絞りの着物とは?絞りの着物を買取してもらうために必要な知識を徹底紹介

2024.09.30

着物買取 コラム
絞りの着物とは?絞りの着物を買取してもらうために必要な知識を徹底紹介
成人式以来着ていない絞りの振袖を持っています。いくらになりますか?
保管状態や丈により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
祖母が着ていた絞りの着物を譲り受けました。高価な着物と聞いてますが価値ってありますか?

絞りは日本で古くから伝わる染色技法です。

独自の括りの技法でできた細かい凹凸模様と色鮮やかに染色された絞り着物からは高級感が漂います。

技法は50種類以上もあり、凸凹模様や括り方が全て異なります。

中古市場では絞り着物は人気です。

絞りの振袖や浴衣をお持ちの方は、着用シーズンを逃しても売るためのポイントを知っていれば高く評価されるかもしれません。

本記事では絞りの基本的な知識、絞りの種類、納得して売るポイントを紹介しているので買取前の不安解消にお役立てください。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

絞りとは?

絞りとは?

絞りとは染めの技法の中でも特に古くから日本に継承されてきた「絞り染め」で作られた着物のことをいいます。

絞り染めの歴史は6、7世紀頃の奈良時代には各地で絞り染めが行われていました。

また、東大寺の正倉院(しょうそういん)に絞りの技法を使った正倉院裂(ぎれ)があることから、貴重な歴史的な工芸品であるとわかります。

江戸時代には絞りの着物が絞りによってできる凸凹が肌と着物に隙間をつくるため、風通しが良いことから夏の普段着として定着していました。

絞り染めの工程は大きく3つある

絞り染めの着物は「括り」「染め分け」「染め」という3つの工程で出来上がり、数年間かかってやっと完成するほど難しい手業が求められます。

絞り染めは絞り染めの布地を糸で何回もくくったり縫って締めたりなどの加工をし、染める部分と染めない部分を作って、染料に浸して布を広げると染めなかった部分が白く残って絞った部分が突起状になります。

絞り染めの布地を糸で括る工程は着物の色数に応じて3つの工程を何度も繰り返すことも珍しくなく、丹念に作られているため高級な着物が多いです。

ただし、ポリエステルなど素材が安価なので手に入りやすい値段の着物が多数あります。

ポリエステルで作られた絞りの特徴として、化学繊維で作られているので洗っても括りのシワが残るように加工されています。

絞りの種類

絞りの種類

絞りの技法は50種類以上あります。

それぞれ異なる柄なのが特徴で技法ごとに職人がいます。

ここでは代表的な絞りの柄を7つ紹介します。


・本疋田絞り(ほんひった)

・疋田(ひった)絞り

・有松・鳴海(なるみ)絞り

・南部(なんぶ)絞り

・人目絞り

・縫い締め絞り

・総絞り

・小帽子絞り

・桶絞り

・蜘蛛絞り

本疋田絞り(ほんひった)

1976年に伝統工芸品として登録された本疋田絞りは、7回巻いてもう1回巻くことできめ細かい絞りが作られています。

本疋田絞りで作った絞りの別名は「京鹿の子絞り」と言って、細かく括った絞りが鹿の模様に似ていることから名づけられています。

京鹿の子絞りは絞りの粒同士の間隔が狭く、粒が小さめです。

京鹿の子絞りは京都で作られる絹で絞った「疋田鹿の子絞り」という加工技術の総称で、その最高峰に君臨する「本疋田絞り」は特に精密さが求められます。

疋田(ひった)絞り

疋田絞りは、絹糸を括るときに糸を上から順に3〜5回巻いて最後に2回括る技法です。

本疋田絞り同様に糸を巻いて細かい粒を作り、その粒の細かさが疋田絞りを上質なものに仕上げます。

有松・鳴海(なるみ)絞り

有松・鳴海絞りは名古屋市有松にいた竹田庄九郎が、名古屋城に陣地を作るために来ていた絞り染めの着物を見て、街道で絞り染めを施した手ぬぐいを土産として売るようになったことがきっかけです。

