改造紙幣の買取相場は?おすすめの買取方法とは?

2024.12.19

古銭買取 コラム

家に眠っている改造紙幣を売りたいけど、どれくらいの価値があるか気になりませんか?

改造紙幣などの古銭は買取ができるお店であれば持ち込むことが可能です。

また、改造紙幣を買い取ってくれるお店それぞれに特徴、メリットとデメリットがあります。

そこで、買取に出す前に改造紙幣の特徴、買取相場、買い取ってもらえるお店、買取に出す際に気を付ける方法をご紹介します。

改造紙幣を手放す前に、この記事を参考にしてみてください。

※本記事の内容は、必ずしも買取価格を保証するものではございません。予めご了承下さい。

明治時代に日本で初めて作られた肖像画付き紙幣

改造紙幣とは1881年から1889年までに発行されていた、日本で初めて肖像画が描かれた紙幣です。

この期間中に発行された紙幣は、10円、5円、1円、50銭、20銭の計5種類の額面が存在します。

改造紙幣のデザインの種類は神功皇后(じんぐうこうごう)の肖像画が描かれた10円、5円、1円、肖像画のない「大蔵卿(おおくらきょう)」という文字のみが描かれた50銭、20銭があります。

また、「改造紙幣」は明治通宝の次に発行された紙幣です。

明治通宝は9種類作られましたが全て図案が同じで額面が違うだけの作りだったため、不正や偽造が横行してしまいました。

明治通宝の印刷は西洋で使われている洋紙だったので、高温多湿の日本では変色がしやすくなるトラブルも起きていました。

日本政府は明治通宝で得た教訓から、偽造防止のために新紙幣に様々な対策が施されました。

参考記事:明治通宝について

改造紙幣のデザインや紙質

10円、5円、1円の改造紙幣は、神功皇后の肖像画が描かれています。

紙幣に肖像画を描くことは、偽造防止対策の1つです。

改造紙幣は日本で初めて肖像画の入った紙幣です。

また、各額面の改造紙幣には、左上にトンボと左下に桜花の白透かしが入っています。

さらに、紙幣の耐久性を上げるためにミツマタという花の樹皮を原料にしています。

ミツマタは繊維が長いので、何遍折りたたんでも破れない強いお札を作れ、現行の紙幣にも使用されていることから耐久性が証明されています。

このように改造紙幣は綿密な偽造防止を施し、デザインが美しいと国民にも好意的に受け入れられたと言われています。

改造紙幣は当時では最高の技術を駆使して作ったことから、偽造が非常に困難な紙幣に変えることができました。

改造紙幣の種類

改造紙幣はデザインによって「神功皇后」「大蔵卿」の2種類に分けられます。

ここでは、描かれている文字やデザインの特徴について紹介します。

神功皇后改造紙幣とは

神功皇后の改造紙幣は10円、5円、1円があり、図案には神功皇后の肖像画が描かれています。

神功皇后の10円と5円には表面に神功皇后の肖像画、裏面には端に出納局長印と「大日本大蔵省拾圓」の印字があります。

神功皇后の1円は表面の図案は他の紙幣と同じですが、裏面は端に出納局長印と「大蔵省」の文字があります。

図案に採用された神功皇后は古事記にも登場する伝説上の人物で、朝鮮半島を統治下に収めたとされています。

神功皇后の図案と原版の製作は、イタリア人画家であるエドアルド・キヨッソーネが行いました。

現行紙幣の図案は近代以降の偉人を採用していますが、明治時代に発行された貨幣には古代の人物や伝説上の人物を採用する事例が多くありました。

なお、エドアルド・キヨッソーネはイタリア人なので、神功皇后の肖像画は西洋人女性の風貌となっています。

大蔵卿改造紙幣とは

大蔵卿改造紙幣の額面は50銭と20銭があります。

