≪ロレックスQ&A≫査定のプロが教える ~中古がおすすめの理由、デイトナの流通事情、コピー品の実情~

2024.04.09

時計買取 コラム
ロレックスデイトナ116520

時計に興味がない人でもその名を知っている人が多い高級腕時計と言えば、ロレックスではないでしょうか。

そこで今回は、長年大手中古ブランドショップで査定士として活躍し、現在は「バイセル」を運営する株式会社BuySell Technologiesの戦略企画課のAさんに、ロレックスについてのあれこれをインタビュー。

ロレックスを買うなら中古がおすすめだという理由や、人気のあまり品薄となっているといわれるロレックス デイトナの流通事情、そしてロレックスをはじめとした高級腕時計のコピー品の実情などについて答えてもらった。

※文中に登場する金額は2017年10月現在の参考価格です。
※文中での解説にはA氏の個人的見解も含まれています。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

≪ロレックスにまつわる疑問≫ 中古がおすすめの理由

ロレックスを買うなら、新品と中古、どちらがおすすめ?
コストパフォーマンスを考えれば、個人的には中古品がおすすめです。
研磨されたロレックスデイトナ116520

理由はいくつかありますが、ロレックスを買うなら、個人的におすすめなのは中古品です。

一般的に中古品と聞くと、使用感があって古くなっているものをイメージするかもしれませんが、市場に出回っているロレックスの中古は、新品とさほど見た目が変わらないぐらいきれいなものが多いのです。見た目は研磨によって新品に近しい“ビカビカ”の状態に戻るケースが多々ありますからね。

また、定期的にオーバーホールをきちんとしているものであれば、中身の機能性も新品とさほど変わらないでしょう。

中古のブランド物のバッグなどは劣化しているイメージがあるため誤解を受けやすいですが、ロレックスはそのイメージに当てはまらないことが多いんですよね。

見た目も中身も新品と大きくは変わらず、それでいて(一部のモデルを除いて)新品よりも安く購入できるわけですから、中古のほうがコストパフォーマンスは高いといえるのではないでしょうか。

もちろん中古の場合は“完品”(説明書などの付属品が全て揃っている状態)でないものもありますし、シリアルナンバーは固有ナンバーで、ギャランティカード(保証書)には前ユーザーの個人名が記されている場合もありますので、このあたりが気になる人は新品のほうがいいと思います。しかし、逆にそのあたりが気にならなければ中古で問題ないのではないでしょうか。

中古ブランドショップで相場に対し不当な価格で販売される心配はない?
多くのロレックスは薄利多売のため、あまりその心配はないでしょう。
ロレックス並び画像

もちろん実績があって信頼のおける中古ブランドショップで本物を購入することが前提ですが、ロレックスには少々特殊な事情があり、中古市場のなかでは相場より高値で売りつけられる心配の少ない商品といえるかもしれません。

というのも、高級腕時計などを扱う中古ブランドショップでは、ロレックスはたいてい薄利多売というケースが多いんですね。例えば90万円で買い取ったものを100万円で売るといった具合に、仕入れ値と売値の差を少なくしているところが多いといわれています。

ロレックスは人気が高いため、たくさんラインナップを揃えておきたいと考える店は少なくありません。ロレックスの品揃えに魅力がないとお客さんが足を運んでくれないというケースも想定されますので、売りに来てくれた人からは利益が少なくても高値で買い取るパターンが多いのです。

高級腕時計を扱っている中古ブランドショップは、ロレックスを客足の呼び水として他メーカーの腕時計で粗利を稼ぐというビジネスモデルになっている店も多いため、ロレックスではあまり大きな利益を求めない傾向がありますね。

そういう意味では、きちんと信頼できる中古ブランドショップで買うのであれば、中古のロレックスは買っても大きく損をしないといえるかもしれません。

ちなみに、中古ブランドショップには未使用品が売っていることもあります。普通に新品で買うより数万円安く買えることが多いため、こちらもおすすめといえるでしょう。

≪ロレックスにまつわる疑問≫ デイトナは購入方法で値段が変わる

それでも新品を買いたい場合、正規品と並行輸入品、どちらがいい?
並行輸入品のほうが20万〜30万円安く買える場合が多いのでおすすめです。
保証書のついたロレックスデイトナ

中古ブランドショップへ売りに行った際、ロレックスは正規品でも並行輸入品でも、時計本体そのものの買取額は変わらないことが多いです。つまり、そこに価値の差異はほぼないということですね。

並行輸入品のメリットは、正規品よりも20万〜30万円ぐらい安く購入できることが多いということでしょう。

並行輸入品のほうが20万〜30万円安くなっていることが多い理由は、正規品に付いてくるロレックスジャパンの10年保証などが並行輸入品には付いていないためでしょう。

それ以外はほぼ同じですので、前述したように買取相場での価値にあまり変わりはないんですね。

≪ロレックスにまつわる疑問≫ デイトナの流通事情

ロレックスの中で一番人気が高いモデルは?
個人的見解ですが、希少価値が高いといわれるデイトナでしょう。

1960年代に誕生して以来、高い人気を維持しているといわれるオイスターパーペチュアル・コスモグラフ・デイトナ。ロレックスのスポーツタイプのフラッグシップモデルといえるかもしれません。

