黒木国昭のガラス工芸の買取相場は?代表作や高価買取のポイントを解説

黒木国昭(くろきくにあき)は、国内外から高く評価される現代日本のガラス工芸家です。
日本の伝統的な文化や自然の美しさをモチーフにした作品は、多くのファンから愛されています。
骨董品買取市場でも黒木国昭のガラス工芸は非常に人気が高く、高価買取されるケースも少なくありません。
本記事では、黒木国昭作品の特徴や代表的な作品シリーズ、黒木国昭作品の買取相場、高く売れやすい黒木国昭作品の特徴、黒木国昭作品のガラス工芸を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
黒木国昭とは
黒木国昭(1945-)は、国内外から高く評価される現代日本のガラス工芸家です。
特に、西洋の素材であるガラスに日本の伝統美や文化を融合させた独自の作品で有名です。
1945年に現在の宮崎県小林市で生まれた黒木国昭は、高校卒業後に東京のガラス製造会社に就職したことでガラス工芸の道へ入りました。
その傍ら、夜間に美術学校に通ってデザインを学ぶなど、ガラス工芸家としての研鑽を積みました。
1974年から創作活動を開始すると、現代日本ガラス工芸展・伝統工芸展・日本のガラス展などでガラス工芸家としての評価を得ます。
1984年に独立、1989年に故郷の宮崎県に「グラスアート宮崎綾工房」(現在は「グラスアート黒木」と改称)を創設する頃には、国内外で高い評価を得ることになりました。
海外ではフランス・パリ芸術祭大賞受賞、ローマ国際美術博覧会ローマ大賞受賞、国内では皇室に納める献上作品を制作するなど、世界的なガラスアーティストとして活動の幅を広げていきます。
1991年にはガラス工芸家として初めて国の卓越技能者「現代の名工」を受賞、さらに2006年には黄綬褒章を受章するなど、その活躍は現在でも続いています。
黒木国昭の作風
黒木国昭は「ガラスで語る日本の美」を創作理念としており、西洋の素材であるガラスに日本の伝統的な装飾美や精神性を融合させているのが作品の特徴です。
その1つに、黒木国昭の代表的な作品群である「光琳シリーズ」に見られる、江戸時代の芸術流派「琳派」の世界観の表現があります。
金箔やプラチナ箔を使用する、様々な色のガラスを何層にも重ねるなどの技法を使って、独自の豪華絢爛な世界を築いています。
また、日本の民話や浮世絵をモチーフにした作品、宮崎県綾町の照葉樹林をテーマにした「綾切子」など、日本の文化や自然をテーマにした作品も多くあります。
黒木国昭作品の買取相場はどれくらい?高く売れやすいポイントとは
骨董品買取市場における黒木国昭のガラス工芸作品の買取相場はどれくらいになるでしょうか。
黄綬褒章受章者であり、国際的にも人気の高い黒木国昭のガラス工芸作品の価値は、骨董品買取市場においても非常に高いと言えます。
ただし、同じ黒木国昭のガラス工芸作品であっても、買取価格は作品の種類、使われている技法、作品のサイズ、保存状態などによっても幅があります。
特に高く買取されやすいのは、金箔やプラチナ箔を使っている、ミルフィオリ(様々な色の溶けたガラスを何層にも重ねる装飾技法)の技法を使っているなど装飾の凝った作品です。
なかでも、花瓶などの大型作品は作るのに高い技術と多大な手間がかかるため、高く買取されやすくなります。
黒木国昭の最も人気の高い作品で、状態も制作当時のまま保たれているなど高く買取されやすい条件が揃ったものであれば、40万円前後の買取相場になるものもあります。
※上記は2025年5月時点の参考価格であり、あくまで目安です。作家のなかでもっとも人気のある作品の相場を記載しております。
※査定させていただく骨董品の保存状態次第では、買取相場は上記に比べて大きく変動します。骨董品の状態によってはお値段がつかない場合もございますのでご了承ください。
お持ちの黒木国昭作品の具体的な価値については、バイセルの無料査定でお確かめください。
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以下のページでは、バイセルにおける黒木国昭作品の実際の買取例について記載してございます。
参考までにぜひご覧ください。
黒木国昭の代表作
黒木国昭のガラス工芸では、ガラスという西洋の素材と日本の伝統美とを融合させた、豪華で装飾性の高いシリーズが人気となっています。
そして、その代表格と言えるのが琳派の世界観を表現した「光琳シリーズ」です。
実際に、骨董品買取市場でもこれらのシリーズは人気が高く、買取価格も高くなりやすい傾向があります。
ここでは、ガラス工芸家・黒木国昭の代表的な作品として「光琳シリーズ」と、「綾切子」、「日本の文化や自然をテーマにした作品群」についてご紹介していきます。
光琳シリーズ
「光琳シリーズ」は黒木国昭の創作活動の核になっているシリーズであり、日本のガラス工芸における最高峰の1つとされている豪華絢爛な作品群です。
「光琳シリーズ」のインスピレーションの源になったのが、尾形光琳の代表作「紅白梅図屏風」の華やかで装飾的な世界観だったといいます。
「光琳シリーズ」の最大の特徴となっているのが、複数の高度な技法を組み合わせて表現される華やかさな装飾性です。
その特徴的な技法としては、「金・プラチナ象嵌」「ミルフィオリ」があります。
「金・プラチナ象嵌」とは、 溶けたガラスの間に金箔やプラチナ箔を幾層にも散らし、模様として埋め込む技法です。
この金箔・プラチナ箔が光を反射し、奥行きのある荘厳な輝きを生み出します。
「ミルフィオリ」とは、ガラスの中に様々な色のガラスを埋め込むことで金太郎飴的に模様を表現する、イタリアガラス工芸の伝統的な技法です。
黒木国昭はこの技法を日本の伝統的なモチーフと組み合わせて象嵌的に使用し、色彩と華やかさを添えています。
