恵積五郎・美知雄親子の恵大島紬とは?買取相場と高価買取のポイント

2024.04.12

着物買取 コラム
恵積五郎・美知雄親子の恵大島紬とは?買取相場と高価買取のポイント
恵積五郎の大島紬を持っています。いくらになりますか?
恵積五郎の大島紬は中古市場でも需要が高い着物ですが、保存状態や種類などによって買取価格が変わります。詳しくは専門知識を持ったバイセルの査定士が一度拝見いたしますので、まずはバイセルにお問合せ下さい。
着物をよく着る母から恵積五郎の着物を譲り受けました。未使用ではありませんが価値ってありますか?

恵積五郎(めぐみせきごろう)・恵美知雄(めぐみみちお)親子は、鹿児島県奄美大島発祥の伝統工芸品である本場大島紬の作家です。

絣(かすり)の技術で右に出る者のない恵積五郎、独自の染め手法である「白恵泥(はっけいどろ)」を確立した恵美知雄、大島紬の歴史に欠かせない2人の着物には多くのファンがいます。

着物買取市場でも2人が手掛けた恵大島紬の人気は絶大で、非常に高く買取される着物の1つとなっています。

恵積五郎・美知雄親子と恵大島紬織物が作る着物の特徴と、恵大島紬の買取相場、恵大島紬をより高く買取してもらうための条件などについてご紹介します。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

恵積五郎・美知雄親子と恵大島紬織物

恵積五郎・美知雄親子と恵大島紬織物

恵積五郎は、鹿児島県奄美大島発祥の伝統工芸品である本場大島紬の代表的な作家の1人です。

同じく本場大島紬作家の都喜ヱ門(ときえもん)とともに昭和の大島紬を牽引し、とくに絣(かすり)の技術に秀でていたことから「絣の魔術師」と呼ばれました。

織り上げてから彩色するのではなく、あらかじめ染めた色糸(絣糸)を織り込むことによって絵画のように柄を表現する恵積五郎の着物は、現在でも高い評価を受けています。

白土を使い、泥染めでありながら白い地色を作り出す技法である「白恵泥(はっけいどろ)」を確立したことで知られる恵美知雄は、恵積五郎の息子です。

恵積五郎・美知雄親子の活躍によって全国的な人気着物となった恵大島紬織物の紬は「恵大島」と呼ばれ、現在も着物ファンたちの憧れの的となっています。

余談になりますが、恵美知雄の息子はお笑いタレントとして有名なホンジャマカの恵俊彰さんです。

恵大島の歴史

恵家はもとの家名を萩原といい、島津家に仕えた武士でした。

恵積五郎の先祖が藩の代官の補佐官として奄美大島に渡ったようです。

それから奄美大島で暮らした萩原家ですが、恵積五郎の父・太助が恵家(琉球王朝から奄美大島に派遣された最大の役人の家系)に養子に出されたことにより家名が「恵」に変わります。

恵太助の息子として生まれた積五郎は父の再婚にともなって家を出、大島紬の職人となりました。

そして、同じ職場で働く女性と結婚します。

戦後、恵大島紬織物を立ち上げた恵積五郎は、卓越した絣の技術によって本場大島紬を牽引する存在となりました。

昭和44年には積五郎の息子・恵美知雄が恵大島紬織物の2代目社長に就任し、父・積五郎の技術を受け継ぎながら製品の幅を広げていきます。

恵美知雄が確立した「白恵泥」は特許を取得するなど、本場大島紬の中でも独自の存在感を放っています。

昭和63年に恵積五郎が死去し、現在では恵大島紬織物も後継者不足により閉業していますが、恵積五郎・美知雄親子と恵大島紬織物の着物は今でも唯一無二の価値を持つ作品として着物買取市場でも高い人気を集めています。

恵積五郎・美知雄親子が作る大島紬の特徴とは

恵積五郎・美知雄親子が作る大島紬の特徴とは

ここからは恵積五郎・美知雄親子と恵大島紬織物が作る大島紬の特徴についてご紹介します。

一般の大島紬と比べて、「恵大島」の独自性はどのようなところにあるのでしょうか。

大島紬とは

まず、大島紬一般について概観しておきます。

大島紬は奄美大島を発祥の地とする絹織物で、約1300年の歴史を誇る伝統的工芸品です。

どのような織物を「大島紬」と呼ぶのかについては、昭和55年に通商産業省が伝統的工芸品に指定するにあたって次のように定義しています。

  • (1)絹100%である

  • (2)先染手織りである

  • (3)平織り(経糸・緯糸が一本ごとに浮沈する織り方)である

  • (4)締機(しめばた。絣糸を染める際、防染のために括るための道具)で手作業により経・緯絣の加工をしたもの

  • (5)手機(てばた)で経・緯絣をカスリ合わせて織り上げたもの

染色における大島紬の特徴として、地糸が光沢のある渋い黒色に仕上がる泥染め(テーチ木に含まれるタンニン酸と泥の中の鉄分を化学反応させることによって染める手法)があります。

