
企業の株主になることで貰える「株主優待券」は、お得な価格で商品やサービスを購入・利用できるため、投資家だけではなく倹約家からも人気を集めています。
ただ株主優待券は特定のお店や施設でしか利用ができないため、使い所に困っている人もいるでしょう。
株主優待券は金券ショップでも人気の商品券として取り扱われるため、売りに出すのも賢い方法です。
今回の記事では、株主優待券の概要に触れながら、高く売るためのコツについて紹介していきます。
株主優待券とは?

テレビなどで話題を集めている株主優待券は、企業の株主になることで付帯されるサービスの一種です。
株主企業の製品やサービスをお得な価格で購入・利用できるのが株主優待券の特徴で、各企業がこぞって魅力的な優待券を発行しています。
例えばファストフード系であれば商品の無料取引券、レジャー系ではテーマパークの1dayパスポート、航空会社では国内航空券50%割引の優待券などが挙げられます。
ちなみに株主優待券は株を買ってくれる投資家へのお礼、という意味合いだけではありません。
今まで株に興味のなかった人にも株主優待券目当てに株を購入してもらい、個人投資家を増やす目的なども含まれています。
株主優待券は株主だけに与えられる特典ですが、金券ショップでは高値で売買される人気の商品券でもあります。
株主優待券の種類によっては有効期限が設けられているので、使うタイミングに困っている券を持っている方は、金券ショップで換金するのもおすすめの方法です。
株主優待券を売るには?

商品券として人気を集める株主優待券をお金に替える方法はいくつかあるため、判断に迷っている人もいることでしょう。
ここからは、代表的な以下の買取方法のメリット・デメリットをご紹介します。
- ・フリマアプリやオークションサイトで売れる?
- ・金券ショップなどの買取店
それぞれ詳しくみていきましょう。
フリマアプリやオークションサイトで売れる?
パソコンやスマートフォンで簡単に所有物を売りに出せる「フリマアプリ」「ネットオークション」は、今や定番の売買方法として挙げれます。
ビジネスとしての転売目的などでない場合は法的な罰則はないため、個人での金券・商品券の出品自体は違法ではありません。
しかし、はじめて株主優待券を売る方法としてはおすすめできません。
各フリマアプリ・ネットオークションが独自に設けているガイドラインに触れてしますと、「販売停止」「アカウント停止」などのペナルティーを課せられる場合があるためです。
株主優待券の種類は多岐に渡るため、明確に「株主優待券は出品は禁止」と明記していないところもあったり、優待券の発行元が制限していたりします。
どうしてもフリマアプリ・ネットオークションで株主優待券を売りたいと考えている人は、優待券の発行元とサービス運営側に確認を取ることからはじめましょう。
また出品のための商品の撮影や値段設定は、意外と骨の折れる作業でもあります。
フリマアプリ・ネットオークションを利用する前は、実際に手にできるお金と出品のリスクと手間を考慮してから、実際に行動に移しましょう。
金券ショップなどの買取店
安全で確実に株主優待券を換金するなら、金券・商品券を専門に取り扱う「金券ショップ」「買取業者」がおすすめです。
株主優待券ごとの価値に合わせた買取価格を提示してくれて、所定の手続きを行えば簡単に換金することができます。
ちなみ金券ショップとは、都市部や駅前に店舗を構えている実店舗型の買取店で、その場で図書券や新幹線の乗車券など様々なチケットを換金してくれる便利なお店です。
買取業者では実店舗での持ち込み買取だけではなく、「出張買取」「宅配買取」など、自分のライフスタイルに合わせた買取方法を選べるのが特徴です。
買取の申し込みも電話やインターネットから簡単に済ませられるため、忙しい人にもおすすめです。
人気のある株主優待券の銘柄

好きな商品やサービスがお得に受けられることで人気の株主優待券ですが、どういった銘柄の人気が高いのでしょうか。
代表的な種類として、チェーンフードサービス、食料品メーカー、航空会社、そしてレジャーエンターテイメント会社が不動の人気株主優待券として挙げれます。
普段の生活に密着した製品・サービスをお得にできる株主優待券に人気が集まる傾向にあります。
特に、普段正規の料金で購入すると高額になりがちな商品や低額の商品であっても、いつもお得に消費したいというマインドが株主優待券の人気に反映させています。
また株主優待券は自分で使用するのはもちろん、他人にも喜ばれるものです。
そして、お得に好きなサービスを受けられる投資の楽しみとしておすすめです。
株主優待券を売る前の注意点

