石川県指定無形文化財「牛首紬」の買取相場は?損せず買い取ってもらう方法もご紹介!
「牛首紬(うしくびつむぎ)」は知名度が高い着物で、さらに生産量が少ないため高い希少性も有しています。
そのため、保存状態が良好なものを買取に出せば高い査定額が得られる可能性があります。 牛首紬を買取に出そうか検討しているが、牛首紬の中古着物市場での相場や価値、そして買取に出す方法や注意点がわからなくてお困りの人はいませんか。
当記事では牛首紬の市場での相場や価値についての解説を中心に、その高度な製造過程、文化的な重要性などについても紹介していきたく思います。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
牛首紬は紬の中でも人気が高い
牛首紬は歴史的にも非常に高い価値のある紬織物です。
紬織物の中でも人気の高い日本三大紬の一つとして、結城紬(ゆうきつむぎ)、大島紬(おおしまつむぎ)と共に挙げられます。
日本三大紬に相当するものには塩沢紬や上田紬もあり、いずれも人気が高く上質で高名な紬織物です。
人気と質を兼ね備えた牛首紬は、三大紬の一つとして名を挙げる着物愛好家が多いほど、広く認知されていています。
牛首紬は石川県指定無形文化財などに指定されている
牛首紬は1979年に演劇・音楽・工芸技術などの「物質としては残らない貴重で価値ある存在」を保護・振興する「石川県指定無形文化財」に指定されました。
「無形」文化財なので着物としての牛首紬にではなく、その製作過程のうちの特定の工芸技術に対して与えられたことになります。
牛首紬は石川県指定無形文化財だけではなく、経済産業大臣によって与えられる「伝統的工芸品」にも指定されています。
また2007年には、事業協同組合などが申請できる、多くの人々に知られ世の中に広まっている商品などの名称を商標登録できる「地域団体商標」に「石川県牛首紬生産振興協同組合」が牛首紬を登録しました。
石川県牛首紬生産振興協同組合は、牛首紬の製造技術の向上やより多くの人・多くの地域への振興、需要の拡大などを行う1983年発足の組合です。
こうした受容のされ方が示すように、牛首紬は「単に人気がある着物の一つ」ではありません。
牛首紬は非常に高度な技術によって製作される、古くから重宝され続けてきた着物であり、そして積極的に保護され後世に残されるべき日本の貴重な伝統品なのです。
牛首紬とはどんなものか
ここからは牛首紬という珍しい名称の由来や生産工程、着物としての特徴などについて解説していきます。
名称の由来
牛首紬の産地は石川県の白山(はくさん)市に含まれる白峰地区(旧白峰村)です。明治の初期頃まで、この白峰村の中心地が「牛首」と称されていたので「牛首紬」の名称は生まれました。
この牛首と呼ばれていた地域は、ダムの建設により既に存在していません。現在では石川県白山市と岐阜県大野郡白川村にまたがる日本百名山の一つ「白山」の麓に主な生産地を移して製造が続けられています。
生産工程の特徴
牛首紬がどのように作られているのか、その特徴について知りたい方も多いのではないでしょうか。ここでは牛首紬の織り方の中でも、特に独自の特徴について紹介します。
蚕(かいこ)が成長過程で作る繭(まゆ)から紡いで得られるのが、絹糸です。一般的に「絹織物」と呼ばれる種類の着物は、一匹の蚕の作る繭を一本の長い糸として引き出し、それを紡いで織っていくことで製造されます。
牛首紬は、二匹の蚕が共同で一つの繭を作る「玉繭(たままゆ)」から糸を紡いで、織られていきます。ちなみに玉繭は、繭の生産量の2〜3%程度の確率で得られるようです。
二匹の蚕が作り上げる玉繭は、二本の糸が複雑に絡まりあっているので、そこから織物の原料として使えるよう巧みに糸を引き出すのは非常に高度な技術を要します。
石川県指定無形文化財に認められる要件として「全ての糸が玉繭から直接引き出されたものであること」と定められているほどに、この工程が困難かつ重要です。
二本の糸が絡み合ったものを織ってできあがる着物には節が残ってしまいますが、これは見栄えにおける味のある特徴として、愛好されるポイントでもあります。
さらに、不規則に絡み合った糸によって織られる布地は強度に非常に優れており、板に刺さった釘を引き抜けるほどの強度を持つという比喩で「釘抜紬」の通称を持つほどです。
着物としての特徴
牛首紬と他の紬織物との大きな違いは、二匹の蚕が一つの繭を共同で作る玉繭から糸をひきだして紡いで織られることです。
二本の糸が絡まりあうことで節が発生しますが、それは独特の立体的な風合いとして好まれます。
そしてなにより、複雑な絡まり方をした二本の糸を紡いで織られる布地は非常に優れた強度を誇ります。
そのため貴重な着物として扱われ収集の対象となるまでの間は、気軽に着用できる普段着や野良着・作業着として重宝され、親子二代にわたって着られる程に丈夫だったと言われています。
節が不規則に生じている点など、いわゆる絹の持つ「繊細・滑らか・無垢」のイメージとは異なる独特の風合いを持ちながら、それに併せて絹織物としての上質な品位は保たれています。
遠目には木綿の着物にも見えるが、近くでよく見ると絹織物の品位が認識できるほどです。そのため、江戸時代に奢侈禁止令で絹織物が贅沢品として着用を禁止された際には、紬織物を木綿と称して纏い、江戸の町民たちがお忍びでおしゃれを楽しんだという逸話があります。
牛首紬の買取相場はいくらくらい?
