女性浮世絵で有名な絵師と代表作5選を紹介!高額査定のポイントも徹底解説

女性浮世絵で有名な絵師と代表作5選を紹介!高額査定のポイントも徹底解説

女性を描いた浮世絵は「美人画」と呼ばれ、江戸時代当時の女性のファッションや生活スタイルを表現している、人気の絵画ジャンルです。

「美人画」で有名な絵師には菱川師宣や鈴木春信、喜多川歌麿らがいます。

本記事では、美人画で有名な絵師と作品を5つ紹介します。

併せて高額査定のポイントも解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

浮世絵(美人画)とは?

 浮世絵(美人画)とは?

浮世絵とは、主に江戸時代に作られた木版画や肉筆画の一種です。

当時の日常生活を題材としており、風俗嬢や歌舞伎役者、風景画などを中心に描かれています。

浮世絵の中で女性が描かれている作品を「美人画」と呼びます。

風俗嬢や町娘などのファッションや髪型などから、当時の江戸の様子を鮮明に表現しているのが特徴です。

美人画を見れば、江戸時代の女性たちの流行や日常を伺い知れます。

なお浮世絵全般に関して、木版画と肉筆画の違いや、有名絵師一覧などは以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてお読みください。

浮世絵の有名絵師と代表作品を紹介!有名浮世絵ランキングも解説


女性浮世絵(美人画)で有名な絵師と代表作5選

 女性浮世絵(美人画)で有名な絵師と代表作5選

女性を描いた浮世絵で知られる有名な絵師と、その代表作を5つご紹介します。

  1. 菱川師宣「見返り美人図」
  2. 鈴木春信「夕立」
  3. 喜多川歌麿「婦女人相十品 ポッピンを吹く娘」
  4. 鳥居清長「美南見十二候」
  5. 歌川国芳「星の霜当世風俗 行灯」

