海老原喜之助の絵画の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

海老原喜之助(えびはらきのすけ)は、馬を多く描いたことで知られる日本の洋画家です。
「エビハラ・ブルー」と呼ばれる青色に代表される鮮やかな色彩の油彩画は非常に評価が高く、美術品買取市場でも高価買取されるケースがあります。
本記事では、海老原喜之助作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい海老原喜之助作品の特徴、海老原喜之助の絵画を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
海老原喜之助とは
海老原喜之助(1904-1970)は、大正末期から昭和にかけて活躍した日本の洋画家です。
フランスでも活躍するなど、国際的にも評価の高い作家となっています。
1904年に鹿児島県鹿児島市に生まれた海老原喜之助は、1922年に上京すると有島生馬に師事して絵画を学びます。
1923年には19歳で単身渡仏し、パリで活動していた藤田嗣治に師事しました。
そのパリ留学中には、日本の二科展のほかフランスのサロン・ドートンヌにも若くして入選を果たし、フランスでもエコール・ド・パリ(20世紀初頭にパリに集まった世界各国の外国人芸術家たちの総称)の次代を担う画家として注目を集めました。
1934年に帰国すると、第二次世界大戦中は熊本県に疎開し、そこから約15年間にわたって熊本での制作を続けました。
この熊本を拠点とした時期と、その後の神奈川県逗子市を拠点とした時期は、のちに代表作と呼ばれる作品を多く生み出した時期でもあります。
国立近代美術館賞、日本国際美術展での最優秀賞、芸術選奨文部大臣賞などの栄誉ある賞を受賞したのもこの時期です。
また、熊本では海老原美術研究所を開設して後進の指導にも尽力しました。
そして晩年は再びフランスへ渡り、パリでその生涯を終えました。
海老原喜之助の作風と代表的なモチーフ
海老原喜之助作品の代名詞とも言えるのが、「エビハラ・ブルー」と呼ばれる鮮やかな青の色彩を多用した作品です。
青を用いた雪景の連作などが特に有名です。
海老原喜之助作品の代表的なモチーフとしては、馬が挙げられます。
馬は海老原喜之助が生涯を通じて描き続けたモチーフの1つで、馬の持つ生命力や躍動感、重量感がデフォルメやシルエットなどによって力強く表現されています。
また、晩年の作品の特徴としては、多様な色彩をモザイク状や幾何学的に配置する抽象的な画面構成を用いるようになったことが挙げられます。
抽象性が際立つ表現で、戦争犠牲者への鎮魂、時代に対する思いなど、ヒューマニズムの精神に基づいたテーマを追求するようになりました。
海老原喜之助作品の買取価格は高い?高く売れやすいポイントとは
国際的にも評価の高い海老原喜之助には、美術館に収蔵されているものなど貴重な作品も多くあります。
美術品買取市場でも海老原喜之助作品の人気は高く、高価買取されやすい作家であると言えます。
海老原喜之助作品の中でも美術品買取市場で高く買取されやすいのは、やはり代名詞である「エビハラ・ブルー」が効果的に使われた油彩画です。
モチーフでは海老原喜之助が描き続けた馬が人気で、買取価格も高くなりやすいと言えるでしょう。
海老原喜之助だけでなく、絵画の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。
以下のページでは、有名作家の作品など西洋画の買取相場や高く売るためのポイントなど、西洋画の買取情報について記載してございます。
参考までにぜひご参照ください。
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海老原喜之助の代表作
「エビハラ・ブルー」に代表される多彩な色彩で描かれる海老原喜之助作品は多くの美術ファンを魅了し、美術品買取市場でも高い支持を集めています。
ここでは、買取市場で出会うことのあるものから美術館に所蔵されているものまで、海老原喜之助の代表作をご紹介します。
雪山と樵
「雪山と樵」(1930)は、海老原喜之助のフランス留学時代の代表作として知られる油彩画です。
愛知県美術館に所蔵されています。
描かれているのは雪景色なのですが、木を切る樵やスキーを楽しむ人々、鳥の群れなどがリズミカルに描かれており、単なる風景画ではなく物語性を感じさせる構成になっているのが特徴です。
画面全体が海老原喜之助らしい清涼感あふれる淡い青と白の諧調で構成されており、「エビハラ・ブルー」の代表的な作品の1つとされています。
また、水墨山水画が持つ静謐で詩的な情緒を、西洋の油彩画の中に融合させようという、非常に意欲的な作品でもあります。
曲馬(きょくば)
「曲馬」(1935)は、海老原喜之助が生涯描き続けた馬モチーフの作品の中で代表作と言われるものの1つです。
熊本県立美術館に所蔵されています。
モチーフは馬が出演するサーカスや曲芸の光景とされますが、馬の姿は細部をぼかし、シルエットに近い形で描かれているのが特徴です。
その描き方によって、かえって馬の重量感と本質的な強さ、躍動感が鮮明に強調されていると言えるでしょう。
馬のほかには馬上で大きく手を広げる少年や、手綱を握りしめて足を踏ん張る男の姿が、単純化された造形で描かれています。