有松・鳴海絞りは1975年に伝統工芸品として指定された木綿布を藍染めにする庶民的な絞り染めで、糸の縫い入れ方によって平縫い締め、巻き縫い締め、合わせ縫い締め、折り縫い締めなどそれぞれ特徴のある絞りが出来上がります。

有松・鳴海絞りは、有松・鳴海絞は12種類以上の技法があるので一例を挙げました。

雪花絞り(せっか)

雪花絞りは有松・鳴海(なるみ)絞りの「板締め絞り」という技法のひとつで、浴衣に多く用いられます。

板締め絞りとは布を縦に四つ折りから八つ折りにしたものを端から三角形にたたんで三角形の両側に板を当てて紐で結び染め上げる技法で、筋や幾何文(きかがくもん)といった直線と曲線を組み合わせた文様ができるのが特徴です。

生地が染料を吸って浸透していくと花が咲くような絶妙なぼかしに見えることが雪花絞りの由来です。

杢目(もくめ)縫い絞り

杢目縫い絞りは一定の間隔に絵付けされている線に沿って5〜10ミリ平縫いし、固く締めてシワを作ってから浸染すると、糸で締められた部分には染料が入らずに絞られます。

不規則に出るシワが杢目のように見えることが名前の由来です。

唐松縫い絞り

唐松縫い絞りは円型、角型、ひし形といった左右対称な柄を半分に折って、その線に従って外から何本も平縫いし、固く締めた時にできる模様のことです。

シンメトリーな柄に無数の平縫いによって付けられた模様が特徴です。

南部絞り

南部(なんぶ)絞りは、鎌倉時代に南部地方と呼ばれる青森県・秋田県・岩手県にまたがる地域で伝わる絞り染めです。

江戸時代には盛岡藩の保護を受けて産業として発展し、紫根染と茜染は全国で有名になり、朝廷や将軍家への献上品として江戸へ送られていました。

紫根染はムラサキ、茜染はアカネという植物の根からとって染色されています。

南部絞り職人の栗山文一郎が亡くなって染色方法が数年間途絶えていましたが、現在は染料の植物も栽培されています。

人目絞り

人目絞りは、絞った後の形状が人の目に似ていることが名前の由来です。

布の一部をつまんで4つに折りたたんで細い糸を2回巻いて米粒状に括る技法で、この絞り目をつなげて線状の柄を施します。

縫い締め絞り

縫い締め絞りは絵や図柄に沿って等間隔に端から端まで縫い、その縫った部分の糸を締めて染めると糸で絞められた部分に染料は入らず白く残る模様です。

総絞り

総絞りは、着物全体を絞り染めにする技法です。

糸を一粒ずつ等間隔に括る作業は一反なら15万粒で振袖なら17万粒にも及び、絞り作業だけで2年を超えることも珍しくはありません。

現在は総絞りを生業にしている職人が減っていて大変な高級品として知られています。

小帽子絞り

小帽子絞りは、絵模様を描く部分に染色液が染み込まないように、ビニールで帽子のように覆って糸で巻き付ける技法です。

絵模様の大きさごとに、帽子絞りは小帽子・中帽子・大帽子絞りの3つに分類されます。

小帽子絞りは直径2cm〜3cmの絵模様にを染める際に使われます。

中帽子絞りは直径3cm以上の絵模様を染める際に使われ、芯を絵模様を染める部分の裏側に入れて浸透を防ぎます。

大帽子絞りは、中帽子絞りよりも大きな絵模様を染めるときに用いられます。

桶絞り

桶絞りとは、絞り染め用のヒノキで作られた桶で染める技法です。

特に大柄を染め分けする際に使われます。

染色する部分と染色しない部分の境目を縫って防染します。

裁縫した糸を引き締めて留めて、防染する部分を桶の外に出してフタをし、桶に入れたまま染色剤が入った大きな入れ物に沈めて染めます。

桶絞りは色の数だけ桶を用意します。

蜘蛛絞り

蜘蛛絞りは、ヒダを取って巻き上げる技法です。

絞りの形が蜘蛛の巣に似ていることから名付けられました。

明治時代以降、手絞りから機械絞りに変わって大量生産されている技法です。

手絞りの場合は、生地を鉤針に引っ掛けて手元に引っ張り、ヒダを整えて根元から細く巻き上げて、根元へ巻き戻す手順で出来上がります。

査定では総絞りって価値はある?需要が見込まれやすい絞りとは?

