丁銀の買取相場は?オススメの買取方法や高額買取のコツまとめ

2024.11.22

古銭買取 コラム
コレクションしていた丁銀を売りたいです。いくらになりますか?
保存状態により買取価格が変わりますので一度拝見いたします。お電話・メールよりお問合せ下さい。
祖父から丁銀と呼ばれる昔のお金を譲り受けました。価値ってありますか?

丁銀(ちょうぎん)は「秤量貨幣(しょうりょうかへい)」の一種の銀貨であり、室町時代から明治時代まで数百年にわたって使用され続けました。

江戸時代に限っても、11種類もの丁銀が発行されました。

「丁銀を所有しているが、いつ鋳造されたどの種類なのかわからない」「天保丁銀を買取に出したいが、まず相場を知っておきたい」とお悩みの人も多いと思います。

ここでは、江戸時代に発行された各種丁銀の概要や買取相場から、高価買取のために押さえるべきポイントまで細かく紹介していきます。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

丁銀の概要

丁銀は「秤量貨幣(しょうりょうかへい)」に属し、重量に比例した貨幣価値を持ちます。

対して、金貨である小判や現代で流通している硬貨・紙幣は、額面によって価値が決まる「計数貨幣(けいすうかへい)」です。

現代では馴染みのない秤量貨幣に属する丁銀ですが、どのような特徴を有するのでしょう。

丁銀は「極印」で種類が判別可能

丁銀は、重量・形状とも厳密に定められてはいなかったのですが、どの種類でもおおよそ43匁(120〜180g)のナマコ形と呼ばれる、縦長の棒状に成型されるのが一般的でした。

