アントワーヌ・ブールデルのブロンズ像の買取価格は高い?代表作や高価買取のポイントを解説

アントワーヌ・ブールデル(Antoine Bourdelle)は、空間の中で力強い存在感を持つ「建築的構造」で知られるフランスの彫刻家です。
写実的な再現性だけでなく、人物の内面や精神性をも表現する独自の彫刻で世界の美術ファンから高く評価されています。
美術品買取市場でもアントワーヌ・ブールデルのブロンズ像は非常に人気が高く、高価買取されるケースも少なくありません。
本記事では、アントワーヌ・ブールデル作品の特徴や代表作・有名作品に加えて、買取市場で高く売れる理由、高く売れやすい作品の特徴、アントワーヌ・ブールデルの彫刻作品を高価買取してもらうためのポイントなどについてご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
アントワーヌ・ブールデルとは
エミール=アントワーヌ・ブールデル(1861-1929)は、近代ヨーロッパの代表的な彫刻家の1人に数えられるフランスの彫刻家です。
南フランスの都市モントーバンで家具職人の子として生まれたブールデルは、幼い頃から父の仕事を手伝うことで木彫りの技術を習得していました。
13歳で木版工になるために学校を辞めると、その後はモントーバンで絵画を学び、トゥールーズの美術学校で彫刻を学びました。
24歳でパリに渡ると、1893年には「考える人」でお馴染みのオーギュスト・ロダン(François-Auguste-René Rodin 1840-1917)の助手になります。
ロダンの元で約15年間働き、この期間にロダンからも多くの影響を受けながら自身の作風を確立していきます。
独立後は精力的に制作活動を続けるとともに、教師として多くの後進を育成しました。
多くの優れた芸術家が彼のクラスから生まれ、清水多嘉示(しみずたかし 1897-1981)や佐藤玄々(さとうげんげん 1888-1963)といった日本人彫刻家にも大きな影響を与えています。
アントワーヌ・ブールデルの活動は高く評価され、1924年にはフランスの最高勲章であるレジオンドヌール勲章を受章しています。
アントワーヌ・ブールデルの作風
アントワーヌ・ブールデル作品の特徴としては、「建築的構造」が挙げられます。
ブールデルは彫刻全体を一つの建築的な塊として捉え、重厚で堅固な構造を追求しました。
これによってブールデルの彫刻には安定感や威厳が生まれ、単なる写実的な再現に留まらず、空間における存在としての力強い主張を持つ作品になります。
また、シャンゼリゼ劇場のレリーフなど、建築との調和を意識した作品も多く手掛けています。
彫刻の細部を見ていくと、師であるロダンが感情の起伏や内面の葛藤を豊かに表現するために表面の凹凸や動きを強調したのに対して、ブールデルは形を単純化し、表面を滑らかに処理しているのが特徴です。
これは、感情よりも普遍的な精神性や英雄的な強さを表現するため、個別の細部よりも全体的なフォルムとバランスを重視したためと言われています。
アントワーヌ・ブールデルが用いた素材
彫刻作品には様々な素材のものがありますが、アントワーヌ・ブールデルが主に用いたのはブロンズです。
ブールデルの代表作と言われるような有名作品にもブロンズ製のものが多く、ブロンズ特有の重厚感と耐久性を生かして制作されました。
ほかには大理石・石膏・粘土などの作品も見られます。
石膏や粘土の像はそれら自体が芸術作品として展示されることもありますが、ブロンズ鋳造のための原型として、彫刻の制作過程で用いられることもあります。
アントワーヌ・ブールデルの彫刻作品の買取価格は高い?
