石本正の絵画の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

石本正の絵画の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

石本正(いしもとしょう)は、舞妓や裸婦などの女性像で知られる日本画家です。

絵を描く楽しみを何よりも大切にした石本正の作品の、見る人の心に訴えかける力強さは非常に評価が高く、美術品買取市場でも高価買取されるケースがあります。

本記事では、石本正作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい石本正作品の特徴、石本正の絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

石本正とは

石本正(1920-2015)は、昭和から平成にかけて活躍した日本画家です。

舞妓や裸婦などの女性像を得意としました。

石本正は1920年、現在の島根県浜田市に生まれました。

幼いころから絵が好きだったという石本正は1940年、地元を離れて京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)で日本画を学びます。

しかし、伝統を絶対視する教え方に馴染めず、あまり学校へは行かずにさまざまな場所でのスケッチに明け暮れていたといいます。

しかし、在学中に徴兵されてしまい、一度は画業の中断を余儀なくされます。

戦後になって本格的に画家としての道を歩み始めた石本正は、1947年の第3回日展で初入選を果たし、注目を浴びるようになりました。

以降、数々の美術展で受賞し、ニューヨークやパリで展覧会を開催するなど、国内外で高い評価を受けます。

また、1970年からは京都市立芸術大学教授に就任するなど、更新の育成にも尽力しました。

このように高い評価を得た石本正ですが、1971年以降は全ての賞を辞退し、地位や名声を求めない制作姿勢を明らかにしました。

その時に語った「名声はどうでもいい。感動を受け、絵を描くことが僕の人生だから。それ以外のことは何にも考えない。」という言葉は、石本正という画家をよく表しています。

そんな「絵を描く楽しみ」に生涯熱中し続けた画家・石本正の作品は、故郷の島根県に2001年に開館した浜田市立石正美術館など、いくつもの美術館で楽しむことができます。

石本正の作風

石本正が生涯を通じて描き続けたモチーフとして、舞妓と裸婦などの女性像があります。

石本正は女性を「世の中で最も美しいもの」と捉え、その優美さ、艶かしさ、そして内面からにじみ出る生命感を追及しました。

その表現方法は伝統的な日本画の技法にこだわらず、西洋のデッサンを取り入れるなど人体の写実的な表現に挑みました。

人体構造への鋭い洞察に基づく、生きた人間の体温や感情が伝わるような表現は、戦後日本画壇に大きな一石を投じました。

このような「西洋的な技法と取り入れた日本画」は、石本正作品の特徴と言えるでしょう。

具体的には、フレスコ画を参考にした漆喰を用いる技法、ロマネスク美術を参考にした太く力強い描線を用いる技法、油彩・パステル・水彩・素描など様々な描法を柔軟に取り入れたことなどが挙げられます。

そして、「絵を楽しむ心」「描きたいもの、感動したものを描く」という画家としての精神性も、石本正の大きな特徴です。

純粋に絵と向き合う姿勢から生まれる、見る人の心に訴えかける作品の力は石本正の大きな魅力となっています。

石本正作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは

純粋に絵と向き合う姿勢から生まれる、見る人の心に訴えかける力を持つ石本正の作品には、多くの美術ファンからの高い人気があります。

美術館に収蔵されているものなど貴重な作品も多くありますが、買取市場に出てきた時には高い買取価格がつくケースは多いでしょう。

石本正作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、代表的なモチーフである舞妓や裸婦を描いた作品です。

特に、独自の制作姿勢を確立したあとの晩年の作品には高い価値がつきやすい傾向があります。


石本正だけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。

以下の各ページでは、有名作家の作品を中心とした日本画の買取相場や、高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。

参考までにぜひご参照ください。



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バイセルでの絵画の買取実績は?

バイセルには、日本画をはじめとした絵画の買取実績が数多くございます。

以下のページでは、日本画をはじめとした絵画の買取相場や、バイセルでの実際の買取例について記載してございます。

参考までにぜひご覧ください。

石本正の代表作

従来の日本画に囚われない多彩な表現方法と、絵を楽しむ姿勢が光る石本正の絵画は、多くの美術ファンを魅了しています。

ここでは、石本正の絵画の中でも特に人気の高い、代表作と言うべき作品についてご紹介します。

三人の少女

「三人の少女」は、1947年の第3回日展で初入選を果たし、石本正が画家として注目されるきっかけとなった初期の代表作です。

残念ながら「三人の少女」の実物は残っていませんが、もとになったデッサンが浜田市立石正美術館に所蔵されています。

「三人の少女」の構想のもとになったのが、石本正の憧れでもあったルネサンス期のイタリアの画家・ボッティチェリ(1445-1510)の代表作「春」に描かれている三女神のイメージだといいます。

