天保小判金の買取価格と高く買取してもらうコツを紹介します!
「天保小判金」と聞くと馴染みがないかもしれませんが、小判あるいは大判という言葉ならば、どなたでも聞いたことがあると思います。
天保小判金は江戸時代を中心に流通していた金貨である「小判」の種類の一つで、天保8年(1837年)から使用が開始されました。
「天保小判金を所有しているけれど、買取に出そうかと悩んでいる」という方や、「自宅の蔵や箪笥、箱に小判が眠っているけど、天保小判金がどんな小判でどれくらいの価値があるのかわからない」という方に向けて、天保小判金の価値や買取価格について説明していきます。
※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
目次
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天保小判金とは
天保小判金は天保8年(1837年)7月に鋳造が始まった小判金で、額面は一両です。
そして安政5年(1858年)までの21年間、天保小判金は製造され続けました。
ちなみに、天保小判金の表面には製造された当時の元号である天保を表す「保」という字が記されてあり、そのことから「保字小判」とも呼ばれています。
天保小判金のデザイン
天保小判金の表面は、全体に横向きの縞が無数に幅狭く刻まれています。
この横向きの縞は茣蓙目(ござもく)と呼ばれています。
茣蓙はイグサなどの草茎を織って作る敷物のことです。
「ゴザを敷く」という言い回しで知っている方も多いと思います。
天保小判金の表面には、茣蓙目が全体を走っている他に、上下の端にそれぞれ扇の形に囲われた桐の模様である桐紋の図柄が配置されています。
上側の桐紋のすぐ下に、天保小判金の額面として「一両」の旧字表記である「壹两」という文字が記されています。
下側の桐紋のすぐ上には「光次」と刻まれています。
ちなみに光次とは、金貨を鋳造・検品する役所(金座)の当主の名前です。
天保小判金の裏面は中央に「光次」の印があり、下の左端には小判の製造者(小判師)と製造所(吹所)を表す「験極印」という検品証が配置されています。
裏面中央の「光次」の印の右上には、元号の天保を表す「保」が記されています。
天保小判金発行の経緯
天保小判金は天保8年(1837年)に鋳造が始まり、同年11月から流通が開始されました。
それまで鋳造と流通がされていた「文政小判」は、幕府の支出増大による財政難への対策として、原材料における金の占める割合(品位)を60%以下にして鋳造されていました。
それ故、新しく品位の高い小判を鋳造するという名目において、天保小判金は発案されました。
ところが、この改正における天保小判金の品位の上昇は非常に僅かなものでした。
尚且つ全体の重さ(量目)は、文政小判の3.5匁(13.13g)と比べて7分の6にあたる3匁(11.22g)に削減されました。
文政小判から天保小判金に替わることで、小判に含有される実質の金の量は減ったわけです。
天保小判金が作られた本当の意図は、金の使用量を抑えて浮いた金を流用してより多くの貨幣を鋳造し、幕府の財源を増やすということにあったのです。
このように、新しい小判を発行するときに世に出回っている前身の小判を回収し、それらを熔解して改めて新しい貨幣に鋳造する方法を「吹き替え」と呼びます。
天保小判金の価値はくらいなのか
天保小判金の買取価格は、数万円〜十数万円程度が相場です。
天保小判金の重量(量目)はおおよそ三匁=11.22gです。
天保小判金の重量11.22gのうち金が占める割合である品位は、56.77%と定められていました。
品位の高い小判は80%を超えますので、天保小判金の品位は高いとは言えません。
天保小判金の発行枚数は800万枚以上です。
江戸時代に製造された他の種類の小判の発行枚数は数万枚程度が大半なので、天保小判金はかなり大量に発行された小判です。
現在の古銭市場での流通量も多く入手も容易なため、天保小判金の小判としての価値は比較的低めです。
※上記は参考価格であり、実際の買取価格を保証するものではありません。
※ご査定時の市場状況、在庫状況により買取価格が変動する場合ございます。
※お買取相場の価格は未開封の未使用品を想定しています。お品物の状態によって価格が大きく変わる場合がございますのでご了承ください。
査定額が高くなる「献上小判」とは?