レジオンドヌール勲章受章者であり、近代ヨーロッパの代表的な彫刻家の1人であるアントワーヌ・ブールデルの作品は、美術品買取市場でも非常に高い人気があります。
美術館に収蔵されているものなど貴重な作品も多くありますが、日本の買取市場でも作品が取引されるケースは見られます。
「アントワーヌ・ブールデル作品」と呼ばれるものの中には、ブールデル自身が生前に直接手掛けた作品と、同じ原型を使っていてもブールデルの死後に鋳造された(復元した)作品とがあります。
このうち美術品買取市場で高く買取されやすいのは、ブールデルが直接手掛けたオリジナル作品の方です。
また、彫刻の素材ではブロンズのものが高く買取されやすい傾向があります。
アントワーヌ・ブールデルだけでなく、彫刻作品の買取では有名作家の作品ほど買取相場が高くなりやすい傾向があります。
以下の各ページでは、有名作家の作品を中心としたブロンズ像の買取相場や、彫刻作品を高く売るためのポイントといった買取情報について記載してございます。
参考までにぜひご参照ください。
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バイセルには、ブロンズ像をはじめとした彫刻作品の買取実績が数多くございます。
以下の各ページでは、ブロンズ像をはじめとした彫刻の買取相場や、バイセルでの実際の買取例について記載してございます。
参考までにぜひご覧ください。
アントワーヌ・ブールデルの代表作
重厚で威厳のあるアントワーヌ・ブールデルの彫刻作品は、美術品買取市場でも多くのファンを魅了しています。
ここでは、アントワーヌ・ブールデルの彫刻の中でも特に人気の高い、代表作と言うべき作品についてご紹介します。
弓をひくヘラクレス
アントワーヌ・ブールデルの彫刻作品の中でも最も有名と言えるのが、「弓をひくヘラクレス 」(1909)です。
複数鋳造され、日本では東京都の国立西洋美術館、東京富士美術館、神奈川県の箱根彫刻の森美術館、愛知県のメナード美術館で見ることができます。
モチーフとなっているのは、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスが怪鳥を射るために渾身の力を込めて弓を引いている様子です。
後ろに引かれた左腕の筋肉や、地面を踏みしめる足の描写からは、ヘラクレスの肉体が極限まで緊張し、力が凝縮された状態が見事に表現されています。
不安定な体勢でありながらも全体としては見事な均衡が保たれており、ブールデルの「建築的」なアプローチが最もよく表れた作品の1つと言えるでしょう。
首のあるアポロンの頭部
アントワーヌ・ブールデルはギリシャ神話の太陽神アポロンをモチーフにした作品を多く制作しましたが、その中でも特に有名なのが「首のあるアポロンの頭部」(1900)です。
日本では東京都の国立西洋美術館に所蔵されています。
この作品は、ブールデルが約15年間ロダンの助手として働いた後、自身の彫刻スタイルを確立しようとする過渡期に制作されました。
そのため「首のあるアポロンの頭部」では、より簡潔で引き締まった顔立ちと、硬質で鋭角的な構成力が際立っています。
アポロンの顔は片目を閉じているように見え、瞑想的で内向的な雰囲気を持ちます。
「弓をひくヘラクレス」で表現されたような肉体的な力強さではなく、静かで理知的な精神的なエネルギーを表現した作品と言えるでしょう。
アルヴェアール将軍記念碑
アントワーヌ・ブールデルは大規模なブロンズの記念碑の制作も行いましたが、その中の代表作と言えるのが「アルヴェアール将軍記念碑」(1926)です。
アルゼンチンの独立戦争の英雄であるカルロス・マリア・アルヴェアール将軍を称える記念碑で、ブエノスアイレスのラ・レコレタ広場に設置されています。
制作に10年以上の歳月を費やした、高さ23メートル(中心像)という巨大なモニュメントです。
この記念碑の中心には、アルヴェアール将軍が馬に乗って前進する力強い姿を表現した巨大な騎馬像が据えられています。
そしてその騎馬像を囲むように、「力」「自由」「勝利」「雄弁」将軍の行為や資質を象徴する4体の擬人化された女性像が配置されています。
人物が象徴する精神や歴史的意味を彫刻全体の構造と量感で表現するという、ブールデルの作風が凝縮された作品になっているといえるでしょう。
「ベートーヴェンの肖像」シリーズ
アントワーヌ・ブールデルが残した作品の中で、最も数多く手がけられ、最も深く掘り下げられたモチーフの1つが、ドイツの作曲家・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827)の肖像です。
ブールデルは生涯にわたり、40点以上ものベートーヴェン像を制作したと言われています。
