【芭蕉布買取】芭蕉布の着物は高額買取に期待!買取相場や高額査定のコツを紹介
芭蕉布は沖縄発祥の伝統工芸品として500年以上も続く高級織物として広く知られています。
沖縄を発祥とする織物はいくつもありますが、芭蕉布はその中でも特に価値が高いとされ、着物買取では高値が付きます。
今回は芭蕉布の基本情報から着物買取における価値、そして高く売るためのコツをご紹介します。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
芭蕉布とは?
芭蕉布とは糸芭蕉(別名:琉球糸芭蕉)と呼ばれるバショウ科の常緑多年草を原料とする織物です。
原産地は沖縄や奄美大島・東南アジアなどの年間を通して温暖な気候の場所に生えており、芭蕉布を1枚(一反)作るために必要な糸芭蕉は約200本程度要します。
糸芭蕉の繊維から織られた芭蕉布は薄く丈夫で座布団や小物入れといった工芸品に用いられており、また夏の着物としても広く知られています。
芭蕉布の歴史は500年以上と長く、王族や士族の役人の制服として庶民の普段着として着られていました。
芭蕉布は村の女性たちの副業から徐々に産業化が進みましたが、第二次世界大戦中から衰退し、戦後にはアメリカ軍が沖縄へ進駐の際に多くの糸芭蕉が刈り取られ絶滅に瀕したことに加え、人々の生活様式の変化に伴い伝統が途絶えてしまっていました。
終戦後、復興に向けて立ち上がった数人の運動家が現れ、その運動家から織物を知った平良敏子(たいら・としこ)が復興に尽力し、沖縄県大宜味村(おおぎみそん)の喜如嘉(きじょか)で織られる芭蕉布は1974年に国の重要無形文化財に指定されました。
芭蕉布の代表的な作家・平良敏子が復興に尽力した
一度は途絶えた芭蕉布を復興した人物に平良敏子がいます。
平良敏子は1921年に大宜味村喜如嘉で生まれ、子供のころから芭蕉布を織る親の手伝いをしていました。
戦時中は勤労女子挺身隊として岡山県倉敷にある倉敷紡績北方工場で働いていました。
終戦後、民藝運動に関わっていた同社代表の大原総一郎が、平良に元倉敷民藝館館長の外村吉之介を紹介しました。
織物の基本を学んだ平良は芭蕉布の復興をしようと地元・喜如嘉への帰省を決めます。
平良は村人たちと芭蕉布を織りながら自身の作品制作を進め、日本工芸展などに出展すると沖縄県外からも注目されるようになりました。
1974年に重要無形文化財に「喜如嘉の芭蕉布」が指定され、2000年に平良敏子の功績を評価されて人間国宝に認定されました。
2022年9月に101歳で亡くなるまで後進の育成をしながら、煮綛芭蕉布帯地「黄地緯段花織」、芭蕉布着尺地「赤染コーザーアキファテ柄」、芭蕉布八寸帯「茶色地絽織縞」などの代表的な作品を製作しました。
芭蕉布はなぜ希少価値が高いのか
芭蕉布は糸芭蕉の繊維を織り上げてつくられていますが、繊維を収穫するまでに約3年かかるため丁寧に手入れを行わなければなりません。
繊維をとるための皮は外側の皮を剥いだ中心部のみを着物の素材(芭蕉布の素材)として使用し、収穫した皮は木灰で煮て洗い不純物を取り除く作業を繰り返してようやく芭蕉布を作るための糸を取り出すことができます。
さらに取り出された糸は約1メートル程しかなく、着物の生地用に2万回以上も紡ぐという膨大な時間と手間をかけ、ようやく芭蕉布が織られていきます。
このように芭蕉布は大量生産品とは違い一反を織るだけでも長い時間がかかるため、希少価値が高く人気です。
いくらで売れる?芭蕉布の買取相場
芭蕉布は着物買取において需要が高いため査定金額がつきやすいです。
買取相場は芭蕉布の状態、作家名、証紙や付属品の有無などによって大幅に変わります。
そのため、目安としてお考え下さい。
中古市場における買取相場やオークションでの落札相場は、芭蕉布の和装品(小物入れやバッグなど)は500円〜10,000円前後です。
芭蕉布の帯は3,000円〜350,000円、芭蕉布の着物は5,000円〜350,000円です。
平良敏子の作品は査定で価値が上がりやすい
特に芭蕉布のうち買取相場が高い傾向にあるのは平良敏子の作品です。
後継者不足や完成までに時間がかかるなどが原因で、新品でも中古でも流通量が少なく、逸品として価値が見込まれます。
芭蕉布の状態や種類などによって需要が上下しますが、今後も芭蕉布の希少性の高い状態は続くと考えられるでしょう。
芭蕉布の買取はどこに頼めばいい?おすすめは着物買取のバイセル!