多くの種類が鋳造された丁銀ですが、種類ごとの形状も不定形で、見分けがつきにくいです。

しかし、表面に刻まれた「極印(ごくいん)」と呼ばれる絵柄の数や記された文字などで、どの種類の丁銀なのかを見分けられます。

主に幕府への贈答品や公取引に用いられた

本来の丁銀の用途は、43匁の塊から必要な額に応じた重量分を切り取って、支払いに使用する「切遣い」という使い方が想定されていました。

しかし、43匁の丁銀は米2〜3石(約360~540kg)程度の価値があり、日々の買い物のために持ち歩くにはあまりに高額です。

また、丁銀は逐一支払いに必要な重量分を切り取っては秤で計量するという運用も非常に面倒だったので、庶民的な買い物にはあまり使われませんでした。

そのため、日常的には「豆板銀(まめいたぎん)」という、丁銀よりも軽量且つ少額で、いびつな円形の銀貨の方が頻繁に用いられていました。

さらに、「包銀」といって、丁銀と豆板銀を組み合わせて切りの良い額を包んで幕府への贈答品としたり、大金をやりとりする公取引などに使われました。

江戸時代の「三貨制度」の一端を担う存在

江戸時代の貨幣制度は「三貨制度」と呼ばれ、「三貨」は金貨・銀貨・銭貨を意味します。

金貨は大判・小判と一分判、銀貨は丁銀と豆板銀、銭貨については江戸時代を通じて「寛永通宝(かんえいつうほう)(かんえいつうほう)」のみが発行されました。

ちなみに名目上の秤量貨幣の価値は、金1両=銀60匁というような形で、幕府が定める公式の相場「御定相場(おさだめそうば)」で決定されました。

しかし実際の市場での売買で御定相場は採用されず、実質は日々の市場動向によって変化する変動相場で運用されていました。

江戸時代の丁銀の概要と買取相場

流通している貨幣を回収して、名前を変えて発行することを「改鋳(かいちゅう)」と呼びます。

江戸時代は改鋳が盛んに実行され、全部で11種類もの丁銀が発行されました。

それぞれの丁銀の概要と相場について説明していきます。

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慶長丁銀

「慶長丁銀(けいちょうちょうぎん)」は1601年に発行開始した江戸時代初の丁銀です。

品位は銀80%で、今回ご紹介する中では「享保丁銀」と並び最も高品位です。

「常是(じょうぜ)」「寳(宝の旧字体)」などの極印が複数箇所に打たれています。

極印や発行年によりますが、保存状態が良好なものであれば買取相場は50,000円以上となるケースもあります。

元禄丁銀

元禄丁銀(げんろくちょうぎん)」は1695年から鋳造された丁銀で、上下の端に「元」の字の極印を持ちます。

海外交易への支払いで銀を用いたため、多くが国外流出し、通貨不足となりました。

さらに国内経済の活発化により、国内での需要が膨張し、幕府は銀品位64%と質を落とした丁銀の発行を決めました。

極印の種類などにより買取相場は変わりますが、状態に問題なければ50,000円以上となるケースもあります。

宝永二ツ宝丁銀

1706年から5年程度発行された「宝永二ツ宝丁銀(ほうえいふたつほうちょうぎん)」は銀品位50%です。

慶長丁銀・元禄丁銀に比べると発行量が少なく希少性があるので、状態良好品であれば買取相場は70,000円を超えるかもしれません。

宝永永字丁銀

1710年から鋳造された「宝永永字丁銀(ほうえいえいじちょうぎん)」は銀品位40%で上下に「宝」、中央に「永」の極印があります。

富士山の噴火・地震など天災による財政悪化を受け、かなりの低品位で鋳造されました。

発行された期間は1ヶ月足らず、発行量は他種とは桁違いに少ない約5,000貫です。

ほとんどが一般に流通しなかったため、希少価値も非常に高いものです。

買取事例が少なく相場の提示は難しいため、一度ご相談いただくとよろしいでしょう。

宝永三ツ宝丁銀

宝永永字丁銀の発行から1ヶ月足らず、同年1710年に発行されたのが銀品位32%の「宝永三ツ宝丁銀(ほうえいみつほうちょうぎん)」です。

財政を司る勘定奉行であった荻原重秀が、将軍に許可を得ずに低品位の丁銀を発行させました。

鋳造量は約37万枚と少なくはないですが発行期間が1年程度で、市場にはほぼ出回らず希少価値があります。

状態が良好なものならば買取相場は70,000円以上になるケースもあります。

宝永四ツ宝丁銀

1711年、宝永三ツ宝丁銀と同じく勘定奉行の荻原重秀が謀って、再び将軍の決裁なしに銀品位を20%にまで下げて鋳造させたのが「宝永四ツ宝丁銀(ほうえいよつほうちょうぎん)」です。

発行期間は1年程度ですが、品位の低さから必要とされる銀の準備が容易であったため鋳造量は40万枚を超えます。

宝永四ツ宝丁銀は勘定奉行によって自身の利益のために発行されたとはいえ、前身の銀貨との交換が比較的盛んに行われたため、幕府の財政回復に一役買いました。

それ故に宝永四ツ宝丁銀は現存数も多く、買取相場は欠損や汚れのない状態良好なもので50,000円程度となるケースもあります。

ちなみに、宝永を名に冠する「宝永二ツ宝丁銀」「宝永永字丁銀」「宝永三ツ宝丁銀」「宝永四ツ宝丁銀」を「宝永丁銀」と総称しますが、いずれも上下の端に「宝」の字の極印が刻まれています。

享保丁銀(正徳丁銀)