人気のある株主優待券ですが、売りに出す前に押さえておいて欲しい2つの注意点があります。
- ・有効期限をチェック
- ・買取店の条件を確認する
高額買取が期待できる株主優待券であっても、条件次第で価値がなくなってしまう可能性があるため、必ずチェックしておきましょう。
有効期限をチェック
株主優待券によっては有効期限が設けられている種類もあるため、売りに出す前は猶予期間をチェックしておきましょう。
有効期限が過ぎてしまった優待券は金券としての価値がないため、買取業者などでは買い取ってくれません。
有効期限を切っていなくとも、猶予期間によっては買取不可や買取価格が下がる場合があります。
有効期限のある株主優待券を売りに出そうか考えている方は、残りの猶予期間を確認して早め早めに買取業者に申し込みをしましょう。
買取店の条件を確認する
金券ショップ・買取業者によって株主優待券の状態次第で買取不可にする条件は様々なため、売りに出す前には条件の詳細を確認しておきましょう。
例えば、航空機を割安で乗車できるANAやJALなど株主優待券にある、スクラッチ部分が削られている状態の券は買取不可になる場合があります。
スクラッチ部分は「登録用パスワード」「登録用コード」など利用時に必要な情報を隠すためにあり、削られていると使用済みとみなされてしまうためです。
ほかにも鉄道会社が過去に発行していた旧券なども、買取業者の条件によっては買取不可になる可能性があります。
有効期限以外で、持っている株主優待券の状態に不安がある人は、買取条件を確認してから買取の申し込みをしましょう。
株主優待券を高く売るコツ

価値ある株主優待券ですが、なるべく高い値段で売りに出したいことでしょう。
最後に株主優待券を高く売るための以下2つのコツをご紹介します。
- ・綺麗な状態で保管
- ・買取相場が高くなるタイミングで売る
少しの配慮が買取価格に影響するかもしれませんので、ぜひ参考にしてください。
綺麗な状態で保管
金券ショップ・買取業者では再販目的で株主優待券を買い取っています。
そのため、見た目の綺麗な保存状態の良い優待券の方は、少なくともマイナス評価になることはありません。
反対に「折れ曲がっている」「切れている」など、状態の悪い優待券は買取価格に影響する場合もあり、買い取ってもらえない可能性もあります。
財布などに入れているだけでも徐々に状態は悪くなってしまうので、綺麗な状態をキープできる場所に保管しておきましょう。
買取相場が高くなるタイミングで売る
金券ショップや買取業者によっては、株主優待券の在庫状況や需要の変化に合わせて買取価格を変えているところがあります。
少しでも高い値段で株主優待券を売るためには、買取相場が高くなるタイミングを見極めるのも大切になってきます。
株主優待券の買取相場は業界によって大きく異なってきますので、株主企業の業界に合わせたタイミングを把握しましょう。
例えば人気のある株主優待券は、以下のタイミングで買取相場が変動する傾向にあります。
- ・航空会社の株主優待券:割引航空券の販売がない繁忙期の前
- ・JR株主優待券:株主優待の切替りのとき
- ・飲食系の株主優待券:企業ごとの人気の変動
詳細を以下の通り解説していますので、該当の株主優待券を持っている人は参考にしてください。
航空会社の株主優待券
航空会社の株主優待券には、国内線を定価の50%割引で搭乗できるものもあり、人気の優待券として有名です。
航空券が割引になるクーポンはほかにもありますが、ゴールデンウィーク・お盆休み・年末年始などの繁忙期は少なくなります。
そのためクーポン代わりになる航空会社の株主優待券は、繁忙期前に需要が高まり、普段よりも買取相場が上がる傾向にあります。
JR株主優待券
JRの株主優待券は、株主優待制度が切り替わる4月などに、買取相場が変動するケースがあります。
ただ必ずしも買取相場が上がるとはいえず、場合によっては下がる可能性もあります。
もしも4月に買取相場が高騰した場合は早めに売りに出し、仮に下がってしまった場合は少し様子をみるのも作戦です。
飲食系の株主優待券
飲食系の株主優待券は、企業の人気に比例する面白い特徴を持っています。
人気のあるお店であるほど「なるべく安い値段で食事をしたい」思う人も増えるため、該当の株主優待券を買い求める需要も高まる訳です。
猶予期間に余裕のある飲食系の株主優待券を持っている人は、株主企業の人気の動向も売るタイミングの判断材料としてみてはいかがでしょうか。