「既存の規範にとらわれず、自分が美しいと思うものを信じて描く」という、石本正の制作姿勢の原点が見られるという意味でも重要な作品だと言えるでしょう。

横臥舞妓

「横臥舞妓」(1959)は、当時の日本画壇で賛否両論を巻き起こし、石本正の名を広く知らしめるきっかけとなった作品の1つです。

同テーマ、同タイトルで1967年制作の作品もあり、そちらは浜田市立石正美術館に所蔵されています。

従来の日本画では、舞妓は美しい着物と白粉で着飾った「装飾美の象徴」として描かれるのが一般的です。

その中で石本正の「横臥舞妓」では着物を描かず、横たわる裸の舞妓を描くという極めて異例の作品でした。

これには、白粉と素肌の境目や肉体の重量感を生々しく表現しすることで、記号的な装飾が注目されがちな舞妓の、華やかな外相の裏に秘められた人間性や内面までを深く掘り下げる狙いがあったと言われています。

裸婦立像

「裸婦立像」(1979)は、女性像の神秘的な表現が光る、石本正の裸婦表現の1つの到達点とも言える名作です。

浜田市立石正美術館に所蔵されています。

「裸婦立像」の特徴は、単なる写実を超えた、女性の身体から発せられる神秘的な光の表現です。

終戦直後のある日、石本正は電車の中で子どもに授乳する母親の姿を目撃しました。

その時、豊かな乳房の間に、本来できるはずの影ではなく、むしろ蒼白く光を放つ一本の線を発見して衝撃を受けたといいます。

石本正はこの発見を「女体だけが発する神秘的な美の象徴」と考え、「裸婦立像」にもこの神秘的な光が表現されています。

また、描かれている女性の伏し目がちな表情やたたずまいには、観音像などの仏像から得たインスピレーションが反映されています。

これにより、女性の優美さに加えて、慈悲深さや聖なるものとしての神秘的な美しさが加えられています。

天王の牡丹

石本正は女性像を得意としましたが、晩年にはそのほかに花をテーマにした作品にも多く取り組みました。

そんな石本正の花卉画における代表作が「天王の牡丹」(1996)です。

浜田市立石正美術館に所蔵されています。

モチーフになったのは京都府京田辺市天王「無二荘牡丹園」の牡丹です。

この牡丹園では通常の牡丹よりも背が高く育つのが特徴だったとされ、その姿に魅了された 石本正は、毎年春にこの牡丹園を訪れてはスケッチを重ねていたといいます。

石本正は牡丹や椿などの花を描く際「花が女性に見える」と語っており、花も女性像と同じく「聖なるもの、美しいものの象徴」として捉えていたようです。

生涯を通じて追い求めた「女性の美」を、裸婦や舞妓だけでなく花のモチーフにも重ねて表現したと言えるでしょう。

また、やがて枯れてしまう花は、儚い命の美しさと、儚いからこその命の輝きを表現する媒体でもありました。

富美代のれんに立つ豊千代

「富美代のれんに立つ豊千代」(2012)は石本正の晩年の作品で、生涯の主要テーマである「舞妓」を再び描いた過去へのオマージュと回想の作品となっています。

浜田市立石正美術館に所蔵されています。

画面には、のれんをくぐって店から出てくる舞妓の姿が描かれています。

実はこの構図は、1970年制作の「のれん」という作品とほぼ同じなのです。

モデルの舞妓・豊千代は、石本正の創作活動に熱心に協力し、モデルも務めたていたという人物です。

晩年期の石本が、かつてモデルを務めた豊千代を「もう1点最後に描いておきたい」と思ったのが制作の動機であったようで、当時の祇園での楽しい思い出に浸りながら描かれました。

40年以上の時を経て描かれた豊千代は1970年当時の作品と比較して、より柔和で可愛らしい少女のような姿で表現されています。


ここに紹介したもののほかにも、石本正には「舞妓」「高原」「母子」「二人の踊子」など数多くの有名作品があり、どれも価値が高いものばかりです。

また、石本正の作品であれば代表作と呼ばれるものでなくても、保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。

お持ちの石本正作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。

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石本正の絵画を高価買取してもらうためのポイント

従来の日本画に囚われない多彩な表現方法と、純粋に絵と向き合う姿勢で多くの人の心に響く石本正の絵画は、美術品買取市場でも高く評価されています。

では、石本正の絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。

石本正作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。

  1. 綺麗な状態で保存しておく
  2. 鑑定書などの付属品を揃えておく
  3. 入手経路などの来歴を明確にしておく

綺麗な状態で保存しておく

石本正を含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。

反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。

石本正のような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。

作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。

鑑定書などの付属品を揃えておく

石本正のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。

石本正作品の場合、作品の右下や左下、もしくは裏面などに、「石本正」あるいは「正」のサインと朱色の印章が押されているものが多いです。

これらのサインや印章は作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。

鑑定書も同様の効果があり、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。

これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。

鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。

入手経路などの来歴を明確にしておく

石本正をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。

例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に大きな展覧会に出品された」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。

そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。

入手した経路や時期、出品された展覧会のリストや写真といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。

石本正作品を売るなら買取実績豊富なバイセルへ

石本正の絵画の買取をお考えなら、骨董品買取のバイセルにお任せください。

バイセルは日本全国で骨董品・美術品などの買取サービスをご提供し、たくさんのお客様・リピーター様からご指名をいただいてまいりました。

バイセルの査定士は、高い専門知識と豊富な査定経験を生かして、石本正作品をはじめとした絵画1点1点の価値をしっかりと見極め、正確に鑑定します。

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