この紙幣の図案は表面に大蔵卿印、裏図には額面・出納局長印・偽造罰則文・記番号が記されています。

大蔵卿改造紙幣は簡素なデザインであり、表面は神功皇后の肖像画を省いて大蔵卿印のみにしました。

そのため、改造紙幣の50銭と20銭は「大蔵卿50銭、20銭」とも呼ばれています。

改造紙幣の買取相場

改造紙幣の買取相場は額面によって違うため、思わぬ高額で買取される可能性があるのです。

自宅にある改造紙幣を買取に出したいのであれば、事前に買取相場を確認してみましょう。

改造紙幣の10円、5円、1円は日本で初めて肖像画が使われたことで有名です。

特に、改造紙幣の10円、5円は買取相場が高い傾向があり、保存状態が多少悪くても数万円〜数十万円の価値があります。

なお、改造紙幣の1円は数千円〜数万円が買取相場です。

改造紙幣の50、20銭の買取相場は、美品なら数十万、並品で数千円〜数万円ほどです。

買取相場の高い紙幣の特徴

価値の高い紙幣は古い紙幣だけに限らず、ある条件を満たしていると額面以上の買取相場になるものもあります。

ここでは、買取相場の高い紙幣の特徴をご紹介します。

エラー紙幣

エラー紙幣とは製造の過程で起きた印刷・断裁ミスによるもので、造幣局のチェックを通過してしまったレアな紙幣です。

エラー紙幣はコレクターの間でも欲しい人が多くいるため、高値で取引されることでも知られています。

エラー紙幣はどのような種類があるのかを以下にまとめました。

・印刷ミス

紙幣の絵柄の一部が空白、絵柄が片面だけの状態、絵柄がずれていたり重なっている、インクのにじみ、紙幣の余白の幅が上下で異なってしまったものです。

紙幣の余白が広すぎるものから、数ミリ単位で異なるものもあります。

・耳付き……紙幣を印刷後、切り取るべきところに余分な紙が残っている

・記号違い……紙幣下部のアルファベットと数字が表面と裏面で違う

・裏写り……紙幣の裏に印刷されるはずのデザインが表にプリントされている

造幣局のチェックが漏れてしまうと、少なからずエラー紙幣が流通してしまいます。

エラー紙幣の買取相場は額面の何倍〜何十倍となる可能性があるため、もう不要であれば是非とも買取に出しましょう。

改造紙幣などの売却を行うおすすめの方法

改造紙幣などの古銭は売却する方法がいくつかあります。

利用するにあたってのそれぞれの特徴とメリット、デメリットをお伝えしましょう。

金券ショップを利用する

金券ショップでは古銭を買い取ってもらえる店舗も存在します。

ただし、金券ショップの多くは新幹線、特急券、映画のチケット、テレホンカード、図書券、切手などをメインに買取を行っています。

よって、古銭を買い取ってもらえる金券ショップは少ない傾向があります。

さらに、古銭の買取価値は保存状態や発行年代などによって変わります。

しかし、金券ショップでは価値を見極められる査定士が常駐しておらず、希少価値を加味した買取金額を算出できないこともあり得るのです。

よって、エラー紙幣のように流通枚数が少ない紙幣をご自身で金券ショップに持ち込んだとしても、買い取れない可能性があります。

金券ショップは店舗数が多いので、予定の合間に買取に行けるという手軽さがありますが、デメリットもあると覚えておきましょう。

ネットオークションを利用する

改造紙幣はネットオークションでも売却できます。

ネットオークションを利用すると自宅にいながら出品と落札ができるので、利用している方も多いでしょう。

しかし、オークションに出品するには準備をすることがたくさんあります。

例えば、改造紙幣を出品するならば詳しい商品説明、落札希望価格、複数枚の商品撮影を行い、落札後の送付作業をこなし、落札者からの振り込みを待つといった作業が発生します。