紆余曲折を経て1714年、慶長丁銀と同品位の銀80%で「享保丁銀(きょうほうちょうぎん)」が発行されました。

享保丁銀は22年間も流通し続け、市場にも良く出回ったためか現存数も多いと言われています。

そのため状態が良好で数千円となるケースから、中には極印の多さなどにより100万円を超える買取価格がつく場合もあり、相場に開きがあります。

元文丁銀

1736年発行開始の「元文丁銀(げんぶんちょうぎん)」は上下の端に「文」の字の極印を持ち、銀品位は46%に下げて鋳造されました。

80年以上の間も流通し続けた元文丁銀は、慶長丁銀に次いで52万貫以上もの量が鋳造されたため現存数も多く、買取相場は状態に問題がないもので数千円程度です。

ただし、状態や極印により上下幅が大きいため、数万円以上の買取価格が期待できることもあるようです。

文政丁銀

1820年に通用開始された「文政丁銀(ぶんせいちょうぎん)」は銀品位を36%と更に下げて鋳造されました。

しかし前身の丁銀の回収と文政丁銀との交換が進捗せず、さらに1824年には「南鐐二朱銀(なんりょうにしゅぎん)」という計数貨幣としての銀貨が発行されました。

計数貨幣が流通における中心的な貨幣の形式となり、次第に丁銀は重用されなくなっていきます。

買取相場は保存状態が良好であれば数千円になるかもしれませんが、場合によっては数十万円以上の買取価格が期待できることもあります。

元文丁銀と同じく上下の端に「文」の字の極印が刻まれていますが、元文丁銀と異なり太字の草書体が採用されています。

天保丁銀

「天保丁銀(てんぽうちょうぎん)」は上下に「保」の字の極印を持ち、銀26%という低品位で1837年から鋳造されました。

将軍徳川家斉の過度に贅沢な生活や、1833年頃から始まった「天保の大飢饉」で幕府の財政は悪化し、品位を下げた改鋳が行われました。

18万貫程度が発行されましたが、額面通りの価値を持つ計数貨幣が主流となっていたため、市場では重用されませんでした。

買取相場は状態や極印で上下幅が大きく、一概に金額を提示するのが困難な丁銀です。

安政丁銀

「安政丁銀(あんせいちょうぎん)」は、1859年から鋳造が開始された上下に「政」の字の極印を持つ丁銀で、銀品位は14%と江戸時代の丁銀11種中で最も低いです。

1858年に締結された日米修好通商条約は日本に不利な内容で、銀の大規模な海外流出を危惧した幕府が発案したのが低品位の安政丁銀です。

安政丁銀は江戸時代最後の丁銀という点で貴重な存在ではありますが、それによって買取相場が上がるということはなく、極印や保存状態によって大きく査定額は異なります。

12面大黒丁銀は買取額アップの要因

祝儀・上納のために鋳造された、大黒像が12箇所に刻まれている極印を持つ丁銀は「12面大黒丁銀」と呼ばれ、査定額が高くなる可能性が非常に高い希少品です。

宝永永字丁銀以外の全ての丁銀で、12面大黒丁銀の存在が確認されています。

丁銀はバイセルに買取依頼を!

お持ちの丁銀の高価買取なら、古銭買取のバイセルの利用が得策と言えます。

出張買取と無料査定を利用しましょう

古銭の買取業者の中でも、「出張買取」と「無料査定」サービスを提供しているところを選ぶのが得策です。

出張買取とは、利用者の自宅を査定士が訪問し、その場で査定を行う買取方法です。

自宅や倉庫からわざわざ丁銀を持ち出す必要がないので、丁寧に梱包したり慎重に持ち運ぶ必要がなく、その場で現金を手に入れられます。

また、査定額の算出だけならば無料で実施してくれる「無料査定」サービスを展開している業者も非常に多いので、無料の出張買取サービスと併せて利用を検討してみましょう。

例えば「査定結果に満足いかないから売るのは取り止めにしたい」という場合もありますよね。

出張買取を無料で行ってくれる上に、査定額の算出だけならば無料という業者に依頼をすれば、買取を取り止めとしてもキャンセル料を含め一切の費用がかかりません。

妥協せず満足のできる買取が可能となる、最も賢明な買取方法と言えます。

丁銀を買取に出す際の注意点

少しでもお持ちの丁銀を高額で買い取ってもらいたい方は、以下の3点に注意しましょう。

  1. 洗浄しない
  2. 付属品も一緒に査定に出す
  3. 1日でも早く査定してもらう

それぞれについて解説します。

洗浄しない

丁銀は発行から数百年が経過しており、サビや変色が発生しているものが多いです。

保存状態が良いほど査定も良くなるからといって、洗浄液やサビ落としの薬剤を用いるのは逆効果となります。

化学反応が表面で発生し、更なる変色や劣化に繋がる可能性が高いのです。

お持ちの丁銀の状態が悪く「傷だらけで汚いな」「変色していて見栄えが悪いかも」と感じたら、柔らかい布で目に見えるホコリを払い落す程度に収めておきましょう。

付属品も一緒に査定に出す

お持ちの丁銀に付属品がある場合は、併せて査定に出してください。

価値を証明する鑑定書や贈答のために誂えられた木箱などは、いずれも査定に良い影響を与える付属品です。

1日でも早く査定してもらう

丁銀をはじめ、古銭は日を追うごとに劣化していきます。

発行から数百年で発生した経年劣化は防ぎようがないですが、それにより強度が落ちて壊れやすい状態にある丁銀が更に劣化しないよう、お持ちの丁銀を査定に出すのは早い程良いです。

過度な洗浄を避け、付属品も併せてなるべく早くお持ちの丁銀の査定依頼をしましょう。