殉教者
「殉教者」(1951)は、海老原喜之助の熊本での活動期における代表作の1つです。
東京国立近代美術館に所蔵されています。
「殉教者」は、戦争画を制作した過去を深く反省した海老原喜之助が、戦争犠牲者へ祈りを捧げるように描いた作品です。
描かれているのは、息絶えているかのように頭部を垂れた人物です。
人物像はデフォルメされ、力強い筆致と絵具の隆起(マチエール)によって描かれています。
構図はキリスト教の殉教者である聖セバスチャンの図像に着想を得たものと考えられますが、聖セバスチャンが一般的に矢で射抜かれた姿で描かれるのに対して、この作品の人物には矢や銃弾などが突き刺さっていません。
この姿は、単なる宗教的殉教者ではなく、戦争や国家によって犠牲となった名もなき人々の受難を象徴していると解釈されています。
船を造る人
「船を造る人」(1954)は、海老原喜之助の戦後の画風を象徴するような代表作の1つです。
北九州市立美術館に所蔵されています。
描かれているのは、建造中の巨大な船の骨組みと、その前に立つ一人の男の姿です。
船の骨組みの間からは鮮やかな青空が覗いており、戦後日本の再出発や希望といったようなものを象徴していると解釈されています。
表現としては、モチーフは単純化され、線や面で力強く構成されるなど、抽象的な要素が際立っているのが特徴です。
鮮やかな色彩と単純化された画面構成で、造形を追求した表現となっています。
まだまだある海老原喜之助の有名作品
これまでに挙げたもののほかにも、海老原喜之助にはまだまだ多くの有名作品・人気作品があります。
姉妹ねむる | ゲレンデ | 燃える | 蝶 | 港 |
ポアソニエール | 青年 | 靴屋 | 雨の日 | 男の顔 |
サーカス | 優勝馬 | 緑陰 | 呼び合ふ | スタートへ |
ここに名前を挙げたような海老原喜之助作品をお持ちなら、保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。
具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへ海老原喜之助の絵画を高価買取してもらうためのポイント
「エビハラ・ブルー」に代表される鮮やかな色彩で国際的にも高く評価される海老原喜之助の絵画は、美術品買取市場でも高い需要があります。
では、海老原喜之助の絵画を少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
海老原喜之助作品を含む絵画の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 綺麗な状態で保存しておく
- 鑑定書などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
綺麗な状態で保存しておく
海老原喜之助を含む絵画の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。
反対に、ひび割れ、退色、シミ、シワ、カビ、傷、破れ、タバコの臭いがあるなど保存状態が悪いと、その分だけ買取価格は下がってしまいます。
海老原喜之助のような有名作家の場合には多少の経年劣化があっても買取してもらえる場合も多いですが、高価買取の可能性は低くなってしまうでしょう。
作品を良い状態に保つためには、専用の袋や箱で保護する、直射日光を避けて風通しの良い場所で保管するなどの工夫をしてあげましょう。
鑑定書などの付属品を揃えておく
海老原喜之助のような有名画家の作品をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。
海老原喜之助の作品には、作品の右下や左下などに「Ebihara」とアルファベットで署名されていることが多く見られます。
また、「65 in Paris」のように制作年や制作場所を示す文言が添えられることもあります。
これらのサインや書付は作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。
鑑定書も同様の効果があり、付いていることで作品の価値を証明できるため買取市場における信頼性が増します。
これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。
鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。
なお、海老原喜之助作品について信頼度の高い鑑定機関としては、日本洋画商協同組合鑑定登録委員会および東美鑑定評価機構鑑定委員会が挙げられます。
入手経路などの来歴を明確にしておく
海老原喜之助をはじめとした絵画の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「〇年△月に××博物館に貸し出した」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、美術館への貸出履歴といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
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