稲垣稔次郎の着物は売れる?買取前に押さえたい相場や高く売るポイントを解説!

2024.01.17

着物買取 コラム

稲垣稔次郎(いながき としじろう)は、京都で活躍していた着物作家でもあり日本画家でもある図案家です。

数々の展覧会で特選に選ばれたり、国立近代美術館に作品が所蔵されているほどの、高い評価を得ています。

そんな稲垣稔次郎の手がけた着物は、業者で買い取ってもらえるのでしょうか。

本記事では、稲垣稔次郎の作品の特徴、売れるかどうか、そして買取前に押さえておきたい相場や高く売るポイントを解説します。

稲垣稔次郎作品の買取を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

「型絵染」の人間国宝・稲垣稔次郎とは

稲垣稔次郎は、1902年に京都市下京区で稲垣竹次郎のもとに生まれました。

日本画家の父・稲垣竹次郎は漆器や金工品の図案家としても活躍し、兄・稲垣仲静もまた日本画家でした。

次男である稲垣稔次郎も自然と芸術の道を歩み、京都市立美術工芸学校の図案科を卒業した後、東京の三越本店の図案部に就職します。

しかし、父と兄の急逝によって再び京都に戻り、松坂屋京都支店に就職しました。

捺染友禅や京都西陣の染色などを追求していた稔次郎は、1931年に退職してついに独立します。

1940年に第15回国画会展にて「西瓜の図」で国画会賞を初受賞したのを皮切りに、日本画画家として次々と賞を受賞していきます。

その後は染色家(着物作家)としても活躍し、特に「型絵染(かたえぞめ)」の技術に磨きをかけ、1962年に人間国宝に認定されました。

晩年最期の1963年には、これまでの功績が称えられ、勲四等瑞宝章を受章しました。

稲垣稔次郎が追求した「型絵染」と作品の特徴

「型絵染」はその名の通り、型を使った染色方法で、室町時代末期より日本に伝わる手法です。

模様を描いた下絵を薄紙に写し、その薄紙を渋紙に貼り、模様をなぞりながら掘ります。

そして生地の上に型紙をのせ、糊を置き、色をさして乾燥・洗い張りして完成です。

この工程を繰り返せば連続した模様になり、全体的にバランスの良い作品に仕上がります。

「型絵染」は、1956年に染色家・芹沢銈介が人間国宝に認定された際にこの名称が付けられました。

稲垣稔次郎は型絵染を独自に習得し、染料の擦れ・滲みなどもそのまま取り入れ、自然な仕上がりにしていました。

主に日常の風景を図案にし、自身の生まれ育った京都の風景を描いた作品も多いです。

稲垣稔次郎の着物は売れる!買取相場は?

稲垣稔次郎は人間国宝に認定されているため、手がけた着物も価値が高いとされることが多いです。

そのため、状態や作品によっては、買取業者で買い取ってもらうことも可能です。

実際にネットオークション等では、稲垣稔次郎の着物や帯が1万円台で落札されています。

また、風呂敷や手ぬぐいなどの小物も千円~数千円程度で取引されています。

中古品であってもこのように値が付くため、お持ちの作品も買い取ってもらえるかもしれません。

お持ちの稲垣稔次郎の着物や帯が綺麗な状態、かつ人気の模様などであれば、数千円~1万円前後の買取相場が見込めるでしょう。

買取額や買取の可否は作品によりますので、まずは買取査定にて着物に詳しい査定士に見てもらうのをおすすめします。

稲垣稔次郎作品を高く売るポイント

稲垣稔次郎の着物は、人間国宝の作品として高い評価を得ています。

作品によっては買取業者で買い取ってもらえるでしょう。

以下の買取ポイントを押さえておけば、より査定額が高くなる傾向があるので、参考にご覧ください。

・本物の作品という証拠がある

・ほかの着物とまとめて売る

・着物に詳しいバイセルに査定を依頼する

それではそれぞれ詳しくご紹介します。

本物の作品という証拠がある

人気作家の着物は、稀に偽物などの粗悪品が販売されていることもあります。

そこで、査定において真贋の見極めが非常に大事なポイントになります。

作家ものの作品には、その作家のサインや落款が記されていることが多いです。

これが確認できることで、本物である証拠になり、査定額アップにつながります。

ただし、稲垣稔次郎作品すべてにこれらが記されているとは限らないため、家にある着物にサインが確認できなくても本物であることもあります。

ちなみに、稲垣稔次郎作品には手ぬぐいや風呂敷などもあり、それらには本体に落款が押されていることが多いです。

さらに、それらの作品を収納するための木箱にも作品名・作家名が筆書きされていたり、落款が押されています。

ほかの着物とまとめて売る

稲垣稔次郎は、日本画ファンの間では人気がありますが、染色家としての知名度はさほど高くありません。

そのため、稲垣稔次郎で高額買取を狙うなら、ほかの作品とまとめて売るのが得策です。

着物買取においては、単体を数回に分けて売るよりも、一度に複数の着物を売るほうが合計額が高くなる傾向にあります。

着物とまとめてであれば、帯や和装小物なども一緒に売れやすいので、買取査定を受ける前にもう使っていない和装品がないか整理しておきましょう。

着物に詳しいバイセルに査定を依頼する

数々の受賞歴をもつ稲垣稔次郎の作品は、さほど多く流通していないため、貴重とされています。

買取業者のなかでもその貴重さを理解できるのは、着物に詳しいバイセルが一番です。

バイセルは、着物買取の実績が非常に豊富で、着物や買取のマナーを熟知した査定士が在籍しています。

そのため、稲垣稔次郎作品の価値をしっかりと見極めて価格に反映してくれるので、買取額で損をすることは少ないでしょう。

「稲垣稔次郎のどの作品かわからない」「本当に稲垣稔次郎の着物かわからない」といったものも、安心してバイセルの無料査定でしっかりと見極めます。

稲垣稔次郎の有名作品

稲垣稔次郎の作品で有名な着物といえば、「紅葉と秋草模様(1952年頃)」や「竹林図(1960年頃)」などがあり、これらは京都国立近代美術館に所蔵されています。

京都国立近代美術館には、ほかにも「野草笹匹田模様(1955年頃)」や「野草笹匹田模様(1955年頃)」なども所蔵されています。

また、「風(1953年頃)」は東京国立工芸館に所蔵されています。

稲垣稔次郎は幼いころから芸術に触れてきただけあって、着物もひとつの芸術作品のようです。

作品によっては色鮮やかで明るいものから、黒地で静けさを感じるものまで、非常に幅広く手がけていました。

しかし、どれも見た人がその場にいるような気にしてくれる臨場感があり、稲垣稔次郎独特の世界観があります。