
遺品整理を進めていると様々な迷いや、不安が生じることかと思います。遺品整理でやらないといけないことは「遺産の相続」「親の遺品の整理」など、更に細かく分けるとなるとキリがありません。
遺品整理は、人生の中で何度も経験することではないので、コツを掴むのも難しい話です。
故人が、生前にある程度の物を片付けていたり、もともと遺品が少ない場合は整理するのも楽ですが、そうでない場合も多いです。突然他界してしまった場合は、生活感もそのままに、処分をしないといけない物が多いことでしょう。
どこから手を付けていいのか分からずに、遺品整理で失敗をしてしまう可能性もあります。
本コラムでは、遺品整理で失敗をしないためのコツについてご紹介します。遺品整理ではクリアしないといけない問題が沢山ありますが、問題点を明確にして、それぞれの問題に対して適切な対処をすれば失敗することもありません。ぜひ遺品整理の参考にしてみてください。
大変な遺品整理の悩みと解決方法

遺品整理は、どんな家族にも必ずやってくることです。家族によっては、遺品整理が大きな悩みになってしまうことでしょう。
では、どうして遺品整理が悩みごとになってしまうのでしょうか。
ここでは、遺品整理にまつわる悩みを、以下の3つに分けてご説明します。 また、併せてその悩みの解決方法も、ご提案します。
・故人の遺品をどう整理すればいいのか分からない ・遺品整理する物が多くて困っている ・遺品整理で失敗しないか不安
故人の遺品をどう整理すればいいのか分からない
遺品整理では単純な物の処分や整理だけではなくて、遺産相続などについて遺族で何度も話し合う必要があります。特に相続はトラブルの原因になるので、遺品整理で大きな悩みになっていることかと思います。
親の遺品を整理する時は、やるべきことを項目ごとに分けて、計画を立ててから行うようにしましょう。
また計画を立てる時は、自分ひとりで全てを決めないようにしましょう。遺品整理はひとりで行うには負担が大きいうえに、遺産相続はひとりでは判断できないからです。
家族間で話し合いをして「誰が」「何を」「いつまでに」やるのかを決めていきましょう。遺品整理でやることを小さく切り分けて、分担することで不安も小さくなるはずです。
遺品整理する物が多くて困っている
遺品整理を始めようとしている人の中には、遺品の量が多くて途方に暮れている人もいるのではないでしょうか。
突然亡くなった故人の家の整理は、故人が所有していた物の量によっても、処分の大変さは変わってきます。例えば「勿体ない」という理由で物を溜め込んでいた故人なら、人数分以上の湯呑や布団などが、家から出てくることはよくある話です。
また、故人が賃貸に住んでいた場合は、賃貸契約の期日も考えないといけません。思っていたよりも荷物が多く、賃貸の退去期日に間に合いそうにない場合は、遺品整理の代行業者に依頼することも一つの方法です。
遺品整理で失敗しないか不安
遺品整理で失敗する原因は様々です。例えば「遺産相続で家族がもめてしまう」「悪徳業者の被害に遭ってしまう」などが挙げられます。
遺言書が残っていない場合、遺産相続はもめごとになりやすい問題です。遺産相続で家族がもめないように、慎重に行うように心がけましょう。遺品には、アンティークや貴金属などが含まれますが、価値のある物だからと言って勝手に現金化してはいけません。
故人の部屋から見つかった現金などの遺産も相続対象に含まれるので、もしも遺品整理中に価値のある物を発見した際は、家族に報告しましょう。
また、遺品整理の代行業者による、悪質な被害に遭わないように注意しましょう。特に、初めての遺品整理で代行業者を依頼する人は要注意です。悪質業者は、遺品整理の相場を把握していない依頼者から、多額の請求額を要求することがあるからです。
遺品整理の代行業者を依頼する際は、インターネットで、あらかじめ遺品整理にかかる費用相場を調べておきましょう。
遺品整理ではお金が絡む問題が起きやすいので、遺品整理を進めていくうえで「相続」「資産」「請求」などの言葉が出る時は、より慎重に行動・判断することを心がけましょう。
遺品整理のコツ4カ条