1人ずつ見ていきましょう。

菱川師宣「見返り美人図」

菱川師宣(ひしかわもろのぶ)は、当時版本の挿絵だった浮世絵を「一枚絵」と呼ばれる観賞用の作品へと独立させた人物です。

その功績から、現代では「浮世絵版画の始祖」といわれています。

生没年は不詳ですが、出身は房州安田(現在の千葉県鋸南町)で、実家は縫箔師(ぬいはくし※金糸や銀糸を用いて刺繡を施す仕事)だったとされています。

幼い頃から絵が得意で、家業である刺繍の下絵を描きながら独学で絵を勉強しました。

菱川師宣の浮世絵は、優美でゆったりとした作風が特徴で、特に有名なのが17世紀(江戸時代前期)に制作された「見返り美人図」です。

鮮やかな赤い着物の女性が後ろを振り向いている図を描いており、髪型や服装も当時の流行を反映しています。

1948年には「見返り美人図」の切手が発行されたことでも有名です。

鈴木春信「夕立」

鈴木春信(すずきはるのぶ)は、1725年生まれで「錦絵(多色刷りの版画)」を誕生させた絵師として知られています。

45歳の若さで亡くなり、活動期間は1760年〜1770年の10年間でしたが、多くの作品を残しました。

錦絵とは現代で言うカラー印刷にあたり、カラフルな色合いが魅力です。

鈴木春信が錦絵を誕生させたことによって、版画の表現の幅が広がりました。

鈴木春信が手掛ける美人画は、中性的で可愛らしい女性が描かれているのがポイントです。

代表作の「夕立」は、突然夕立が降ってきたために急いで洗濯物を取り込もうとする女性の姿が描かれています。

強い雨風から顔を背ける女性の表情と、急いで取り込もうとするあまりに下駄が片方脱げてしまう細かい描写が印象的です。

「夕立」は、日常と女性の美しさを融合させた作品として、現代でも高く評価されています。

喜多川歌麿「婦女人相十品 ポッピンを吹く娘」

喜多川歌麿(きたがわうたまろ)は1753年生まれの絵師で、出身地などは不明です。

狩野派の絵師であった鳥山石燕(とりやませきえん)に師事し、1775年には北川豊章(きたがわとよあき)という名で浄瑠璃正本の表紙絵を手掛けます。

喜多川歌麿は社会派の絵師として、風俗画にも精力的に取り組んでいました。

しかし風俗に関する表現の禁制が厳しくなっていたことから、幕府の反感を買い、処分を受けてしまいます。

そして、処分を受けた2年後に亡くなりました。

喜多川歌麿の美人画は、顔の美しさに加えて女性美の真髄を追求している点が特徴です。

代表作である「婦女人相十品 ポッピンを吹く娘」は、当時大流行していた市松模様の着物を着た町娘を描いています。

ポッピンはガラス製の玩具で、吹くと「ポッピン」と音が鳴り、江戸時代に流行しました。

「ポッピンを吹く娘」は現存している作品が非常に少ないため、希少価値が高いです。

鳥居清長「美南見十二候」

鳥居清長(とりいきよなが)は、鈴木春信と喜多川歌麿が活躍した間の「天明期」と呼ばれる時代に活躍した人物です。

彼は役者絵の名門であった鳥居派の4代目にあたり、美人画だけでなく役者絵にも定評があります。

華やかで大胆な構図が得意で、多くの人々の注目を集めました。

鳥居清長代表作の「美南見十二候」は、当時の品川の芸者たちを描いた作品です。

華麗な衣装と芸者たちのいきいきとした表情が、豊かに表現されています。

歌川国芳「星の霜当世風俗 行灯」

歌川国芳(うたがわくによし)は、1798年に日本橋(現在の東京都中央区日本橋)で生まれました。

15歳のときに初代歌川豊国(うたがわとよくに)に師事しましたが、なかなかヒット作に恵まれず苦しい時期を多く過ごしました。

しかし31歳のときの作品である「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」が大ヒットし、瞬く間に売れっ子絵師へと駆け上がったのです。

彼は美人画以外にも、武者絵や風俗画でも才能を表しました。

歌川国芳の美人画の代表作である「星の霜当世風俗 行灯」は、当時の風俗嬢の姿をリアルに描いています。

行灯の絶妙な光加減と襦袢(じゅばん※下着)姿の女性が描かれているのが特徴です。

夜の静けさが思い浮かぶような描写が、繊細な色使いによって巧みに描き出されています。

女性浮世絵(美人画)の高価査定のポイント

女性浮世絵(美人画)作品は、条件次第で高値で売れることがあります。

美人画の高価査定のポイントは、以下の5つです。

  1. 作者が有名か
  2. 保存状態が良いか
  3. 付属品が揃っているか
  4. 作者の落款(らっかん)やサインがあるか
  5. 版画ではなく肉筆か

1つずつ解説しますので、自宅に美人画が眠っているという方はぜひご覧ください。

作者が有名か

作品の作者が有名かどうかは、査定に大きく影響します。

有名な絵師の作品は欲しい人が多いため、査定評価が高くなるのです。

特に前述した5名の絵師は有名なので、高価買取してもらえる可能性があります。

もしお手持ちの浮世絵の作者がわからない場合は、一度美術品に詳しいバイセルにお見せください。

保存状態が良いか

浮世絵は江戸時代の作品に流行したため古い作品も多数存在し、ある程度の劣化はやむを得ません。

ただし、汚れや破れなどがあると、価値が大幅に下がる傾向にあります。

浮世絵は直射日光を避けて、できるだけ湿度変化が少ない場所で保管してください。

湿度の変化が大きいと、シミやカビなどが発生する可能性が高くます。

温度は18度〜20度、湿度は50%〜60%ほどがベストです。

また定期的に風を通すと、劣化を防げます。

付属品が揃っているか

査定時には、浮世絵作品本体以外にも、外箱や鑑定書など付属品が揃っているのが望ましいです。

付属品がきちんと揃っていると、次の買い手が付きやすいことから、査定評価が高くなります。

お手持ちの浮世絵には外箱や鑑定書があるかどうか、今一度確認しておいてください。

作者の落款(らっかん)やサインがあるか

作品に落款(らっかん)やサインがあるとコレクター受けが良くなり、高価買取が期待できます。

落款とは、作品が完成した際に作者が署名・捺印をしたものです。

落款やサインがないものは、偽物の可能性、あるいは査定時に偽物と疑われる可能性があります。

本物かどうか確認するためには、浮世絵作品に詳しい査定士に見てもらうのがおすすめです。

版画ではなく肉筆か

浮世絵は、木版画よりも肉筆画のほうが価値が高いです。

肉筆画は絵師が自ら描いた作品のため、同じものは存在しません。

江戸時代当時、富裕層がオーダーメイドで作成を依頼するのが一般的でした。

当時も高額で貴重なものだったため、現代でも高い価値がつきやすいです。

木版画か肉筆画かを確認するなら、やはりプロである査定士に依頼しましょう。


木版画か肉筆画か?など、浮世絵作品について気になること、わからないことがある方は、美術品に特化しているバイセルにお任せください。

相談料・査定料は無料ですので、お気軽にご相談いただけます。

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まとめ

女性を描いた浮世絵は「美人画」というジャンルで、江戸時代当時の女性のファッションや髪型を忠実に表現している点が特徴です。

多くの浮世絵師が美人画を手掛けており、有名な作品は現代でも価値が高くつきます。

本記事でご紹介した絵師の作品や高価査定のポイントを踏まえて、ぜひお手持ちの浮世絵を確認してみてください。

ただし、素人が浮世絵の価値を正確に判断するのは難しいため、査定に出すのが望ましいです。

バイセルでは絵画の知識が豊富な査定士が、浮世絵の価値を査定いたします。

お手持ちの浮世絵の価値を知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。