南部紫根染の歴史と魅力を解説!原料のムラサキや南部紫根染が希少な理由を紹介します!

2024.02.05

着物買取 コラム
  着物買取南部紫根染
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深く、気品のある発色が目を引く「南部紫根染」は、着物だけではなく、クッションカバーや和小物などにも使用される染物です。

今回は、南部紫根染の歴史と奥深い魅力についてご紹介します。

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南部紫根染の歴史

南部紫根染の歴史は古く、中国春秋時代に日本へとその技法が伝えられ、奈良時代には天皇や朝廷役人だけが身に付けることが許される「禁色」として用いられていました。

南部藩政時代には藩の手厚い保護もあり、南部紫根染文化は発展を見せていました。

しかし、明治時代に差しかかると、海外からアニリン色素と呼ばれる化学色素が輸入されるようになり、染色技法が複雑かつ高価な南部紫根染の需要は一気に低下してしまいました。

紫根問屋は次々と廃業に追い込まれ、ついには、南部紫根染文化は途絶えてしまうことになります。

現在の南部紫根染は、1916年、岩手県の働きかけで蘇った技術であり、その上品で奥深い色合いは多くの方々に親しまれています。

南部紫根染の染色工程

緻密な絞り模様と鮮やかな発色で知られる南部紫根染はどのような染色工程を経て着物に仕立てられるのでしょうか。

ここでは、染色の素材となるムラサキについて解説するほか、その染色のプロセスを紹介します。

南部紫根染の原料となるムラサキとは?

ムラサキとは、日本原産の多年草植物です。染料として用いられており、その歴史は飛鳥時代以前から使われていたと文献などから伝えられています。

紫色の染料として用いるのは、ムラサキの根(紫根)の表皮です。

古くから染料のほか、生薬としても用いられており、皮膚の再生機能を促す働きが認められていたことから、民間療法として皮膚の治療薬としても用いられていました。

南部紫根染の染色工程

南部紫根染の原反は、絞りを作りやすい薄手の絹や木綿を用いています。もちろん、南部紫根染のための別注織の布を使います。

この生地を精錬し、織の際に使われた糊や油分を完全に取り除いた状態から染め上げが始まります。


・下染め〜枯らし

ニシゴリ(サワフタギ)という植物の木灰をもとに作った媒染液に布をつけ、下染めを行います。この液体が生地に定着するまで半年間ほど寝かせる工程を枯らしといいます。


・型彫り〜型付け

柿渋を塗った和紙に図柄を描き、小刀などで切り抜いたものが型紙になります。

南部紫根染に使われる意匠は800種類ほどあるといわれています。

枯らしが済んだ生地の上に型紙を乗せ、青花(つゆ草紙と呼ばれる染料)でその模様を刷り込みます。


・鹿の子絞り(縫い絞り作業)

型付けが終わった反物は、針仕事によって縫い絞りが施されます。

模様によって異なりますが1反すべての縫い絞りが完了するまで、3ヶ月〜半年ほどの時間を要します。すべて絞り手による手作業です。

この時点で検査・補修を行い完全な絞りとなるように調整します。


・染色

紫根を熱湯で抽出ろ過した染色液に反物を漬け込み、染色を行います。1時間ごとに12回同じ工程を繰り返し、発色を促します。

仕上げを行った反物は、3年〜5年ほどの期間熟成させ、「南部紫」と呼ばれる風合いの色に仕上げます。

南部紫根染の特徴

南部紫根染は草木染め特有の濃淡ある色彩に加え、南部しばりと呼ばれる手絞り染色方法によって、味わいある模様が表現されています。

南部紫根染に代々伝わる模様は800種以上ありますが、熟練の職人が染色を行っても色の濃淡や模様にわずかな違いが生まれるため、まったく同じ染物が世に出ることはありません。

完全な1点ものとして私たちの手に渡る南部紫根染は、1つ1つに個性がある作品となっています。また、ムラサキの根は古くから薬草として使用されていました。

紫根染には、天然の制菌、防臭効果があるとされており、アレルギー防護効果があることでも知られています。

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南部紫根染は希少価値の高い染物でもある

南部紫根染の技術は一度衰退し、ムラサキの花の数が大幅に減少したことや染め上げるまでに長い時間が必要であることなどから、大量生産することができず、希少価値の高い染物でもあります。

しかし、一方で南部紫根染の着物や、和小物などは需要が高いことも事実です。

箪笥の中に南部紫根染を使用した製品が眠っている場合は一度着物買取を依頼してみるのも良いでしょう。

出張買取サービスを利用すれば、自宅で簡単に査定を受けることができます。