査定では総絞りって価値はある?需要が見込まれやすい絞りとは?

総絞りは完成までの工程が多く、高い技術を有した職人が時間をかけて作るため、絞りの技術関係なくも価値が高くなりやすいです。

査定では人間国宝に認定されている作家の総絞りは需要が見込まれやすいとされています。

お持ちの総絞りの価値を知りたいなら、バイセルの査定をお試しください。

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絞り着物を納得して売るポイント

絞り着物を納得して売るポイント

絞りは着物の状態によって価値が左右されてしまいます。

納得して売るために知っておきたいポイントを紹介します。


・絞りの振袖は需要が高まりやすい時期に売る

・有名作家・ブランドの総絞り

・保存方法を知り、適切なお手入れをする

・リサイクルショップよりも着物買取業者に売る

・付属品などの証紙を用意する

絞りの振袖は需要が高まりやすい時期に売る

絞り浴衣は浴衣の需要が高まる4月〜7月に、絞りの振袖は成人式の需要が高まる1月〜3月頃に売ると需要が高くなりやすいです。

ただし、総絞りの状態や作家、そのときの中古市場での需要度などによって査定金額に差が出てしまいます。

着用シーズンを待っている間に状態が悪くなってしまうのであれば、需要が高まる時期ではなくても査定に出すことを検討してみましょう。

有名作家・ブランドの総絞り

有名作家や有名ブランドが手掛けた総絞り振袖は、着物買取市場で需要が高まりやすく、高値で買取されやすい傾向にあります。

特に古い時代に作られた総絞りは同じ生地で作られることがないため、需要が高くなりやすいです。

例えば有名作家なら「辻が花」の久保田一竹、有名ブランドなら藤娘きぬたやが挙げられます。

保存方法を知り、適切なお手入れをする

絞りの着物は立体的な装飾や凹凸模様によって彩られています。

凹凸模様がこすれたり潰れたりすると直すのが困難で、絞りの魅力そのものを失いかねません。

そのため保存方法には細心の注意を払う必要があります。

タンスにしまうときは絞りの着物の上に他の衣類を置かないようにしましょう。

絹で作られた絞りは、温度と湿度が安定していない環境に保管するとシミやカビが生えてしまう可能性があります。

シミがついたままタンスにしまうとカビが他の衣類に移ってしまう場合があります。

査定前に絞りの着物をタンスから出して湿気を飛ばしておきましょう。

リサイクルショップよりも着物買取業者に売る

着物を売る場所はいくつかありますが、リサイクルショップなどの着物を専門的に扱っていないお店に持ち込むのは避けた方が良いでしょう。

リサイクルショップは着物に詳しい担当者が査定してくれるとは限らず、絞りの着物の本来の価値を考慮せずに査定金額を出す可能性が高いためです。

絞りの着物を衣類と見なして、グラム当たりの重さで査定金額を決めるリサイクルショップもあります。

一方、着物買取業者は着物を査定するポイントを熟知しているため安心して任せられます。

査定ポイントは総絞りの価値、状態、作家名、付属品の有無などと幅広く、リサイクルショップよりも適切な査定金額を提示してもらえます。

付属品などの証紙を用意する

絞りの着物を持っている人は査定に出す前に証紙を確認しておきましょう。

特に京鹿の子絞りと有松・鳴海絞りは伝統工芸品として登録されており、「伝統証紙」と「産地証紙」の2つがついています。

これらが付いていると絞りの品質を証明できます。

伝統証紙とは

伝統証紙は指定された生産地で100年以上伝わる技法で作られた製品につけられます。

各生産地の組合を経由して貼られるもので、赤い丸の伝統マークがシンボルです。

伝統証紙には産地組合などの名称や生産工房の管理番号などが描かれています。

産地証明とは

産地証紙は絞りの産地を証明するために協同組合が発行しています。

京鹿の子絞りなら京都絞工業協同組合か京鹿の子絞協同組合が発行したものが貼られています。