航空切手の買取相場をご紹介!損をしない売却方法も解説

戦前から発行が開始された「航空切手」は、図案によっては希少性が高いものが存在します。
日本の美しい風景や航空機が描かれており、希少性の高さから、切手収集愛好家から今でも人気です。
今回の記事では、日本で発行された航空切手の種類と買取相場を中心にご紹介します。
切手の最適な売却方法や売る前の注意点についてもまとめていますので、コレクションしていた切手の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
航空切手とは

航空切手は、イタリアで発案された航空郵便のための切手です。
航空機が普及し始めた1917年ごろから試験的に発行され、当時はまだ既存の速達切手を代用していました。
世界で初めて正式な航空切手が発行されたのは、1918年のアメリカです。
その後、航空機の普及とともに、続々と各国でも航空切手の発行がはじまりました。
図案のモチーフに、航空関連のものが採用されているのも航空切手の特徴です。
日本では1929年に発行が開始され、廃止になるまでに7種類が誕生しました。
また国内用と国際用と2種類が存在しており、国際用は額面が高額でした。
ただ日本では、航空切手と普通切手とでは、利用する上で大きな違いはありません。
つまり普通切手でも、航空郵便の支払いとして用いることができたわけです。
便利ではありましたが、特に「航空切手を使うべき」といった存在理由がないため、1953年の大仏航空切手を最後に廃止されました。
航空切手の種類と買取相場

1929年から1953年もの短い期間に、日本では7種類もの航空切手が発行されました。
名称・発行年数・買取相場を一覧でまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
ちなみに、1935年〜1949年の間でぱったり発行が止まっている理由は、第二次世界大戦の影響です。
また例外として、1961年に発行された普通切手「コイル航空」もご紹介します。
なぜ普通切手に「航空」が付いているのか、その理由については後述します。
種類 | 発行年数 | 買取相場 |
芦ノ湖航空 | 1929年〜1934年 | 〜5,000円ほど |
きじ航空 | 1950年 | 〜5,000円ほど |
五重塔航空(銭位) | 1951年 | 〜2,000円ほど |
五重塔航空(円位) | 1952年〜1962年 | 〜3,000円ほど |
立山航空(銭位) | 1952年 | 〜2万円ほど |
立山航空(円位) | 1952年 | 〜1万円ほど |
大仏航空 | 1953年 | 〜1,000円ほど |
コイル航空(※) | 1961年 | 〜3,000円ほど |
上記ではあくまでも「非常に保存状態が良い」といった条件が揃った場合の買取金額ですので、参考としてご確認ください。
中でも希少性のある種類の詳細を以下でご紹介します。
芦ノ湖航空
「芦ノ湖航空」は、1929年に発行された日本で最初の航空切手です。
図案には、箱根山の芦ノ湖と、その上空を飛ぶフォッカー7型3M旅客機が描かれています。
ちなみフォッカー7型3Mとは、オランダにあるフォッカー社が開発した旅客機です。
銭5厘・9銭5厘・16銭5厘・18銭・33銭の5種類が発行され、額面が大きい切手ほど買取価格も上がる傾向にあります。
また複数枚がセットになったシートなら、上記の一覧でご紹介した相場を超える価格も期待できます。
きじ航空
第二次世界大戦後に発行された「きじ航空」は、その名の通り、日本の国鳥である「きじ」が描かれた航空切手です。
航空機が描かれなかった理由は、GHQが発令した航空禁止令のためと考えられています。
航空禁止令とは、航空機の研究・設計・製造を全面禁止にするものです。
16円・34円・59円・103円・144円の5種類があり、中でも発行枚数が少なかった59円は高額買取が期待できる1枚です。
立山航空
「立山航空」は、最も希少価値が高い日本の航空切手です。
その理由は、発行された期間が短く、流通した枚数が極端に少ないためです。
特に「00」が記載されている「銭位」は、わずか5ヶ月程度しか発行されなかったこともあり、とりわけ希少価値が高いです。
もちろん、「00」が書かれていない「円位」の立山航空も発行枚数が少ないため、高額買取が期待できます。
額面は55円・75円・80円・85円・125円・160円の5種類が発行され、中でも55円の銭位が希少です。
北アルプスの立山を背景に、優雅に飛ぶ航空機が描かれた切手を持っている方は、まずは買取業者に査定を依頼してみましょう。
そのほかの航空切手
航空切手は発行されていた期間が短かったため、総じて価値が高い傾向にあります。
また同じ図案の切手でも、額面によって発行枚数には違いがあり、枚数の少ない額面の切手は特に希少です。
例えば1951年に発行された「五重塔航空(銭位)」では、20円・25円・30円の3種類の額面が高額です。
ちなみに例外として、航空切手が廃止された後の1961年に、自動販売機用に発行された普通切手である「コイル航空」も、しばしば他の航空切手とともに紹介されます。
臨時的に「五重塔航空」の図案を転用されたために、名前に「航空」が付きました。
また「コイル」とは、コイルの様に巻いた状態をさします。海外の航空切手も高価買取が期待できる

