≪ロレックス、買ってみた≫査定士がアドバイス! 約68万円の「サブマリーナー」を自腹購入&レポート

2024.08.19

コラム
購入資金としてガチの自腹で用意した現金100万円!初めて手にした札束にビビるライターS

以前掲載した【≪ロレックスQ&A≫査定士が教える】を担当した私(ライターS)ですが、恥ずかしながらロレックスに興味はあったものの、実はロレックスを購入したことはありませんでした。

しかし、【≪ロレックスQ&A≫査定士が教える】の取材時に、長年、大手中古ブランドショップで査定士として活躍し、現在は「バイセル」を運営する株式会社BuySell Technologiesの戦略企画課・Aさんからお話を聞き、俄然、本気でロレックスオーナーになってみたいと思った次第。

そこで今回、改めてAさんからアドバイスを受けつつ、実際にロレックスを購入してみようと思います…!

前回記事:≪ロレックスQ&A≫査定士が教える 〜中古がおすすめの理由、デイトナの流通事情、コピー品の実情〜

※文中に登場する金額は2017年10月現在の参考価格です。
※文中での解説にはA氏、ライターSの個人的見解も含まれています。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

 

おすすめは「デイトジャスト」「サブマリーナー」「シードゥエラー ディープシー」

ロレックスについてアドバイスを受ける

−−今回はロレックスを自腹購入したいと考え、Aさんにいろいろとアドバイスをいただければと考えております。そもそも本気でロレックスを買いたいという気持ちを一番後押ししてくれたのが、以前の取材時にAさんから伺った、「多くの中古ブランドショップはロレックスでさほど大きな利益を求めておらず、仕入れ値(買取価格)と売値(販売価格)の差を少なくしている」とのお話でした。

A氏:そうですね。前回もお伝えしたとおり、ロレックスを客足の呼び水として他メーカーの腕時計で粗利を稼ぐというビジネスモデルになっている店が多いため、例えば90万円で買い取ったロレックスを店頭では100万円で売るなど、その差額の幅を少なくしている中古ブランドショップは多いと思います。

−−つまり、もし購入したロレックスを売却することになっても、購入時と売却時の差額はさほど大きくなく、大損をする可能性は比較的少なめということですよね。ただ、ロレックスに限らずですが、売買の相場はそのときどきで変わっていきますよね?購入予算の上限は100万円を考えているのですが、100万円以内で購入できる中古のロレックスの中で、特に値崩れしにくそうだと予想されるモデルを教えてください。

A氏:予算の上限がなければおすすめは「デイトナ」なのですが、100万円以内という条件で考えるのであれば、個人的に一番手堅いと思うのは「デイトジャスト」です。ロレックスにおいて最も定番のモデルと言っても過言ではないのが「デイトジャスト」であり、それだけ需要が高いということですから、値崩れしにくいと予想されます。その次におすすめなのは「サブマリーナー」や「シードゥエラー ディープシー」。「デイトジャスト」、「サブマリーナー」、「シードゥエラー ディープシー」あたりは高級時計デビューで購入する人も多く、長年安定して人気があるため、値崩れしにくいと言われるロレックスの中でも特に値崩れしにくいのではないでしょうか。

バイセル

−−「デイトジャスト」、「サブマリーナー」、「シードゥエラー ディープシー」の3モデルの中ですと「サブマリーナー」が一番好みなので、「サブマリーナー」狙いでいきたいと思います。ちなみに“グリーンサブ”(緑の「サブマリーナー」)が個人的に一番かっこいいと思っているのですが、Aさんから見て“グリーンサブ”はどうでしょうか?

A氏:“グリーンサブ”も人気はあり全体的に見れば値崩れしにくい部類ではありますが、少々買い手を選ぶところがあるかもしれません。「サブマリーナー」の中で一番人気があって定番なのは黒で、その次が青(“青サブ”)、その次が緑(“グリーンサブ”)という順番で人気があると言われています。ファッション的に見ると黒が一番無難で、緑は好みが分かれるところですよね。“無難”というのは言い換えれば買いたいと思う人が多いとも言えるでしょう。実際、中古ブランドショップの店頭やサイトを見てみると、黒の「サブマリーナー」が圧倒的に多く、青や緑は少なめになっていることが多いですしね。

−−では“グリーンサブ”に限らずでしょうが、一時期ブームを起こして人気が出ていたモデルは、将来的に相場が安定しているかどうかで考えると、不安要素があるということでしょうか?

A氏:はい、そういうことでしょう。値崩れして価値が下がる可能性もあれば、また人気が出たときに希少性が評価されれば今以上に価値が上がる可能性もあると言えます。ですから、将来売却することも視野に入れて、手堅く、できるだけ損をしたくないという考えで「サブマリーナー」を購入するなら、黒がおすすめでしょう。「サブマリーナー」の青や緑は、黒に比べると将来的に価値が上下する振り幅が広そうなので、ある種のギャンブル要素が増すと言えるかもしれません。ちなみに「デイトジャスト」での定番はシルバーやシャンパンゴールドなので、将来的な価値の安定性という観点から考えると、個人的には「デイトジャスト」のシルバーやシャンパンゴールドがロレックスの中でトップクラスではないかと思います。

プロによる今後のロレックス人気の推移予想 & 将来的に高額で売るためのポイント

購入資金としてガチの自腹で用意した現金100万円!初めて手にした札束にビビるライターS

−−他の高級時計の人気の上下が激しい中、今年もロレックス人気は堅調なイメージですが、将来的にはどうなっていくと予想されていますか?