泥染めすることによって、しっとりと柔らかな肌触りながら非常に強い繊維になります。

泥染めで染められたものは特に黒大島と呼ばれ、ほかにも地糸を藍で染める藍大島・地糸を色染めする色大島・地糸を染めない白大島があります。

恵積五郎が得意とする絣の技法

恵積五郎が「絣の魔術師」と呼ばれたように、恵大島の強みは高い絣の技術にあります。

ここで、絣とはどういう技法かについておさらいしておきましょう。

絣とは、あらかじめ斑に染めた糸(絣糸)を使って織物を織り上げることで文様を表現する技法です。

どんなに精緻に設計したとしても織り上げる過程でわずかなズレが起こり、かすれたような模様になることからこのように呼ばれます。

その「かすれ」が絣の織物の特徴であり、他の染色方法にはない味になっています。

織物を織ってから染色する友禅などに比べ、複雑な文様を描くのは難しく、たいへんな手間がかかります。

その絣の技法を使う大島紬において、恵積五郎の作品は絵画と見紛うほどの精密な文様を表現する点が傑出しています。

実際に恵積五郎の着物をご覧になれば、「あらかじめ糸1本1本を斑に染め、それを織り上げることでこの柄を表現する」ことの大変さと、恵積五郎の圧倒的な技術が想像できるでしょう。

恵大島紬織物の「白恵泥」とは

恵大島紬織物が作る「白恵泥」の着物は地色が白く、一見すると白大島のように見えるかもしれません。

しかし「白恵泥」では地糸に、薩摩焼にも使われる白土を泥状の細かな粒子にして揉みこむことで染めているのが特徴です。

普通の白糸(染めていない絹糸)に比べ、白恵泥染めの糸は光沢が抑えられ、落ち着いた深みのある風合いに仕上がります。

また白恵泥染めした糸は摩擦に強く、シワがついたとしても元に戻りやすいという強い織物になります。

普通の白糸は色あせしやすいという弱点がありますが、白恵泥染めの糸は変色しにくく、美しい色を長く保つことができるのです。

白い地色でありながら泥染め同様の堅牢さをもった織物に仕上がる点が、「白恵泥」の特徴です。

恵積五郎の着物の買取相場は?

恵積五郎の着物の買取相場は?

卓越した絣の技法で絶大な人気を誇る恵積五郎の大島紬ですが、着物買取市場における買取相場はどれくらいになるでしょうか。

昨今の着物市場において、恵積五郎の着物の買取相場は5万円前後となっています。

もちろん、証紙があれば本物だと証明できますので買取価格が上がる傾向にあり、なければ下がってしまうかもしれません。

また、カビやシミがついていたり、汚れが目立ったりするなど保存状態が良くないと、買取価格は下がってしまうかもしれません。

こちらに記載した買取価格は参考程度に留めておき、詳しくはバイセルの無料査定で価値をお確かめください。


※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。


そのほか、着物の種類ごとの買取相場や、大島紬を含む有名産地の伝統工芸品の着物の買取相場については、以下の記事をご参照ください。

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絣の魔術師・恵積五郎の代表作をご紹介

絣の魔術師・恵積五郎の代表作をご紹介

絣の魔術師とも称される呼ばれる恵積五郎には、絣の技法で美しく精緻な柄を表現した名作と呼ばれる作品がいくつも存在します。

ここでは、そのごく一部ではありますが、恵積五郎の代表作とも言うべき印象的な作品についてご紹介します。

本場大島紬『童の戯れ』

全体に織り込まれた紅葉と、その周りで遊ぶ子どもたちが印象的な作品です。

拾った枝で遊ぶ子どもの姿や、1枚ずつ丁寧に描かれた紅葉の葉は先染め糸の織りによって表現したとは信じられないほどの精緻さで、「まるで絵のようだ」という賞賛の言葉に違わぬ作品となっています。

全体が黒に近い色味となっており、大島紬が持つ控え目な美しさが堪能できる点も、着物ファンからの評価が高いポイントです。

本場大島紬『桃山百隻』

桃山とは、現在の京都市伏見区周辺を指す地名で、桃山時代と言われる通り、豊臣秀吉の時代にはこの桃山付近が城下町として栄えていました。

そして「桃山百隻(ももやまひゃくそう)」とは、桃山時代に作られた多数の美しい屏風絵の作品群のことです。

恵積五郎の『桃山百隻』は桃山時代の「桃山百隻」をモチーフとし、風景・動物・植物などの屏風絵が、写真を並べるようにして着物全体に散りばめられています。

あまりに精緻な表現で、先染め糸を織り込むことによって表現したとは信じられません。

こちらも黒地のお着物で、細かく織り込まれた絵柄には圧倒される美しさがあります。

高く買取されやすい恵大島紬の条件とは?