遺品は故人が生前使っていた物・縁のあるものなので、簡単に捨てることは難しいでしょう。 かといって、整理しないまま放置してしまっては、いつまで経っても遺品整理が終わりません。
ここでは、遺品整理を円滑に行うためのコツを、4つご紹介します。
・気持ちを切り替える
・中途半端な仕分けはしない
・残す・譲る・捨てる
・業者(第三者)に依頼する
遺品整理を行うにあたり、悩みや不安を少なくして、スッキリとした気分で終わらせるためのコツとなっています。これからの遺品整理に役立てていただければと思います。
【コツその1】気持ちを切り替える
簡単そうで難しいのが、気持ちを切り替えることです。遺品整理をするためには、まずは自分の気持ちを整理して、切り替えることが大切です。
部屋や家に入る前まではやる気があったのに、遺品を見た途端に悲しい気持ちになって作業する気が薄れてしまうことはよくあります。そんな時は無理に整理せず、気持ちを切り替えることから始めましょう。
例えば、親族が集まる1周忌や3回忌などの法事のタイミングに、身内で思い出話をしながら整理をしてみてはいかがでしょうか。人と話しながら作業を進めることで、寂しさもまぎれることでしょう。
もうひとつの整理の方法として、写真や故人が大切にしていた数点だけを引き受けて、残りの品は「ただの物」と捉えるように、思い切って割り切ってみてはいかがでしょうか。「遺品を整理することが故人への供養」と考えを変えることができれば、遺品整理も進むことでしょう。
【コツその2】中途半端な仕分けはしない
仕分けの際に重要となるのが「本当に残しておきたい物だけ残しておく」ことです。中途半端な判断で仕分けないようにしましょう。
思い出に残しておきたい「かもしれない」、故人が大切にしていたもの「かもしれない」という中途半端な基準で仕分けしたものは、その後不要になる可能性も高いです。結局は部屋のスペースを圧迫するだけになってしまいそうな物だったら、思い切って処分してしまいましょう。
本当に大切にしていた遺品は、一緒に生活していた人なら分かるかと思います。本当に大切な物を最低限に残して、他は処分・買取に回すという方も少なくありません。遺品整理して、スッキリしたいのであれば、中途半端な仕分けはしないようにしましょう。
【コツその3】残す・譲る・捨てる
3つ目のコツとして、遺品を「残す」「譲る」「捨てる」の3つの方法を軸に分別することです。 各方法の詳細についてご説明します。
故人が大切にしていた物や思い入れのある写真は残す
遺品は現金や通帳、証券などのお金にまつわる物以外にも、故人と思い出が詰まった物は残すようにしましょう。 例えば、写真などは残しておいても邪魔になることはほとんどありませんし、時々故人を思い出すこともできるでしょう。
まだ使えて自分は使わない物は知人に譲ったり、業者に売る
遺品整理をしていると、まだまだ使えそうな物が大量に出てくることがあります。 価値はあるけれど、自分は使わそうな物は、知人に譲ったり買取業者に買い取ってもらいましょう。
例えば、指輪やネックレスといった貴金属のアクセサリーは、自分の趣味に合わないものだったら処分に困ることかと思います。人によっては、喜んで受け取り、大切に使ってくれるかもしれません。
他にも家電製品や美術品、骨董品などは、なかなか受け取ってくれる人が現れないかもしれません。もらってくれる人が現れなかった場合は、買取業者に買い取ってもらいましょう。
捨てるしか選択肢が無い物は潔く捨てる
遺品整理では、大量の物の分別をする必要があります。 「いつか使うかも」「もったいない」といった曖昧な理由で処分をためらっていては、いつまで経っても遺品整理は終わりません。
保存しておく明確な理由がないもの、捨てるしか選択肢が無い物は、潔く捨てるのが遺品整理において大切な考え方です。
遺品の中には、生前の故人が大切にしていた品を、なかなか捨てられないと悩んでしまう物もあるかもしれません。遺品整理の代行業者の中には「供養」を請け負ってくれる業者も存在します(業者の詳細については後述します)。
供養の対象になりやすい遺品としては、故人の愛用品や毎日使っていた布団・洋服などがあげられます。また、人形には「魂が宿りやすい」とも言われています。もしも、故人の部屋に人形がある場合は、不用意に処分せず、供養してあげましょう。
【コツその4】業者(第三者)に依頼する
「仕分けしないといけない物が多い」「遺品整理をする時間がない」といった悩みがある人は、遺品整理の代行業者にすべて任せるのも、スムーズに遺品整理するコツです。
持っていて辛い気持ちになるような遺品は、残しておいてもしょうがないです。「遺品を捨てられない」という場合も、自分が見ていない間に誰かに処分してもらえば、気が楽になることかと思います。
故人が生前愛用していた物などの処分できない遺品についても、業者によっては、供養を請け負ってくれるところもあります。
また、遺品整理の代行業者の中には、不用品を買い取ってくれる業者も存在します。家電や大型家具は、処分するだけでも「リサイクル料」や「廃棄物の処理費用」がかかってしまいます。片付けに困っていた価値あるものの処分にも、業者を利用することは効果的です。
まとめ

遺品整理は、人生の中で何度も行うことではないので、コツを掴むことは難しいことかと思います。
遺品整理ならではの問題は、普段の生活では体験をしないことなので、対処することも大変です。「故人の遺品の処分方法」「相続関係」など、一度にいろんなことを行う必要があり、精神的にも負担がかかってしまうかもしれません。
「物の整理方法がわからない」「相続で家族ともめてしまった」といったことにならないためにも、今回ご紹介をした内容をしっかりと押さえましょう。