付け下げの買取相場は?売却するときのポイント4つ

2024.02.01

着物買取 コラム
付け下げの買取相場は?売却するときのポイント4つ

付け下げとは訪問着の絵羽模様や地色をシンプルにした着物です。

おしとやかな模様や色が多いので、華美な着物が苦手な人でも気軽に着られます。

以前は付け下げを好んでいたけれど、着付けが面倒だからと自宅にしまったままになっていませんか。

付け下げは種類によっては高く売れる場合があります。

本記事では不要になった付け下げを売却するときのポイントをご紹介します。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

付け下げとは?

付け下げとは?

付け下げは訪問着の絵羽模様を簡略化した着物です。

江戸幕府は服装や贅沢品を制限する奢侈禁止令(しゃしきんしれい)を発令し、贅沢は身を滅ぼすというスローガンを掲げていました。

町人や農民たちは厳しい法律の中で少しでもおしゃれをしようと工夫し、華美な模様の訪問着よりも落ち着いた柄の付け下げが生まれたといわれています。

訪問着と付け下げの違い

訪問着と付け下げは略礼装なので、格式の高い披露宴や食事会、観劇などに着られます。

ただし、同じ着物の格でも模様の付け方など異なる点があります。

訪問着は着物を広げると縫い目をまたがって、背中、脇、衽(おくみ)、衿、袖に絵羽模様が描かれていますが、付け下げは絵羽模様が全体的につながっておらず縫い目で切れています。

また、訪問着は白生地を裁ってから染め、付け下げは反物のまま染めて絵羽模様が縫い目にかからないようにします。

付け下げの買取相場

付け下げが高価なのは知っていても、査定では価値がつくのかを知らない方は多いでしょう。

また、最近では訪問着や小紋に似ている付け下げも多く、頂いた着物がどんな種類なのかわからない方もいると思います。

査定士は着物の種類、保存状態、作家名、産地、素材、大きさ、証紙の有無、中古市場での需要度などから適切な金額を提示します。

売却するなら付け下げの価値を理解してくれる買取業者を選びましょう。

バイセルは全国から数千点以上の着物買取の実績があり、価値を熟知している査定士が多数います。

こちらの記事にはバイセルの買取事例を掲載していますので、お持ちの付け下げがどれくらいの価値があるのかを参考にしてみてください。

付け下げを売却するときのポイント

付け下げを売却するときのポイント

付け下げを売却するときのポイントはいくつかあり、少しの工夫と知識があればお得に売却することもできます。

  • ・帯や和装小物も一緒に売る
  • ・保存状態がきれい
  • ・仕立てていない反物でも売れる
  • ・有名作家や希少価値がある

帯や和装小物も一緒に売る

付け下げを購入したときに商品によっては帯、草履、帯締め、帯揚げ、和装バッグなどの和装小物がついてきます。

和装小物は着物に合わせてつけられた付属品ですから付け下げと一緒に売ると、中古市場でセットで購入したい人に需要が見込まれます。

また、付け下げとは別に帯をお持ちの方も一緒に売ることをおすすめします。

帯は作家名、織元、産地、素材などによって大きく価値が異なり、特に三大産地の西陣織、

博多織、桐生織、有名織元の長嶋成織物や川島織物、有名作家の久保田一竹や木村雨山などは高値が見込まれるでしょう。

小物類をしばらく使っていないと、どこに保管しているのか忘れてしまいますよね。

査定前に購入時についてきた和装小物が全てそろっているかを確認して、付け下げと一緒に置いておきましょう。

保存状態がきれい

査定では新品に近い保存状態だと高値で売れる可能性が上がります。

付け下げの状態の良し悪しが高く売れるかどうかを左右します。

付け下げの素材は正絹が多く湿気や日焼けに弱いので、少しでも手入れをしない期間があるとシミやカビが出てしまいます。

しばらく着ていないのであれば査定に出す前に保存状態を必ず確認しておきましょう。

万が一、汚れを見つけても焦る必要はありません。

白カビの場合は軽く拭くだけで落とせる場合があるので、汚れていたらなでるようにしてゆっくり拭いてください。

仕立てていない反物でも売れる

付け下げの中には、反物(着物に仕立てる前の筒状に巻かれている状態)のまま売られているものもあります。

もちろん、付け下げの反物も買取可能です。

自分の身長に合わせて仕立てたい人には反物の需要があります。

高価格帯の付け下げは正絹でできていますが、麻や綿、ポリエステル素材だと価値が低くなってしまう可能性があります。

有名作家や希少価値がある

付け下げは色留袖や訪問着と同じ格ですが、それよりも買取価格は低くなる可能性があります。

ですが、人間国宝に認定された作家や市場に出回っている数が少ない作家の付け下げは評価が高くなりやすいです。

上野為二

上野為二は、重要無形文化財・染技術「友禅」の保持者に認定された京友禅の作家です。

1925年頃に家業の手描き友禅の修行をし、京友禅に加賀友禅の染色技法を取り入れた「京加賀」が高く評価されて人間国宝の認定を受けました。

上野為二が亡くなった後は長男の上野忠男の息子で、上野為二の孫の上野真が「上野為二」を襲名しています。

二代目は付け下げも製作していますが、買取においては初代の作品の方が高い傾向にあります。

羽田登喜男

羽田登喜男は友禅の人間国宝に認定された着物界を代表する作家です。

日本伝統工芸展最高賞、藍綬褒章、京都府美術工芸功労賞、紺綬褒章・勲四等瑞宝章などの輝かしい受賞歴があります。

羽田家は、羽田登喜男、羽田登、羽田登喜の三代にわたって受け継がれています。

付け下げは、登喜が製作した枯草色の「水面に鴛鴦(おしどり)の図」などがあります。

鴛鴦を糸目友禅と金銀彩で装飾した上品な作品です。

北出与三郎

初代・北出与三郎は皇室御用達の作家です。

神棚にまつる植物の榊(さかき)の色素を活かした「榊染め」という染め技法と、金彩を豊富に用いて「北出カラー」を作り出しました。

北出カラーは榊染めで下地を染めて、その上から何回か引き初めを施して深みのある色を出しています。

華美な柄や色を使わずに複数の淡い色を用いた着物が多く、肩山・袖山・掛け襟が無地なことも特徴です。

川村久太郎

川村久太郎は京の名工として表彰された染色作家で、高級紬に型友禅の技法で染色を施したことでも知られています。

初代・川村久太郎の死後、長男の久宣が二代目の名を襲名し、二代目も2007年に京都市伝統産業技術者功労者を受賞しています。

樽本伊勢蔵

樽本伊勢蔵は京友禅の代表的な作家で、摺り染めの第一人者です。

摺り染めとは京友禅の技法のひとつで、植物を布の上に置いてその上を石で打ち、植物の汁を布に染めます。

友禅板に白生地を地張りして、型紙を使って染料を含ませたハケで模様を摺り込むようにして染める方法です。

百人一首や雅楽(ががく)を題材にした作風が多く、訪問着や付け下げ小紋、絽付け下げなどがあります。

斉藤三才

斉藤三才は、染色作家の父・斉藤才三郎の息子で着物デザイナーです。

父の斉藤才三郎がいた東京の呉服問屋「珍粋」に奉公に行き、修行した後は父が設立した三才染工芸に入社しました。

現代着物作家として、古典的な絵柄をベースに地色を流行色にするなど、斬新さのある着物を多数製作しています。