芭蕉布は着物を査定対象としている買取業者であれば売却できます。
芭蕉布はオークションやフリマアプリでも売れますが、芭蕉布の希少性や価値を知らなければ適正な落札希望価格をつけられない可能性が高いです。
中古市場で需要が見込まれる価格をつけられるほどの知識がなければ、せっかく出品しても落札されない場合があります。
芭蕉布を低い価格で出品してしまい、後からもっと高い金額でも売却できたはずなのにと知って後悔するかもしれません。
着物買取業者であれば着物の査定実績が多数あり、適切な査定金額をつけるためのノウハウが蓄積されています。
バイセルは着物買取実績が豊富で、お持ちの平良敏子の着物の価値を見極められます。
買取に出したいならバイセルをお選びください!
芭蕉布を売る前にやっておきたいこと
芭蕉布の中でも平良敏子の作品は希少価値がつく可能性があります。
不要になった芭蕉布を納得して売るには、何をしたらいいかをご紹介します。
・芭蕉布を良い状態で売る
・証紙は必ず保管しておこう
芭蕉布を良い状態で売る
芭蕉布は乾燥に弱く、乾燥が進むと繊維が切れてほつれたり切れたりします。
あと、シワがつきやすいことも弱点です。
査定に出す前に芭蕉布の状態を確認しておきましょう。
着用頻度が少なくても乾燥が原因で生地のほつれやシワが目立つようになり、虫食いやシミがついている可能性があります。
劣化が進行している場合は、なるべく早めに査定に出しましょう。
芭蕉布を売るならきれいな状態が望ましいです。
数回しか着ていない芭蕉布でも着物を広げて汚れをチェックし、査定までに少しでも良い状態をキープすることをおすすめします。
芭蕉布を保管するには、湿度が高めのタンスの上段に保管しましょう。
その際には樟脳(しょうのう)やシリカゲルの入ったタンスや乾燥材を使わないでください。
ウールの衣類のそばに置くと虫食いになりやすいので、布で包むか違う場所に保管しましょう。
紙や箱などの付属品もすべて査定に出す
新品で購入した芭蕉布は、購入時に証紙や箱などの付属品がついてきます。
芭蕉布の証紙には、沖縄県織物検査済之証、伝統工芸品之証、重要無形文化財経済産業大臣指定伝統的工芸品「喜如嘉」の芭蕉布、品質表示の4点があります。
また、桐箱や紹介文などもついてきます。
新品の反物を購入すると証紙は反物についたままで、呉服店で仕立てると着物から切り離された状態で渡されます。
芭蕉布の着用頻度が少ないと証紙を紛失してしまう場合があります。
証紙をなくしてしまうとお持ちの芭蕉布の品質を証明できるものがなくなってしまいます。
ないままでも査定可能ですが、その場合は査定士に芭蕉布を購入した場所や入手ルートがわかるカタログなどを用意しておきましょう。
より詳しい情報を知りたい方はこちら
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