世界中で発行されている航空切手の中には、破格な価格で売買される種類もあります。
有名な海外の航空切手といえば、アメリカで最初に発行された「カーチス・ジェニー機」が描かれた切手です。
特に、エラー印刷によって絵柄の航空機が上下逆さまになってしまった通称「逆さまジョニー」は、2007年には約8,400万円、2014年には約2,580万円と、それぞれ競売で落札されるほどの希少価値があります。
またアメリカの統治下にあった1950年代の沖縄では、「天女航空」という航空切手が発行されていました。
当時の沖縄では、本土や海外へ郵便を送るために航空切手が必要だったため、本土が1953年に航空切手を廃止した後も、沖縄では独自の航空切手を発行していたわけです。
羽衣をまとった天女が空を飛んでいる様子や、笛を吹く様子が描かれている図案が特徴です。
沖縄でのみ流通していたこともあって、希少性のある航空切手といえるでしょう。
航空切手の最適な売却方法

はじめて航空切手をはじめとした、切手の売買を検討をしている方にとって悩ましいのが、売却方法です。
最近ではインターネットから簡単に出品する方法もあるため、どれが自分にとって最適な方法か迷ってしまうことでしょう。
そこでここからは、以下3つの切手の売却方法の概要・メリット・デメリットを解説していきます。
・フリマアプリ・オークションサイト
・金券ショップ
・切手専門の買取業者
自身のライフスタイルによっても、最適な売却方法は変わってきます。
詳細内容を参考に、自分にあった方法を決めてください。
フリマアプリ・オークションサイト
スマートフォン一台で所有物の売買ができる「フリマアプリ」「オークションサイト」は、切手を高額で売るチャンスがある売却方法です。
航空切手は切手収集愛好家から人気が高く、レアな切手なら高額でも買い手が現れる可能性があるためです。
ただ個人間で直接売買を行うため、出品準備・購入検討者との交渉・発送準備など、はじめて利用する方にとっては大変な作業が続きます。
また仮に売れたとしても、「表面にシミがある」「端が破れている」などのクレームが入り、返品対応に応じる必要があるかもしれません。
切手はデリケートなうえに、保存状態の良し悪しが価値に直結するため、特に写真や説明文には気を配る必要があります。
高額での売却チャンスがある一方で、それなりのリスクがありますので、はじめて切手の売却を機にフリマアプリ・オークションサイトを利用するのは避けた方が無難です。
金券ショップ
繁華街や駅前に店を構える「金券ショップ」でも、切手を買い取ってくれます。
都合のよい立地にお店があることが多いので、仕事や買い物次いでに利用できるのが金券ショップのメリットです。
しかし金券ショップでは実用目的で切手を買い取っているため、現在では利用できない航空切手の買取方法としては不向きです。
航空切手は実用品としてではなく、コレクションとして価値があるため、金券ショップでは売らないようにしましょう。
切手専門の買取業者
航空切手を適切な価格で、かつ確実に買い取ってもらうなら「切手専門の買取業者」が最適な方法です。
ご紹介した通り、航空切手は種類や額面の違いによっても価値が大きく変わってきます。
その違いを正確に見分けるためには、幅広い切手に関する知識と、確かな査定技術が必要不可欠です。
切手専門の買取業者は、コレクションとしての価値がある切手も取り扱っているため、航空切手の種類・市場価値の動向にも精通しています。
また再販ルートにも強みがある業者も多数存在しているため、シミや色あせしてしまった切手であっても種類によっては、査定額を付けてくれるでしょう。
提示してくれる査定額の根拠・理由も明確に答えてくれるので、納得感を持って買取を済ませたいと考えている方にも、切手専門の買取業者はおすすめの買取方法です。
航空切手の売却前に知っておきたいポイント

切手の中でも希少価値の高い航空切手を売るなら、少しでも買取価格を上げたいところです。
ここからは切手の価値を下げずに、お得な価格で手放すために、予め知っておきたいポイントとして以下3点をご紹介します。
・シート状の切手はバラさない
・種類ごとに分類分けしておく
・複数の買取業者に査定をする
工夫次第で、同じ切手でも最終的に手にできる金額は変わってきますので、ぜひ参考にしてください。
シート状の切手はバラさない
切手は新品に違い状態に近いほど、価値が高まります。
切手表面にシミや色あせ、汚れがない方が査定額が上がるのはもちろんのこと、バラよりもシート状のままの方が査定時は評価されます。
航空切手に関しても、複数枚がセットになっているシート状で販売されていました。
切手の枚数に応じた価値に加えて、シート状であることも加味された買取価格になりますので、わざわざバラさずにそのままの状態で売りに出しましょう。
種類ごとに分類しておく
大量の切手をコレクションしていた方の中には、種類を分けずに煩雑な状態で保存している方もいるのではないでしょうか。
種々雑多な状態で査定に出してしまうと、査定に時間がかかってしまい、また査定員が価値のある切手を見過ごしてしまうリスクもあります。
また同じ図案の切手が複数枚セットになっている方が評価される場合もありますので、時間に余裕がある方は、できる限り種類ごとに切手を整理してから査定に出しましょう。
また切手に触れる際、綿製の手袋を着用するのがベストです。
直接手で触れてしまうと、表面に指紋が付いてしまい、劣化した際に価値が落ちてしまうからです。
複数の買取業者に査定をする
少しでも高額買取を狙うなら、複数の買取業者に査定依頼をかけ、出揃った買取価格を比較してみてはいかがでしょうか。
たとえ「切手専門」をうたっている買取業者であったとしても、その実績・実力は玉石混合で、同じ切手でも業者によって買取価格には違いが生じるからです。
気になる買取業者を何件が選び出して、順次、所有している切手を実際に査定してもらいましょう。
ただ業者によっては「査定料」が発生しますので、依頼する前には「無料査定」であるかも忘れずに確認しましょう。