自宅にいながらできるとはいえ、落札者に品物がちゃんと届くか、トラブルなく取引が終えられるか気になって仕方がないでしょう。

改造紙幣をネットで売る場合は以下のような懸念点があります。

・出品者が古銭の価値に沿った落札金額を付けられない

・落札者も出品されている古銭が本当に適正価格かを見極めることが難しい

・出品者に古銭の専門知識がないと詳細な商品説明が書けない

・期日内に落札されない恐れがある

・クレームの対応を落札者一人で対応しないといけない

・落札者から品物が到着してからクレームを付けられる

・個人間の売買にオークション運営会社は一切責任を取ってくれない

・出品者の対応によっては悪い評価を下されてしまう

このような懸念事項があるので、改造紙幣をオークションに出品することはおすすめできません。

古銭を取り扱うバイセルを利用する

改造紙幣は古銭買取のバイセルをご利用ください。

買取業者であれば古銭にどれくらいの価値があるかを判断でき、相応の買取金額をお出しします。

買取業者の査定士は査定時に古銭の発行年数、希少価値があるかどうか、柄や重さ、刻印されているものは何か、保存状態(紫外線や太陽光による焼けシミ、手垢の黒ずみ、折り目で紙幣の素材が劣化していないか)を見ています。

前述した通り、金券ショップで改造紙幣を買い取れない可能性がありますが、古銭を扱う買取業者の査定士は、ありとあらゆる状態の古銭を査定できます。

ですから、希少な改造紙幣だと分かれば高値で買い取ってくれる可能性が高まります。

改造紙幣の状態に適切な買取価格を付けてもらいたいのであれば、古銭買取のバイセルに査定をご依頼ください。

紙幣の買取で気を付けるべきは保存状態を良くしておくこと

紙幣の買取で気を付けることは「紙幣の保存状態を良くすること」です。

改造紙幣は耐久性が強くても紙でできているため、保存状態によっては劣化が激しくなる場合があります。

紙幣は太陽光や蛍光灯による変色、虫食い、色々な人が触って付いた手垢の黒ずみ、湿気によるシワ、折り目が付きやすくデリケートなものです。

ですから、改造紙幣をできるだけきれいに保つには、紙幣専用のケースにやアルバムを活用しましよう。

紙幣専用ケースやアルバムに保管すると以下のようなメリットがあります。

・紙幣が折れや破け、虫食いを防げる

・紫外線や蛍光灯から紙幣を守れる

・何枚持っているかを確認できる

・定期的に紙幣の状態を見られる

・直接を手を触れずにコレクションを眺められる

・専用ケースやアルバムは安価なためコストがかからない

・アルバムは大量の紙幣を保管できるうえにかさばらない

・アルバムならページを差し替えや追加ができる

・査定に出すときにケースやアルバムごと見せられ、きれいに保管していると印象が上がる

紙幣に付いた汚れを無理やり取ろうとすると破けてしまったり、もっと汚れがひどくなってしまう恐れがあります。

すると、買取金額に差が出てしまうので、紙幣の劣化を少しでも抑えるために保存状態を保って査定に出しましょう。

改造紙幣を買い取ってもらう方法まとめ

改造紙幣は1881年から1889年までに発行されていた、様々な偽造防止が施された紙幣です。

例えば、神功皇后の肖像画を入れる、各改造紙幣には左上にトンボと左下に桜花の白透かしを入れる、紙幣の耐久性を上げるためにミツマタを使っているところです。

当時の技術をふんだんに利用した改造紙幣は、偽造が困難な紙幣に様変わりしました。

改造紙幣は10円、5円、1円、50銭、20銭の5種類があります。

買取相場は10円、5円は数万円〜数十万円と高い傾向があり、1円は数千円〜数万円、50銭と20銭は美品なら数十万、並品で数千円〜数万円ほどです。

また、改造紙幣を手放す方法は金券ショップ、オークション、古銭を取り扱う買取業者があり、手放す際には、それぞれの特徴を把握してからにしましょう。

特に、古銭に詳しい買取業者は様々な状態の古銭を査定しているため、価値に沿った買取金額を出してくれます。

もちろん、改造紙幣は保存状態にも買取相場は左右されるので、きれいに越したことはありません。

古紙幣の保存方法は専用のケースやアルバムにしまって、今以上に劣化させないようにしておくことが大切です。

改造紙幣の買取をしたいのであれば、価値に見合った買取金額を算出しているのかなどのメリットとデメリットを考慮すると良いでしょう。