天保小判金の中でも希少性の高い「献上小判」という種類のものは、買取価格が大きく上がります。
献上小判は、小判の製造や流通を管理する機関である「金座」が幕府に献上する特製品です。
天保小判金の献上小判には、縁起が良いという理由で小判師(製造者)の験極印として「大」と記され、吹所(製造所)の験極印として「吉」と記されています。
2つの験極印を合わせて「大吉」と読めます。
ちなみに、献上小判ではないのに、偶然小判師の験極印が「大」、吹所の験極印が「吉」となっている天保小判金を「偶然大吉」と呼び、当時から貴重な扱いを受けていました。
発行枚数も現存数も少なく希少性があるので、偶然大吉の天保小判金は、他の験極印が記された天保小判金よりも、査定額が高くなります。
正真正銘の献上小判の天保小判金であれば、査定額は数十万円を超えることもあります。
ちなみに、献上小判には専用の木箱や証明書が付属している場合がありますので、そうした付属品は必ず天保小判金そのものと合わせて査定に出しましょう。
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お申し込みフォームへ江戸時代に鋳造された小判
江戸時代、複数の種類の小判が鋳造・流通されました。
代表的な小判の種類は以下の通りです。
- 元禄小判
- 慶長小判
- 享保小判
- 万延小判
- 元文小判
- 文政小判
これらの小判についても特徴を紹介していきます。
これからご紹介する買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
元禄小判
元禄小判は元禄8年(1695年)〜宝永7年(1711年)まで鋳造された小判であり、額面は一両です。
使用されている金の量が少ないので、元禄小判は流通時には貴重な小判として扱われていなかったようです。
そのため、現存する枚数が非常に少なく希少性があり、状態がいいものであれば買取価格が数十万円になることもあります。
慶長小判
慶長小判は、寛永6年(1629年)〜元禄8年(1695年)まで製造された一両の額面を持つ小判です。
慶長小判は金の含有量が非常に高い86.28%となっており、また江戸時代において小判が鋳造され始めた初期に生まれたものであるため、非常に高い価値を認められています。
そのため、慶長小判は状態がいいものであれば、買取価格が数十万円になる可能性もあります。
享保小判
享保小判は正徳4年(1714年)〜元文元年(1736年)の間に製造された小判であり、額面は一両です。
享保小判の金の含有量は86%と高く定められたので価値も高く、状態がいいものであれば、買取価格の相場は数万円になるでしょう。
万延小判
万延小判は万延元年(1860年)〜明治7年(1874年)まで発行された額面が一両の、江戸時代最後の小判です。
万延小判の金の含有量は50%台と低く、発行枚数は比較的大量で50万枚に至ります。
そのため、買取相場は低く数万円から数万円程度となります。
元文小判
元文小判は、元文元年(1736年)〜文政元年(1818年)の82年間にわたり鋳造され続けた小判で、額面は一両です。
元文小判の品位(金の含有量)は60%台で、あまり高くはありません。
相場価格は数万円前後です。
文政小判
文政小判は文政2年(1819年)〜文政11年(1828年)に鋳造された、額面が一両の小判です。
草書で「文」と記されているため「草文小判」とも呼ばれ、文政小判の買取相場は数万円程度です。
大判について
過去の日本では、小判の他に「大判」という金貨も発行されていました。
大判は豊臣家の指示により生まれ、天正16年(1588年)〜文久2年(1862年)まで製造されました。
大判は通貨としての利用以外に、武勲(戦での功績)に対する褒美として与えられるものでもありました。
大判は小判の10倍程度の重量(量目)で、サイズも縦横共に数cm近く大きいです。
量目とサイズの大きい分、金の含有量も多いので、全体的に買取相場が小判よりも高くなっています。
主な大判の種類は以下の通りです。
- 天正大判(天正菱大判・天正長大判・大仏大判)
- 享保大判
- 慶長大判
- 万延大判
- 天保大判
- 元禄大判
以下、それぞれの大判の特徴を説明していきます。
これからご紹介する買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。
天正大判
天正大判は安土桃山時代に初めて鋳造された大判で、江戸時代の初期まで製造され続けました。
天正大判は天正菱大判、天正長大判、大仏大判の3種類が存在しています。
買取価格は、数十万円から条件次第では数千万円を超えることもあります。
天正菱大判
天正菱大判は日本の古銭市場では最も貴重なものの1つで、その現存枚数は6枚とされています。
そのため、本物であればその価値は、数千万円に至ることもあります。
天正長大判
天正元年(1573年)〜天正18年(1590年)に製造された天正長大判は、主に武勲を讃える褒美として与えるために、豊臣家が命じて製造されたものです。
天正菱大判に比べると希少価値は低いですが、天正長大判の製造枚数は数万枚程度と少ないので、買取相場は数百万円を超えるでしょう。
大仏大判
大仏大判は、方広寺という寺院の大仏殿を再建する費用を捻出するために発行されました。