A氏:私の予想ですが、2020年の東京オリンピック頃までは、現在の人気の高さを維持していると思います。理由はいくつかありますが、外国人観光客の方々が日本でロレックスを購入して帰る傾向があったり、日本のオークションに海外の業者が増えている傾向があったりしており、私はこの状況がおそらく2020年の東京オリンピック頃まで維持していると考えているからです。ですから、もし売却を視野に入れており、なるべく購入金額と売却金額の差額を少なくしたいのであれば、2020年の東京オリンピック頃までに売ることを検討したほうがいいかもしれません。

−−余談ですが、今後人気が出て来て価値が上がるであろう高級時計を予想する方法は?

A氏:これは僕の個人的な予想方法ですが、東京の新宿や銀座の街で人間ウォッチングをして、街ゆく人々がどんな腕時計を着けているかに注目しますね。新宿や銀座には日本人の富裕層も外国人観光客も集まってくる傾向があるので、おおまかにですが世界のトレンドを読むことができるからです。例えば、ロレックスの「デイトナ」も5年前はまだ今ほどの人気の高さはありませんでしたが、新宿の街で着けている人が多かったんです。その頃に私はある「デイトナ」を90万円ほどで購入しましたが、その同じモデルの「デイトナ」は今(2017年10月現在)120万円ぐらいの取引価格になっていますからね。

−−次に、売却することを視野に入れて、できるだけ高く売るコツをお教えください。

A氏:基本的なところから言うと、付属品をなるべく全てきれいに保管しておくこと。そして、肉眼で見えない程度の傷であれば研磨できれいになるので問題ありませんが、肉眼で見えるほどの傷は付けないように気を付けること。

−−では、日頃から着用せずに大事に保管しておいたほうが売却時の価値は下がりにくい?

A氏:一概にそうとも言えないんです。基本的にロレックスは頑丈ですから、個人的には毎日きちんと着用してあげたほうがいいと思います。それは、機械式(自動巻き、手巻き)の場合、針を止めないようにすることが売却時に価値を下げにくくするポイントでもあるためです。自動巻きであれば毎日着けていれば止まることはほぼないですからね。自動巻きでも毎日着用しない場合や手巻きの場合は、定期的にリュウズでゼンマイを巻き上げるのを忘れないようにしてください。針が止まったままになっていると酸化や油切れが早くなってしまう原因となる可能性があり、本来ならば4〜5年に一度行えばいいオーバーホールを、2〜3年で行わなくてはいけない状態になってしまうこともあるでしょう。そのような状態だと、売却時の価値が下がってしまう可能性もあります。

−−売却前には、どこかの時計業者にオーバーホールや研磨してもらってから、中古ブランドショップなどに売りに行くほうがいいのでしょうか?

A氏:いえ、その必要はないでしょう。中古ブランドショップの査定士が査定した際、もしオーバーホールや研磨の必要があるようであれば、その費用を引いた買取価格を提示するでしょう。そのときのオーバーホール代や研磨代として差っ引かれる費用は、割安の“業者価格”の金額になると思います。一方、売りに行く前に個人的にオーバーホールや研磨を依頼すると、“一般価格”で作業してもらうことになります。仮にそのまま中古ブランドショップに持っていっていれば、差っ引かれるのは割安の“業者価格”で済みますが、気を利かせたつもりで前もってオーバーホールや研磨を依頼すると、“一般価格”の費用がかかりますから、結果的に損してしまう可能性があるんですよ。

「サブマリーナー デイト」(2000年頃製/16610 P番)を税込・約68万円で購入!

「サブマリーナー

Aさんのアドバイスをもとに、購入しようと考えたのは「サブマリーナー」の黒。

デザイン的に好みなのは“グリーンサブ”だが、緑より王道の黒のほうが将来的に値崩れする可能性が低いという助言を踏まえた結論です。

さっそく、「楽天市場」のネットショップで購入候補の「サブマリーナー」をピックアップしました。

それは2000年頃製の「サブマリーナー デイト」(16610 P番)。価格は税込68万400円。

ショップの評価によると、中古の品質状態は上から2番目にいいとされる「A」ランクとなっています。

念のため、Aさんにこの2000年頃製の「サブマリーナー デイト」(16610 P番)の現在の買取価格の相場を調べてもらったところ、MAXで50万円代後半とのこと。つまり、販売価格と買取価格の差額は10万円前後ということになりますので、妥当な金額と言えそうです。

特に品質状態も問題なさそうでしたので…購入決定!

補足情報ですが、「楽天市場」で購入したため楽天ポイントがどっさり貯まりました!

購入した際はポイントアップキャンペーンなどが実施されており、ポイントが7倍だったため、今回の税込68万400円の購入だけで約4万8000ポイント(約4万8000円分)が付与されたのです。

楽天サービスの使い方やタイミング次第でポイントは10倍ぐらいまで狙えたようで、要するにもっと得する方法があったようですが、それでも約5万円分のポイントがゲットできたのは嬉しい限り。

今回の購入で付与される楽天ポイント

—2日後。到着。

ショップで外装の研磨を行ってくれているだけあり、パッと見は新品同様に見えます。やや年式が古いため、じっくり目を凝らすと、例えばベゼルに小傷がいくつかあったりしますが、個人的感想としては、ほぼ気にならない程度のもの。

そして、いざ、初装着。

大きなフェイスとずっしりと来る重厚さで、その存在感は抜群です。

自動巻きですが、試しに手巻きの巻き上げをしてみると、内部のゼンマイのジジジジジッという音と感触がとても小気味よいですね。

さて、初の高級時計デビュー、初のロレックスデビューをレポートさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

高級時計やロレックスの購入を検討されているみなさんの参考になれば幸いです。

重厚感と存在感がすごいロレックス
※文中に登場する金額は2017年10月現在の参考価格です
※文中での解説にはA氏、ライターSの個人的見解も含まれています

[動画制作・取材・文/昌谷大介(株式会社A4studio)]