牛首紬の相場価格は保存状態が良好であれば数万円程度で、ものにより十万円を超える可能性があります。
フォーマルな場における正装ではなく街着として扱われる着物としては、相対的に相場が高い傾向にあります。
公式に牛首紬と認められる着物を生産している工房は、「加藤機業場」と「白山工房」の2カ所だけです。
加藤機業場は全て手作業で、伝統的な牛首紬の技術伝承を重視しているようです。
そのため生産量は少なく希少性が高い傾向にあります。
対して白山工房は広い層に訴えるような牛首紬の新しいスタイルを追及する志向があり、作品によっては手作業ではなく機械織によって織られている工程があります。
どちらの工房で作られた織物でも状態と種類などによっては査定で評価されやすくなります。
お持ちの牛首紬の価値が気になる方は査定に出してみてください。
牛首紬を買取に出す際のポイント
保存状態が良好な牛首紬は買取相場が高くなりやすいですが、本来の価値を査定金額に反映してもらうには、いくつかのポイントがあります。
ここでは下記について簡単にご紹介します。
・状態をきれいにする
・証紙は必ず一緒に査定に出す
・着物に詳しい買取業者に売る
状態をきれいにする
牛首紬は絹なので、湿気で傷みやすく汚れがつきやすいという特徴があります。
着る頻度が少なくても、脱いだら袖口や衿(えり)などの汗や皮脂で汚れやすい部分を手入れしないと良い状態を保てません。
絹は湿気や牛首紬についていた汚れを栄養分にしてカビが生えてしまいます。
高値で購入した牛首紬であっても、少しの汚れがあるだけで価値が下がってしまう可能性があります。
そのため、牛首紬を着ないのであれば汚れが広がらないうちに売却することをおすすめします。
証紙は必ず一緒に査定に出す
牛首紬を買取に出す場合に査定金額に大きく影響するのが証紙です。
証紙は着物の品質を保証するもので、産地や工房の情報や伝統工芸品のマーク、無形文化財であることを明記する印等が記載されています。
新品の牛首紬を購入すると必ず付属されます。
人気があり相場価格も高くて希少性が見込まれる牛首紬ですから、本物の牛首紬であるという証明ができるものが残っていたら必ず着物と一緒に査定してもらいましょう。
着物に詳しい買取業者に売る
牛首紬を売るなら着物に詳しい買取業者に依頼することをおすすめします。
着物に詳しい買取業者なら査定実績が豊富なので、お持ちの牛首紬が中古市場でどのくらいの価値が見込まれるかを熟知しています。
査定士は牛首紬の状態、種類、中古市場での需要度、付属品の有無などから総合的に判断をして査定金額を出しています。
一方、総合リサイクルショップや古着屋には着物に熟知しているスタッフが常駐していないため、牛首紬の希少価値を判断できず査定金額が低くなってしまう場合があります。
牛首紬を売るなら着物買取バイセルに依頼
牛首紬の査定は、着物買取実績が豊富なバイセルにご依頼ください。
牛首紬の価値と品質の良さを、着物の査定実績が豊富なバイセルなら判断できます。
付属品がない、シミやカビが生えている牛首紬でも査定金額がつく可能性が高いです。
牛首紬以外の街着も積極的に査定をしています。
着物を売る場所にお困りでしたらバイセルをお選びください。
より詳しい情報を知りたい方はこちら
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