますが、見てください、このタイヤのホイールのディテール!ねじやビスまでよく再現されています!

このスケールですごいですね!・・・というかやっぱりタイヤが好きなんですね・・。

都営バスのバス停

これはカトーのフォークリフト(JR貨物色)です。拡大してみても各部のエッジがたっていることがわかります。そしてタイヤの設置面のみぞやホイールにモールドが施されていて素敵です。

カトーのフォークリフト(JR貨物色) カトーのフォークリフト(JR貨物色)

わずか全長3センチぐらいなのに拡大してもおもちゃらしさがないです!コンテナの出来も素晴らしいです!・・・というかやはりタイヤにこだわるんですね・・。

トミックスのトップリフター・Nゲージ
 

トミックスのトップリフターも見てください、手すりや階段、ワイパーもしっかりとした創りになっていますが、私が凄いと思うのは通常自動車などの窓枠は黒いゴム系の素材で設置されており、それも再現されているところです。

確かに!・・・さすが着眼点が違いますね、マニアックすぎる・・・。

トミックスのトップリフター・Nゲージ カトーの高架駅セットと駅前道路セット・Nゲージ

これはカトーの高架駅セットですが、一見すると本物と見分けがつきません。人間の表情やホームの雰囲気が伝わってくるようです。

完全なるミニチュアワールドといった感じですね。

カトーのホーム他・Nゲージ

中でも私が感動したのはこのホームの非常停止ボタンです。1/150なので再現度に限界はありますがこういった細かなストラクチャーは心惹かれます。

ホームの非常停止ボタンまで再現されているとは!・・やはり着眼点がマニアックですね・・。

非常ボタン

HOゲージ編〜

HOゲージ・蒸気機関車

さすがに1/80〜1/87スケールのHOゲージともなると重量感が感じられますね。

その通りです。質感もNゲージではつや消しが主流で、質感に関してはあまりこだわりは感じられませんが、HOゲージともなると下地がプラスチックでも質感が映えますね。未塗装の真鍮製車輌はもはや芸術作品です。むしろ塗装していないがゆえに重量感や存在感を感じます。

C55形蒸気機関車・HOゲージ

!?これは何ですか?

先ほど言ったように私の父も鉄道模型が大好きなので、父が若いころに作ったHOゲージの作りかけ真鍮製C55形蒸気機関車(流線形タイプ)です。

真鍮板から切り出した感が半端ないですね。

かれこれ50年前のもので、当時は出来合えのパーツもいくつか販売されていたらしいですが、現在ほど製品点数も多くなく模型化する技術も現在ほどではなかったそうです。ハンダゴテで接着したらしいです。
ちなみにこれも父が50年前に作った蒸気機関車です。↓

蒸気機関車・HOゲージ

手すりや配管の再現が見事で、手作りとは思えない出来ですね!

客車・HOゲージ

これはHOゲージの客車で同じく当時の父の手作りですが材質は何でできていると思いますか?

?真鍮製?もしくはプラスチックですか?

いいえ違います。紙、つまりはペーパークラフトです。

!!とても紙には見えませんね!壁面の縦ラインもすべてモールド化されていますね!

ふふふ・・まだまだ驚くのは早いですよ、極めつけはコレです。

こ、これはD51のHOゲージ!

D51の蒸気機関車・HOゲージ

このD51のHOゲージも当時父が作ったもので、当時の天賞堂(鉄道模型メーカー)から発売されていたキットを使用したものらしいです。

当時の天賞堂のキットですか。当時も真鍮製の鉄道模型キットがあったんですね。よく見るとディテールにむらがある部分もありますが恐ろしいほどハイクオリティです!

昔ある格闘家Hが「私の兄は私より10倍強い。」と言いましたが、私の父は私より10倍マニアックな人間です。

分かる気がします・・・。奥が深すぎますね。

D51の蒸気機関車・HOゲージ
インタビュアーのコメント:
鉄道模型の世界は奥が深いということを改めて感じました。もはや模型という枠を超えた職人による芸術作品であるということをひしひしと感じますね。こだわりが素晴らしいです。

インタビューを終えて

童友社 童友社

Aさんはまだまだ話し足りないといった感じでゆっくりしていけばとおっしゃってくれたのですが、かれこれ6時間ぐらいインタビューしており日が暮れてきたので丁寧にごあいさつしてインタビューを終えました。

専用の模型部屋には、ここでご紹介できなかった模型も含めると約500点は所有しているとのことでした。そういえば戦車や飛行機の模型、モビルスーツ類にF1のプラモデル等々たくさん飾ってありました。

色々と模型についてお聞きしましたが、まるで異世界に引き込まれそうな気分でした。というより異次元というべきか・・。

結論!

Aさんは模型の世界と現実をオーバーラップさせた世界に住んでいました(笑)縮尺された模型の世界に住んでいると、見えないものまで見えてくる!

決して変な意味ではありません。それだけリアリティや夢の世界を追求した世界だということです。

私も子供のころプラモデルを作ったりしていましたが、Aさんと話しているうちにまた模型が欲しくなってきました。 今日このあとガンプラでも買って帰ろうかと思います。Aさん本当にありがとうございました!