高く買取されやすい恵大島紬の条件とは?

恵積五郎・美知雄親子の恵大島紬には価値の非常に高いものも多いですが、その中でも買取市場でより高く買取されやすいのは、どのような条件を満たしたものでしょうか。

「恵大島紬の中でもこういうものであれば高く売れやすい」という条件についてご紹介します。


・証紙が付いている
・マルキ数が多い
・保存状態が良い

証紙が付いている

恵大島紬織物が手掛けた着物には、証紙が付いています。

証紙とはそれが間違いなく産地ものや伝統工芸品であることを証するために、組合が発行する証明書のことです。

恵大島であれば、新品購入時に「本場大島紬織物協同組合」の証紙(日の丸の旗が交差した模様。

左側に製造者を書く欄がある)、そして経済産業省(旧通商産業省)指定の伝統工芸品であることを表す証紙がつけられています。

また、白恵泥の着物であれば特許証がプリントされた白恵泥の証紙が付いています。

この証紙を買取査定時に査定士に提示することで恵大島紬織物の作品であることを証明することができますので、恵大島の価値に見合った買取額がつくことが期待できるでしょう。

証紙は着物と一緒に大切に保管しておくようにしてください。

マルキ数が多い

恵大島を含む大島紬の価値を左右する要素の1つに「マルキ数」があります。

大島紬の「マルキ」とは、柄を表現するための絣糸がどれだけ多く使われているかの単位です。

マルキ数が増えるほど絣糸が多く使われており、それだけ柄を細かく表現できることを意味します。

精緻な柄を表現できることと、手間がより多くかかることから、マルキ数が多いものほど価値が高くなりやすい傾向があります。

買取市場でもこの傾向は同様で、マルキ数が多い大島紬は買取価格も高くなりやすいと言えます。

保存状態が良い

恵大島を含む着物の買取で、買取価格に大きく関わるのが着物の保存状態です。

恵大島のように価値の高い着物で、新品同様の状態で保存されているものは高く買取される可能性が高いでしょう。

ただし、いくら価値のある恵大島とは言え、生地が破れていたりシミやカビがあったりと、保存状態が悪くては買取額も下がってしまうでしょう。

そのため、恵大島を高く買い取ってもらうためには保管方法やお手入れが重要になってきます。

具体的には、湿気の多い場所には保管しない、湿気を吸ってくれるたとう紙に包んで保管する、着物を傷つける原因となるような小物類とは分けて保管する、湿気の多い季節を過ぎた夏と冬の年2回程度虫干しをする、といったような対策が有効です。

なるべく早く買取に出すのも有効

恵大島を含む大島紬の材料である絹は、湿気などによって経年劣化してしまう素材です。

ですから良い状態で買取に出そうと思うなら、買取を思い立ってからなるべく早く買取査定に出すことが重要です。

そうすることで査定額が上がる可能性があります。

しかも恵積五郎はすでに亡くなり、恵大島紬織物も閉業しています。

これから恵大島の新作が出ることはないため、状態の良い恵大島は非常に希少価値のある着物なのです。

お持ちの恵大島を高く買い取ってもらいたいなら、状態が良い今のうちに買取に出してしまうのが得策と言えます。

恵積五郎・美知雄親子の大島紬を売るなら買取実績豊富なバイセルへ

恵積五郎・美知雄親子の大島紬を売るなら買取実績豊富なバイセルへ

恵積五郎・美知雄親子の大島紬はたいへん価値のあるもので、大切にされていたり、思い入れが大きい場合が多いのではないでしょうか。

そんな大切な着物を買取に出すのですから、信頼できる買取業者を選びたいところですよね。

恵大島の価値を正確に見極めるためには、積五郎・美知雄親子のどちらが作ったのか、使われている技法、保存状態などを正確に見極める必要があります。

これには高い専門知識と査定経験が必要で、着物の買取実績が豊富な買取業者でなければ難しいでしょう。

バイセルは着物を中心に日本全国で買取サービスを提供し、たくさんのお客様・リピーター様からご指名をいただいてまいりました。

その結果、2015~2022年の累計で2,700万点以上の買取実績を積み上げることができました。

バイセルの査定士は、高い専門知識と豊富な査定経験を生かして、着物1点1点の価値を正確に鑑定します。