そんなデイトナ人気は、生産数が少なく入手困難であることが理由のひとつといえるかもしれません。正規店でもなかなか入荷せず、数年間、1本も入ってこないというケースもあるようです。

ですから、ロレックスで働いているスタッフでも、新品の実物を見たことがないという人も少なくないようです。

そのため、デイトナは予約もできないことがほとんどで、新品を入手できるかどうかはタイミング次第で、要するに運に頼るしかないのが現状といわれています。

そして、そんな希少価値の高さから、中古ブランドショップで取り扱われているデイトナは新品の価格よりも高くなっていることが多いようです。

正規店では見られないけれど中古ブランドショップならあるのがデイトナであり、それだけ付加価値が付いているといえるかもしれません。

デイトナは中古市場でどのように値上がりしている?
一例ですが、定価120万円ほどの最新モデル・デイトナ116500LNは、中古市場で200万円前後になっていることも。

デイトナを新品で販売されているのを見つけたら、すぐにでも買うべきだと思います。それは、そのまますぐに売りに行けば、購入価格以上で買い取ってもらえる可能性が高いからです。

一例ですが、定価で120万円ほどのデイトナの最新モデル116500LN(2016年〜)は、中古市場で200万円オーバーの価格で売られていることも珍しくありません(2017年10月現在)。

もちろん定価よりも中古ブランドショップで安く買えるモデルもありますが、116520(2000年〜2016年)や16520(1988年〜2000年)も、中古価格が定価よりも20万円ぐらい高くなっていることが多いようです。

例えばデイトナ16520同士でも価値に差が付くことはあるの?
はい。通常は120万円ほどのものが300万円になるケースもあるようです。

通常は120万円ほどで市場に出回っている16520でも、スモールセコンドの位置が逆のものは希少性が高いため、アッパーで価格が300万円ほどになる場合もあるといわれています。

16520は普通、スモールセコンドが9時位置(左側)にあるんですが、“逆セコ”と呼ばれるものはスモールセコンドが3時位置(右側)になっているんですね。

それ以外は全く同じ仕様なんですが、そのスモールセコンドの位置が逆転しているだけで、120万円から一気に300万円まで跳ね上がることがあるんです。

また、116520と16520は“顔”(外部のデザイン)がほぼ一緒でも、16520は内部のムーブメントにゼニス社のエルプリメロをロレックス仕様にしたものが使われているため、120万円ほどから140万円ぐらいにまでアップすることが多いようです。

≪ロレックスにまつわる疑問≫ コピー品の実情

一般人でも本物とコピー品を見分けることはできる?
粗悪なコピー品は見分けられるでしょうが、スーパーコピーを見分けるのは難しいでしょう。
ロレックス真贋ポイント1

まず知っておいてもらいたいのは、コピー品にもランクがあるということ。おおまかに分けると、粗悪なコピー品と精巧に真似られたスーパーコピー品の2段階があります。

スーパーコピーの場合、見た目が酷似している……というより、見た目はほとんど“本物”というケースが多々ありますからね。

一例ですが、E社という有名なスーパーコピーを扱う企業があり、この会社のロレックスをはじめとした高級腕時計のコピー品のクオリティーは、本当に高いんです。

というのも、内部の機械以外、外部パーツは全て純正部品を使っているスーパーコピーも珍しくないからです。それは10万円ぐらいするんですが、要するに外見で使われているパーツだけでいえば“本物”なんですね。

買取を行っている査定士はスーパーコピーを見分けられるの?
真贋チェックポイントがあるので、多くの査定士はきちんと見分けられるでしょう。
ロレックス真贋ポイント2 ロレックス真贋ポイント3

もちろん中古ブランドショップなどの査定士であれば見分けられる可能性が高いでしょう。

内部まで見れば使われているムーブメントが違ったりするのでわかりやすいといわれていますし、中を空けて見なくても、裏蓋やビスの留め方といった真贋チェックポイントはいくつかあるんです。

ビスが叩いて入れたようにペチャンコになっていたり、凹凸の部分の堀の仕上げが雑であったり、いくら純正部品を使っていてもそういった細部の仕上げが粗いので、きちんとチェックすれば見分けることは可能です。

ロレックスを買うなら中古がおすすめな理由、定価よりも高額で中古市場に出回っているロレックス デイトナの流通事情、外見が“本物”のスーパーコピーの実情とお話を聞かせていただきましたが、これでロレックスにまつわる様々な疑問が解消されたのではないでしょうか?

これから購入を検討されている方、現在オーナーで売却を予定している方は、ぜひ参考にしてみてください。

[取材・文/昌谷大介(株式会社A4studio)]