それ故、大仏大判には「大仏」という語が含まれているのです。
そのため、当時から縁起の良い大判として貴重な扱いをされていました。
享保大判
享保10年(1725年)〜天保8年(1837年)の112年もの間、製造され続けた享保大判は8,000枚程度発行されました。
希少価値が高いため、状態が良い場合の買取価格は数十万円になることが多いです。
慶長大判
江戸時代初期の慶長6年(1601年)から鋳造が開始された慶長大判は、徳川家康による天下統一を象徴する金貨とみなされていました。
慶長大判は5種類に分類することが一般的です。
そのうち、慶長大判の品位や量目を保証する手書きの文字である「墨書」が、笹の葉のように見える大判は慶長笹書大判金と呼ばれます。
慶長大判のなかでは、この慶長笹書大判金が最も価値が高く、買取価格は数百万円を超えることが多いです。
万延大判
万延大判は新大判とも呼ばれる、万延元年(1860年)に発行された日本最後の大判です。
それまでの大判は通貨専用として発案されたものではありませんでしたが、万延大判は通貨としての流通と使用のために製造されました。
量目と品位が共に低く、万延大判の買取相場は~200万円です。
天保大判
天保大判は天保9年(1838年)から発行された大判で「吹増大判」「吹継大判」とも呼ばれます。
発行枚数は2,000枚以下で、天保大判の買取価格は数百万円です。
元禄大判
元禄大判は、元禄8年(1695年)から鋳造が開始された大判です。
元禄大判は、前身の慶長大判に比べて金の品位が大幅に下げられましたが、現存数が少ないため希少性があります。
そのため、買取価格は数百万円に及びます。
天保小判金のレプリカと贋作について
天保小判金には「レプリカ品」と「贋作」というものが存在します。
天保小判金は国内外で人気の小判で、コレクターの需要が高いなどの理由から、レプリカ品や贋作が作られやすいのです。
天保小判金のレプリカ品に関しては、「アンティークとして見た目だけでも天保小判金と同じものを飾りたい」という需要に対して作られ、明確にレプリカ品であることを謳っているものがほとんどです。
一方「贋作」に関しては、最初から天保小判金を真似て製造されるもので、本物の天保小判金として売ることを目的としている悪質な存在です。
天保小判金の贋作は、もちろん見た目には本物と比べて何も違いがないように精巧に作られています。
レプリカ品であっても、本体に天保小判金のレプリカ品であることを明記する文言を刻印していないものの場合、真贋の判断は難しいでしょう。
ネットオークションやフリマアプリでは、レプリカや贋作が本物の天保小判金として出品されていることもあります。
レプリカや贋作と本物の天保小判金の違いを、はっきりと見分けることのできる、古銭買取のバイセルに査定をご依頼ください。
天保小判金買取のポイント
本物の天保小判金であれば数万円以上の相場価格になる場合がございますが、金メッキの贋作であれば買取不可になる場合がほとんどです。
このように真贋の違いで査定額が大きく変わるのは当然ですが、同じ本物の天保小判金であっても、査定額が違ってくるポイントが2つあります。
それは「保存状態」と「業者選び」です。
状態を良好に保つ
天保小判金は、古銭市場の中では高い価値での買取が多いです。
ですので、保存状態の悪さが原因で、お手持ちの天保小判金の査定額が本来の価値より低く見積もられてしまうことは、ぜひ避けたいものです。
お手持ちの天保小判金は箱にしまい、清潔で湿気のない冷暗所に保存するなどの工夫をしましょう。
しかし、既に汚れてしまっている天保小判金の場合には、薬剤などを用いた洗浄や強く表面を擦って汚れを落とすことは避けましょう。
天保小判金は、製造から100年以上経過していますので刺激に弱く、洗浄したり擦ったりすることで却って傷つけてしまったり変色を招く危険性があります。
小判の表面に付着した目に見えるホコリや、指で摘まみとれる異物を除去する程度の処置にとどめておきましょう。
バイセルに依頼するのがベスト
ただでさえ査定基準が複雑な小判のなかでも、天保小判金は製造年や種類の判断、そしてレプリカや贋作と本物の見分け方など、査定が特に難しいです。
フリマアプリやオークションサイトは、天保小判金のレプリカや贋作でも容易に出品できますので、信頼性は高いとは言えません。
リサイクルショップは古着や古本からジャンク品(動作確認ができなかった製品)の家電まで、様々なアイテムを売買対象としていますが、古銭の専門知識は持っていません。
天保小判金を買取に出すならば、専門知識を持っており、正確な査定をしてくれる古銭買取のバイセルに依頼するのが最も良い選択です。
まとめ
天保小判金の買取において重要なことは、特に価値の高い「献上小判」「偶然大吉」かどうかということ、レプリカや贋作ではないかということ、そして保存状態の良さです。
こうした天保小判金の価値判断のポイントを、専門知識をもって適正に査定できるのは古銭買取のバイセルです。
査定だけならば無料で行い、家まで出張して査定・買取するので、ぜひ古銭買取のバイセルへの、天保小判金の査定依頼を検討してみてください。
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