査定額のこの差って何ですか!?【時計編】
2024.08.19
コラムこの仕事をしていると、いわゆる“成功者”の方をインタビューする機会があります。
皆さん、立ち居振る舞いはスマートで、身だしなみもパーフェクト!特に、一生涯使えるような、上質な腕時計をつけている方が多い印象を受けます。
成功したからいい時計が買えたのか、いいものを知っているから成功したのか…。
さて、“腕時計投資”なんて言葉もあるほど、高級時計の人気は根強いですが、「正直、どれを購入すればいいかわからない」という人もいるのでは?そこで今回は、高級時計の世界を徹底調査しました。
買い取り時に値下がりしにくい時計は?買い取り価格に差が生まれるのはなぜ?など、気になる疑問を、ブランド品などの出張買い取りを行っている「バイセル」の鑑定人・荻原雅俊さんにお聞きしました。
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お申し込みフォームへ※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
鑑定人プロフィール
- 荻原雅俊(おぎわら まさとし)さん
- 31歳/既婚
- 趣味:トレーニング、サーフィン
- 鑑定暦:4年
- 得意な買取ジャンル:着物、ブランド品
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お申し込みフォームへいつの時代も、不動の人気を誇る『ロレックス』
−−高級時計を購入したくてもどれを買っていいかわからない人へ、おすすめのメーカーやブランドを教えてください。
荻原:特に男性は、高級時計を1本は持ちたいという方、多いですよね。高級時計に何を求めるかによって、選ぶメーカーやブランドは変わってくると思います。例えば、ファッション性を重視する人、国内のメーカー以外は嫌だという人、売る時に値が下がらないものを買いたい人など、その人の価値観次第だとは思います。
売るときに値が下がりにくいことを重視するなら、『ロレックス』の一択です。『オメガ』や『フランクミュラー』など、人気のある高級時計ブランドは数ありますが、『ロレックス』の人気は不動です。
−−『ロレックス』の中でも特に人気のモデルは何ですか?
荻原:やはり「デイトナ」と「サブマリーナ」ですね。「デイトナ」は『ロレックス』の中でも絶大な人気を誇るモデルで、資産価値もトップクラス。正規店では常に、在庫不足が続いています。「サブマリーナ」は、高度な防水機能を搭載したスポーツモデル。映画『007』の主人公、ジェームズ・ボンドが愛用していたことでも有名なんですよ。
−−「デイトナ」や「サブマリーナ」の買い取り評価額が下がりにくい理由を教えてください。
荻原:まずは、『ロレックス』のブランド力ですね。高級時計の買い取り市場では、時計専門のメーカーが強いんです。『カルティエ』の時計も人気がありますが、ジュエリーブランドなので、『ロレックス』ほど、評価は高くありません。
それに、『ロレックス』の時計は丈夫で、作りが秀逸です。自分の時計を子どもに受け継がせる人もいるほど。長く使えるという点でも愛されていると思います。人気がありすぎて生産が追いつかず、なかなか手に入らない…。そうすると、欲しい気持ちがどんどんと膨らみます(笑)これが、『ロレックス』の買い取り評価額が下がらない理由だと思います。
高級時計は車と同じ。維持費やメンテナンスは必須
−−供給が追いつかないことが、人気に拍車をかけているとは…。ちなみに、時計の買い取り評価を下げない使用方法があれば、教えてください。
荻原:ポイントはいくつかありますが、まずは、ブレス(ベルト)の扱い方です。腕を激しく動かすとブレスのつなぎ目が摩耗して、だらりとたわんでしまいます。マイナスポイントになるので、腕の動作が必要な時は、着用しないことをおすすめします。また、ベストフィットの長さに調整して、購入することも大事ですね。きついと摩耗が進みやすくなり、ゆるいとガチャガチャと物に接触して傷が増えますから。
−−なるほど〜。スポーツをする時は、はずすのが賢明と…。
荻原:その通りです。それから、最も大事なのは、時計が止まらないようにすること。車に例えてお話しすると、長期間乗らない車は、エンジンが劣化しますよね? 高級時計も同じで、長期間使わないと中のオイルが固まり、オーバーホール(分解点検修理)の時期が早まります。
オーバーホールは、全てばらして部品交換をしますが、これが問題です。純正の部品が取り寄せられない場合、別メーカーの代用部品で修理しますが、『ロレックス』は特に“オール純正”が高く評価されます。オーバーホールで他メーカーの部品を使ってしまうと、それだけで大きなマイナスポイントに。ですから、時計を止めないよう大事に使い、オーバーホールさせないことが、高価買い取りにつながるんです。
−−使わずに長い期間、放置するのも問題ありと…。他に気をつけるべき点はありますか?
荻原:基本中の基本ですが、傷はマイナスポイントです。特に、裏蓋が要注意。時計をはずしてテーブルなどに置く時に雑に扱うと、裏蓋とベルトが接触して傷が付きます。傷をつけないために、購入した時に付いているシールを付けたまま、使い続けている人もいるぐらいですよ。
−−新車の座席ビニールを取らずに乗り続ける…みたいな?
荻原:まさに、そんな感じです(笑)そう考えると、高級時計の扱い方は、車に似ているかもしれません。車は、車検がスムーズ通るように、定期的にオイル交換やタイヤ圧をチェックしますよね。高級時計も、できるだけオーバーホールをさせないように、傷を付けないようにと、メンテナンスにお金や労力が必要なので…。
−−そんなところも、男性の所有欲をくすぐるのかもしれませんね!
荻原:確かに…、そうかもしれません(笑)
使わないと高く売れるが、使うことで得る価値も大きい
−−今までのお話をまとめると、傷が少ない純正品であれば、高額で買い取ってもらえるってことですか?
荻原:そうですね。でも、実はビンテージの『ロレックス』の場合は、傷だらけでも売れます。
−−え!? 本当ですか!?
荻原:ビンテージは、文字盤を覆う風防がプラスチック製なので、文字盤が見えないほど損傷していることも多いですが、それでも欲しいという方がいらっしゃる。だから、傷があっても査定してもらう価値はありますよ。
逆に良かれと思ってやっていることが、評価を下げる、なんてこともあります。購入する時に、純正のベルトにダイヤモンドをあしらう方がいますが、これが、あまりよろしくない…。たとえダイヤモンドがついていても、『ロレックス』の場合は、純正のベルトでないと評価が下がってしまいます。
−−ひぇー。ダイヤがついているのに? 高級時計って奥が深いですね…。
荻原:本当にそう思います。極論の極論を言うと、メンテナンスを怠らずにまったく使用しなければ、高く売れるってことになりますね(笑)
−−そ、そういうことになりそうですね(笑)
荻原:だから、「もったいなくて使えない」という方に度々お会いします。でも自分は、それこそが“もったいない”と思っています。大事に使えば、それほど劣化しないのが高級時計の魅力。また、つけることで、オーナーのモチベーションやステータスをあげるので、使うことで得る価値も高いような気がします。
高級時計は、一生どころか、子どもや孫の代にも受け継げる貴重なアイテムです。時計を買い替えようと考えている人は、ぜひ、高級時計の購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
記者の『ロレックス』に対するイメージは、「ゴツい…」「ベタ…」と、後ろ向きでした。しかし、詳しく聞けば聞くほど、自分の無知ぶりを反省しきり…。
今は「いつか『ロレックス』のオーナーになれるよう、頑張ろう!」と、人生のモチベーションをぐんぐん上昇中。
予算は心許ないけれど、魅惑的な高級時計の世界に、すっかりハマりそうです。
取材・文/石上直美(verb)