「光琳シリーズ」の作品の種類としては、花瓶や壺のほか、屏風や衝立、灯篭などがあります。
単に豪華なだけでなく、「色褪せることのないガラスの透明な輝き」によって日本の伝統美に新たな命を吹き込んだと評価される「光琳シリーズ」は、国内外のコレクターから高い支持を集めています。
綾切子
「綾切子」は、黒木国昭の故郷に近い宮崎県綾町の豊かな自然をモチーフにした、独自の切子ガラス(ガラスの表面を加工することで模様を表現するガラス工芸)です。
黒木国昭の工房の所在地でもある綾町には、日本有数の規模を誇る照葉樹林があります。
「綾切子」は、この森の生命力と、古代から連綿と続く時の流れといったものがテーマになっています。
綾切子の象徴となっているのが、緑色と琥珀色というガラスの色彩です。
緑色は照葉樹の葉や新芽など森の生命力を、琥珀色は幹や年輪など連綿と続く時の流れを表現しています。
これらの色ガラスを重ねて表面の加工を施すことで、色彩の美しいグラデーションが生み出されます。
さらに、通常の切子では透明なガラスの外側に色ガラスを被せるのですが、綾切子には内側から色ガラスを被せる技法があります。
この技法によって、加工を施した表面から覗く色彩がより繊細で奥行きのあるものになります。
「綾切子」の作品の種類としては、皿・鉢・酒器などの日常使いできるものから、オブジェや大型の飾皿まで幅広く制作されています。
日本の文化や自然をテーマにした作品群
黒木国昭には、「光琳シリーズ」や「綾切子」に加え、日本の豊かな風土、歴史、伝統文化をテーマにした作品群があります。
その1つが、浮世絵をモチーフとした作品群です。
歌川広重の「東海道五拾三次」や葛飾北斎の「冨嶽三十六景」など、江戸時代の著名な浮世絵師の作品を再解釈し、ガラスで表現しています。
また、「竹取物語」など日本の民話・物語をテーマにしたものや、富士山など日本の自然と季節の移ろいを表現した作品にも高い人気があります。
これらの作品群では単に絵柄をガラスに写し取るのではなく、日本の風景特有の空気感や幽玄な美しさを、ガラスの透明性と多層構造を利用した光の透過・屈折によって表現しているのが特徴です。
宙吹き(型を使わずに吹き竿と息でガラスを成型する技法)、切子、金・プラチナ象嵌といった多岐にわたるガラス工芸の技法を組み合わせて日本の精神性までをも表現した、「日本の心を語る媒体」になっている作品群だと言えるでしょう。
ここに挙げたような代表的なシリーズのものでなくとも、黒木国昭の作品であれば保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。
お持ちの黒木国昭作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへ黒木国昭のガラス工芸を高価買取してもらうためのポイント
黄綬褒章受章者であり、国際的にも人気の高い黒木国昭のガラス工芸作品は、骨董品買取市場でも非常に高く評価されています。
では、黒木国昭の手掛けたガラス工芸を少しでも高く売るためには、どのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
黒木国昭作品を含むガラス工芸の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 傷がつかないように保管しておく
- 共箱などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
傷がつかないように保管しておく
黒木国昭を含むガラス工芸の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。
反対に、ヒビ・欠け・傷・欠損があるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまうでしょう。
ガラス製品は大切に扱っていても非常に傷つきやすいですから、傷をつけないために、できるだけ共箱や購入したときの箱に入れて保管しましょう。
また、汚れている場合でも、無理に拭き取ろうとすると繊細な装飾が損なわれてしまう可能性があります。
手入れをする場合でも埃を優しく払う程度にしておきましょう。
共箱などの付属品を揃えておく
黒木国昭は国際的な人気作家ですので、「間違いなく本人の作品である」という信頼性があれば高く売れる可能性も高いです。
その点で重要になるのが、作品本体に入っているサインや、共箱などの付属品です。
黒木国昭の作品では、作品の底部に筆記体でサインが刻まれているほか、共箱に作品名とともに「黒木国昭作」などの署名と印章が入っている場合が多いです。
これらの情報は「本物の黒木国昭作品である」という証明になるため、買取市場での信頼性が高まるでしょう。
その結果買取市場での需要が増し、より高く買取してもらえる可能性があります。
鑑定書や保証書などの付属書類も同様で、付いていることで買取市場における信頼性が増し、より高い価格での買取につながる可能性があります。
共箱や鑑定書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。
入手経路などの来歴を明確にしておく
黒木国昭をはじめとした骨董品の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月の展覧会に出品された」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、展覧会への出品歴や図録への掲載歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
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