ブールデルはベートーヴェンの音楽に深く感銘を受けるとともに、「ベートーヴェンと顔が似ている」と自認していたり、耳の不自由という苦難を乗り越えて偉大な芸術を創造したベートーヴェンの精神性に強い共感を抱いていたといいます。
ブールデルはベートーヴェンの肖像を通じて、「芸術家の内なる苦悩と創造性」「人間の精神的な崇高性」「逆境を乗り越える強靭な意志」といったテーマを追求しました。
ベートーヴェン像の制作は初期の写実的な試みから始まり、徐々に内面性の表現へと移行、さらにはベートーヴェンと自分自身を重ねた自己投影へと、年を経るとともに変遷していきました。
ブールデルの「ベートーヴェンの肖像」として有名な作品には、「ベートーヴェン像」(オルセー美術館・大原美術館など所蔵)、「風のなかのベートーヴェン」(秋田県立美術館・兵庫県立美術館など所蔵)、「両手のベートーヴェン」(愛知県美術館など所蔵)などがあります。
ほかにも「ペネロープ」「果物を持つ裸婦」「モントーバンの偉大な戦士」「アダム」「ミツキエヴィッチ像」など、アントワーヌ・ブールデルには数多くの有名作品があります。
ここに名前を挙げたような代表作は、どれも人気が高く、価値の高いものばかりです。
また、ここに名前のない作品であっても、アントワーヌ・ブールデルであれば保存状態などの条件によって高く買取される可能性があります。
お持ちのアントワーヌ・ブールデル作品の具体的な価値については、ぜひ1度バイセルの無料査定でお確かめください。
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お申し込みフォームへアントワーヌ・ブールデル作品を高価買取してもらうためのポイント
存在感ある建築的構造や人物の内面の表現などで買取市場でも高く評価されているアントワーヌ・ブールデルの彫刻作品ですが、少しでも高く売るためにはどのようなポイントに気をつければ良いでしょうか。
アントワーヌ・ブールデルを含むブロンズ像の買取において、より高く買取してもらうために知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
- 綺麗な状態で保存しておく
- 鑑定書などの付属品を揃えておく
- 入手経路などの来歴を明確にしておく
綺麗な状態で保存しておく
アントワーヌ・ブールデルを含むブロンズ像の買取では、保存状態が良好である(制作当時の状態をなるべく保っている)ほど高く買取されやすい傾向があります。
反対に、欠損がある・錆が見られるなどなど保存状態が良くないと、その分だけ買取価格は下がってしまうでしょう。
ブロンズ像の傷や欠損を防ぐために、保管時には箱に入れるなどして保護してあげましょう。
また、錆を防ぐためには、水分がついた場合にはすぐに拭き取るなどの対策をすると良いでしょう。
鑑定書などの付属品を揃えておく
アントワーヌ・ブールデルのような有名作家のブロンズ像をより高く売るためには、作者のサインや鑑定書・保証書といった、作品の価値を示す付属品の有無が重要な役割を果たします。
アントワーヌ・ブールデル作品では多くの場合、台座や本体の側面・背面などに「BOURDELLE」と、ブロック体でサインが入っています。
また、それに加えて鋳造所の刻印、そしてエディション番号が入っているものが多いです。
作者のサインや鋳造所の刻印、ブロンズ像のエディション番号は、作品の品質と信頼性を示す重要な証拠になるため、買取市場における信頼性が増すことで多くの需要を集められます。
鑑定書も同様で、付いていることで作品の価値を証明でき、買取市場における信頼性が増します。
これらがあることで、より高い価格での買取につながる可能性があります。
鑑定書・保証書などの付属品がある場合には、作品本体と併せて大切に保管しておきましょう。
入手経路などの来歴を明確にしておく
アントワーヌ・ブールデルなどの美術品の査定では、買取市場における作品の信頼性のために「どこで手に入れたか」「いつ購入したか」「誰から譲り受けたか」など購入に至るまでの背景が確認されます。
例えば「業界で信頼されている専門店で購入した」「著名なアンティーク収集家が所有していた」などの来歴は、作品の価値を判断するうえでも重要な情報になります。
そして、その来歴を証明する書類等があればさらに信憑性が増し、買取市場における信用度が増すことでより高く売れるかもしれません。
入手した経路や時期、過去の所有者といった記録がある場合には、処分せずに大切に保管しておきましょう。
アントワーヌ・ブールデル作品を売るなら買取実績豊富なバイセルへ
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