唐物(からもの)とは?茶道のお点前に使われる道具の特徴を解説

唐物とは、一体どんなものなのでしょうか?

本来中国から日本へ渡ってきた品々を指す言葉ですが、その種類は多岐にわたります。

茶碗や香炉、絵画など、様々なものが唐物と呼ばれてきました。

本記事では、唐物の基礎知識や、日本の美意識に影響を与えたという茶道具に関して解説していきます。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

唐物(からもの)とは

唐物(からもの)とは、中世から近世にかけて日本に渡来し、特に珍重された中国製品の雅称です。

「唐物」という言葉は、以下のように時代によって意味合いが若干異なります。

中世:中国から渡来したすべてのものを指す
近世:中国、朝鮮半島、東南アジアなどから渡来したものを指す
現代:中国製の美術品や工芸品を指すことが多い

また具体的には、以下のようなものが唐物に含まれます。

美術品:絵画、書跡、陶磁器、漆器、金属工芸品など
工芸品:家具、調度品、茶道具など
食材:茶葉、砂糖、香辛料など

なかでも、茶道は唐物の茶器を用いることから発展し、日本の美意識に影響を与えたとされています。

茶道のお点前に使われる唐物

ここからは、茶道のお点前に使われる唐物のおもな例としては以下が挙げられます。

  1. 茶入
  2. 茶碗
  3. 水指

それではそれぞれの特徴を紹介します。

茶入

茶入とは、茶の湯で抹茶を入れる容器の一種で、特に濃茶(こいちゃ)を点てる際に用いられることが多いです。

宋代の青磁や、元代の赤絵磁器などがよく用いられています。

茶碗

茶道具の茶碗は、茶の湯において抹茶を飲むための器です。

茶碗にはさまざまな種類があり、季節や茶会のテーマに応じて使い分けられます。

例えば、夏には浅い形の「平茶碗」、冬には深い形の「筒茶碗」がよく使われます。

宋代の天目茶碗や、朝鮮半島で作られた朝鮮唐物などが代表的です。

水指

水指(みずさし)は、茶道で水を貯えておくための器です。

茶碗や茶筅を清めたり、茶釜に水を足したりするために用いられます。

明代の景徳鎮窯の水指などが代表的でしょう。

【時代別】茶道のお点前に使われる唐物の特徴

茶道のお点前に使われる唐物は、以下の時代によってそれぞれ特徴が異なります。

  1. 宋代
  2. 元代
  3. 明代
  4. 清代

それぞれの時代の唐物について、特徴や代表的な種類を解説します。

宋代

宋代の唐物は、日本の茶道や美術に大きな影響を与えました。

代表的な種類には、青みがかった釉薬が特徴の青磁、純白の釉薬が施された白磁、そして黒い釉薬が特徴の黒磁があります。

これらの陶磁器の釉薬は素朴で温かみがあり、手作り感が感じられる質感が特徴です。

また、宋代の唐物の形状は非常にシンプルで無駄のないデザインが多く、このシンプルさが日本の侘び茶の美学に影響を与えたとされています。

侘び茶では、質素でありながらも深い味わいを持つものが好まれるため、宋代の唐物はその理想にぴったりと合致しました。

元代

元代の唐物は、その鮮やかな色使いと繊細な絵付けで知られています。

代表的な種類には、白地に青のコントラストが美しい青花磁と、華やかで鮮やかな印象を与える赤絵磁器があります。

これらの陶磁器は、職人の高度な技術を示す繊細な絵付けが特徴で、書院飾りとして用いられました。

書院飾りとは、書斎や客間に飾られる装飾品のことで、元代の唐物はその美しさと華やかさで空間を彩りました。

明代

明代の唐物は、多様性と精巧な技法で作られることで知られています。

代表的な窯には、白磁や青磁の生産で有名な景徳鎮窯と、色絵磁器や白磁の生産で知られる磁州窯があります。

明代には、純白の釉薬が施された白磁、青みがかった釉薬が特徴の青磁、そして鮮やかな色使いと繊細な絵付けが施された色絵磁器など、様々な種類の唐物が作られました。

これらの陶磁器は精巧な技法で作られたものが多く、その美しさと技術の高さから高価なものも多く、日本の美術や文化に大きな影響を与えました。

清代

清代の唐物は、その色鮮やかで華麗な絵付けが特徴です。

代表的な種類には、花や鳥のモチーフが多い粉彩磁器と、明代に続き重要な窯である景徳鎮窯があります。

清代の陶磁器は、細かい筆使いと豊かな色彩で非常に装飾的なデザインが施されており、視覚的にも魅力を感じさせます。

また、ヨーロッパ向けの輸出用陶磁器も多く作られ、国際的な交流の一環として重要な役割を果たしました。

清代の唐物は、その美しさと技術の高さで、日本だけでなく世界中の美術や文化に大きな影響を与えました。

唐物の買取価値はどのくらい?

 

唐物の買取価格は、その種類、状態、時代、産地、そして市場の動向など、様々な要素によって大きく変動します。

価値を左右する要素は、主に以下の4つです。

種類:茶碗、茶入、香炉など、種類によって価値は異なります。また、同じ種類の中でも、有名な作家の作品や、珍しい形のものは高値がつく傾向があります。
状態:傷や修復歴、汚れなどが見られないような、状態が良いほど高値がつきます。
時代:古代のものほど、一般的に価値が高いとされています。
産地:中国の産地によって価値が異なります。

作品一つひとつで買取価格が大きく異なるので、一概には唐物の買取価格はいくらと断定できません。

参考としては状態が良い唐物で、在銘や共箱などの付属品が揃っている場合、数万円の買取価格がつく可能性があります。

お持ちの唐物の買取価格が気になる場合には、一度、無料の買取査定を受けてみることをおすすめします。

※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合がございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。

まとめ

唐物は、中世から近世にかけて日本に渡来した中国製品の総称です。

美術品、工芸品、食材など多岐にわたり、特に茶道具として重要視されました。

茶入、茶碗、水指などが代表的で、宋代、元代、明代、清代によって特徴が異なります。

唐物の買取価値は、種類、状態、時代、産地によって大きく変動し、在銘や共箱がある場合は高値がつく可能性があります。

バイセルでは、唐物をはじめとする骨董品の買取を積極的に行っております。

ご相談・査定は無料ですので、お持ちの唐物の価値が気になるという方は、ぜひご利用ください。